今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格一時94ドル台に急騰」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は連日同じような展開が続き、NYでは149円71銭までドル高が進み、150円テストの機運が高まる。
  • ユーロドルも続落し、一時は1.0488まで売られる。今年1月6日以来となるユーロ安水準に。
  • 株式市場は米金利がさらに上昇したが、まちまちの展開。ダウは続落し、他の2指数は小幅高。
  • 債券は続落し、長期金利は一時4.64%台まで上昇。
  • 金は大幅に続落し、今年3月以来となる1890ドル台に。一方原油価格は急騰。米国内最大の原油貯蔵拠点であるオクラハマ州クッシングの在庫水準が2022年7月以来の水準に低下したことが材料に。
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8月耐久財受注 → 0.2%
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ドル/円 149.15 〜 149.71
ユーロ/ドル 1.0488 〜 1.0552
ユーロ/円 156.95 〜 157.40
NYダウ −68.61 → 33,550.27ドル
GOLD −28.90 → 1,890.90ドル
WTI +3.29 → 93.68ドル
米10年国債 +0.072 → 4.604%

本日の注目イベント

  • 豪 豪8月小売売上高
  • 独 独9月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(改定値)
  • 欧 ユーロ圏9月景況感指数
  • 欧 ECB経済報告
  • 独 独9月消費者物価指数(速報値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 4−6月GDP(確定値)
  • 米 8月中古住宅販売成約件数
  • 米 グールズビー・シカゴ連銀総裁講演
  • 米 パウエル・FRB議長。タウンホール会議を主宰
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米 クック・FRB理事、フォーラム開会の挨拶

本日のコメント

ドル円は連日同じような展開を見せ、「一歩後退・二歩前進」の歩みを続けています。昨日のNYでは149円71銭まで緩やかにドル高が進行しましたが、昨日は円よりもむしろユーロで「ドル高・ユーロ安」が加速した印象です。

ユーロドルは今年1月初旬以来となる1.05台割れまで売られ、テクニカル的にも重要な値位置に来ています。ECBは次回理事会でも追加利上げの可能性を残してはいますが、景気減速が確認される状況の中、理事会内部ではさらなる利上げは回避すべきとの意見も高まっています。フランス中銀のビルロワドガロー総裁はパリでの講演で、「これからはやり過ぎのリスクと、引き締めが十分でないことのリスクのバランスを取る必要がある」と指摘し、「『壊れるまでテストする』というのは金融政策を調整する上で賢明な方法ではない」と述べ、利上げを望まない姿勢を示しています。また、スペイン中銀のデコス総裁も、「現行水準を長く維持すれば、インフレ率は2%目標に速やかに到達できる公算が極めて高い」と述べ、利上げには慎重な見方を示しています。一方、ドイツ連銀やオランド中銀総裁はタカ派的なスタンスを維持し、追加利上げを主張しています。ECBを率いるラガルド総裁は25日の講演では、「景気が厳しい中でもインフレ抑制に必要な限り、金利を高水準に維持する」と改めて述べたものの、利上げの有無については「長いレースだ」と述べるにとどめています。不動産バブルの崩壊に伴い中国景気が急速に悪化しており、その中国との経済的結びつきが強いユーロ圏では、その影響がジワジワと及んで来る気配があり、これ以上の利上げには慎重になるべきだとする声も大きくなっている状況です。

米債券が売られ、長期金利は4.64%近辺まで上昇し、これがドルを押し上げる展開になっています。米長期金利の上昇は、昨日発表された米戦略的石油備蓄の在庫水準が予想を超える低水準だったことで買いが殺到したようです。米最大の原油貯蔵拠点であるクッシングの在庫は2200万バレル弱と、貯蔵能力の25%まで落ち込んだ(ブルームバーグ)と報告されており、他の地域での在庫も減少が続いているとのことです。原油価格の高騰は米インフレの抑制には逆風となり、これが債券と株の下落を誘いドル買いへと伝播した格好でした。一方、原油価格の高騰は言うまでもなく日本の貿易赤字を拡大させ、ドル買い需要につながり、円安要因と見られることにもなります。日本の消費者物価指数(CPI)の上昇にも影響を及ぼしやすく、年末には2%を割り込むと予測する日銀にとっても政策変更圧力が高まることにもなります。「原油価格は100ドルを目指す」といった声も多くあります。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、政府機関の閉鎖や自動車労組のストライキに触れ、「このような下振れシナリオが米経済を直撃した場合、インフレ率を2%に下げるための金融政策を縮小する必要が生じるかもしれない。政府機関の閉鎖や自動車ストライキはわれわれに代わって景気を鈍化させる恐れがあるからだ」とCNNのインタビューで述べています。同時に、「利上げが期待通りに景気を減速させられないのでれば、金利をもっと引き上げなければならないかもしれない」とも話し、今後の展開と発表されるデータ次第との立場を示しました。ブルームバーグは、政府機関が閉鎖に追い込まれ、新会計年度が始まる10月1日までに予算が手当てできなければ、連邦ビルの清掃業者など、政府請負業者が直面する売上げ高の損出や遅延は1日当たり最大で19億ドル(約2800億円)に上り、閉鎖期間中は約130万人の現役軍人に加え、民間部門では200万人の連邦政府職員が給与を受け取れなくなると試算しています。

本日はいよいよ150円テストの可能性があります。「実弾介入」があるのか、ないのか、焦点はそこだけです。ドル円は148円〜150円50銭程度を見ています。

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明日(29日)の「アナリストレポート」は都合によりお休みとさせて頂きます。ご愛読者の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解の程宜しくお願い申し上げます。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
9/27 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「このような下振れシナリオが米経済を直撃した場合、インフレ率を2%に下げるための金融政策を縮小する必要が生じるかもしれない。政府機関の閉鎖や自動車ストライキはわれわれに代わって景気を鈍化させる恐れがあるからだ」、「利上げが期待通りに景気を減速させられないのでれば、金利をもっと引き上げなければならないかもしれない」 --------
9/26 ボウマン・FRB理事 「インフレ率が賃金の伸びを上回る中で、賃借人のコスト負担増がFRBによる物価上昇圧力を抑制する行動も重要性を明確にしている」、「この取り組みは、賃貸住宅の供給増加など賃貸料に影響する他の要因に対処する施策を補完し得る」 --------
9/26 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「年内に恐らくあと1回、政策金利を0.25ポイント引き上げた後で、FOMCは政策金利をその水準で十分に長く、妥当な時間をかけてインフレ率を目標まで低下させる」、「われわれがインフレ対策で達成してきた実際の進展と労働市場の動向を理由に、私は現在、60%の確率でこの結果になると予想している」 --------
9/25 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (米国がリセッションを回避することは可能だとの考えを示し)、「私はそれを『黄金の道』と呼んできた。それは可能だと考えるが、多くのリスクがあり、その道は長く曲がりくねっている」、「金利をどこまで引き上げるべきかというよりも、どの程度長い期間高水準で維持するかを議論する時期に急速に近づいている」 --------
9/20 パウエル・FRB議長 「政策金利が、適切な水準に達したという説得力のある証拠をつかみたい」と述べ、「適切であればさらに利上げをする用意がある」(中立金利について)「現在の推計値よりも高い可能性があるが、政策当局者にはまだ分からない」、「金利の動向を考えると、米経済は多くの予想よりも好調だと言ってもいいだろう」 ドル円は147円台半ばから148円台前半まで上昇。債券と株が売られ、長期金利は4.4%台に。
9/20 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が堅調なペースで拡大していることを示唆する。雇用の伸びはここ数カ月に鈍化してきたが力強さは維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然高水準にある。委員会は引き続きインフレリスクに細心の注意を払い、より長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。これら目標実現を支えるため、委員会はフェデラルファンド(FF)金利誘導目標のレンジを5.25−5.5%に据え置くことを決めた」 --------
9/20 神田・財務官 「行き過ぎた変動には適切な対応をあらゆる手段を排除せず取っていく。引き続き高い緊張感を持って市場を監視・注視する」 --------
9/19 イエレン・財務長官 (日本の通貨当局が外為市場で円買い介入に動く場合、米財務省は容認するのかとの質問に対し)、「大いに詳細に左右されるだろう。こうした介入について、われわれはいつも彼らと連絡を取り合っている」 --------
9/14 ラガルド・ECB総裁 「Inflation still remains too high too long」、「現在の判断では、今日の決定でインフレ率を適時に目標に戻すために十分な貢献をしたと考えている」とし、「焦点は恐らく若干、期間へと移るだろう。しかし、これがピークだと言っているのではない。そうは言えないからだ」、「政策委員会の確かな過半数が利上げを支持したが、何人かは利上げ停止を望んだ」 発言はややネガティブと受け止められ、ユーロ売りにつながる。
9/9 植田・日銀総裁 「物価目標の実現が見えてくるのは、賃金と物価の好循環が金融緩和を止めても自律的に回っていく状況だ」、「十分だと思える情報やデータが年末までにそろう可能性もゼロではなくなった」 ドル円は11日(月)、週明けのオセアニア市場で大きく窓を開ける。NYでは147円80銭近辺で引けたが、早朝には146円65銭前後まで円が急騰。
9/7 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「われわれの政策は良い位置にあるが、引き続きデータ次第の姿勢が必要だろう」、「われわれは引き続きデータを注視し、その全てを分析し、自問自答しなければならない。政策は十分に景気抑制的であるのかと」、「労働市場の不均衡を縮小し、インフレを抑制するという点で、着実に前進していることを確認するために、もう一度利上げする必要があるだろうか」 --------
9/7 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「金利をどこまで引き上げるべきかが議論の内容にならない時期がかなり急速に近づいている」、「需給と供給は一段とバランスを取り戻しつつある。だが、全体的なインフレ水準はなおわれわれが望む水準を上回っている」、「この流れがある程度持続することを確認し、われわれが黄金の道を歩んでおり最後まで行き着く方向にあると実感する必要があるだろう」 --------
9/5 ウォラー・FRB理事 「差し迫ってすぐに何かをする必要があると示すものは一切ない」、「何もしないで、データを待つことが可能だ」 --------
9/4 ナーゲル・ドイツ連銀総裁 「一段の措置にオープンになる必要がある」、「余剰流動性への対応において政策委がすべきことは終わったと、金融市場は受け止めるべきではない」 --------
9/4 ラガルド・ECB総裁 「行動は言葉よりも雄弁だ」、「われわれは12カ月の間に政策金利を計425ベーシスポイントという記録的なペースで引き上げてきた。インフレ率を中期目標である2%へと適時に戻す」 --------
8/30 田村・日銀審議委員 「まだ、賃金や物価動向を謙虚に見つめていくべき局面にあり、現時点において、金融緩和を継続することが適当」、「想定以上に物価が上振れる可能性も否定できない」 --------
8/25 植田・日銀総裁 「基調的なインフレは依然として目標の2%を若干下回っていると、われわれは考えている。日銀が現行の金融緩和の枠組みを維持しているのは、それが理由だ」、(7月の日本の生鮮食品を除くコアCPIは、前年同月比で「3.1%」だったことに対して)、「年末にかけて鈍化する見込みだ」 --------
8/25 ラガルド・ECB総裁 「インフレ率を目標値へ下げるため必要に応じて金利を高水準に設定し、必要な限りその水準を維持する」、「現在の環境に照らし合わせれば、これは、インフレ率を中期目標の2%へと適時に戻すため、ECBが必要な限り金利を十分景気抑制的な水準に設定することを意味する」 --------
8/25 パウエル・FRB議長 「インフレ率はピークからは下がってきており、それは喜ばしい展開だが、なお高すぎる」、「適切と判断すれば追加利上げに動く用意がある。インフレがわれわれの目標に向って持続的に低下していると確信できるまで、政策を景気抑制的な水準に据え置く考えだ」、「これまでの道のりを踏まえると、次回の会合では入手するデータと変化する見通し、そしてリスクを精査しつつ、慎重に政策を進めていくスタンスだ」 ドル円は買われ株価は上昇。債券は一時売られたもののほぼ横ばい。
8/24 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「現時点でわれわれは恐らく十分なことをした」、「景気抑制的なスタンスを取ってその効果が発揮されるのをしばらくの間見て、それによってインフレを押し下げるというのが私の立場だ」 --------
8/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「需給が持続的なレベルで再調整された状況、インフレ率を2%に引き下げる軌道に戻すために必要となるそうした状況を確認するには一定の時間がかかるだろう」、「かなりの期間にわたって据え置く必要が生じる可能性は極めて高いと考えるが、ピーク金利が正確にどの水準かという点について現時点では示唆しない。近づいている可能性はあるが、さらにもう少し引き上げる必要があるかもしれない」 株と債券が売られ、ドル円は145円台から146円目前に上昇。
8/16 FOMC議事録 「インフレに著しい上振れリスクがあり金融政策の追加引き締めが必要になり得るとの認識を大半の参加者は引き続き示した」、「経済活動は強靭で労働市場も強さを維持しているものの、引き続き経済活動に下振れリスク、失業率には上振れリスクがあるとの見解が一部の参加者から示された」、「2人が政策金利の据え置きを望んだ、ないし、そうした提案を支持した」、「政策を不用意に引き締め過ぎるリスクと、引き締めが不十分な場合のコストとの間でバランスを取ることが重要だとの見解を示した」 株安・債券安が進み、ドル円は145円台から146円40銭まで上昇。
8/15 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「インフレ率は現在、鈍化しつつある。順調な進展を一定程度遂げてきた」、「インフレ率は依然として高すぎる」、「利上げは終了か。私自身、終わったという準備はない。しかし、明るい兆候は見られる。例えば、その過程にあるのかもしれない。もう少し時間をかけて、もっとデータを確認してから、追加措置が必要かどうかを決めることになる」、「私の頭の中にある疑問は、インフレ率を当局の2%目標に実際に戻すのに十分な措置を講じてきたのか、あるいはさらなる措置が必要なのかだ」 株と債券が売られ、金利上昇にドル円は145円83銭まで買われる。
8/7(8月2日NYTとのインタビューで) ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策は好ましい位置にある。政策はあるべきところにある。ピーク金利の観点でこれを調整する必要があるかどうか、また景気抑制的なスタンスをどれくらい長く続ける必要があるかはデータ次第になる」、「景気抑制的なスタンスを当面は維持する必要があると想定している」、「追加利上げの必要性については、議論の余地がある」、「インフレ率が下がり続ける場合、実質金利がさらに上がらないよう、2024年か25年に金利を引き下げる必要があるかもしれない」 --------
8/7 ボウマン・FRB理事 「私は7月のFOMC会合でフェデラルファンド(FF)金利の引き上げを支持した。インフレ率をFOMCの目標に低下させるには、追加利上げが必要になる可能性が高いと想定している」、「今後発表されるデータ次第になる」 --------
8/4 ボウマン・FRB理事 「インフレ率をFOMCの目標である2%に押し下げるには、追加利上げが必要になる可能性が高い」、「最近のインフレ鈍化は好ましいが、追加利上げとフェデラルファンド(FF)金利がいつまで景気抑制的な水準にとどまる必要があるのかを検討する際、私はインフレ率が2%の物価目標に向って有意な下降線をたどっているという一貫した証拠を探すつもりだ」、「個人消費鈍化と労働市場環境緩和の兆しにも注意する」 --------
8/1 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (9月会合で)「仮に投票権を持っていたなら、不本意ながら支持しただろう」「基本的な見解は変っていないが、当局は9月までに多くの追加データを入手することになるため、自身の予想に反するデータがあれば、9月会合の見通しを調整することもいとわない」、「現在、当局は過度の引き締めのリスクが多少ある段階にあると思う。そのことを念頭に置いておかなければならない」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和