「NYダウ3日続落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は終始128円台で推移し、128円80銭まで買われる場面も。労働市場の底堅さを示す指標や、FRB高官からのややタカ派的な発言がドルを支える。
- ユーロドルは水準を切り下げたものの、底堅く推移。ラガルドECB総裁の発言に1.0840まで上昇。
- 株式市場は3日続落。ブレイナードFRB副議長のタカ派寄りの発言もあり、ダウは252ドル安。ここ3日間で1250ドルに迫る下落幅を記録。
- 債券は反落。長期金利は小幅に上昇し、3.39%台に。
- 金と原油は揃って上昇。
新規失業保険申請件数 → 19.0万件
12月住宅着工件数 → 138.2万件
12月建設許可件数 → 133.0万件
1月フィラデルフィア連銀景況指数 → −8.9
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| ドル/円 | 128.23 〜 128.80 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0783 〜 1.0840 |
| ユーロ/円 | 138.51 〜 139.17 |
| NYダウ | −252.40 → 33,044.56ドル |
| GOLD | +16.90 → 1,923.90ドル |
| WTI | +0.85 → 80.33ドル |
| 米10年国債 | +0.022 → 3.391% |
本日の注目イベント
- 日 12月消費者物価指数
- 独 独12月生産者物価指数
- 欧 ラガルド・ECB総裁講演
- 英 英12月小売売上高
- 米 12月中古住宅販売件数
- 米 ウォラーFRB理事講演
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 加 カナダ11月小売売上高
本日のコメント
1日で4円も上昇し、その日のうちに4円下落するなど、連日の荒っぽい相場に疲れたのか、昨日の為替市場はここ数日では極めて静かな1日でした。ドル円は127円台後半まで売られる場面もありましたが、勢いはなく、NYでは128円台前半から後半での推移でした。経済指標の発表と、FRB高官による発言はありましたが、流れを大きく変えるような動きにはなっていません。ただ、NY株式市場では株に対するネガティブな見方が続き、ダウは3日続落。FRBによる利上げが長期化するとの見方や、米景気そのものに対する懸念も株価の重荷になっているようです。
FRBのブレイナード副議長は19日、シカゴ大学で講演を行い、「インフレは最近緩やかになったものの、依然として高い水準にあり、これが持続的なペースで2%に下がることを確実にするためには、十分に抑制的な金融政策をしばらく続ける必要があるだろう」と述べ、今後も景気抑制的な政策が続く可能性に言及しました。ブレイナード氏は今月末から開催されるFOMCでの利上げ幅については触れていません。一方ボストン連銀のコリンズ総裁は、「政策金利が景気を抑制する領域に入り、最新の指標に基づくとピークに近づいている可能性が示唆された現在、当初の急速な引き締めペースをより緩やかな速度にシフトしたのは適切だと考える」(ブルームバーグ)とし、次回FOMCでは0.25ポイントの利上げを支持する考えである可能性を示唆しています。両者の認識は、これまで多くのFOMCメンバーが発言した内容と足並みが揃っていると受け止めています。
米財務省は19日、連邦債務が上限に達したことから、デフォルトを回避するための特別措置の活用を開始したと発表しました。イエレン財務長官はすでに先週の時点で特別措置を講じる意向を議会に示していたこともあり、混乱はありませんが、今後議会で上限引き上げが議論されることになり、ウクライナに対する継続的な支援についても、財源の観点から議論されるかもしれません。財務省は、連邦債務支払い継続のため、政府が運用する退職者向け基金2つの財源を活用する見込みです。
ウクライナ支援に向けて追加の武器供与を表明する国が相次いでいます。バイデン政権は、25億ドル(約3200億円)規模の軍事支援で、米軍の装甲車「ストライカー」を約100台供与する計画で、英国も地上・空中発射型ミサイル「ブリムストーン」を追加で600発、デンマークもフランス製の戦車などを供与するようです。そんな中最新の戦車を保有するドイツの判断が注目されていますが、ショルツ首相はNATOとロシアの全面的な戦いを避けたい意向から同戦車の供与にはやや消極的です。ドイツ製の戦車を保有するポーランドは、ドイツの承認が必要としながらも、「ドイツの承認が得られなくても行う可能性がある」と、モラウィエツキ同国首相は語っています。一方ロシアは戦争の長期化をにらんだ中、プーチン氏はロシア軍の規模を150万人まで拡大する計画を明らかにしており、間もなく侵攻開始から1年が経過しますが、停戦どころか、戦況がさらに悪化しそうな状況になっています。
ドル円は依然としてドルの上値が重い展開が続くと予想します。次回FOMCでは上述のように、0.25ポイントの利上げで決まりの様相です。ただ、今後の米インフレ率がどのようなペースで、どこまで減速するのかが鍵であることに変わりはありません。FOMCのほぼ全てのメンバーは、インフレ率の減速には慎重な見方を崩していません。もしその見方が正しいとなると、データ次第では「ドル先安観測の修正」もないとは言えません。方向性は維持しながらも、フレキシブルに。
本日のドル円は127円〜129円50銭程度を予想します。
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ニュージーランドのアーダン首相が辞任する意向を表明しました。若くて、革新的女性であるアーダン氏は、世界からその言動が注目されていました。2018年の国連総会で、長女を抱いて会場に現れた姿は鮮烈でした。辞任の理由についてアーダン氏、「私は首相職に全力投球してきたが、疲労困憊(ひろうこんぱい)の状態だ。活力に満ちあふれておらず、必然的に付随する予期せぬ課題に備えた若干の余力も残していないのであれば、職責を果たすことはできないし、すべきではない。この夏に自分自身と向き合い、私にはその余力がもはやないと分かった。極めて単純なことだ」と語っていました。本音は、自身が所属する労働党が支持を失い、野党・国民党に支持率で負けているから、といった声もありますが、記録的な低支持率にもかかわらず、首相のイスをしがみついて離さないどこかの国の首相とは大違いです。アーダン氏は1980年生まれの42歳です。
良い週末を・・・・・。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 1/19 | コリンズ・シカゴ連銀総裁 | 「政策金利が景気を抑制する領域に入り、最新の指標に基づくとピークに近づいている可能性が示唆された現在、当初の急速な引き締めペースをより緩やかな速度にシフトしたのは適切だと考える」 | 株価の下落につながる |
| 1/19 | ブレイナード・FRB副議長 | インフレは最近緩やかになったものの、依然として高い水準にあり、これが持続的なペースで2%に下がることを確実にするためには、十分に抑制的な金融政策をしばらく続ける必要があるだろう」 | 株価の下落につながる |
| 1/18 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「今年は数回の利上げがあると私はみているが、75ベーシスポイント利上げの時期が過ぎたことは確かだろうと思う。私の見解では、今後は25bpの利上げ幅が適切になるだろう」 | -------- |
| 1/18 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「ペース減速はまさに最善の決定を確実に行うための方法だ」とし、「われわれは利上げペースが減速したとしても金融状況を景気抑制的に保つため全体的な政策戦略を調整することができ、必要なら調整すべきだ」 | -------- |
| 1/18 | ブラード総裁・セントルイス連銀総裁 | 「あと少しで景気抑制的と呼び得る領域に入る状況だが、まだそこには達してはいない」、(インフレ率が2%目標へと確実に低下することを考えており)、「その点では、ためらいたくはない」 | -------- |
| 1/18 | 黒田・日銀総裁 | 「長期金利の変動幅をさらに拡大する必要があるとは考えていない」 | 決定会合で「現状維持」を決めたことと相まって、ドル円は127円台半ばから131円58銭まで急騰。 |
| 1/12 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレ鈍化に向けて取り組む中で、より慎重にかじを切るのが理にかなう」、「鈍化しつつあるものの、依然として高すぎる」 | -------- |
| 1/12 | ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「今年はあと数回の利上げを実施する見通しだが、私の考えでは一度に75ベーシスポイント引き上げる局面は確実に過ぎ去った」と発言し、「私の見解では、この先は25bpの利上げが適切になる」 | -------- |
| 1/11 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「25(ベーシスポイント)ないし、50が妥当だろう。私自身は現時点で25に傾いているが、あくまでもデータ次第だ」とし、「われわれは利上げを停止する水準に近づいており、ゆっくりと調整することで、毎回の判断を下す前に入手する情報を精査する時間が増える。より小幅な変更を行うことで、われわれの柔軟性は高まる」 | 株価上昇に一役。 |
| 1/10 | ダイモン・JPモルガンCEO | 「現在の想定を上回る水準までFRBは金利を引き上げる必要があるかもしれない」ただ、5%程度という現在の予想については、「私は、十分ではないのでないかと考える方だ。3カ月か6カ月待ってみることに害はないと思う」 | -------- |
| 1/10 | ボウマン・FRB理事 | 「過去数カ月に一部インフレ指標で減速が見られたが、われわれにはやるべき仕事がまだ多く残っている。従って、FOMCは12月会合後に表明した通り、金融引き締めに向けて利上げを続ける見通しだ」 | -------- |
| 1/10 | パウエル・FRB議長 | 「高インフレの状況で物価の安定を取り戻す上で、短期的に『支持されない措置』が必要となることもあり得る」 | -------- |
| 1/9 | デーリー・サンフランシスコ連銀 | 「政策金利は最終的に5%を幾分上回る水準まで引き上げられる」と述べ、「ただ、利上げ終着点の具体的な水準は不明で、今後発表されるインフレ統計次第だ」 | 株と債券が買われ、ドル円は下落。 |
| 1/9 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「われわれは決意を固く持ち続ける必要がある」、「経済から過剰な需要を取り去るため政策金利を5−5.25%に引き上げることが正当化される」、(5%超の政策金利を維持する期間につては)「長期だ。政策転換は考えていない。利上げを停止してその水準を維持し、政策が結果を表すのを見守るべきだ」 | 株と債券が買われ、ドル円は下落。 |
| 1/5 | ブラード・セントルイス連銀総裁 | 「政策金利は十分に景気抑制的と見なされ得る領域にはまだ入っていないが、それに近づきつつある」 | 株安、債券安、ドル高がやや修正される。 |
| 1/5 | ジョージ・カンザスシティー連銀総裁 | (FF金利予測に言及し)、「私は自分の予想を5%超に引き上げた」、「インフレが当局の2%に向って説得力ある形で鈍化し始めているという兆候が得られるまで、その水準に当面とどまると私はみている」、(24年になっても金利を5超で維持することが適切になるのが予測かどうか問われると)、「私にとってはそうだ」 | 雇用関係の経済指標の改善もあり、ドル円を134円台まで押し上げる。 |
| 1/5 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 発言内容:「物価圧力が緩和しつつある兆しなど、最近の報告を歓迎するが、やるべき仕事はまだ山積している。世界中の中央銀行当局者がこれに関して私と同意見であることは間違いないだろう」、「インフレを2%に戻すため、政策手段の活用を引き続き決意している」 | 雇用関係の経済指標の改善もあり、ドル円を134円台まで押し上げる。 |
| 1/4 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「インフレがピークを付けたとわれわれが確信するまで、少なくとも今後数会合は利上げを続けるのが適切になる」、「私としては5.4%での利上げ停止を想定しているが、最終地点がどの水準になるにせよ、政策金利がインフレ率を妥当な期間で2%へと戻すのには十分な高さにあるのかどうか直ちには分からない」、「インフレをより長期間高止まりさせるような、進展の遅さを示唆する何らかの兆候が見られれば、政策金利をよりずっと高い水準に引き上げる可能性が正当化されると私は考えている」 | FOMC議事録とともに、ドル円を132円台後半まで押し上げる。 |
| 1/4 | FOMC議事 | 「正当な根拠のない金融状況の緩和は、特に委員会の対応に関する世間一般の誤解に基づくものである場合、物価安定を回復する委員会の取り組みを複雑化させる」 | ドル円131円台から132円台後半まで上昇。 |
| 1/3 | ゲオルギエワ・IMF専務理事 | (世界経済にとって)「厳しい年になり、昨年を上回る厳しさになる」、(その理由として)「米国、欧州連合(EU)、中国の三大経済がそろって同時に減速するからだ」 | -------- |
| 12/27 | デギンドス・ECB副総裁 | 「ユーロ圏は非常に厳しい経済状況に直面している」、「個人も企業も賢明な姿勢になり長期的視点に焦点を絞ることが非常に重要だ」、「短く浅いリセッションに見舞われた後、4−6月期(第2四半期)には再びプラス成長になる」 | -------- |
| 12/20 | 黒田・日銀総裁 | 「利上げではない」、(このタイミングで長期金利の変動幅を拡大した理由質問され)、「YCCがよりよく機能するように市場機能の改善を図った」、「さらなる拡大は必要ないし、考えていない。YCCや量的・質的緩和を見直すことは当面考えられない」 | 長期金利の変動幅を0.5%に拡大したことで、ドル円は東京時間で137円台前半から133円台前半に急落。NYでは130円58銭までドル安が進む。欧米など債券の大きく売られ金利が上昇。 |
| 12/16 | メスター・クリーブランド連銀総裁 | 「インフレに対してはまだすべきことがあるので、利上げを続けなければならない」と発言し、「インフレを鎮静化させるには時間がかかる」 | -------- |
| 12/16 | デーリー・SF連銀総裁 | 「道のりはまだ長い。当局の物価安定目標への到達はかなり先だ」 | -------- |
| 12/16 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「労働市場で需要が供給を上回っているという明確な兆候がある」と指摘し、「2%にどうやって持っていくかが真の問題だ」、「必要なことをやるしかない。政策金利は必要ならば、FOMCメンバーが最新の経済予測で示した水準より高くなる可能性もある」 | 株価が大きく売られる。 |
| 12/15 | ラガルド・ECB総裁 | (今回の利上げ幅が前回より小幅だったことを)「ECBが政策転換だと考えるのは誤りだ」、「0.5ポイントのベースが一定期間続くことを見込むべきだ」、「まだ先へ進まなければならない。これは長期戦だ」 | ユーロドル1.06台半ばから100ポイント程上昇。 |
| 12/14 | パウエル・FRB議長 | 「なお幾分か道のりは残っている」と発言し、「インフレ率が持続的な形で2%へと低下していると委員会が確信するまで、利下げが検討されることはないとみている」、「物価安定を回復させるには、景気抑制的な政策スタンスをしばらく維持する必要がありそうだ」、「まだ十分に景気抑制的なスタンスではないというのが、われわれが今日下した判断だ」、「任務を完了するまで現在の軌道を維持する」 | タカ派的な内容と受け止められ、株と債券が大きく売られ、金利が上昇したことでドル円は135円近辺から136円手前まで急上昇。 |
| 12/14 | FOMC声明文 | 「委員会はインフレ率を時間とともに2%に戻すべく十分に抑制的な金融政策スタンスを実現するためには、継続的な誘導目標レンジ引き上げが適切になると見込む。誘導目標レンジの今後の引き上げペースを決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 | -------- |
| 12/2 | サマーズ・元財務長官 | 「インフレ抑制の道のりは長い。金融当局は市場が現在判断し、当局者が今発言しているよりも一段の利上げが必要になると思う」、「6%がわれわれが書くことができるシナリオだ。5%は最善の予測ではない」 | -------- |
| 12/2 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | 「FF金利の引き上げペースは減速する可能性が高いが、ピークの金利水準は恐らく若干高めになりそうだと」、「インフレ率は極めて高い。当局目標の2%に下げるため、われわれは金融環境を適度に景気抑制的水準にする途上にある」 | -------- |
| 12/1 | ボウマン・FRB理事 | 「フェデラルファンド(FF)金利は十分に景気抑制的な水準に近づいており、目標レンジをどこまで引き上げる必要があるかを見極める上で、利上げペースを減速させることが適切となろう」 | ドル円がさらに下落する一要因に。ドル円136円台半ば→135円台前半に。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



