「米、ベネズエラを攻撃」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は小動きの中、米金利上昇を受け堅調に推移。欧州時間の朝方には157円まで上昇。
- ユーロドルは1.17台前半から半ばで推移し、依然動意なし。
- 株式市場はまちまちの展開。ナスダックは小幅に下げたが、他の2指数は買われる。
- 債券は売られ、長期金利は4.19%台へと小幅に上昇。
- 金と原油は下落。
| ドル/円 | 156.57 〜 156.95 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1715 〜 1.1754 |
| ユーロ/円 | 183.78 〜 184.05 |
| NYダウ | +319.10 → 48,382.39ドル |
| GOLD | −11.50 → 4,329.60ドル |
| WTI | −0.10 → 57.32ドル |
| 米10年国債 | +0.03 → 4.190% |
本日の注目イベント
- 中 12月RatingDogサービス業PMI
- 中 12月RatingDog総合PMI
- 米 12月ISM製造業景況指数
- 米 12月自動車販売台数
本日のコメント
明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
今年も話題の中心はトランプ大統領のようです。新年早々、きな臭いニュースが飛び込んできました。トランプ米大統領は3日朝、米国がベネズエラに対して一連の空爆を実施し、マドゥロ大統領夫妻を拘束したと明らかにした。夫妻はその後、米国で起訴され、現在はNY市ブルックリンにある拘置所にいるようです。トランプ氏はSNSに「米国はベネズエラおよびマドゥロ大統領に対する大規模な攻撃を成功裏に実行した。マドゥロ氏は夫人と共に拘束され、国外へ移送された」と投稿しました。「軍事作戦は4日前に実施される予定だったが、悪天候のため延期されていた」とトランプ氏は説明。この作戦で「数人の負傷者」が出たものの、米軍に死者はいないと付け加えました。その後ベネズエラ最高裁判所は、デルシー・ロドリゲス副大統領に対し、大統領権限を代行として直ちに引き継ぎ、行使するよう命じています。米国によるマドゥロ大統領夫妻拘束について、ベネズエラ国内では大統領を支持する国民から米国を非難するデモも行われましたが、一方で「これでベネズエラに平和が訪れる」と、今回の事態を支持する声も聞かれました。
今回のベネズエラ攻撃は電撃的でしたが、実は周到に準備されていたようです。米国は、ベネズエラから大量の麻薬が米国に入っていることを、その理由の一つに挙げ、マドゥロ政権を世界最大級のコカイン密売ネットワークを主導していると主張。コカインは2024年だけでも、米国で過剰摂取死約2万2000人の原因となったとされています。ただ、同国は世界最大の原油埋蔵量を有しており、石油を巡る米国の利権も見え隠れしています。なにしろ、本気でデンマーク自治領のグリーンランドを手に入れようとしているトランプ氏のことです、これもディールの一環かもしれません。ルビオ国務長官はCBSの番組で、マドゥロ大統領の追放後に発足したベネズエラの新指導部から米国が望む対応を引き出すため、同国産原油を対象とした制裁措置をテコに圧力を強める考えを示しています。大統領権限代行を引き継いだロドリゲス氏は、マドゥロ氏拘束について、「野蛮、かつ拉致だ」と断じていますが、そのロドリゲス氏についてもトランプ氏は、「彼女(ロドリゲス氏)が正しい行動を取らなければ、非常に大きな代償を払うことになる。おそらくマドゥロ氏よりも大きい」と述べています。今回の米国による一連の行動に対して、国連のグテーレス事務総長は非難する声明を発表しており、ロシア外務省は、「米国によるベネズエラに対する武力攻撃」を非難し、「さらなる緊張の激化を避けることが重要だ」との見解を示しています。さらに中国も、米国によるベネズエラへの軍事攻撃とマドゥロ大統領の拘束について、「深い衝撃」を受けたと表明。「主権国家とその大統領に米国が行った露骨な武力行使を強く非難する」とした声明を発表しています。日経新聞は「トランプ米政権のベネズエラへの武力攻撃は、中東とウクライナに次ぐ新たな火種を世界にまくことになる。中南米まで紛争地域となれば、アジアを含む世界の安全保障体制が揺らぐ」と論じていました。
フィラデルフィア連銀のポールソン総裁は3日、米国経済学会の年次総会で、「インフレが鈍化し、労働市場は安定し、今年の成長率は2%前後になるとみている」と述べ、「全てそうなれば、年内にフェデラルファンド(FF)金利のさらなる小幅な調整が適切になる公算が大きい」と指摘しました。ポールソン氏によれば、「労働市場へのリスクは依然として高く、トランプ政権による移民取り締まり強化で生じる労働供給の減少を、労働需要の減速が上回っている」とのことで、一方で、失業保険の新規申請件数は安定してきているようだとも説明。「労働市場は明らかにたるみが見られるが、崩壊しているわけではない」と述べていました。
上で述べたように地政学リスクが高まり、週明けの東京市場の動きが注目されていましたが、現時点では特に目立った影響はないようです。
本日のドル円は156円20銭〜157円70銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 12/22 | 片山・財務大臣 | 「非常に短い時間での動き。完全にファンダメンタルズではなくて投機だ」、「9月の日米財務相共同声明に基づき、断固として措置を取る。アクションを取るということを申し上げている」、「為替介入も含めた行動を取れるということは日米財務相間の合意事項であり、フリーハンドがあるということだ」、(年末年始で取引が薄くなる中でも)、「常に万全の態勢が整っていると」、「状況はその都度異なるため、介入の手法に定型のパターンはない」 | ドル円は157円30銭近辺から156円80銭台に下落。 |
| 12/19 | 植田・日銀総裁 | (「中立金利」について)、「中立金利の概念自体は金融政策の枠組みを考えるうえで大事。なぜ推計して公表したかというと外国でも同じような問題意識から推計されている。様々な中銀がそれを参考にしているので我々も推計して公表した。現状では幅のある推計結果で、これがもっともらしいと言えるわけでもないので絞らずにそのまま公表した」、「大事な点は統計的推計作業として絞り切れないものの、経済への反応をみつつ手探りで見ていかなければならない」 | ドル円は156円台前半から156円台後半まで上昇し、NYでは157円78銭まで円安が進む。 |
| 12/18 | ラガルド・ECB総裁 | 「私たちは現状が良好と再確認したが、それは停滞を意味しない」、「本日の金利据え置きの決定は全会一致だったが、同時に、あらゆる選択肢をテーブルに残すべきだという見解でも全員が一致した」 | -------- |
| 12/17 | ウォラー・FRB理事 | 「インフレが高止まりしているため、われわれは時間をかけることができる。利下げを急ぐ必要はない」、「政策金利を中立水準に向けて着実に引き下げていくことが可能だ」、(FRBの独立性について)「もちろんだ。私は20年にわたって中銀の独立性とその重要性について研究してきた。これに関して論文など多くの蓄積がある」 | -------- |
| 12/15 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「金融政策はこれらリスクの均衡を図ることに非常に注力している。そのためにFOMCはやや景気抑制的な金融政策スタンスを中立に向けて移行させた」、「こうした措置により、金融政策は2026年に向けて良い位置にある」、「1年に及ぶ不確実な時期を経て、底堅さを備えた状態で2026年を迎えることになる」、「経済は堅調な成長と物価安定へと戻る見込みだ」 | 株式市場では主要3指数が下落。 |
| 12/15 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「11月の時点で私の分析では政策金利を据え置く方向に傾いていたが、12月の会合までに入手可能となった情報にはリスクバランスがやや変化したことが示唆された。インフレがさらに顕著に上昇するというシナリオは、やや可能性が低くなった」、「長期的なインフレ期待を示す一部指標の低下と、実効関税率の低下を示唆する最近の通商政策変更、労働市場の軟化を反映している」、「5年近く続いている高インフレを踏まえ、インフレの持続性については引き続き懸念している」 | 株式市場では主要3指数が下落。 |
| 12/15 | ミラン・FRB理事 | 「パンデミック後には大きなインフレが起こり、物価が上昇した。米国の家庭は依然その経験に困惑し、アフォーダビリティー(暮らし向き)に不満を抱いているのは当然だが、物価は現在、高めの水準にあるとはいえ、再び安定している。政策はこの現実を反映すべきだ」、「労働市場の悪化は急速かつ非線形に進行することがあり、その流れを元に戻すのは困難だというのが経験則だ」、「金融政策は数四半期の時間差をもって機能するという背景もあり、私が主張するような、より迅速な利下げが中立的な政策スタンスに近づく上で適切だ」 | -------- |
| 12/10 | パウエル・FRB議長 | 「こうした政策スタンスの一段の正常化は、関税の影響が一巡した後、労働市場の安定化に寄与するとともに、インフレ率が2%に向けて再び低下基調をたどることを可能にするだろう」、(次の政策変更が利下げになるのは既定路線なのかとの質問に対して)、「利上げを基本シナリオと見なしている当局者はいない」 | 政策金利を0.25ポイント引き下げことで、ドル円は156円台半ばから155円80銭まで下落。 |
| 12/10 | FOMC声明文 | 「入手可能な複数の指標は、経済活動が緩やかなペースで拡大していることを示唆する。雇用の伸びは今年鈍化し、失業率は9月末までやや上昇した。より最近の指標もこうした動きと整合的だ。インフレは今年の早い時期以降に上昇しており、幾分高止まりしている」、「委員会はより長期にわたって最大限の雇用と2%のインフレを達成することを目指す。景気見通しに関する不確実性は依然として高い。委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っており、雇用の下振れリスクはここ数カ月に高まったと判断している」 | -------- |
| 12/9 | ハセット・NEC委員長 | (FRB議長に就任した場合、大統領が求める「大幅利下げ」を推進するかどうか問われ)、「データがそれを示しているのであれば、例えば今なら、そうした利下げには十分な余地があると思う」、(それは25ベーシスポイントを超える引き下げを意味するのかとの質問に)、「その通りだ」 | -------- |
| 12/1 | 植田・日銀総裁 | 「内外経済・物価情勢や金融資本市場の動向を、さまざまなデータや情報を基に点検・議論し、利上げの是非について適切に判断したい」、(米国経済に関する不確実性が)「数カ月前よりかなり低下した」、「遅すぎることもなく早すぎることもなく、緩和度合いを適切に調整していくことは、日本経済を息の長い成長軌道に乗せるために必要だ」、「政府と日本銀行の取り組みを最終的に成功させることにつながる」、「利上げは緩和的な金融環境の中での調整だ。景気にブレーキをかけるものではなく、安定した経済・物価の実現に向けて、アクセルをうまく緩めていくプロセスだ」 | ドル円は156円前後からNYでは154円67銭まで下落。日経平均株価は一時1000円を超える下落。長期金利はおよそ17年ぶりに1.875%まで上昇。 |
| 11/21 | 片山財務大臣 | 「足元の動きは一方的で急激であると憂慮している」(日米財務相共同声明に沿って適切に対応するとした上で、為替介入は選択肢として)「当然考えられる」 | ドル円、やや円高に振れる。 |
| 11/20 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「労働市場を支えるために利下げを行えば、高止まりしているインフレの時期を長引かせるリスクがあり、金融市場でのリスクテークを助長する恐れもある」、「次に景気の減速局面が訪れた際には、本来よりも深刻になり、経済への影響がさらに大きくなる恐れがある」 | 株価は下落し、ドル円は買われる。 |
| 11/20 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | (インフレについて)、「足踏み状態にあると見受けられ、むしろ悪化の兆しを見せているようだ。だから少し不安を感じている」、「米経済はかなり堅調だが、いずれは『金利を大きく引き下げることができる』状況に戻るだろうと感じている。ただ当面は、利下げを前倒しで進めすぎ、『一時的な現象でインフレ率はまた低下するだろう』との見方に頼るのは少し不安だ」 | 株価は下落し、ドル円は買われる。 |
| 11/20 | ハセット・国家経済会議(NEC)委員長 | 「自分がFRB議長であれば、今すぐに利下げするだろう。データがそのようにすべきだと示していると考えられるためだ」 | -------- |
| 11/17 | ジェファーソン・FRB副議長 | 「ここ数カ月で経済のリスクバランスが変化したとみている。具体的にはインフレの上振れリスクがやや低下する一方、雇用の下振れリスクが高まっている」 | -------- |
| 11/17 | ウォラー・FRB理事 | 「基調的なインフレ率がFOMCの目標に近く、労働市場の弱さを示す証拠がある中、12月の会合で政策金利を25ベーシスポイント引き下げることを支持する」、「私の関心は労働市場にある。数カ月にわたる軟化を踏まえると、今週発表される9月の雇用統計や今後数週間に明らかになるデータが、この見方を変える可能性は低い」 | -------- |
| 11/14 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「追加利下げが労働市場の亀裂を修復する効果は限定的だろう。こうした緊張は、テクノロジーや移民政策の構造的変化に起因する可能性が高い」、「しかしながら、2%の物価目標へのコミットメントが一段と疑問視される中で利下げすれば、インフレに長期的な影響を与える可能性がある」 | 利下げ観測が後退し、ドル円は153円台半ばから154円台半ばまで上昇。 |
| 11/14 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「インフレ率が想定を上回るペースで鈍化している、あるいは労働市場がこれまでの緩やかな減速以上の冷え込みを見せているという確かな証拠が得られない限り、追加利下げを支持するのは難しいと思う」 | 利下げ観測が後退し、ドル円は153円台半ばから154円台半ばまで上昇。 |
| 11/12 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | この極めて不確実な環境下では、インフレと雇用のリスクを均衡させるため、しばらくの間は政策金利を現行水準に維持するのが適切となる公算が大きい」 | -------- |
| 11/13 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「総合的に判断すると、インフレ率をFRB目標に向かって引き下げる圧力を維持するため、幾分景気抑制的な姿勢を続ける必要がある」、「私は労働市場を懸念している。低中所得層や時給で働く人たちと話すと、彼らが本当に苦しんでいることが分かる」、「根強い高インフレが現在あり、最終的にこの状態は今後10年間の大半において続くだろう。経済状況が変化しない限り、これ以上の利下げを支持することはない」 | 株安・債券安が進み、米金利が上昇したことでドル円は154円台で底堅く推移。 |
| 11/13 | ムサレム・セントルイス連銀総裁 | 「金融政策が過度に緩和的にならずに追加利下げを行う余地は限られているため、慎重に対応を進める必要がある」 | 株安・債券安が進み、米金利が上昇したことでドル円は154円台で底堅く推移。 |
| 11/13 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「公表されたデータはおおむね同じ傾向を示しており、12月会合についてはデータ次第では利下げを主張することも、据え置きを支持することもあり得る。現時点では見極めが必要だ」 | 株安・債券安が進み、米金利が上昇したことでドル円は154円台で底堅く推移。 |
| 11/13 | デーリー・SF連銀総裁 | 「『利下げはしない』と断言するのも、『利下げする』と断言するのも、どちらも時期尚早だ。政策の方向性は中立的に見える」 | 株安・債券安が進み、米金利が上昇したことでドル円は154円台で底堅く推移。 |
| 11/6 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「インフレ面で問題が生じていても、それを確認できるまでにはかなり時間がかかるだろう」、「だからこそ、私は一層の不安を感じている」 | -------- |
| 11/6 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「高いインフレを引き続き懸念しており、政策はこれに対抗する方向で運営されるべきだ」、「われわれの責務は目標未達であり、その規模と長さ、リスクを比較すると、私にとってはインフレの方がより差し迫った懸念事項だ」とし、「インフレを適切なタイミングで2%に戻すには、政策金利に関してやや景気抑制的なスタンスを維持することが必要だ」 | -------- |
| 11/4 | デーリー・SF連銀総裁 | 「今後入ってくる情報を慎重に見極め、予断を持たずに判断する。リスクのバランスを取りながら、経済がソフトランディングを実現できるようにすることを意味する」 | -------- |
| 11/4 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「私はインフレの方を心配している。4年半にわたって目標を上回って推移しており、好ましくない方向に進んでいる12月会合でどうするかは、まだ決めていない。インフレ鈍化に合わせて金利を引き下げていくのが、恐らく最も慎重な対応だろう」 | -------- |
| 11/4 | クック・FRB理事 | 「今後の政策はあらかじめ決められた道筋をたどるわけではない。われわれは現在、2つの使命の双方でリスクが高まっている局面にある」、「雇用に対する下振れリスクの方が、インフレの上振れリスクよりも大きいと考えている」 | -------- |
| 11/4 | ミラン・FRB理事 | 「FRBは過度に景気抑制的であり、中立水準が現行政策よりかなり低いところにある。FOMCの一部メンバーに比べてインフレに関し楽観的である自身の見通しを踏まえると、金融政策を景気抑制的に維持する理由を見いだせない」、「しばらく隠れていた信用問題が突如として表面化した。一見すると相関関係のないような問題が続けて起きている。これは金融政策スタンスについて何かを示唆している」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書





