今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「FOMC、2会合連続の据え置き決定」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は151円台から反落。FOMCでは予想通り政策金利の据え置きが決められ、米長期金利が急低下したことでドルが売られた。ドル円は150円67銭まで下落したが、日本の金融当局による介入警戒感の高まりもドルの上値を抑えた。
  • ユーロドルは反落。ユーロ円の売りも加わり、ユーロドルは1.0517まで売られる。
  • 株式市場では3指数が揃って続伸。FOMCで利上げが見送られたことで安心感が広がり、S&P500は44ポイント上昇。
  • 債券は大幅に上昇。長期金利は4.73%台へと急低下。
  • 金は続落し、原油も3日続落。
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10月ADP雇用者数 → 11.3万人
10月ISM製造業景況指数 → 46.7
9月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 955.3万件
10月自動車販売台数 → 1550万台
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ドル/円 150.67 〜 151.38
ユーロ/ドル 1.0517 〜 1.0575
ユーロ/円 159.06 〜 159.61
NYダウ +221.71 → 33,274.58ドル
GOLD −6.80 → 1,987.50ドル
WTI −0.58 → 80.44ドル
米10年国債 −0.197 → 4.734%

本日の注目イベント

  • 中 李克強前首相、北京で火葬
  • 独 独10月雇用統計
  • 独 独10月製造業PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏10月製造業PMI(改定値)
  • 英 英10月製造業PMI(改定値)
  • 英 BOE金融政策発表
  • 英 BOE金融政策委員会(MPC)議事録
  • 米 10月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 9月製造業受注
  • 米 9月耐久財受注
  • 米 企業決算 → アップル、スターバックス、モデルナ

本日のコメント

予想通りFOMCでは、9月会合に続き2会合連続で政策金利の据え置きを決定しました。声明文では、「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したことを示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」と記述され、さらに「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」と述べています。また、パウエル議長は会見で、「慎重に進んでいる」とした上で、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」と述べ、前回9月の発言をほぼ踏襲していました。

全体的にタカ派的発言が抑制されていたことで、債券と株が買われ、特に債券が急騰し金利が大きく低下しました。「最近の利回り上昇を踏まえると、米金融当局が12月に利上げを行う可能性が低くなっている。インフレを抑制し続けるため、その後で利上げを行う可能性はある。9月FOMC会合以降の金融環境の引き締まりで、当局の目標は部分的に達成した格好だ」といった声を、ブルームバーグは紹介しています。米長期金利は先月23日には節目の「5%」を超え、「5.04%」まで上昇しました。金利の上昇は、政策金利を引き上げたのと同じように景気を抑制する効果があるといった点が、改めて認識されたようです。

前日のNY市場でドル円が昨年10月の市場介入を実施して以来となる151円74銭まで上昇したことについて、神田財務官は為替介入の可能性について1日、「スタンバイしている」と市場をけん制する発言を行いました。これまでの口先介入よりも「強め」の言葉が使われたことで、151円台半ばで推移していたドル円は30銭ほど円高方向に振れ、その後も警戒感から上値を重くする動きになっており、けん制は一応効果を発揮していました。財務官は「いつ何をするか申しあげることは出来ない」とし、市場の状況を見ながら緊張感を持って判断すると述べていました。また、急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で、「一番大きいのは投機だ」と指摘し、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」と述べていました。

ただ、足元で超低金利政策が維持されているのは、ファンダメンタルズを踏まえた上での政策決定が行われていると考えると、ファンダメンタルズに合致していると思われますが、どうでしょう。円安が大きく進んでいる要因の一つに円の超低金利があることは明らかであり、この点については今朝のブルームバーグはドイツ銀行が指摘した記事を紹介しています。ドイツ銀行の為替調査グルーバルヘッドのサラベロス氏は顧客向けリポートで、「利回りや対外収支といった円相場を動かしている要因を一見すると、円はトルコ・リラやアルゼンチン・ペソと同じ部類に属する」と指摘し、「円を防衛する日本の介入は良くて無力、最悪の場合には状況を悪化させることになるだろう」と痛烈に批評しています。「ここまで言うか」との感もありますが、多くの投資家の声を代弁していると思えます。円は「G7通貨」から「G20通貨」に格下げされたようですが、「新興国通貨で過去10年間のパフォーマンスが最も悪い2つの通貨と同列に置いた」とブルームバーグは伝えています。

ドル円は米長期金利が20bpほど下げた割には堅調です。12月のFOMCでの利上げ観測はやや後退しましたが、パウエル議長は依然として「追加利上げの扉は開いたまま」にしてあります。日銀決定会合とFOMCが終わり、明日は祝日ですが、最後のビッグイベント「雇用統計」の発表があります。米労働市場は依然として好調だとは思いますが、ブレルことは日常茶飯事の「雇用統計」です。直近の市場予想「18万人」に対してどのような結果が出るのか?

本日のドル円は149円80銭〜151円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/1 パウエル・FRB議長 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 --------
11/1 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。
11/1 神田・財務省財務官 (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 ドル円→151円台半ばから30銭程下落。
10/31 植田・日銀総裁 (2%の物価安定目標の実限に向け)「十分な確度を持って見通せる状況には達していない」 ドル円は150円台に上昇。NYでは151円71銭まで円が売られる。
10/26 ラガルド・ECB総裁 「金融政策によくあることだが、政策効果の伝達には時間がかかる。ECBスタッフの判断によれば、政策はまだ伝達の過程であり、実体経済に今後さらに影響を与えていくだろう。効果波及は2023年末から2024年1−3月にかけて続くと想定している」、「長期的なインフレ期待の指標は、ほとんどが2%前後だが、それにもかかわらず、いくつかの指標は依然として高水準で、注意深く監視する必要がある」 ユーロドルは小幅に売られたがその後反発。
10/19 パウエル・FRB議長 「経済成長の強靭さと労働需給の底堅さを示している最近のデータに、われわれは留意している。経済成長が継続的に潜在成長率を上回っている兆候、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合、インフレに関する一層の進展にリスクが生じる可能性がり、金融政策の追加引き締めが正当化される」、「政策が現在引き締めすぎである兆候はないと考えている」、「インフレはなお高すぎる。インフレがわれわれの目標に向けて持続的に低下しているという確信を得るには時間が必要で、数カ月の良好なデータはその始まりに過ぎない」、地政学的な緊張は、極めて高い状態にある」 債券が売られ金利が上昇。株も大きく下げ、ドル円は149円95銭まで買われる。
10/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ率を当局目標の2%に戻すためには、政策金利を景気抑制的水準に『当面』とどめておくべきだ」 --------
10/18 ウォラー・FRB理事 「政策金利の軌道に関して最終的に行動する前に、景気がどのように進展するのか様子を見ることは可能だと考える」、「実態経済が冷え込み始めるのか、あるいは名目経済の物価が過熱するのかを確認するため、データを注意深く見ていく」 --------
10/17 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ軌道がまだはっきりしていない。これまでの行動が十分だったか、あるいはやるべき仕事がまだあるのか見極める時間はある」、「われわれは紙一重のところを進んでいる。修正が足りなければ、インフレが再燃する。修正し過ぎれば、景気に不必要なダメージをもたらす」、「最善の政策ですら、外部のイベントによって妨げられる可能性がある。最近の中東でのニュースでそれを改めて思い知らされた」 --------
10/16 神田・財務官 「為替相場が激しく下落した場合には、国は『金利を引き上げることによって資本流出を止めるか、為替介入で過度の変動に対抗する』」、「非常に複雑な状況の中で総合的にファンダメンタルズを判断する」 --------
10/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「データが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましい」 --------
10/16 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「最近のインフレ鈍化は単月の一時的なものではない」、「限られた一部のデータと関連付けないよう」 --------
10/14 サンジャヤ・パンス・IMFアジア太平洋局副局長 「日本が円相場を支えるため為替市場で介入を余儀なくされる要素はない」、「該当する条件は見当たらない」、「円安は主に金利差が要因で、経済のファンダメンタルズを反映している。つまり、日本国外ではどこもインフレ率が上昇している一方、日本銀行は超緩和政策を継続している」 --------
10/11 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策金利については、これ以上何かをする必要はないと考える」 --------
10/11 ウォラー・FRB理事 「実態経済は好調のようだ。名目経済もわれわれが望む方向に進んでいる。従って当局は金利に関してある種、状況を見極める立場にある」、「金融市場は引き締まりつつあり、それがわれわれの仕事の一部を肩代わりすることになる」 --------
10/11 コリンズ・ボストン連銀総裁 「現行の引き締めサイクルのピークに近づいているか、もしかするとピークにあるかもしれない」、「ただ、新たに入手する情報次第では、さらなる引き締めが適切になる可能性がある」 --------
10/10 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「米政策金利はインフレ率を2%に押し下げるのに十分に景気抑制的な水準にあると私は考える」、「これ以上の利上げが必要だとは実際思わない」、「景気見通しが予想外に変化した場合は利上げが必要になるかもしれないが、それは現時点で自身が予想するものではない」 --------
10/9 ローガン・ダラス連銀総裁 「タームプレミアムが上昇すれば、それが経済の沈静化に向けた金融当局の仕事を一部肩代わりし、当局として政策を追加で引き締める必要性が低下する可能性がある」(講演後の質疑応答で)、「われわれはまだやるべき仕事がある。景気抑制的な金融環境はしばらく必要になると考えられる」 前者の発言に反応し、ドル円は下落。
10/9 ジェファーソン・FRB副議長 「米金融当局は、必要となり得る追加的な政策引き締めの程度を見極める上で、慎重に進むことができる立場になりつつある」 ドル円は下落。
10/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「もう十分やったのか、もっとやるべきことがあるのか、見極める時間はある。今後の道筋は、インフレ圧力がピークを過ぎたと確信できるのか、なお持続すると見るかに左右される。その手掛かりを求め、労働市場を注意深く見守りたい」 --------
10/5 デーリー・SF連銀総裁 「労働市場の減速が続き、インフレが当局の目標に向って低下し続ければ、金利を据え置き、政策効果が引き続き働くのを見ていることができる」、「金融環境は過去90日間でかなり引き締まったが、その状態が続く場合は、われわれがさらに行動を起す必要性が低下する」 --------
10/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「次回会合でも、最近の会合と同じような経済状況であれば、私なら追加利上げを行うだろう」 --------
10/3 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「利上げを急ぐつもりはないが、利下げを急ぐつもりもない。米金融当局はインフレ率を目標の2%に戻すため、政策金利を高水準で長期にわたり据え置くことを望む」 --------
10/2 バー・FRB副議長 「インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分な景気抑制的水準に達しているか、極めて接近している可能性が高いと思う」、「われわれは長期的な金利の道筋を考えることにますます重点を置くようになると思う。インフレ率を2%まで下げるために金利をしばらくの間高止まりする必要がある。2%に到達すると私は確信している」 --------
10/2 ボウマン・FRB理事 「インフレ率を適宜にかなって目標の2%に戻すには、さらなる利上げが必要になる可能性が高いとの予想を変えていない」、「エネルギー価格の高騰により、ここ数ケ月におけるインフレ抑制に向けた進展の一部が損なわれるリスクがくすぶっている」 債券が売られ金利が上昇。ドルが買われ、ユーロと円などが下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和