今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円149円台に乗せる」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は東京時間の午後3時過ぎに149円台に乗せ、149円18銭まで上昇。ただNYでは長期金利がやや低下する場面もあり、高値は149円10銭止まり。
  • ユーロドルは続落。1.0562まで売られ、前日の安値を下回る。
  • 株式市場は3指数が揃って大幅反落。消費者マインドなどの悪化を嫌気し、ダウは388ドル安。
  • 債券は引けにかけて買われたが、長期金利はほぼ横ばい。
  • 金は続落し原油は反発。
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7月ケース・シラ−住宅価格指数 → 0.138%
7月FHFA住宅価格指数 → 0.8%
8月新築住宅販売件数 → 67.5万件
9月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 103
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ドル/円 148.80 〜 149.10
ユーロ/ドル 1.0562 〜 1.0609
ユーロ/円 157.31 〜 157.88
NYダウ −388.00 → 33,618.88ドル
GOLD −16.80 → 1,919.80ドル
WTI +0.71 → 90.39ドル
米10年国債 +0.002 → 4.536%

本日の注目イベント

  • 豪 豪8月消費者物価指数
  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(7月27日、28日分)
  • 日 7月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日 7月景気一致指数(CI)(改定値)
  • 独 独10月GFK消費者信頼調査
  • 米 8月耐久財受注
  • 米 共和党大統領候補者の第2回討論会(カリフォルニア州)

本日のコメント

ドル円は、昨日の東京株式市場が引けた直後の午後3時過ぎにスルスルと上昇し、149円02銭近くまで買われ、149円台を示現しました。一旦は148円台に押し戻されましたが、その後再び上昇に転じ149円18銭辺りまで買われています。この日、鈴木財務大臣はいつもながらの「定型コメント」を述べ、「高い緊張感を持って見ている。過度の変動に対して、あらゆる選択肢を排除せず適切に対応していく」と語っていました。ドル円はそのコメントをあざ笑うかのように円売りが「緩やかに、しかし確実に」進んでいます。ただ、NYではドルの上値は限られ、149円10銭止まりでしたが、149円台に入ったことで市場介入の有無を確かめながらドルを買っている印象です。結局昨日も149円台乗せまでドル高が進みましたが一気に高値を追うこともなく、これまでと同じように極めて緩やかな上昇でした。まるで、「このスピードなら介入できまい」と、金融当局の裏をかいているような動きです。このような動きが続き150円台まで上昇するような展開であれば、実際、なかなか介入に踏み切れないのではないでしょうか。

ボウマンFRB理事はFRB主催のオンラインイベントで講演し、「インフレ率が賃金の伸びを上回る中で、賃借人のコスト負担増がFRBによる物価上昇圧力を抑制する行動も重要性を明確にしている」と述べ、「この取り組みは、賃貸住宅の供給増加など賃貸料に影響する他の要因に対処する施策を補完し得る」と指摘しています。また、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も同連銀のウェブサイトで、「年内に恐らくあと1回、政策金利を0.25ポイント引き上げた後で、FOMCは政策金利をその水準で十分に長く、妥当な時間をかけてインフレ率を目標まで低下させる」と具体的に説明し、「われわれがインフレ対策で達成してきた実際の進展と労働市場の動向を理由に、私は現在、60%の確率でこの結果になると予想している」と、米経済のソフトランディングについて述べています。(ブルームバーグ)

バイデン大統領は26日、全米自動車労組(UAW)がストライキを実施しているデトロイト郊外にあるGMの工場を訪問し、組合員らの大幅賃金上げ要求を支持することを表明しました。バイデン氏は黒いUAWの帽子をかぶり、手にはメガホンを持ち、「皆さん頑張れ、あなた達は著しい昇給や他の福利厚生を受けるに値するのだから」と述べ、「あなた方は、もらっているサラリーよりも働いている」などと労働者を励ましました。もちろんこれは、2024年大統領選を意識しての行動ですが、急速にガソリン車からEVにシフトしている米自動車業界では今後従事している労働者が削減される可能性が高く、バイデン氏は一方ではEVシフトを推進しながらも、今回は自身の大統領選を優先した格好になっています。27日にはトランプ氏もミシガン州を訪れることになっています。余談ですが、先日ある会合で米国の選挙に詳しい早稲田大学公共政策研究所招聘研究員の渡瀬裕哉氏と話しをする機会があり、その時渡瀬氏はこっそり、「2024年大統領選ではほぼトランプ氏が勝つ」と耳元でささやいていた声が印象的でした。渡瀬氏は、ここ10年程の米選挙では議会選挙も含め、ほぼ全ての予想を的中させているだけに「ギクッ」とする瞬間でした。

ジリジリとドルが買われ、今朝も149円台前半で推移しています。もはや「口先介入」は何の効果もありません。昨日も述べましたが、150円に乗せる前に介入に踏み切るのか、あるいは150円台でも動かず、投資家が安心し切ったところで一気に行動に出るのか、いよいよ佳境に入った感があります。

本日のドル円は148円〜149円80銭程度を予想しますが、当局が行動を起した場合には、本予想は全く意味を持ちません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/26 ボウマン・FRB理事 「インフレ率が賃金の伸びを上回る中で、賃借人のコスト負担増がFRBによる物価上昇圧力を抑制する行動も重要性を明確にしている」、「この取り組みは、賃貸住宅の供給増加など賃貸料に影響する他の要因に対処する施策を補完し得る」 --------
9/26 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「年内に恐らくあと1回、政策金利を0.25ポイント引き上げた後で、FOMCは政策金利をその水準で十分に長く、妥当な時間をかけてインフレ率を目標まで低下させる」、「われわれがインフレ対策で達成してきた実際の進展と労働市場の動向を理由に、私は現在、60%の確率でこの結果になると予想している」 --------
9/25 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (米国がリセッションを回避することは可能だとの考えを示し)、「私はそれを『黄金の道』と呼んできた。それは可能だと考えるが、多くのリスクがあり、その道は長く曲がりくねっている」、「金利をどこまで引き上げるべきかというよりも、どの程度長い期間高水準で維持するかを議論する時期に急速に近づいている」 --------
9/20 パウエル・FRB議長 「政策金利が、適切な水準に達したという説得力のある証拠をつかみたい」と述べ、「適切であればさらに利上げをする用意がある」(中立金利について)「現在の推計値よりも高い可能性があるが、政策当局者にはまだ分からない」、「金利の動向を考えると、米経済は多くの予想よりも好調だと言ってもいいだろう」 ドル円は147円台半ばから148円台前半まで上昇。債券と株が売られ、長期金利は4.4%台に。
9/20 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大していることを示唆する。雇用の伸びはここ数カ月に鈍化してきたが力強さは維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然高水準にある。委員会は引き続きインフレリスクに細心の注意を払い、より長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。これら目標実現を支えるため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを5.25−5.5%に据え置くことを決めた」 --------
9/20 神田・財務官 「行き過ぎた変動には適切な対応をあらゆる手段を排除せず取っていく。引き続き高い緊張感を持って市場を監視・注視する」 --------
9/19 イエレン・財務長官 (日本の通貨当局が外為市場で円買い介入に動く場合、米財務省は容認するのかとの質問に対し)、「大いに詳細に左右されるだろう。こうした介入について、われわれはいつも彼らと連絡を取り合っている」 --------
9/14 ラガルド・ECB総裁 「Inflation still remains too high too long」、「現在の判断では、今日の決定でインフレ率を適時に目標に戻すために十分な貢献をしたと考えている」とし、「焦点は恐らく若干、期間へと移るだろう。しかし、これがピークだと言っているのではない。そうは言えないからだ」、「政策委員会の確かな過半数が利上げを支持したが、何人かは利上げ停止を望んだ」 発言はややネガティブと受け止められ、ユーロ売りにつながる。
9/9 植田・日銀総裁 「物価目標の実現が見えてくるのは、賃金と物価の好循環が金融緩和を止めても自律的に回っていく状況だ」、「十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではなくなった」 ドル円は11日(月)、週明けのオセアニア市場で大きく窓を開ける。NYでは147円80銭近辺で引けたが、早朝には146円65銭前後まで円が急騰。
9/7 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれの政策は良い位置にあるが、引き続きデータ次第の姿勢が必要だろう」、「われわれは引き続きデータを注視し、その全てを分析し、自問自答しなければならない。政策は十分に景気抑制的であるのかと」、「労働市場の不均衡を縮小し、インフレを抑制するという点で、着実に前進していることを確認するために、もう一度利上げする必要があるだろうか」 --------
9/7 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「金利をどこまで引き上げるべきかが議論の内容にならない時期がかなり急速に近づいている」、「需給と供給は一段とバランスを取り戻しつつある。だが、全体的なインフレ水準はなおわれわれが望む水準を上回っている」、「この流れがある程度持続することを確認し、われわれが黄金の道を歩んでおり最後まで行き着く方向にあると実感する必要があるだろう」 --------
9/5 ウォラー・FRB理事 「差し迫ってすぐに何かをする必要があると示すものは一切ない」、「何もしないで、データを待つことが可能だ」 --------
9/4 ナーゲル・ドイツ連銀総裁 「一段の措置にオープンになる必要がある」、「余剰流動性への対応において政策委がすべきことは終わったと、金融市場は受け止めるべきではない」 --------
9/4 ラガルド・ECB総裁 「行動は言葉よりも雄弁だ」、「われわれは12カ月の間に政策金利を計425ベーシスポイントという記録的なペースで引き上げてきた。インフレ率を中期目標である2%へと適時に戻す」 --------
8/30 田村・日銀審議委員 「まだ、賃金や物価動向を謙虚に見つめていくべき局面にあり、現時点において、金融緩和を継続することが適当」、「想定以上に物価が上振れる可能性も否定できない」 --------
8/25 植田・日銀総裁 「基調的なインフレは依然として目標の2%を若干下回っていると、われわれは考えている。日銀が現行の金融緩和の枠組みを維持しているのは、それが理由だ」、(7月の日本の生鮮食品を除くコアCPIは、前年同月比で「3.1%」だったことに対して)、「年末にかけて鈍化する見込みだ」 --------
8/25 ラガルド・ECB総裁 「インフレ率を目標値へ下げるため必要に応じて金利を高水準に設定し、必要な限りその水準を維持する」、「現在の環境に照らし合わせれば、これは、インフレ率を中期目標の2%へと適時に戻すため、ECBが必要な限り金利を十分景気抑制的な水準に設定することを意味する」 --------
8/25 パウエル・FRB議長 「インフレ率はピークからは下がってきており、それは喜ばしい展開だが、なお高すぎる」、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレがわれわれの目標に向って持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」、「これまでの道のりを踏まえると、次回の会合では入手するデータと変化する見通し、そしてリスクを精査しつつ、慎重に政策を進めていくスタンスだ」 ドル円は買われ株価は上昇。債券は一時売られたもののほぼ横ばい。
8/24 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「現時点でわれわれは恐らく十分なことをした」、「景気抑制的なスタンスを取ってその効果が発揮されるのをしばらくの間見て、それによってインフレを押し下げるというのが私の立場だ」 --------
8/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「需給が持続的なレベルで再調整された状況、インフレ率を2%に引き下げる軌道に戻すために必要となるそうした状況を確認するには一定の時間がかかるだろう」、「かなりの期間にわたって据え置く必要が生じる可能性は極めて高いと考えるが、ピーク金利が正確にどの水準かという点について現時点では示唆しない。近づいている可能性はあるが、さらにもう少し引き上げる必要があるかもしれない」 株と債券が売られ、ドル円は145円台から146円目前に上昇。
8/16 FOMC議事録 「インフレに著しい上振れリスクがあり金融政策の追加引き締めが必要になり得るとの認識を大半の参加者は引き続き示した」、「経済活動は強靭で労働市場も強さを維持しているものの、引き続き経済活動に下振れリスク、失業率には上振れリスクがあるとの見解が一部の参加者から示された」、「2人が政策金利の据え置きを望んだ、ないし、そうした提案を支持した」、「政策を不用意に引き締め過ぎるリスクと、引き締めが不十分な場合のコストとの間でバランスを取ることが重要だとの見解を示した」 株安・債券安が進み、ドル円は145円台から146円40銭まで上昇。
8/15 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「インフレ率は現在、鈍化しつつある。順調な進展を一定程度遂げてきた」、「インフレ率は依然として高すぎる」、「利上げは終了か。私自身、終わったという準備はない。しかし、明るい兆候は見られる。例えば、その過程にあるのかもしれない。もう少し時間をかけて、もっとデータを確認してから、追加措置が必要かどうかを決めることになる」、「私の頭の中にある疑問は、インフレ率を当局の2%目標に実際に戻すのに十分な措置を講じてきたのか、あるいはさらなる措置が必要なのかだ」 株と債券が売られ、金利上昇にドル円は145円83銭まで買われる。
8/7(8月2日NYTとのインタビューで) ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策は好ましい位置にある。政策はあるべきところにある。ピーク金利の観点でこれを調整する必要があるかどうか、また景気抑制的なスタンスをどれくらい長く続ける必要があるかはデータ次第になる」、「景気抑制的なスタンスを当面は維持する必要があると想定している」、「追加利上げの必要性については、議論の余地がある」、「インフレ率が下がり続ける場合、実質金利がさらに上がらないよう、2024年か25年に金利を引き下げる必要があるかもしれない」 --------
8/7 ボウマン・FRB理事 「私は7月のFOMC会合でフェデラルファンド(FF)金利の引き上げを支持した。インフレ率をFOMCの目標に低下させるには、追加利上げが必要になる可能性が高いと想定している」、「今後発表されるデータ次第になる」 --------
8/4 ボウマン・FRB理事 「インフレ率をFOMCの目標である2%に押し下げるには、追加利上げが必要になる可能性が高い」、「最近のインフレ鈍化は好ましいが、追加利上げとフェデラルファンド(FF)金利がいつまで景気抑制的な水準にとどまる必要があるのかを検討する際、私はインフレ率が2%の物価目標に向って有意な下降線をたどっているという一貫した証拠を探すつもりだ」、「個人消費鈍化と労働市場環境緩和の兆しにも注意する」 --------
8/1 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (9月会合で)「仮に投票権を持っていたなら、不本意ながら支持しただろう」「基本的な見解は変っていないが、当局は9月までに多くの追加データを入手することになるため、自身の予想に反するデータがあれば、9月会合の見通しを調整することもいとわない」、「現在、当局は過度の引き締めのリスクが多少ある段階にあると思う。そのことを念頭に置いておかなければならない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和