今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米長期金利3カ月ぶりに4.1%台に低下」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は10月の米求人件数が予想を大きく下回ったことを受け、147円台前半から146円57銭まで下落。その後は147円台を回復したが、上値の重い展開が続く。
  • ユーロドルは続落し、約3週間ぶりに1.0779まで売られる。
  • 株式市場はまちまちの展開の中、米金利が低下したことでナスダックは44ポイント上昇。他の2指数は小幅安。
  • 債券は反発。長期金利はおよそ3カ月ぶりとなる4.16%台まで低下。
  • 金は続落。原油も4日続落で72ドル台に。
*******************************
11月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 50.8
11月S&Pグローバル総合PMI(改定値) → 50.7
10月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 8733千件
11月ISM非製造業景況指数 → 52.7
*******************************
ドル/円 146.57 〜 147.39
ユーロ/ドル 1.0779 〜 1.0839
ユーロ/円 158.73 〜 159.29
NYダウ −79.88 → 36,124.56ドル
GOLD −5.90 → 2,036.30ドル
WTI −0.72 → 72.32ドル
米10年国債 −0.088 → 4.165%

本日の注目イベント

  • 豪 豪7−9月期GDP
  • 独 独10月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏10月小売売上高
  • 米 11月ADP雇用者数
  • 米 10月貿易収支
  • 加 カナダ11月貿易収支
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

本日のコメント

ドル円は147円を中心にもみ合いの展開です。昨日もそうでしたが、146円台では買が入り押し戻される展開ですが、147円台では半ばから後半が重くなっています。NYでは、10月の求人件数(JOLTS)が「873万3000件」と、市場予想の「930万件」から大きく減少していました。

10月分では、広範なセクターで減少しており、特にヘルスケア、金融、宿泊・食品サービスで顕著でした。また、9月分も下方修正され、米労働市場が冷え込みつつあることを示唆しています。「自発的離職者の割合である離職率は4カ月連続で2.3%と、2021年1月以来の低水準が続いた。離職率の低下は、労働者が別の仕事を見つける自信が薄れている現状や、転職の際の賃金上昇幅が小さくなっていることを示唆している」とブルームバーグは伝えています。毎週発表される「新規失業保険申請件数」も増加傾向にあり、好調な米労働市場にも景気抑制的政策の影響が出てきた可能性があります。その意味では、今週末の「11月雇用統計」の結果が一段と注目され、結果次第ではドルが一気に145円台に突入する可能性もあり、反対に148円台回復の可能性もあります。来年早い時期での利下げ期待が高まっている市場の追い風になるのか、あるいはその観測にブレイキを掛けることになるのか、注目したいと思います。

オーストラリア準備銀行(RBA)は5日、今年最後となる金融政策決定会合で政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を4.35%に据え置くことを決めました。市場予想通りの決定でしたが、この発表後、豪ドルはやや軟調に推移しています。RBAのブロック総裁は会合終了後の声明で、「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」と説明し、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」と述べていました。

7日間の停戦を終えた直後に大規模な攻撃を再開したイスラエルですが、政府の報道官は5日、「人質を解放するための一時的な休止なら、検討できる」とエルサレムの記者クラブで述べていました。しかし、今朝のブルームバーグの報道では、ネタニヤフ首相は「ハマスはわれわれを破壊しようとしているが、逆にわれわれが彼らを壊滅させつつある。われわれは最後まで、圧勝するまで戦い抜く」と表明しています。イスラエルでは特にネタニヤフ首相の強硬姿勢が目立ちますが、同氏への支持率は低下している模様です。ロシアのプーチン氏に似て来たと感じるのは筆者だけではないと思いますが、どうでしょう・・・。

バイデン大統領はマサチューセッツ州で行われた選挙資金集めのイベントで「トランプ氏が出馬していなければ、私が出馬していたかどうか分からない」と発言し、「だが米国のためには、彼を勝たせるわけにはいかない」と、今年81歳になり、高齢にもかかわらず再出馬した理由を述べています。やや正義感を前面に押し出し、同情を買っているとの印象もありますが、民主党内に有力な候補者がいないことと、トランプに任せるわけにはいかないというところは共鳴できる部分です。バイデン氏はまた、氏が高齢であることを巡る懸念をユーモアで和らげ、「40歳に2回なったことになる」とも述べています。FRBの利上げ局面が終わり、利下げが視野に入る頃には、今度は2024年大統領選が大きな材料になります。

本日のドル円は146円30銭〜148円程度を予想します。

佐藤正和の書籍紹介

これだけ! FXチャート分析 三種の神器

これだけ! FXチャート分析 三種の神器
著者:佐藤正和
出版社:クロスメディア・パブリッシング

チャートがしっかり読めるようになるFX入門

チャートがしっかり読めるようになるFX入門
著者:佐藤正和
出版社:翔泳社

What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/5 ブロック・RBA総裁 「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「かなり急ピッチでここまで来たあと、FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバランスが取れてきている」、「政策は今、かなり景気抑制的な領域に入っている」、「十分景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論付ける、あるいは金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ。追加の金融引き締めが適切になる場合、そうする用意がある」 株式と債券が買われ、ドル円は148円台から146円台半ばまで下落。金価格も過去最高値を記録。
11/30 デーリー・SF連銀総裁 「政策は非常に良い位置にある。われわれは政策金利を大幅に引き上げてきた。インフレ上昇をヘッジするような保険的な思考は現時点では必要ない。金融当局はただ忍耐強く、警戒を怠らないようにすべきだ」、「私自身現時点では利下げは全く考えていない」 --------
11/30 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金利は過去25年で最も景気抑制的だと推定される。バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的目標である2%へと持続的に低下させ、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持するのが適切になると想定される」 --------
11/29 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレは自然かつスムーズに下がってくるなら、素晴らしいことだ。しかし、インフレが再燃する場合は、金利に関してさらに行動するという選択肢を持っておきたいと思う」 --------
11/29 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「いくつかの重要な流れに関して、明確性が増しているとの感触を持っている」、「われわれの調査や企業経営者らの情報に基づくと、インフレの下向き軌道は続く可能性が高いと思われる」、「われわれの情報では、経済活動は今後数カ月に減速すると考えられる。景気抑制的な金融政策と金融環境の引き締まりで経済活動が一段と抑制されていることが一因だ」 --------
11/28 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「全体として、食品セクター以外ではインフレ面で進展を遂げてきた。下がってきてはいるが、まだ目標にまで低下していない。しかし、2023年はインフレ率の低下が過去71年で最大になる軌道にある」 --------
11/28 ボウマン・FRB理事 「私の基本的な経済見通しでは、インフレ率2%の目標まで時宜を得て低下させる上で、十分に景気抑制的な政策を維持するにはFF金利のさらなる引き上げが必要だと、引き続き想定している」、「しかし、金融政策はあらかじめ決まった軌道にはなく、経済見通しと適切な金融政策の道筋への影響を見極めるため、今後発表されるデータを注視していく」 --------
11/28 ウォラー・FRB理事 「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」、「ここ数週間に目にした状況を心強く感じている。それは経済のペースだ」、「インフレは依然高過ぎで、最近の進展が持続可能だと確信するには時期尚早だ」 株と債券が買われ、金利が低下したことでドル円は148円台から147円台前半まで売られる。ユーロドルは3カ月ぶりに1.10台を回復。
11/21 FOMC議事録 「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」 ドル円は147円台から148円60銭まで上昇。株は売られ、債券は買われる。
11/14 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ率が2%に下がる円滑な軌道にあるとは確信していない」、「米金融当局は正しい方向に向かっているが、最近のデータは米経済が驚くほど底堅いことを示唆している」 --------
11/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 2%の目標達成までにはまだ距離がある」、「財のインフレはすでに鈍化しており、住宅を除くサービスのインフレは通常、調整が遅れることが多いことから、向こう数四半期にさらなる進展を遂げるには、住宅関連のインフレ動向が重要になる。より一般的に言えば、インフレが低下していく過程では、常にいくらか紆余曲折がある」 --------
11/9 パウエル・FRB議長 「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば、そうすることをためらわない」、「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」、(金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが)、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」、「将来のインフレ抑制が供給サイドの改善によってどれだけ改善できるかは定かではない」 債券と株が売られ、長期金利が大きく上昇。ドル円は151円前後から151円39銭まで買われる。
11/9 植田・日銀総裁 「日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しい」 --------
11/8 クック・FRB理事 「中東の紛争は世界的な人道・移民問題の悪化に加え、エネルギー市場や金融市場にさらなるリスクを生じさせる可能性がある」とし、「争いがエスカレートすれば経済活動や貿易の重しとなり、資金調達・生産コストを押し上げて、サプライチェーンが抱える問題の悪化やインフレ圧力の高まりにつながりかねない」 --------
11/8 ジェファーソン・FRB副議長 「経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要がある」 --------
11/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「金融当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。妥当な時間をかけてインフレ率を2%まで下げなければならない」、「そこに到達するためにどれくらいが必要なのかは、最終的には経済が教えてくれるだろう。私にはわからない」 --------
11/7 ボウマンFRB理事 「インフレ率を適切なタイミングでわれわれが目指す2%に低下させるには、さらなる利上げが必要になるとなおも予想する」 --------
11/7 シカゴ連銀・グールズビー総裁 「インフレ率を下げなければならない。それが最優先だ。われわれが注視しているのはまさにそれだと、強く断言する」、「次回FOMCまでにまだ数週間あり、まだ多くの情報がそれまでに出て来る。金利がどうなるのか、あらかじめコミットするのは好ましくない。自身はこれまでの利上げによる累積効果に経済がどのように反応しているのか、統計から犬のように嗅ぎ取ろうとする『データドッグ派』の一員だ」 --------
11/7 ブロック・RBA総裁 「適切な期間内にインフレ率の目標に確実に回帰させるため金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかは、データやリスクを巡る評価に左右される」 豪ドルは発表後買われたが、その後発表前に水準を下回る。
11/5 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 --------
11/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 --------
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 --------
11/1 パウエル・FRB議長 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 --------
11/1 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。
11/1 神田・財務省財務官 (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 ドル円→151円台半ばから30銭程下落。
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和