今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円、2週間ぶりに156円台を回復」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 毎日新聞の報道で、夕方には156円29銭前後まで急上昇したドル円は、NYでは堅調に推移しながらも小動き。
  • ドルが買われたことでユーロドルは1.1766まで下落。
  • 株式市場では、前日まで売り込まれていたテクノロジー株などが大きく買われ3指数は揃って反発。
  • 債券はほぼ横ばい。長期金利も4.03%前後で推移。
  • 金は3日ぶりに反落。原油は3日続落。
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12月S&P Cotality CS20−City YoY NSA → 1.38%
12月FHFA住宅価格指数 → 0.1%
2月リッチモンド連銀製造業景況指数 → −10
2月コンファレンスボード消費者信頼感指数 → 91.2
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ドル/円 155.59 〜 156.17
ユーロ/ドル 1.1766 〜 1.1790
ユーロ/円 183.41 〜 183.80
NYダウ +370.44 → 49,174.50ドル
GOLD −49.30 → 5,176.30ドル
WTI −0.68 → 65.63ドル
米10年国債 −0.002 → 4.029%

本日の注目イベント

  • 豪 豪1月消費者物価指数
  • 日 日銀、基調的なインフレ率を補足するための指標
  • 独 独3月GFK消費者信頼調査
  • 独 独10−12月期GDP(改定値)
  • 欧 ユーロ圏1月消費者物価指数(改定値)
  • 米 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁講演
  • 米 ムサレム・セントルイス連銀総裁講演
  • 米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
  • 米 決算発表 → エヌビディア、セールスフォース

本日のコメント

昨日、夕方から都内のホテルで時事通信社定例の「金融懇話会」があり出席してきました。登壇者は財務省国際局長の緒方氏でした。氏は為替に関してはナンバー2の立場の人で、早ければ来年には間違いなく財務官になる実力者です。緒方氏は冒頭から「立場上、奥歯に物が挟まったような言い方しかできないが」と断った上で、国際金融情勢などについての概要を話されていました。ちょうどその時、懇意にしている日銀詰めの記者からメールがあり、開けると、「高市首相、追加利上げに難色を示す。日銀・植田総裁との会談で」という、毎日新聞電子版の見出しが目に飛び込んで来ました。ドル円はそのスクープで、155円前後から一気に156円29銭前後まで1円以上も円安に振れました。毎日新聞がこの種のスクープ記事を報じるのは極めて稀ですが、市場は素直に円売りで反応しました。今朝、その記者と電話で話しましたが、「そういえば、官邸で高市首相と会談した後の総裁の顔は、いつもと違って青ざめていた、と周りの記者が話していた」と、尾ひれまでついていました。昨年「今、金利を上げるのはアホや」と言っていた高市氏、利上げに難色を示すことは想像に難くありません。積極財政と緩和維持は、高市氏の政策の柱であることから違和感はありません。緒方局長は講演の中で、「1月に公表された米財務省の『為替報告書』では、日本に関する記述の部分で、『為替介入は極めて例外的な状況に限られる』との文言は、今回削除されている」と強調していたことが印象的でした。市場介入へのハードルが下がったということのようです。

ボストン連銀のコリンズ総裁は24日、最近の経済指標が労働市場の改善を示す一方で、インフレを巡るリスクが残っているとして、金利は「しばらく」据え置かれる可能性が高いとの見方を示しました。ボストン連銀主催のパネルディスカッションでコリンズ氏は、「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」と指摘し、同時に、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」と述べました。その上で、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」と発言しています。また、同じパネルディスカッションに参加したリッチモンド連銀のバーキン総裁も、「FRBの責務の両面に依然としてリスクがある」との見方を示しています。一方、シカゴ連銀のグールズビー総裁は、連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」述べていました。

ロシアによるウクライナ侵攻から今日で4年目に入りました。戦争の終結を目指すトランプ大統領の取り組みは停滞しており、和平交渉は行き詰まりを見せています。ウクライナの支援国によると、米国はトランプ氏が主催する7月4日の「米独立250周年記念式典」より前の合意を目指しているようですが、欧州およびNATO高官は、ロシアのプーチン大統領が核となる要求が受け入れられない形での合意に応じる兆しはないと指摘しています。「交渉は何度も期限を過ぎ、一部の米高官でさえ、非公式の場では、プーチン氏が最大限の要求を譲歩する兆候がないことを認めている」と、ブルームバーグは報じています。今年、アブダビとジュネーブで3回行われた3者会談では、和平合意が近いと予想しましたが、いずれも失敗に終わっています。トランプ氏が2024年の米大統領選の最中、「自分が大統領になれば1日で戦争を終わらせることが出来る」と豪語していたことが思い出されます。

日米通貨当局による「レートチェック」で152円ギリギリまで急落したことを反映し、ドル円のチャートは日足ベースで「雲を下抜け」し、これで短期的にはトレンド転換したと判断しましたが、形勢が悪くなってきました。再び「雲を上抜け」する可能性も出てきましたが、現時点では昨日のドルの急騰でも「雲の入口」で上値は抑えられています。FRBの利下げが遅れ、日銀の利上げが遅れるようなら再び「レートチェック」を引き出すかもしれませんが、まだわかりません。

本日のドル円は155円〜156円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
1/28 ベッセント・財務長官 (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。
1/28 パウエル・FRB議長 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 --------
1/20 カーニー・カナダ首相 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 --------
1/15 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 --------
1/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 --------
1/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 --------
1/14 三村・財務官 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 --------
1/14 片山・財務大臣 (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 --------
1/8 ミラン・FRB理事 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 --------
1/8 ベッセント・財務長官 (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 --------
1/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 --------
1/6 ミラン・FRB理事 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 株価の上昇に寄与。
1/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和