今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米11月のCPIは3.1%」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は146円台半ばから反落。米長期金利が低下したこともあり144円72銭まで売られ、先週金曜日の水準まで下落。
  • ユーロドルは反発。1.0830まで買われ、およそ1週間ぶりの高値に。
  • 株式市場は朝方軟調に取引が始まったが、買い優勢となり3指数は揃って3日続伸。
  • 債券は買われ、長期金利は4.20%台に低下。米11月のCPIを巡っては微妙な反応に。
  • 金は3日続落し、原油も反落。
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11月消費者物価指数 → 3.1%(前年同月比)
11月財政収支 → −314b
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ドル/円 144.72 〜 145.85
ユーロ/ドル 1.0768 〜 1.0830
ユーロ/円 156.58 〜 157.21
NYダウ +173.01 → 36,577.94ドル
GOLD −0.50 → 1,993.20ドル
WTI −2.71 → 68.61ドル
米10年国債 −0.033 → 4.201%

本日の注目イベント

  • 日  10−12月期日銀短観・大企業製造業業況判断
  • 日  10−12月期日銀短観・大企業製非造業業況判断
  • 中東 OPEC月報
  • 欧  ユーロ圏10月鉱工業生産
  • 英  英10月鉱工業生産
  • 英  英10月貿易収支
  • 米  11月生産者物価指数
  • 米  FOMC 政策金利発表
  • 米  パウエル議長記者会見

本日のコメント

ドル円は146円台半ばから反落し、昨日のNYでは一時144円台後半まで売られる場面もありました。結局、今回の下落分の「半値戻し」は達成せずに売られたことになります。それでも米11月の消費者物価指数(CPI)が発表されると、145円台半ばまで買い戻されましたが、今夜のFOMCを前にその後の動きは緩慢でした。

11月の総合CPIは、前月比で「0.1%」(10月は「0.0%」)、前年同月比では「3.1%」(10月は「3.1%」)でした。またコアCPIは前月比で「0.3%」(10月は「0.2%」)、前年同月比では「4.0%」(10月も「4.0%」)と、前月比ではいずれも上振れしたことで、FRBの利下げ期待はやや後退したようですが、これが今夜のFOMCの決定に影響を及ぼす可能性はないようです。米国のインフレは着実に鈍化してはいるものの、この日のデータはインフレをここからさらに低下させることが容易ではないことを、改めて浮き彫りにした格好でした。労働市場が依然強く、個人消費とともに経済全般を引き続き引っ張っているようで、「ラスト・ワンマイル」は容易ではないと言われる根拠にもなっていると思われます。ただ、イエレン財務長官は昨日ワシントンでのイベントで、「インフレ率は確実に低下しつつある」とし、「インフレ率を金融当局の目標である2%に戻すまでの最後の1マイルが特に難しいとは考えていない」と、上記11月のCPI発表後に述べています。イエレン氏は「難しくない」とする、その根拠については触れていません。

イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザへの執拗な攻撃を続けていますが、同首相と米国のバイデン政権との間に、ようやく亀裂らしきものが見えてきました。バイデン大統領は12日、イスラエルの「右派政権」はイスラム組織ハマスに対する軍事作戦で国際的な支持を失いつつあると主張、ネタニヤフ首相にパレスチナ側との2国家による解決を支持するよう迫った(ブルームバーグ)と報じられています。ブルームバーグによると、「この発言は、10月7日にイスラエルとハマスの戦争が始まって以来、ネタニヤフ政権を最も厳しく批判したものの一つ。ネタニヤフ氏はこの数時間前、戦争後のガザ地区の将来についてバイデン氏と「不一致」があり、パレスチナ自治政府が同地区を再び統治するというバイデン氏の提案を拒否したことを明らかにしていた」と報じています。バイデン大統領はワシントンでの会合で、ネタニヤフ政権について「世界がイスラエルを支持し続けるのを極めて難しくしている」と発言し、「ネタニヤフ氏は良い友達だ」としつつ、「変わらなければならない」とも述べています。イスラエルの非人道的で無差別な攻撃を止めさせることをできるのは「米国だけ」であると考えていましたが、バイデン政権もようやく2024年大統領選への影響を考え、動き出したようです。米国にとって「手塩にかけて育てた子供」が反抗している現在、そろそろ親の威厳を見せる時です。遅すぎると取り返しのつかない事態にもなりかねません。イスラエルの対応が注目されます。

明日朝方には今年最後のFOMCとパウエル議長の会見があります。政策金利の据え置きはほぼ確定的と思います。注目はパウエル議長の発言内容ですが、少なくとも「勝利宣言」はなく、ある程度のメドはついたものの、引き続き今後のデータを注視していくといった内容になるのではと予想しています。データ次第では追加利上げの可能性もあるといった「再利上げの扉」を開けておくのかどうかも、ポイントの一つになろうかと思います。

本日のドル円は144円〜146円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
12/6 シュナーベル・ECB理事 「直近のインフレ率を見ると、追加利上げの可能性はかなり低い」、「11月のインフレ速報値は非常に嬉しいサプライズだった。最も重要なのは、より頑固だった基調的インフレ率が、予想以上に急激に低下していたことだ。これは驚くべきことだ。全体として、インフレの進展は心強い」 ユーロ安が進み、ユーロドルは1.0760まで売られる。
12/5 ブロック・RBA総裁 「インフレ率を合理的な時間枠で当局目標に確実に回帰させるため、金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかはデータやリスクの評価に左右される」、「インフレ率を目標に回帰させる確固たる決意に変わりはなく、それを達成するために必要なことを行うつもりだ」 --------
12/1 パウエル・FRB議長 「かなり急ピッチでここまで来たあと、FOMCは慎重に前進している。引き締め不足と引き締め過ぎのリスクは一段とバランスが取れてきている」、「政策は今、かなり景気抑制的な領域に入っている」、「十分景気抑制的なスタンスを達成したと確信を持って結論付ける、あるいは金融緩和の時期について臆測するのは時期尚早だ。追加の金融引き締めが適切になる場合、そうする用意がある」 株式と債券が買われ、ドル円は148円台から146円台半ばまで下落。金価格も過去最高値を記録。
11/30 デーリー・SF連銀総裁 「政策は非常に良い位置にある。われわれは政策金利を大幅に引き上げてきた。インフレ上昇をヘッジするような保険的な思考は現時点では必要ない。金融当局はただ忍耐強く、警戒を怠らないようにすべきだ」、「私自身現時点では利下げは全く考えていない」 --------
11/30 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金利は過去25年で最も景気抑制的だと推定される。バランスを完全に取り戻し、インフレ率を当局の中長期的目標である2%へと持続的に低下させ、景気抑制的なスタンスをかなりの期間維持するのが適切になると想定される」 --------
11/29 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレは自然かつスムーズに下がってくるなら、素晴らしいことだ。しかし、インフレが再燃する場合は、金利に関してさらに行動するという選択肢を持っておきたいと思う」 --------
11/29 ポスティック・アトランタ連銀総裁 「いくつかの重要な流れに関して、明確性が増しているとの感触を持っている」、「われわれの調査や企業経営者らの情報に基づくと、インフレの下向き軌道は続く可能性が高いと思われる」、「われわれの情報では、経済活動は今後数カ月に減速すると考えられる。景気抑制的な金融政策と金融環境の引き締まりで経済活動が一段と抑制されていることが一因だ」 --------
11/28 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「全体として、食品セクター以外ではインフレ面で進展を遂げてきた。下がってきてはいるが、まだ目標にまで低下していない。しかし、2023年はインフレ率の低下が過去71年で最大になる軌道にある」 --------
11/28 ボウマン・FRB理事 「私の基本的な経済見通しでは、インフレ率2%の目標まで時宜を得て低下させる上で、十分に景気抑制的な政策を維持するにはFF金利のさらなる引き上げが必要だと、引き続き想定している」、「しかし、金融政策はあらかじめ決まった軌道にはなく、経済見通しと適切な金融政策の道筋への影響を見極めるため、今後発表されるデータを注視していく」 --------
11/28 ウォラー・FRB理事 「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」、「ここ数週間に目にした状況を心強く感じている。それは経済のペースだ」、「インフレは依然高過ぎで、最近の進展が持続可能だと確信するには時期尚早だ」 株と債券が買われ、金利が低下したことでドル円は148円台から147円台前半まで売られる。ユーロドルは3カ月ぶりに1.10台を回復。
11/21 FOMC議事録 「委員会は慎重に進む態勢にあり、各会合での政策判断は引き続き、入手する情報の全体像に基づいて行うことで全参加者の意見が一致した」、「参加者はインフレが過去1年間に減速したことを指摘しつつも、インフレは現在でもなお容認できないほど高く、委員会の中長期的目標である2%を大きく上回っていると指摘した」、「インフレが2%目標への道筋を明確にたどっていると確信するためには、さらなる証拠が必要になることも強調した」 ドル円は147円台から148円60銭まで上昇。株は売られ、債券は買われる。
11/14 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレ率が2%に下がる円滑な軌道にあるとは確信していない」、「米金融当局は正しい方向に向かっているが、最近のデータは米経済が驚くほど底堅いことを示唆している」 --------
11/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 2%の目標達成までにはまだ距離がある」、「財のインフレはすでに鈍化しており、住宅を除くサービスのインフレは通常、調整が遅れることが多いことから、向こう数四半期にさらなる進展を遂げるには、住宅関連のインフレ動向が重要になる。より一般的に言えば、インフレが低下していく過程では、常にいくらか紆余曲折がある」 --------
11/9 パウエル・FRB議長 「金融政策のさらなる引き締めが適切となれば、そうすることをためらわない」、「しかし、数カ月の良好なデータで見誤るリスクと、引き締め過ぎるリスクの両方に対処できるよう、引き続き慎重に行動していく」、(金融政策の当局者はインフレ率を目標の2%に下げることに注力しているが)、「そのようなスタンスを達成できたと確信していない」、「将来のインフレ抑制が供給サイドの改善によってどれだけ改善できるかは定かではない」 債券と株が売られ、長期金利が大きく上昇。ドル円は151円前後から151円39銭まで買われる。
11/9 植田・日銀総裁 「日本の現状を踏まえると、望ましい水準よりも低いインフレ率はオーバーシュートよりも対処が難しい」 --------
11/8 クック・FRB理事 「中東の紛争は世界的な人道・移民問題の悪化に加え、エネルギー市場や金融市場にさらなるリスクを生じさせる可能性がある」とし、「争いがエスカレートすれば経済活動や貿易の重しとなり、資金調達・生産コストを押し上げて、サプライチェーンが抱える問題の悪化やインフレ圧力の高まりにつながりかねない」 --------
11/8 ジェファーソン・FRB副議長 「経済見通しに強い不確実性がある場合であっても、インフレ期待が上昇し始めれば金融当局として強力に対応する必要がある」 --------
11/7 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「金融当局はまだインフレとの闘いに勝利していない。妥当な時間をかけてインフレ率を2%まで下げなければならない」、「そこに到達するためにどれくらいが必要なのかは、最終的には経済が教えてくれるだろう。私にはわからない」 --------
11/7 ボウマンFRB理事 「インフレ率を適切なタイミングでわれわれが目指す2%に低下させるには、さらなる利上げが必要になるとなおも予想する」 --------
11/7 シカゴ連銀・グールズビー総裁 「インフレ率を下げなければならない。それが最優先だ。われわれが注視しているのはまさにそれだと、強く断言する」、「次回FOMCまでにまだ数週間あり、まだ多くの情報がそれまでに出て来る。金利がどうなるのか、あらかじめコミットするのは好ましくない。自身はこれまでの利上げによる累積効果に経済がどのように反応しているのか、統計から犬のように嗅ぎ取ろうとする『データドッグ派』の一員だ」 --------
11/7 ブロック・RBA総裁 「適切な期間内にインフレ率の目標に確実に回帰させるため金融政策のさらなる引き締めが必要かどうかは、データやリスクを巡る評価に左右される」 豪ドルは発表後買われたが、その後発表前に水準を下回る。
11/5 ボスティック・アトランタ連銀総裁 「金融当局はこの緩やかで着実な姿勢を続けるというのが、今の私の見通しだ」 --------
11/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「統計は労働市場の減速を示唆している。われわれが待ち望んでいたことであり、助けられた。経済がバランスを取り戻しつつあることはさらなる安心を与えてくれるが、一つの雇用統計に過剰反応したくはない」 --------
11/5 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「この日発表されたのは、雇用市場の漸進的な緩和を示すデータだ。追加利上げを望まない人々が望むような内容だと考える。インフレがどうなるかを見極める」 --------
11/1 パウエル・FRB議長 「慎重に進んでいる」、「経済活動が持続的に潜在成長率を上回っている兆候が、ないし労働市場の引き締まりがもはや緩和していない兆候が新たに見られた場合は、追加利上げが正当化され得る」 --------
11/1 FOMC声明文 「最近の複数の指標は、経済活動が3四半期に力強いペースで拡大したこと示唆する。雇用の伸びは今年の早い時期より緩やかになってきているが、強さを維持しており、失業率は低いままだ。インフレは依然として高水準にある」、「委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅行性、経済や金融の情勢を考慮する」 2会合連続で据え置きを決めたことで、株と債券が買われ、ドル円は151円台から150円台半ばまで下落。
11/1 神田・財務省財務官 (為替介入の可能性について)、「スタンバイしている」、「いつ何をするか申しあげることは出来ない」、(急激な円安の背景については、内外金利差や地政学的なリスクなどさまざまな要因がある中で)、「一番大きいのは投機だ」、「総合的に勘案するとファンダメンタルズと合っていない。国民生活に対して影響が大きいので適切に対応をとらなければならない」 ドル円→151円台半ばから30銭程下落。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和