今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円下落分の半値戻しを達成」

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場
  • NY市場が感謝祭の祝日だったことからドル円は149円台で小動き。上値は149円70銭と、今回の下げ幅の半値戻しを達成。
  • ユーロドルは前日から下落。1.09台を割り込み、1.0887まで売られる。
ドル/円 149.04 〜 149.70
ユーロ/ドル 1.0887 〜 1.0931
ユーロ/円 162.36 〜 163.19
NYダウ ------ → 35,088.29ドル
GOLD ------ → 2,001.60ドル
WTI ------ → 77.77ドル
米10年国債 ------ → 4.393%

本日の注目イベント

  • 日 10月消費者物価指数
  • 日 9月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日 9月景気一致指数(CI)(改定値)
  • 独 独7―9月期GDP(改定値)
  • 独 独11月ifo景況感指数
  • 欧 ラガルド・ECB総裁講演
  • 米 株式・債券市場、短縮取引
  • 米 感謝祭翌日のブラックフライデー
  • 米 11月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)
  • 米 11月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)
  • 米 11月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)
  • 加 カナダ9月小売売上高

本日のコメント

ドル円は今週21日(火)には147円15銭まで売られる場面がありましたが、その後の戻りも急で、昨日の海外市場では149円70銭までドルが反発し、これで今回の下落分の半値(147円53銭)戻しを達成しています。「半値戻しは、全値戻し」という言葉もあるように、再び150円台に乗せて上昇できるのかどうかが焦点になります。今週の下げはこれまでになく深かったこともあり、この先輸出筋を中心に、ドルの戻りには今まで以上に慎重になることも予想されます。また150円前後でのドルロング・ポジジョンの解消も当然ドルの上値を抑えることが見込まれますが、それらをこなした上で、上昇できるかどうかです。

トルコ中銀は23日、政策金利である1週間物レポ金利を「5%」引き上げ、「40%」にすることを決めました。利上げ幅は市場で見込まれていた2倍の大きさでした。声明では、「現在の金融引き締めの水準はディスインフレ路線を確立する上で必要な水準にかなり近い」と説明し、「従って、引き締めペースを減速させ、引き締めサイクルを短期間のうち完了する」としています。エルカン総裁率いるトルコ中銀は、今年6月から6回連続で利上げを実施してきました。発表を受けてリラ円は上昇しましたが、上昇幅は小幅で、その後元の水準に押し戻されています。声明文後半の部分が再びリラ売りにつながったものと思います。

カタールは、イスラエルとハマスの一時的な戦闘停止が24日現地時間朝7時に開始されると発表しました。仲介を行っているカタール外務省によると、戦闘停止は4日間行われ、戦闘停止に加えてハマスは人質50人を解放し、イスラエル側も刑務所に収容しているパレスチナ人150人を解放する見通しです。この200人はいずれも女性と子供だと見られています。イスラエルとハマスの合意はかつて何度か履行されなかったこともあり、まだ予断を許さない状況ですが、履行されたとしても4日間の戦闘停止後に「停戦」に向う可能性は、現時点ではほとんどないようです。

ドル円は、今回の急落では「12時間足」チャートの200本移動平均線で下げ止まりましたが、同時間足では149円95銭近辺から上に「雲」があり、ここを抜け切ることができるかどうかに注目しています。「日足」を見る限りドル高の流れは変わっていないと、これまでもコメントして来ましたが、FOMCでの追加利上げの可能性は徐々に低下しており、これまでとはドルを取り巻く環境も変わりつつあります。FRBが2%の物価目標達成に「確信」が持てるようになるには、雇用と個人消費の鈍化傾向が明確になる必要があり、今後もこの2つの指標からは目が離せません。

本日のドル円は148円80銭〜150円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
11/21 FOMC議事録 「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」 ドル円は147円台から148円60銭まで上昇。株は売られ、債券は買われる。
11/14 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ率が2%に下がる円滑な軌道にあるとは確信していない」、「米金融当局は正しい方向に向かっているが、最近のデータは米経済が驚くほど底堅いことを示唆している」 --------
11/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 2%の目標達成までにはまだ距離がある」、「財のインフレはすでに鈍化しており、住宅を除くサービスのインフレは通常、調整が遅れることが多いことから、向こう数四半期にさらなる進展を遂げるには、住宅関連のインフレ動向が重要になる。より一般的に言えば、インフレが低下していく過程では、常にいくらか紆余曲折がある」 --------
11/9 パウエル・FRB議長 「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば、そうすることをためらわない」、「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」、(金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが)、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」、「将来のインフレ抑制が供給サイドの改善によってどれだけ改善できるかは定かではない」 債券と株が売られ、長期金利が大きく上昇。ドル円は151円前後から151円39銭まで買われる。
11/9 植田・日銀総裁 「日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しい」 --------
11/8 クック・FRB理事 「中東の紛争は世界的な人道・移民問題の悪化に加え、エネルギー市場や金融市場にさらなるリスクを生じさせる可能性がある」とし、「争いがエスカレートすれば経済活動や貿易の重しとなり、資金調達・生産コストを押し上げて、サプライチェーンが抱える問題の悪化やインフレ圧力の高まりにつながりかねない」 --------
11/8 ジェファーソン・FRB副議長 「経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要がある」 --------
11/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「金融当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。妥当な時間をかけてインフレ率を2%まで下げなければならない」、「そこに到達するためにどれくらいが必要なのかは、最終的には経済が教えてくれるだろう。私にはわからない」 --------
11/7 ボウマンFRB理事 「インフレ率を適切なタイミングでわれわれが目指す2%に低下させるには、さらなる利上げが必要になるとなおも予想する」 --------
11/7 シカゴ連銀・グールズビー総裁 「インフレ率を下げなければならない。それが最優先だ。われわれが注視しているのはまさにそれだと、強く断言する」、「次回FOMCまでにまだ数週間あり、まだ多くの情報がそれまでに出て来る。金利がどうなるのか、あらかじめコミットするのは好ましくない。自身はこれまでの利上げによる累積効果に経済がどのように反応しているのか、統計から犬のように嗅ぎ取ろうとする『データドッグ派』の一員だ」 --------
11/7 ブロック・RBA総裁 「適切な期間内にインフレ率の目標に確実に回帰させるため金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかは、データやリスクを巡る評価に左右される」 豪ドルは発表後買われたが、その後発表前に水準を下回る。
11/5 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 --------
11/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 --------
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 --------
11/1 パウエル・FRB議長 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 --------
11/1 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。
11/1 神田・財務省財務官 (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 ドル円→151円台半ばから30銭程下落。
10/31 植田・日銀総裁 (2%の物価安定目標の実限に向け)「十分な確度を持って見通せる状況には達していない」 ドル円は150円台に上昇。NYでは151円71銭まで円が売られる。
10/26 ラガルド・ECB総裁 「金融政策によくあることだが、政策効果の伝達には時間がかかる。ECBスタッフの判断によれば、政策はまだ伝達の過程であり、実体経済に今後さらに影響を与えていくだろう。効果波及は2023年末から2024年1−3月にかけて続くと想定している」、「長期的なインフレ期待の指標は、ほとんどが2%前後だが、それにもかかわらず、いくつかの指標は依然として高水準で、注意深く監視する必要がある」 ユーロドルは小幅に売られたがその後反発。
10/19 パウエル・FRB議長 「経済成長の強靭さと労働需給の底堅さを示している最近のデータに、われわれは留意している。経済成長が継続的に潜在成長率を上回っている兆候、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合、インフレに関する一層の進展にリスクが生じる可能性がり、金融政策の追加引き締めが正当化される」、「政策が現在引き締めすぎである兆候はないと考えている」、「インフレはなお高すぎる。インフレがわれわれの目標に向けて持続的に低下しているという確信を得るには時間が必要で、数カ月の良好なデータはその始まりに過ぎない」、地政学的な緊張は、極めて高い状態にある」 債券が売られ金利が上昇。株も大きく下げ、ドル円は149円95銭まで買われる。
10/18 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「インフレ率を当局目標の2%に戻すためには、政策金利を景気抑制的水準に『当面』とどめておくべきだ」 --------
10/18 ウォラー・FRB理事 「政策金利の軌道に関して最終的に行動する前に、景気がどのように進展するのか様子を見ることは可能だと考える」、「実態経済が冷え込み始めるのか、あるいは名目経済の物価が過熱するのかを確認するため、データを注意深く見ていく」 --------
10/17 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ軌道がまだはっきりしていない。これまでの行動が十分だったか、あるいはやるべき仕事がまだあるのか見極める時間はある」、「われわれは紙一重のところを進んでいる。修正が足りなければ、インフレが再燃する。修正し過ぎれば、景気に不必要なダメージをもたらす」、「最善の政策ですら、外部のイベントによって妨げられる可能性がある。最近の中東でのニュースでそれを改めて思い知らされた」 --------
10/16 神田・財務官 「為替相場が激しく下落した場合には、国は『金利を引き上げることによって資本流出を止めるか、為替介入で過度の変動に対抗する』」、「非常に複雑な状況の中で総合的にファンダメンタルズを判断する」 --------
10/16 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁 「データが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましい」 --------
10/16 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「最近のインフレ鈍化は単月の一時的なものではない」、「限られた一部のデータと関連付けないよう」 --------
10/14 サンジャヤ・パンス・IMFアジア太平洋局副局長 「日本が円相場を支えるため為替市場で介入を余儀なくされる要素はない」、「該当する条件は見当たらない」、「円安は主に金利差が要因で、経済のファンダメンタルズを反映している。つまり、日本国外ではどこもインフレ率が上昇している一方、日本銀行は超緩和政策を継続している」 --------
10/11 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「政策金利については、これ以上何かをする必要はないと考える」 --------
10/11 ウォラー・FRB理事 「実態経済は好調のようだ。名目経済もわれわれが望む方向に進んでいる。従って当局は金利に関してある種、状況を見極める立場にある」、「金融市場は引き締まりつつあり、それがわれわれの仕事の一部を肩代わりすることになる」 --------
10/11 コリンズ・ボストン連銀総裁 「現行の引き締めサイクルのピークに近づいているか、もしかするとピークにあるかもしれない」、「ただ、新たに入手する情報次第では、さらなる引き締めが適切になる可能性がある」 --------
10/10 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「米政策金利はインフレ率を2%に押し下げるのに十分に景気抑制的な水準にあると私は考える」、「これ以上の利上げが必要だとは実際思わない」、「景気見通しが予想外に変化した場合は利上げが必要になるかもしれないが、それは現時点で自身が予想するものではない」 --------
10/9 ローガン・ダラス連銀総裁 「タームプレミアムが上昇すれば、それが経済の沈静化に向けた金融当局の仕事を一部肩代わりし、当局として政策を追加で引き締める必要性が低下する可能性がある」(講演後の質疑応答で)、「われわれはまだやるべき仕事がある。景気抑制的な金融環境はしばらく必要になると考えられる」 前者の発言に反応し、ドル円は下落。
10/9 ジェファーソン・FRB副議長 「米金融当局は、必要となり得る追加的な政策引き締めの程度を見極める上で、慎重に進むことができる立場になりつつある」 ドル円は下落。
10/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「もう十分やったのか、もっとやるべきことがあるのか、見極める時間はある。今後の道筋は、インフレ圧力がピークを過ぎたと確信できるのか、なお持続すると見るかに左右される。その手掛かりを求め、労働市場を注意深く見守りたい」 --------
10/5 デーリー・SF連銀総裁 「労働市場の減速が続き、インフレが当局の目標に向って低下し続ければ、金利を据え置き、政策効果が引き続き働くのを見ていることができる」、「金融環境は過去90日間でかなり引き締まったが、その状態が続く場合は、われわれがさらに行動を起す必要性が低下する」 --------
10/3 メスター・クリーブランド連銀総裁 「次回会合でも、最近の会合と同じような経済状況であれば、私なら追加利上げを行うだろう」 --------
10/3 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「利上げを急ぐつもりはないが、利下げを急ぐつもりもない。米金融当局はインフレ率を目標の2%に戻すため、政策金利を高水準で長期にわたり据え置くことを望む」 --------
10/2 バー・FRB副議長 「インフレ率を長期的に2%に戻すのに十分な景気抑制的水準に達しているか、極めて接近している可能性が高いと思う」、「われわれは長期的な金利の道筋を考えることにますます重点を置くようになると思う。インフレ率を2%まで下げるために金利をしばらくの間高止まりする必要がある。2%に到達すると私は確信している」 --------
10/2 ボウマン・FRB理事 「インフレ率を適宜にかなって目標の2%に戻すには、さらなる利上げが必要になる可能性が高いとの予想を変えていない」、「エネルギー価格の高騰により、ここ数ケ月におけるインフレ抑制に向けた進展の一部が損なわれるリスクがくすぶっている」 債券が売られ金利が上昇。ドルが買われ、ユーロと円などが下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和