「WTI原油価格70ドルを割り込む」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は東京時間終盤に147円を割り込んだが、今回も反発。NYでは米金利低下にも終始147円台で推移。
- ECBのシュナーベル理事が追加利上げの可能性がないことに言及したことで、ユーロドルは1.0760まで続落。
- 株式市場は3指数が揃って下落。ダウは70ドル下げ3日続落。
- 債券は続伸。世界的に債券が買われたこともあり、長期金利は4.10%に低下。
- 金は反発。原油は5日続落。ガソリンの在庫が増えていたことで2ドルを超える下げに。70ドルを割り込み、およそ5ヵ月ぶりの安値を記録。
11月ADP雇用者数 → 10.3万人
10月貿易収支 → −64.3b
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| ドル/円 | 147.00 〜 147.40 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.0760 〜 1.0805 |
| ユーロ/円 | 158.57 〜 159.02 |
| NYダウ | −70.13 → 36,054.43ドル |
| GOLD | +11.60 → 2,047.90ドル |
| WTI | −2.94 → 69.38ドル |
| 米10年国債 | −0.061 → 4.104% |
本日の注目イベント
- 豪 豪10月貿易収支
- 日 10月景気先行指数(CI)(速報値)
- 中 中国11月貿易統計
- 中 中国11月外貨準備高
- 独 独11月貿易収支
- 独 独10月鉱工業生産
- 欧 ユーロ圏7−9月期GDP(確定値)
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 10月消費者信用残高
- 米 7−9月期家計純資産
- 加 カナダ10月住宅建設許可件数
本日のコメント
民間の雇用統計である11月のADP雇用者数は、市場予想の「13万人」を下回る「10.3万人」でした。また10月分も速報値の「11.3万人」から「10.6万人」に下方修正されています。民間企業の雇用者数は明らかに増加ペースが鈍化してきており、製造業の雇用者数は2022年初め以来の低水準でした。また、新型コロナウイルス禍後の雇用回復をけん引してきた娯楽・ホスピタリティーのセクターでは、2021年2月以降で初めて雇用者数が減少しています。ADPのチーフ・エコノミストは、「そうした押し上げ効果は終わった。娯楽・ホスピタリティーが過去のトレンドに戻ったことは、経済全体での雇用と賃金の伸びが来年に鈍化することを示唆する」と、今回のデータを分析しています。明日の雇用統計本番でも、そもそもADP雇用者数との強い相関は見られないものの、求人件数の減少や新規失業保険申請件数の増加傾向などを勘案すると、「16万人」と予想されている見込みが、下振れする可能性はあるかもしれません。
WTI原油価格の下げがきつくなっています。昨日のNY商品先物市場では前日比3ドルに迫る下げを記録し、70ドルを割り込んできました。一時は69ドル11セントまで売られ、およそ5カ月ぶりの安値を付けています。ガソリンの在庫が増加していたことに加え、米国からの輸出増加もあり、さらに「OPECプラス」による減産実施に対する懐疑的な見方もあり、全体としては供給過剰への懸念が強まっていることが背景のようです。今年9月の直近高値である90ドル台からはすでに23%を超える下げとなっています。
為替市場ではユーロドルの下げが目立っています。ユーロドルは昨日のNYでは1.0760まで売られ、1.10台から急速に下げています。ECBのシュナーベル理事はロイター通信とのインタビューで、「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」と述べたことが材料になっています。11月30日に発表されたユーロ圏11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で「2.4%」と、市場予想を大きく下回るものでした。シュナーベル氏は、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだった。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は心強い」と語っています。昨日のNYでは米長期金利が引き続き低下している中でも、ドル円は底堅く推移していましたがこれは、ユーロドルで「ユーロ安」が進んだ影響もあったようです。米インフレ率の動向でドル円も左右されますが、今後はユーロ圏のCPIとユーロドルの動きにも目配せが必要です。
本日のドル円は146円50銭〜148円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/6 | シュナーベル・ECB理事 | 「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだった。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は心強い」 | ユーロ安が進み、ユーロドルは1.0760まで売られる。 |
| 12/5 | ブロック・RBA総裁 | 「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」 | -------- |
| 12/1 | パウエル・FRB議長 | 「かなり急ピッチでここまで来たあと、FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバランスが取れてきている」、「政策は今、かなり景気抑制的な領域に入っている」、「十分景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論付ける、あるいは金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ。追加の金融引き締めが適切になる場合、そうする用意がある」 | 株式と債券が買われ、ドル円は148円台から146円台半ばまで下落。金価格も過去最高値を記録。 |
| 11/30 | デーリー・SF連銀総裁 | 「政策は非常に良い位置にある。われわれは政策金利を大幅に引き上げてきた。インフレ上昇をヘッジするような保険的な思考は現時点では必要ない。金融当局はただ忍耐強く、警戒を怠らないようにすべきだ」、「私自身現時点では利下げは全く考えていない」 | -------- |
| 11/30 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金利は過去25年で最も景気抑制的だと推定される。バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的目標である2%へと持続的に低下させ、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持するのが適切になると想定される」 | -------- |
| 11/29 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレは自然かつスムーズに下がってくるなら、素晴らしいことだ。しかし、インフレが再燃する場合は、金利に関してさらに行動するという選択肢を持っておきたいと思う」 | -------- |
| 11/29 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「いくつかの重要な流れに関して、明確性が増しているとの感触を持っている」、「われわれの調査や企業経営者らの情報に基づくと、インフレの下向き軌道は続く可能性が高いと思われる」、「われわれの情報では、経済活動は今後数カ月に減速すると考えられる。景気抑制的な金融政策と金融環境の引き締まりで経済活動が一段と抑制されていることが一因だ」 | -------- |
| 11/28 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「全体として、食品セクター以外ではインフレ面で進展を遂げてきた。下がってきてはいるが、まだ目標にまで低下していない。しかし、2023年はインフレ率の低下が過去71年で最大になる軌道にある」 | -------- |
| 11/28 | ボウマン・FRB理事 | 「私の基本的な経済見通しでは、インフレ率2%の目標まで時宜を得て低下させる上で、十分に景気抑制的な政策を維持するにはFF金利のさらなる引き上げが必要だと、引き続き想定している」、「しかし、金融政策はあらかじめ決まった軌道にはなく、経済見通しと適切な金融政策の道筋への影響を見極めるため、今後発表されるデータを注視していく」 | -------- |
| 11/28 | ウォラー・FRB理事 | 「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」、「ここ数週間に目にした状況を心強く感じている。それは経済のペースだ」、「インフレは依然高過ぎで、最近の進展が持続可能だと確信するには時期尚早だ」 | 株と債券が買われ、金利が低下したことでドル円は148円台から147円台前半まで売られる。ユーロドルは3カ月ぶりに1.10台を回復。 |
| 11/21 | FOMC議事録 | 「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」 | ドル円は147円台から148円60銭まで上昇。株は売られ、債券は買われる。 |
| 11/14 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレ率が2%に下がる円滑な軌道にあるとは確信していない」、「米金融当局は正しい方向に向かっているが、最近のデータは米経済が驚くほど底堅いことを示唆している」 | -------- |
| 11/14 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 2%の目標達成までにはまだ距離がある」、「財のインフレはすでに鈍化しており、住宅を除くサービスのインフレは通常、調整が遅れることが多いことから、向こう数四半期にさらなる進展を遂げるには、住宅関連のインフレ動向が重要になる。より一般的に言えば、インフレが低下していく過程では、常にいくらか紆余曲折がある」 | -------- |
| 11/9 | パウエル・FRB議長 | 「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば、そうすることをためらわない」、「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」、(金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが)、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」、「将来のインフレ抑制が供給サイドの改善によってどれだけ改善できるかは定かではない」 | 債券と株が売られ、長期金利が大きく上昇。ドル円は151円前後から151円39銭まで買われる。 |
| 11/9 | 植田・日銀総裁 | 「日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しい」 | -------- |
| 11/8 | クック・FRB理事 | 「中東の紛争は世界的な人道・移民問題の悪化に加え、エネルギー市場や金融市場にさらなるリスクを生じさせる可能性がある」とし、「争いがエスカレートすれば経済活動や貿易の重しとなり、資金調達・生産コストを押し上げて、サプライチェーンが抱える問題の悪化やインフレ圧力の高まりにつながりかねない」 | -------- |
| 11/8 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要がある」 | -------- |
| 11/7 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「金融当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。妥当な時間をかけてインフレ率を2%まで下げなければならない」、「そこに到達するためにどれくらいが必要なのかは、最終的には経済が教えてくれるだろう。私にはわからない」 | -------- |
| 11/7 | ボウマンFRB理事 | 「インフレ率を適切なタイミングでわれわれが目指す2%に低下させるには、さらなる利上げが必要になるとなおも予想する」 | -------- |
| 11/7 | シカゴ連銀・グールズビー総裁 | 「インフレ率を下げなければならない。それが最優先だ。われわれが注視しているのはまさにそれだと、強く断言する」、「次回FOMCまでにまだ数週間あり、まだ多くの情報がそれまでに出て来る。金利がどうなるのか、あらかじめコミットするのは好ましくない。自身はこれまでの利上げによる累積効果に経済がどのように反応しているのか、統計から犬のように嗅ぎ取ろうとする『データドッグ派』の一員だ」 | -------- |
| 11/7 | ブロック・RBA総裁 | 「適切な期間内にインフレ率の目標に確実に回帰させるため金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかは、データやリスクを巡る評価に左右される」 | 豪ドルは発表後買われたが、その後発表前に水準を下回る。 |
| 11/5 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 | -------- |
| 11/5 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 | -------- |
| 11/5 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 | -------- |
| 11/1 | パウエル・FRB議長 | 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 | -------- |
| 11/1 | FOMC声明文 | 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 | 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。 |
| 11/1 | 神田・財務省財務官 | (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 | ドル円→151円台半ばから30銭程下落。 |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



