今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米10月の雇用統計軟調」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は150円台前半から149円台前半に下落。10月の雇用統計でNFPが予想を下回り、失業率も上昇したことで米金利が低下。加えて他の経済指標も総じて軟調だったこともドル売りを誘った。
  • ユーロドルは続伸。1.0746まで上昇し、1カ月半ぶりの高水準を記録。
  • 株式市場は3指数が揃って5日続伸。米金利の低下が続き、資金が株式市場にも戻って来たとの声も。ダウは222ドル上昇し、3万4000ドル台を回復。
  • 債券は続伸。長期金利は一時4.4%台まで低下し、4.57%台で越週。
  • 金は続伸し、原油は反落。
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10月失業率 → 3.9%
10月非農業部門雇用者数 → 15.0万人
10月平均時給 (前月比) → 0.2%
10月平均時給 (前年比) → 4.1%
10月労働参加率 → 62.7%
10月ISM非製造業景況指数 → 51.8
10月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 50.6
10月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 50.7
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ドル/円 149.18 〜 150.22
ユーロ/ドル 1.0646 〜 1.0746
ユーロ/円 159.84 〜 160.40
NYダウ +222.24 → 34,061.32ドル
GOLD +5.70 → 1,999.20ドル
WTI −1.95 → 80.51ドル
米10年国債 −0.087 → 4.572%

本日の注目イベント

  • 日 植田日銀総裁講演(名古屋)
  • 日 日銀金融政策決定会合、議事要旨(9月21日、22日分)
  • 独 独9月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏10月総合PMI(改定値)
  • 欧 ユーロ圏10月サービスPMI(改定値)

本日のコメント

米10月の雇用統計を受け、ドル円は再び149円台前半まで売られてきました。非農業部門雇用者数(NFP)は予想したほど伸びていなく、市場予想の「18万人」に対して「15万人」でした。また、9月分は「36.6万人」から「29.7万人」に、8月分も「22.7万人」から「16.5万人」にそれぞれ速報値から下方修正され、2ケ月分で合計10万人を超える修正が行われ、好調だった米労働市場にも、そろそろ陰りが出てきた可能性が浮上します。

もっとも、10月分については、製造業の雇用が「3万5000人」減少していましたが、これは主に全米自動車労組(UAW)のストライキの影響を反映しているため、一時的であるとみられています。ただそれでも注意したいのは、驚くほど好調だと言われてきた米労働市場も相次ぐ利上げの影響を受け、経営者が雇用を手控える動きが出ている可能性もあります。今後発表される指標を待たなければなりませんが、もしそうだとしたら、株価が上昇し、金利も低下し、ドルの上値を抑えることになりますが、ドル高基調は維持しながらもやや上値で伸び悩むことも予想されます、もちろん、あくまでも今後のデータ次第ということになります。ブルームバーグのエコノミストは、「10月の雇用統計は、求職者にとっては一様に失望を誘うものだが、米金融当局にとってはインフレ率を目標の2%に戻す上で心強い内容になった。最大の注目点は失業率の上昇であり、これは非農業部門雇用者数の著しい伸びの鈍化と、過去分の大幅な下方修正を上回るものだ」と分析しています。またこの日発表された10月のISM非製造業景況指数も伸びが鈍化しており「51.8」と、5カ月ぶりの低水準でした。先に発表された製造業の方は「46.7」と、活動の拡大縮小の境目である「50」を下回っていましたが、サービス業の方も「50」に近づいています。

ブラックアウト期間が終わったこともあり、雇用統計の結果を受けFOMCメンバーの多くが自身の見方を披露しています。リッチモンド連銀のバーキン総裁は、「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」と述べ、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も、「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」と、本音を吐露していました。また、アトランタ連銀のボスティック総裁はこれまでの主張を繰り返し、「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」と語っています。先週のFOMCでは2会合連続で利上げを見送りましたが、10月の雇用統計の結果を受け12月会合でも見送る可能性が高まってきました。

イスラエル軍はハマスに対する攻撃の手を緩めず、5日にはガザの中心地に大規模な攻撃を仕掛けガザ市を完全に包囲したと、軍の報道官が明らかにしています。中東を訪問中のブリンケン国務長官は、イスラエルによるハマスの戦争拡大を防ぐためパレスチナ自治区政府のアッバス議長を訪問したり、イラクの首都バグダッドなどでも話し合いを続けるなどの努力をしているようですが、ネタニヤフ首相は攻撃を中止する意向はないようです。この行為に、西側諸国や米国内からも非難の声が高まっており、イスラエルの暴走といった見方も日増しに高まっています。ガザの死者数はまもなく1万人に達しそうです。

本日のドル円は148円70銭〜150円20銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/5 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 --------
11/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 --------
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 --------
11/1 パウエル・FRB議長 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 --------
11/1 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。
11/1 神田・財務省財務官 (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 ドル円→151円台半ばから30銭程下落。
10/31 植田・日銀総裁 (2%の物価安定目標の実限に向け)「十分な確度を持って見通せる状況には達していない」 ドル円は150円台に上昇。NYでは151円71銭まで円が売られる。
10/26 ラガルド・ECB総裁 「金融政策によくあることだが、政策効果の伝達には時間がかかる。ECBスタッフの判断によれば、政策はまだ伝達の過程であり、実体経済に今後さらに影響を与えていくだろう。効果波及は2023年末から2024年1−3月にかけて続くと想定している」、「長期的なインフレ期待の指標は、ほとんどが2%前後だが、それにもかかわらず、いくつかの指標は依然として高水準で、注意深く監視する必要がある」 ユーロドルは小幅に売られたがその後反発。
10/19 パウエル・FRB議長 「経済成長の強靭さと労働需給の底堅さを示している最近のデータに、われわれは留意している。経済成長が継続的に潜在成長率を上回っている兆候、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合、インフレに関する一層の進展にリスクが生じる可能性がり、金融政策の追加引き締めが正当化される」、「政策が現在引き締めすぎである兆候はないと考えている」、「インフレはなお高すぎる。インフレがわれわれの目標に向けて持続的に低下しているという確信を得るには時間が必要で、数カ月の良好なデータはその始まりに過ぎない」、地政学的な緊張は、極めて高い状態にある」 債券が売られ金利が上昇。株も大きく下げ、ドル円は149円95銭まで買われる。
10/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ率を当局目標の2%に戻すためには、政策金利を景気抑制的水準に『当面』とどめておくべきだ」 --------
10/18 ウォラー・FRB理事 「政策金利の軌道に関して最終的に行動する前に、景気がどのように進展するのか様子を見ることは可能だと考える」、「実態経済が冷え込み始めるのか、あるいは名目経済の物価が過熱するのかを確認するため、データを注意深く見ていく」 --------
10/17 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ軌道がまだはっきりしていない。これまでの行動が十分だったか、あるいはやるべき仕事がまだあるのか見極める時間はある」、「われわれは紙一重のところを進んでいる。修正が足りなければ、インフレが再燃する。修正し過ぎれば、景気に不必要なダメージをもたらす」、「最善の政策ですら、外部のイベントによって妨げられる可能性がある。最近の中東でのニュースでそれを改めて思い知らされた」 --------
10/16 神田・財務官 「為替相場が激しく下落した場合には、国は『金利を引き上げることによって資本流出を止めるか、為替介入で過度の変動に対抗する』」、「非常に複雑な状況の中で総合的にファンダメンタルズを判断する」 --------
10/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「データが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましい」 --------
10/16 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「最近のインフレ鈍化は単月の一時的なものではない」、「限られた一部のデータと関連付けないよう」 --------
10/14 サンジャヤ・パンス・IMFアジア太平洋局副局長 「日本が円相場を支えるため為替市場で介入を余儀なくされる要素はない」、「該当する条件は見当たらない」、「円安は主に金利差が要因で、経済のファンダメンタルズを反映している。つまり、日本国外ではどこもインフレ率が上昇している一方、日本銀行は超緩和政策を継続している」 --------
10/11 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策金利については、これ以上何かをする必要はないと考える」 --------
10/11 ウォラー・FRB理事 「実態経済は好調のようだ。名目経済もわれわれが望む方向に進んでいる。従って当局は金利に関してある種、状況を見極める立場にある」、「金融市場は引き締まりつつあり、それがわれわれの仕事の一部を肩代わりすることになる」 --------
10/11 コリンズ・ボストン連銀総裁 「現行の引き締めサイクルのピークに近づいているか、もしかするとピークにあるかもしれない」、「ただ、新たに入手する情報次第では、さらなる引き締めが適切になる可能性がある」 --------
10/10 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「米政策金利はインフレ率を2%に押し下げるのに十分に景気抑制的な水準にあると私は考える」、「これ以上の利上げが必要だとは実際思わない」、「景気見通しが予想外に変化した場合は利上げが必要になるかもしれないが、それは現時点で自身が予想するものではない」 --------
10/9 ローガン・ダラス連銀総裁 「タームプレミアムが上昇すれば、それが経済の沈静化に向けた金融当局の仕事を一部肩代わりし、当局として政策を追加で引き締める必要性が低下する可能性がある」(講演後の質疑応答で)、「われわれはまだやるべき仕事がある。景気抑制的な金融環境はしばらく必要になると考えられる」 前者の発言に反応し、ドル円は下落。
10/9 ジェファーソン・FRB副議長 「米金融当局は、必要となり得る追加的な政策引き締めの程度を見極める上で、慎重に進むことができる立場になりつつある」 ドル円は下落。
10/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「もう十分やったのか、もっとやるべきことがあるのか、見極める時間はある。今後の道筋は、インフレ圧力がピークを過ぎたと確信できるのか、なお持続すると見るかに左右される。その手掛かりを求め、労働市場を注意深く見守りたい」 --------
10/5 デーリー・SF連銀総裁 「労働市場の減速が続き、インフレが当局の目標に向って低下し続ければ、金利を据え置き、政策効果が引き続き働くのを見ていることができる」、「金融環境は過去90日間でかなり引き締まったが、その状態が続く場合は、われわれがさらに行動を起す必要性が低下する」 --------
10/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「次回会合でも、最近の会合と同じような経済状況であれば、私なら追加利上げを行うだろう」 --------
10/3 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「利上げを急ぐつもりはないが、利下げを急ぐつもりもない。米金融当局はインフレ率を目標の2%に戻すため、政策金利を高水準で長期にわたり据え置くことを望む」 --------
10/2 バー・FRB副議長 「インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分な景気抑制的水準に達しているか、極めて接近している可能性が高いと思う」、「われわれは長期的な金利の道筋を考えることにますます重点を置くようになると思う。インフレ率を2%まで下げるために金利をしばらくの間高止まりする必要がある。2%に到達すると私は確信している」 --------
10/2 ボウマン・FRB理事 「インフレ率を適宜にかなって目標の2%に戻すには、さらなる利上げが必要になる可能性が高いとの予想を変えていない」、「エネルギー価格の高騰により、ここ数ケ月におけるインフレ抑制に向けた進展の一部が損なわれるリスクがくすぶっている」 債券が売られ金利が上昇。ドルが買われ、ユーロと円などが下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和