「金、荒っぽい動き。最高値から反落」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- 東京時間朝方には146円23銭まで売られたドル円はNYでは反発。米金利が上昇したこともあり147円44銭近辺までドルが買われる。
- ユーロドルは小幅に続落。1.0804まで下落し、引き続きユーロ円などの売りが重荷になっている模様。
- 株式市場は3指数が揃って反落。米金利の上昇にナスダックは119ポイントの下落。
- 債券は反落。長期金利は4.25%台に上昇。
- 金はアジア市場で2152ドル台まで買われ、最高値を更新したがNYでは金利上昇に大幅反落。原油は3日続落し73ドル台に。
10月製造業受注 → −3.6%
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| ドル/円 | 146.48 〜 147.44 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0804 〜 1.0875 |
| ユーロ/円 | 158.71 〜 159.59 |
| NYダウ | −41.06 → 36,204.44ドル |
| GOLD | −47.50 → 2,042.20ドル |
| WTI | −1.03 → 73.04ドル |
| 米10年国債 | +0.057 → 4.253% |
本日の注目イベント
- 豪 豪7−9月期経常収支
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 日 11月東京都区部消費者物価指数
- 中 11月財新サービスPMI
- 中 11月財新コンポジットPMI
- 独 独11月サービス業PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏11月総合PMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏11月サービスPMI(改定値)
- 欧 ユーロ圏10月卸売物価指数
- 米 11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値)
- 米 11月S&Pグローバル総合PMI(改定値)
- 米 10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数
- 米 11月ISM非製造業景況指数
本日のコメント
米長期金利の低下に伴い昨日の東京時間朝方には146円23銭まで売られたドル円でしたが、その後は買い戻され、NYでは147円44銭近辺まで反発しました。米長期金利が上昇したことで、前日までの動きが逆回転して、ドルが買われ、債券と株が売られ、連日上昇していた金も大きく売られました。特に金は、先週末のNYで過去最高値を記録し、その流れから昨日のアジア市場でも大きく買われ、一時は2142ドル台と、NYの最高値を大きく上回りましたが、NYでは金利高が嫌気され、2042ドル台で引けました。アジア市場で記録した過去最高値からは実に100ドルを超える下げとなったわけで、金価格の動きとすれば非常に大きく、荒っぽい動きだったと言えます。
米金利を巡っては昨日のウィークリー・コメント(今週の予想レンジ)でも触れましたが、市場には「早ければ3月にも利下げ」といった観測が一部に出ましたが、昨日は大手金融機関のストラテジストから「米利下げ期待は行き過ぎ」との声も上がり、これが上記逆回転の動きにつながったようです。米ゴールドマンのストラテジストは「米金融政策当局が来年どの程度利下げするかについて、金融市場は楽観的になり過ぎている」と指摘し、同行では来年中に1回の利下げを見込んでおり、市場は利下げに傾き過ぎているとしています。市場は常に先走り、「順張り」で考える傾向がありますが、この先FRBの目標である2%の物価上昇率に対する「ラストワンマイル」は決して容易ではないようです。仮に、今週末の雇用統計で予想を上回る数字が出ただけで、市場のセンチメントは一変するリスクがあります。FRBは現在の高い政策金利を当面維持し、その後の影響を見守りながら、2%物価目標の達成に確信が持てた段階で初めて「利下げ」を口にするのではないかと、筆者は予想しています。来年春先までにその確信を得る可能性はそれほど高くはないと思われます。インフレに対する初動が遅れたと批判されたパウエルFRBにとっては、二度と政策の失敗は許されないはずです。
格付け会社フィッチ・レーティングスは、「日本銀行が政策正常化によって被る損失からの日本の財政赤字への影響は、比較的穏やかな打撃であっても、ソブリン格付けには大きな影響を与える可能性がある。利払い負担が増える見通しの中ではなおさらだ」と発表しています。フィッチの基本シナリオは、日銀が超低金利政策を今後数年間維持することだが、リスクのバランスはインフレ率上昇と引き締め加速に傾いていると見られる(ブルームバーグ)とのことです。先週日銀は2023年9月末時点で保有する国債の含み損は10兆5000億円だと発表していました。イールドカーブコントロール(YCC)政策を推し進めてきたことで、市場から大量の国債を購入してきましたが、その後YCCの修正もあり金利が上昇したことにより含み損は過去最大となっています。
ラガルドECB総裁は2日、コロナ検査で陽性だったようです。本日のドル円は146円30銭〜147円80銭程度を予想します。10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数など、比較的重要指標の発表もあります。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「かなり急ピッチでここまで来たあと、FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバランスが取れてきている」、「政策は今、かなり景気抑制的な領域に入っている」、「十分景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論付ける、あるいは金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ。追加の金融引き締めが適切になる場合、そうする用意がある」 | 株式と債券が買われ、ドル円は148円台から146円台半ばまで下落。金価格も過去最高値を記録。 |
| 11/30 | デーリー・SF連銀総裁 | 「政策は非常に良い位置にある。われわれは政策金利を大幅に引き上げてきた。インフレ上昇をヘッジするような保険的な思考は現時点では必要ない。金融当局はただ忍耐強く、警戒を怠らないようにすべきだ」、「私自身現時点では利下げは全く考えていない」 | -------- |
| 11/30 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金利は過去25年で最も景気抑制的だと推定される。バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的目標である2%へと持続的に低下させ、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持するのが適切になると想定される」 | -------- |
| 11/29 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレは自然かつスムーズに下がってくるなら、素晴らしいことだ。しかし、インフレが再燃する場合は、金利に関してさらに行動するという選択肢を持っておきたいと思う」 | -------- |
| 11/29 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「いくつかの重要な流れに関して、明確性が増しているとの感触を持っている」、「われわれの調査や企業経営者らの情報に基づくと、インフレの下向き軌道は続く可能性が高いと思われる」、「われわれの情報では、経済活動は今後数カ月に減速すると考えられる。景気抑制的な金融政策と金融環境の引き締まりで経済活動が一段と抑制されていることが一因だ」 | -------- |
| 11/28 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「全体として、食品セクター以外ではインフレ面で進展を遂げてきた。下がってきてはいるが、まだ目標にまで低下していない。しかし、2023年はインフレ率の低下が過去71年で最大になる軌道にある」 | -------- |
| 11/28 | ボウマン・FRB理事 | 「私の基本的な経済見通しでは、インフレ率2%の目標まで時宜を得て低下させる上で、十分に景気抑制的な政策を維持するにはFF金利のさらなる引き上げが必要だと、引き続き想定している」、「しかし、金融政策はあらかじめ決まった軌道にはなく、経済見通しと適切な金融政策の道筋への影響を見極めるため、今後発表されるデータを注視していく」 | -------- |
| 11/28 | ウォラー・FRB理事 | 「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」、「ここ数週間に目にした状況を心強く感じている。それは経済のペースだ」、「インフレは依然高過ぎで、最近の進展が持続可能だと確信するには時期尚早だ」 | 株と債券が買われ、金利が低下したことでドル円は148円台から147円台前半まで売られる。ユーロドルは3カ月ぶりに1.10台を回復。 |
| 11/21 | FOMC議事録 | 「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」 | ドル円は147円台から148円60銭まで上昇。株は売られ、債券は買われる。 |
| 11/14 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレ率が2%に下がる円滑な軌道にあるとは確信していない」、「米金融当局は正しい方向に向かっているが、最近のデータは米経済が驚くほど底堅いことを示唆している」 | -------- |
| 11/14 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 2%の目標達成までにはまだ距離がある」、「財のインフレはすでに鈍化しており、住宅を除くサービスのインフレは通常、調整が遅れることが多いことから、向こう数四半期にさらなる進展を遂げるには、住宅関連のインフレ動向が重要になる。より一般的に言えば、インフレが低下していく過程では、常にいくらか紆余曲折がある」 | -------- |
| 11/9 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば、そうすることをためらわない」、「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」、(金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが)、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」、「将来のインフレ抑制が供給サイドの改善によってどれだけ改善できるかは定かではない」 | 債券と株が売られ、長期金利が大きく上昇。ドル円は151円前後から151円39銭まで買われる。 |
| 11/9 | 植田・日銀総裁 | 「日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しい」 | -------- |
| 11/8 | クック・FRB理事 | 「中東の紛争は世界的な人道・移民問題の悪化に加え、エネルギー市場や金融市場にさらなるリスクを生じさせる可能性がある」とし、「争いがエスカレートすれば経済活動や貿易の重しとなり、資金調達・生産コストを押し上げて、サプライチェーンが抱える問題の悪化やインフレ圧力の高まりにつながりかねない」 | -------- |
| 11/8 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要がある」 | -------- |
| 11/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「金融当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。妥当な時間をかけてインフレ率を2%まで下げなければならない」、「そこに到達するためにどれくらいが必要なのかは、最終的には経済が教えてくれるだろう。私にはわからない」 | -------- |
| 11/7 | ボウマンFRB理事 | 「インフレ率を適切なタイミングでわれわれが目指す2%に低下させるには、さらなる利上げが必要になるとなおも予想する」 | -------- |
| 11/7 | シカゴ連銀・グールズビー総裁 | 「インフレ率を下げなければならない。それが最優先だ。われわれが注視しているのはまさにそれだと、強く断言する」、「次回FOMCまでにまだ数週間あり、まだ多くの情報がそれまでに出て来る。金利がどうなるのか、あらかじめコミットするのは好ましくない。自身はこれまでの利上げによる累積効果に経済がどのように反応しているのか、統計から犬のように嗅ぎ取ろうとする『データドッグ派』の一員だ」 | -------- |
| 11/7 | ブロック・RBA総裁 | 「適切な期間内にインフレ率の目標に確実に回帰させるため金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかは、データやリスクを巡る評価に左右される」 | 豪ドルは発表後買われたが、その後発表前に水準を下回る。 |
| 11/5 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 | -------- |
| 11/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 | -------- |
| 11/5 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 | -------- |
| 11/1 | パウエル・FRB議長 | 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 | -------- |
| 11/1 | FOMC声明文 | 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 | 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。 |
| 11/1 | 神田・財務省財務官 | (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 | ドル円→151円台半ばから30銭程下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



