今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「日銀の新しい審議委員にリフレ派2名」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 欧州時間に156円82銭前後まで上昇したドル円は、NYでは前日同様小動き。特段材料がない中、156円台半ばを中心にもみ合う。
  • ユーロドルは1.18を巡る攻防で、こちらも小動きの展開。
  • 株式市場では3指数が揃って続伸。エヌビディアの好決算を予想した買いが優勢となり、ナスダックは288ポイント上昇。
  • 債券は反落し、長期金利は4.05%台に上昇。
  • 金は反発し、原油は続落。
ドル/円 156.24 〜 156.75
ユーロ/ドル 1.1773 〜 1.1814
ユーロ/円 184.39 〜 184.77
NYダウ +307.65 → 49,482.15ドル
GOLD +49.90 → 5,226.20ドル
WTI −0.21 → 65.42ドル
米10年国債 +0.023 → 4.052%

本日の注目イベント

  • 豪 豪10−12月期民間設備投資
  • 日 12月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日 高田日銀審議委員、京都府金融経済懇談会で講演
  • 欧 ユーロ圏2月消費者信頼感(確定値)
  • 欧 ユーロ圏2月景況感指数
  • 米 新規失業保険申請件数
  • 米 「エプスタイン事件」を巡り、クリントン元国務長官が下院で証言
  • 加 カナダ10−12月期経常収支

本日のコメント

昨日の東京株式市場では、日経平均株価が1500円を超える上昇を見せ、5万9000円に迫る場面がありました。

前日の毎日新聞が、高市首相が利上げには難色を示したとのスクープを報じ、ドル円が156円台を回復するなどしたこともあり、日経平均株価は相当上昇すると予想していましたが、これで6万円の大台も視野に入ったようです。毎日新聞のスクープ記事に加え、政府が日銀の新しい審議委員候補に中央大学名誉教授の浅田統一郎氏と青山学院大学教授の佐藤綾野氏を充てる国会同意人事案を衆参両院に提示したことも、株価の上昇に弾みを付けました。両氏はともに金融緩和と積極財政を重視する「リフレ派」とされ、高市氏の眼鏡にかなった人物で、今の状況からすれば順当な人事案だと言えます。高市氏は昨年10月の就任直後から、新設の日本成長戦略会議の有識者メンバーや経済財政諮問会議の民間議員に「リフレ派」を積極的に起用してきました。8日の衆院選で与党が圧勝した中で、高市氏は初めて手掛ける日銀人事でも「高市カラー」を発揮した形です。

仮に、高市政権が長期になるようなら、時期尚早ですが、次の日銀総裁も高市氏の政策に沿った人事になる可能性すらうかがわせます。どこかの「大国の大統領」に似てきたといったら、言い過ぎでしょうか。その植田日銀総裁が読売新聞とのインタビューに応じています。総裁は、次回利上げの判断では「前回12月やそれ以前に実施した利上げの影響を点検する」との考えを示し、「金融政策運営で政府と連携している」ことを強調。「経済・物価情勢の見通しは財政政策の影響も考慮して作成している」と述べていました。また、「中長期的な財政健全化について、政府が市場の信認確保に配慮することに期待している」とも述べていましたが、前日毎日新聞がスクープした「高市首相」との会談内容については触れていませんでした。

株価の大幅な上昇にもかかわらず、昨日の東京時間でのドル円は上値が重く、むしろドルが売られる展開でした。しかし欧州市場に入ると、「株高」、「日銀人事」が改めて材料になったのか、ドル円は156円台を回復し、156円82銭前後まで円売りが進みました。ただその後のNYでは、この水準を上回ることなく小幅な動きで、前日と同じような展開でした。株式市場が注目している米半導体大手「エヌビディア」の決算が先ほど発表され、予想を上回る好決算でした。ジェンスン・フアンCEOは、先行きについて「顧客はAIコンピューティングへの投資を急いでいる。AIの産業革命を支える工場であり、将来の成長を生み出す基盤だ」と述べ、再び強気の見通しを示していました。日経先物もすでに5万9000円台を大きく上回っており、昨日に続き大幅高の可能性もあるのではないかと予想しています。株価が大きく買われても、以前の「高市トレード」のように、債券売り、ドル円での円売りが起きていません。果たして、今日も株価との連動性は見られないのか、注目しています。

24日に行われたトランプ大統領の一般教書演説では、有権者が関心を寄せる経済について、「すべては順調に進んでいる」という主張を繰り返していました。トランプ氏は、「インフレは急速に低下している。所得は急速に伸びている。力強い経済はかつてないほど活況だ」と、2時間近くに及ぶ演説で自身の功績を述べ、「問題を引き起こしたのはあなた方だ」と民主党を批判し、物価に関する民主党の主張は「卑劣で腐りきったうそだ」と断じていました。

米通商代表部(USTR)のグリア代表は25日にブルームバーグテレビジョンに出演し、米国が世界一律で課す新たな関税について、「トランプ大統領は適切と判断される場合、15%に引き上げる大統領令に数日以内に署名する見通しだ。政権はまた、貿易合意を取りまとめた国・地域との間で継続性の確保を目指している」と述べました。連邦最高裁がトランプ関税を「違憲」と判断したことで、10%関税が24日に発効しましたが、政権はその後、主要な貿易相手国・地域との合意を順守しつつ、トランプ氏の税率引き上げ方針をどのように実施していくのかについて、詳細をほとんど明らかにしていませんでした。どうやら近々15%が適用されるようです。関税率を引き上げた場合、EUとの合意違反にならないのかと問われたグリア氏は、明言を避けていました。またグリア氏はFOXビジネスとのインタビューにも同日応じ、中国製品に対する関税について、品目に応じて35−50%の税率を維持することを目指していると語っていました。

今月末で退任するアトランタ連銀のボスティック総裁は寄稿文で、「ここ数カ月、各地を訪問して明らかになったのは、FRBを巡って現在繰り広げられている法律・言論上攻防により、国民の間にFRBの独立性への疑念が生じ始めているということだ」と述べ、「これは重大な懸念だ」と指摘しています。ボスティック氏は「これらの攻防が決着する時、私はFRBの一員ではないだろう」とした上で、「長年にわたる米経済の顕著な成功に根差す知恵が最終的に勝ることを願いつつ、注意深く見守るつもりだ」と述べていました。

本日のドル円は155円30銭〜157円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
1/28 ベッセント・財務長官 (ドル・円相場への米国の介入について質問され)、「絶対にしていない」、(その可能性について)、「強いドル政策を維持していると言う以外にコメントしない」、「米国は常に強いドル政策を取っている。ただし、それは適切なファンダメンタルズを整えることを意味する」、「健全な政策を実行していれば、資金は流入する」、「米国の貿易赤字が縮小していることを踏まえれば、時間の経過とともに自動的にドル高につながるはずだ」 ドル円は152円台後半から1円ほど上昇。
1/28 パウエル・FRB議長 「経済活動の見通しは前回の会合後に明らかに改善しており、これは時間の経過とともに労働需要や雇用に影響を与えるはずだ」、(労働市場については)「安定化の兆しが見られる」、「過度に踏み込むべきではない」、「冷え込みが続いている兆候もある」、(今後の利下げについて)、「次の利下げがいつになるのか、あるいは次回の会合で金利を引き下げるのかについて、明確な判断基準を示そうとしてはいない」、「入手するデータや変化する見通しなどを考慮しながら会合ごとに判断していく上で、われわれは良い位置にあるというのがわれわれの言いたいことだ」、(中央銀行の独立性について)、「独立性の要は政策当局者を守ることではない」、「国民にとって有効に機能してきた制度的な枠組みに過ぎない」、」(任期が終了した後も理事としてFRBにとどまるかどうかの質問に)、「決めていない」 --------
1/20 カーニー・カナダ首相 「世界の中堅国は、攻撃的な超大国の強制に抵抗するために協力しなければならない」、「最近の出来事はルールに基づく国際秩序が事実上死滅したことを示しており、カナダやその他の国々は、世界の大国による圧力戦術や威嚇に対抗するため、新たな同盟関係を構築するしか選択肢がない」、「中堅国は協力しなければならない。交渉の席につかなければ、餌食になるからだ」 --------
1/15 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「われわれが直面している最も重要な課題は、インフレ率を2%に戻すことだ」、「労働市場に関するこれまでの懸念はいったん後退した。不透明感から企業は採用を鈍らせているものの、大規模なレイオフには踏み切っていない」、「シカゴ連銀の指標は、労働市場が安定していることを強く示している。依然として強さがあり、かなり堅調だ」、「インフレを2%に戻す軌道に乗せるべく、5年間にわたって取り組んできた。一定の進展はあったが、目標の達成が必要だ。それが実現すれば、金利は引き下げられると思う」 --------
1/14 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「この国の長期的なインフレ率にとって、FRBの独立性はこれ以上ないほど重要だ」、(トランプ政権によるパウエル議長への圧力について問われ)「中銀の独立性がないところでは、インフレは勢いよくぶり返す」、「われわれは過去5年間、インフレ率を引き下げるために闘ってきており、それは容易なことではなかった。FRBの独立性が攻撃されれば、その問題はさらに悪化する」 --------
1/14 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「トランプ大統領が過去1年間にFRBに圧力をかけてきたのは、金利が原因だ」、「政策担当者は今年後半に再び利下げを行う可能性はあるが、今月末の次回の会合では金利は据え置かれるべきだ」 --------
1/14 三村・財務官 「最近の為替について、経済的なファンダメンタルズを反映しているようには見えない」、「最もいけないのはボラティリティー(大きな変動)だ。円安に伴う輸入インフレのデメリットが目立つという声もいろんなところから聞こえてくる」 --------
1/14 片山・財務大臣 (足元で進む円安に)「極めて遺憾であって憂慮している。その見方については日米財務相ともに共有した」、(日本政府としては)「日米財務相共同声明の考え方を踏まえて、投機的な動きを含めて行き過ぎた動きに対しては、あらゆる手段を排除せずに適切な対応を取る」 --------
1/8 ミラン・FRB理事 「約1.5%の利下げを想定している。この想定はインフレに関する私の見解に大きく基づいている」、「基調的なインフレはFRBの目標からノイズのレンジ内で推移しており、総合インフレが中期的にどのようになるかを見極める良い示唆になっている」 --------
1/8 ベッセント・財務長官 (FRB議長人事の決定時期はダボス会議)「その直前か直後になる可能性がある。1月中だと思う」、(金利は高過ぎるかとの質問に対して)、「現在の金利水準は中立金利を依然として大きく上回っている。景気抑制的なスタンスであるべきではないと考えている」、(適切な金利水準について)、「多くのモデルでは2.50−3.25%程度を示すだろう」 --------
1/6 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「現在の金利水準が、中立と推定されるレンジ内にある」、「今後の政策運営については、2大責務の両面での進展を見極めながら、きめ細やかな判断が求められる」、「採用率が低い中で、労働市場のさらなる悪化は誰も望んでいない一方、インフレ率が目標を上回る状態が5年近く続いており、高インフレ期待の定着も避けたいところだ。まさに微妙なバランスだ」 --------
1/6 ミラン・FRB理事 「政策が中立水準付近にあるとは、かなり言いがたい。現状は明らかに景気に抑制的であり、経済の足かせになっている」、「今年は100ベーシスポイントを大きく超える利下げが正当化されると考えている」 株価の上昇に寄与。
1/5 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「景気の底堅さを踏まえ、今は中立にかなり近い状態だと推測される」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和