「日銀決定会合を前に、ドル円神経質な動きに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 日銀決定会合を前にドルの買い戻しが入り、ドル円は東京から欧州では129円台に乗せる場面も。NYではドル売りが優勢となり128円前後まで下落。
- ユーロドルは水準をやや切り上げたが、1.08台後半がやや壁になりつつあることから、1.09台には届かず。
- 株式市場ではダウが、ゴールドマンやトラベラーズの決算発表を受け大きく下落。一方ナスダックは小幅ながら7日続伸。
- 債券は下落。長期金利は3.54%台に上昇。
- 金は反落。原油は続伸し、これで8日連騰。昨年12月1日以来引け値で80ドル台に乗せる。
1月NY連銀製造業景況指数 → −32.9
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| ドル/円 | 127.99 〜 128.77 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0775 〜 1.0870 |
| ユーロ/円 | 138.20 〜 139.61 |
| NYダウ | −391.76 → 33,910.85ドル |
| GOLD | −11.80 → 1,909.90ドル |
| WTI | +0.32 → 80.18ドル |
| 米10年国債 | +0.044 → 3.548% |
本日の注目イベント
- 日 11月鉱工業生産
- 日 日銀金融政策決定会合。 終了後に結果と展望リポート公表
- 日 黒田日銀総裁記者会見
- 欧 ユーロ圏12月消費者物価指数(改定値)
- 英 英1月消費者物価指数
- 米 12月小売売上高
- 米 12月生産者物価指数
- 米 12月鉱工業生産
- 米 12月設備稼働率
- 米 1月NAHB住宅市場指数
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 ローガン・ダラス連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、会合で挨拶
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 イエレン財務長官、中国の劉鶴副首相と会談(チューリヒ)
- 米 企業決算 → アルコア
本日のコメント
昨日の東京時間やその後の欧州時間で、ドル円は129円台前半まで上昇する場面もありましたが、130円を試す展開ではありませんでした。本日の日銀金融政策決定会合で、何らかの修正があるとの見方が先行していたことでドル円は16日の東京市場で127円22銭まで売られましたが、発表前にポジション調整が入ったようです。
本日の決定会合では政策変更はないとの見方が市場のコンセンサスですが、債券市場では金利上昇圧力が続いています。昨日も長期金利は上限の「0.5%」を超え、「0.505%」を付ける局面がありました。たかが「0.005%」の話ですが、日銀が許容範囲の上限を「0.5%程度」と決めていることが市場をナーバスにさせ、投機的な動きと日銀の攻防が続いています。もっとも、投機的な動きとは一概に言えず、本来市場にあるべき機能に沿った動きとも言えます。上限超えは、これで3営業日連続となり「たかが0.005%」ですが、「されど0.005%」といった状況です。債券トレーダーの中には、「イールドカーブ・コントロール(YCC)の修正がある」との立場に立っている人も多いとのことです。個人的には先月長期金利の上限を「0.5%」に拡大したこともあり、日銀の信頼性という観点からも再度の上限引き上げはないと予想していますが、修正の内容はこれだけではないと考えられるため、正直不透明感が強いと言えます。「トレーダーはドル円がいずれかの方向に2%以上変動する可能性にかけている」とブルームバーグは報じていますが、これはボラティリティーの変化から推測しているようです。ドル円が大きく動けばボラティリティーが急上昇し、利益が得られるポジションが膨らんでいるようです。決定会合の発表は、会合終了後となっており、発表時間はFOMCのように事前に決まっているわけではありません。因みに前回12月の会合では12時前に発表があり、ドル円はこの日だけで6円を超える下落を記録したことは、記憶に新しいところです。どのような変化があるかは分かりませんが、ポジション管理は怠らないよう、準備をお願いしたいと思います。
1月のNY連銀製造業景況感指数は「−32.9」と、市場予想の「−8.6」から大きく下振れしていました。2020年5月以来の低水準となり、項目別でも、仕入れ価格、販売価格、新規受注、出荷、さらには雇用者数など、ほぼ全てでマイナス幅を拡大しています。FRBによる景気抑制効果が出て来たと見られますが、本来このような結果には、株高、債券高、そしてドル安で反応するケースが多く見られてきましたが、昨日の動きは異なりました。株と債券が売られ、金利が上昇したにもかかわらずドルが売られています。株価はゴールドマンや保険大手トラベラーズの決算発表を受け、両社の株価が大きく売られたことによるものです。ドル円の下落はやはり、本日の日銀会合を巡る思惑が金利高を凌駕したものと考えられます。
ウクライナのゼレンスキー大統領はスイスで行われている「ダボス会議」でスピーチを行い、ウクライナ人の解放を訴え、既存の問題が本格的な世界危機とならないよう、ロシアの攻撃を封じ込めるための取り組みで団結するよう会議参加者に強く求めていました。一方、ウクライナを支援する武器供与では同盟国との足並みの違いを指摘されているドイツのショルツ首相はブルームバーグとのインタビューで、「使える手段を全て用いて必要な限りウクライナを支援する」と述べ、「この戦争がロシアとNATOの直接衝突にエスカレートすることは常に回避する」と語っています。
本日のドル円は予想も立てにくく、126円〜130円と、かなりワイドです。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/12 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレ鈍化に向けて取り組む中で、より慎重にかじを切るのが理にかなう」、「鈍化しつつあるものの、依然として高すぎる」 | -------- |
| 1/12 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「今年はあと数回の利上げを実施する見通しだが、私の考えでは一度に75ベーシスポイント引き上げる局面は確実に過ぎ去った」と発言し、「私の見解では、この先は25bpの利上げが適切になる」 | -------- |
| 1/11 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「25(ベーシスポイント)ないし、50が妥当だろう。私自身は現時点で25に傾いているが、あくまでもデータ次第だ」とし、「われわれは利上げを停止する水準に近づいており、ゆっくりと調整することで、毎回の判断を下す前に入手する情報を精査する時間が増える。より小幅な変更を行うことで、われわれの柔軟性は高まる」 | 株価上昇に一役。 |
| 1/10 | ダイモン・JPモルガンCEO | 「現在の想定を上回る水準までFRBは金利を引き上げる必要があるかもしれない」ただ、5%程度という現在の予想については、「私は、十分ではないのでないかと考える方だ。3カ月か6カ月待ってみることに害はないと思う」 | -------- |
| 1/10 | ボウマン・FRB理事 | 「過去数カ月に一部インフレ指標で減速が見られたが、われわれにはやるべき仕事がまだ多く残っている。従って、FOMCは12月会合後に表明した通り、金融引き締めに向けて利上げを続ける見通しだ」 | -------- |
| 1/10 | パウエル・FRB議長 | 「高インフレの状況で物価の安定を取り戻す上で、短期的に『支持されない措置』が必要となることもあり得る」 | -------- |
| 1/9 | デーリー・サンフランシスコ連銀 | 「政策金利は最終的に5%を幾分上回る水準まで引き上げられる」と述べ、「ただ、利上げ終着点の具体的な水準は不明で、今後発表されるインフレ統計次第だ」 | 株と債券が買われ、ドル円は下落。 |
| 1/9 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「われわれは決意を固く持ち続ける必要がある」、「経済から過剰な需要を取り去るため政策金利を5−5.25%に引き上げることが正当化される」、(5%超の政策金利を維持する期間につては)「長期だ。政策転換は考えていない。利上げを停止してその水準を維持し、政策が結果を表すのを見守るべきだ」 | 株と債券が買われ、ドル円は下落。 |
| 1/5 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「政策金利は十分に景気抑制的と見なされ得る領域にはまだ入っていないが、それに近づきつつある」 | 株安、債券安、ドル高がやや修正される。 |
| 1/5 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | (FF金利予測に言及し)、「私は自分の予想を5%超に引き上げた」、「インフレが当局の2%に向って説得力ある形で鈍化し始めているという兆候が得られるまで、その水準に当面とどまると私はみている」、(24年になっても金利を5超で維持することが適切になるのが予測かどうか問われると)、「私にとってはそうだ」 | 雇用関係の経済指標の改善もあり、ドル円を134円台まで押し上げる。 |
| 1/5 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 発言内容:「物価圧力が緩和しつつある兆しなど、最近の報告を歓迎するが、やるべき仕事はまだ山積している。世界中の中央銀行当局者がこれに関して私と同意見であることは間違いないだろう」、「インフレを2%に戻すため、政策手段の活用を引き続き決意している」 | 雇用関係の経済指標の改善もあり、ドル円を134円台まで押し上げる。 |
| 1/4 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「インフレがピークを付けたとわれわれが確信するまで、少なくとも今後数会合は利上げを続けるのが適切になる」、「私としては5.4%での利上げ停止を想定しているが、最終地点がどの水準になるにせよ、政策金利がインフレ率を妥当な期間で2%へと戻すのには十分な高さにあるのかどうか直ちには分からない」、「インフレをより長期間高止まりさせるような、進展の遅さを示唆する何らかの兆候が見られれば、政策金利をよりずっと高い水準に引き上げる可能性が正当化されると私は考えている」 | FOMC議事録とともに、ドル円を132円台後半まで押し上げる。 |
| 1/4 | FOMC議事 | 「正当な根拠のない金融状況の緩和は、特に委員会の対応に関する世間一般の誤解に基づくものである場合、物価安定を回復する委員会の取り組みを複雑化させる」 | ドル円131円台から132円台後半まで上昇。 |
| 1/3 | ゲオルギエワ・IMF専務理事 | (世界経済にとって)「厳しい年になり、昨年を上回る厳しさになる」、(その理由として)「米国、欧州連合(EU)、中国の三大経済がそろって同時に減速するからだ」 | -------- |
| 12/27 | デギンドス・ECB副総裁 | 「ユーロ圏は非常に厳しい経済状況に直面している」、「個人も企業も賢明な姿勢になり長期的視点に焦点を絞ることが非常に重要だ」、「短く浅いリセッションに見舞われた後、4−6月期(第2四半期)には再びプラス成長になる」 | -------- |
| 12/20 | 黒田・日銀総裁 | 「利上げではない」、(このタイミングで長期金利の変動幅を拡大した理由質問され)、「YCCがよりよく機能するように市場機能の改善を図った」、「さらなる拡大は必要ないし、考えていない。YCCや量的・質的緩和を見直すことは当面考えられない」 | 長期金利の変動幅を0.5%に拡大したことで、ドル円は東京時間で137円台前半から133円台前半に急落。NYでは130円58銭までドル安が進む。欧米など債券の大きく売られ金利が上昇。 |
| 12/16 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレに対してはまだすべきことがあるので、利上げを続けなければならない」と発言し、「インフレを鎮静化させるには時間がかかる」 | -------- |
| 12/16 | デーリー・SF連銀総裁 | 「道のりはまだ長い。当局の物価安定目標への到達はかなり先だ」 | -------- |
| 12/16 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「労働市場で需要が供給を上回っているという明確な兆候がある」と指摘し、「2%にどうやって持っていくかが真の問題だ」、「必要なことをやるしかない。政策金利は必要ならば、FOMCメンバーが最新の経済予測で示した水準より高くなる可能性もある」 | 株価が大きく売られる。 |
| 12/15 | ラガルド・ECB総裁 | (今回の利上げ幅が前回より小幅だったことを)「ECBが政策転換だと考えるのは誤りだ」、「0.5ポイントのベースが一定期間続くことを見込むべきだ」、「まだ先へ進まなければならない。これは長期戦だ」 | ユーロドル1.06台半ばから100ポイント程上昇。 |
| 12/14 | パウエル・FRB議長 | 「なお幾分か道のりは残っている」と発言し、「インフレ率が持続的な形で2%へと低下していると委員会が確信するまで、利下げが検討されることはないとみている」、「物価安定を回復させるには、景気抑制的な政策スタンスをしばらく維持する必要がありそうだ」、「まだ十分に景気抑制的なスタンスではないというのが、われわれが今日下した判断だ」、「任務を完了するまで現在の軌道を維持する」 | タカ派的な内容と受け止められ、株と債券が大きく売られ、金利が上昇したことでドル円は135円近辺から136円手前まで急上昇。 |
| 12/14 | FOMC声明文 | 「委員会はインフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む。誘導目標レンジの今後の引き上げペースを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 | -------- |
| 12/2 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレ抑制の道のりは長い。金融当局は市場が現在判断し、当局者が今発言しているよりも一段の利上げが必要になると思う」、「6%がわれわれが書くことができるシナリオだ。5%は最善の予測ではない」 | -------- |
| 12/2 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「FF金利の引き上げペースは減速する可能性が高いが、ピークの金利水準は恐らく若干高めになりそうだと」、「インフレ率は極めて高い。当局目標の2%に下げるため、われわれは金融環境を適度に景気抑制的水準にする途上にある」 | -------- |
| 12/1 | ボウマン・FRB理事 | 「フェデラルファンド(FF)金利は十分に景気抑制的な水準に近づいており、目標レンジをどこまで引き上げる必要があるかを見極める上で、利上げペースを減速させることが適切となろう」 | ドル円がさらに下落する一要因に。ドル円136円台半ば→135円台前半に。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



