今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格一時82ドル台に急騰!」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は再び157円台に。米国の利下げ観測の後退と原油高からドル買い円売りが続き、ドル円は157円85銭まで買われる。
  • ドル高が進み、ユーロドルは再び1.15台半ばまで下落。
  • 株式市場では利下げ観測の後退から3指数が反落。エヌビディアが売られた他、ハイテク株が下落。ダウは一時1100ドル程下げ、784ドル安で引ける。
  • 債券は続落し長期金利は4.13%台に上昇。
  • 金は反落。原油は中東戦争の長期化懸念から82ドル台(約10.7%)まで急騰。
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新規失業保険申請件数 → 21.3万件
第4四半期労働生産性(速報値) → 2.8%
1月輸入物価指数 → 0.2%
1月輸出物価指数 → 0.6%
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ドル/円 157.40 〜 157.85
ユーロ/ドル 1.1559 〜 1.1624
ユーロ/円 182.35 〜 183.09
NYダウ −784.67 → 47,954.74ドル
GOLD −56.00 → 5,078.70ドル
WTI +6.35 → 81.08ドル
米10年国債 +0.040 → 4.136%

本日の注目イベント

  • 日 カーニー、カナダ首相来日
  • 独 独1月製造業新規受注
  • 欧 ユーロ圏10−12月期GDP(確定値)
  • 米 2月雇用統計
  • 米 1月消費者信用残高
  • 米 ハマック・クリーブランド連銀総裁、パネル討論に参加

本日のコメント

昨日の東京時間では157円台が重く、156円台半ばまで下げたドル円でしたが、NYでは再び157円台の後半までドルが買われ、円が売られました。やはり「油に弱い日本」が意識されたようです。前日は74ドル台で引けたWTI原油価格は、中東戦争が長期化するとの見方から一時は82ドル台(約10.7%)まで急騰しました。加えて、米国サイドではインフレの再燃懸念から債券が売られ、長期金利が4.13%台まで上昇しドルをサポートしています。現時点ではイラン側の抵抗も強く、トランプ大統領が「4から5週間で今回の作戦は終わる」と豪語していた目論見も、やや楽観的すぎるのではないかとの見方も出てきました。

ハメネイ師の後継者に「より穏健な人物がいる、最悪のシナリオは前任者と同じくらい悪い人物が権力を掌握することだ」と、トランプ大統領は前日ホワイトハウスで語っていましたが、そんな「最悪のシナリオ」もないとは言えない状況です。ハメネイ師の後継者に、同氏の次男であるモジュタバ師が有力だとする見方が台頭してきました。同氏は公職にはほとんど就いていませんが、「反米派」として知られている人物です。これに対してトランプ氏は直ぐに反応しています。トランプ氏は5日アクシオスとのインタビューで、モジュタバ師を「軽量級」と評したうえで、「父親の政策を継承して米国を5年以内に再びイランとの武力衝突に追い込むことになる」との見方を示しました。さらに、「私は次期指導者の選定に関与しなければならない」とも述べ、ベネズエラでの対応と同様に関与する考えを示しました。トランプ氏は、「ハメネイ師の息子は私にとって受け入れられない。われわれはイランに調和と平和をもたらす人物を望んでいる」と述べていました。ブルームバーグは、「今回の発言は、イラン指導部の将来に対する米国の異例の関与を示すとともに、トランプ政権が戦争の目的を巡って発してきたメッセージの不整合を一層際立たせるものだ」と論じていました。モジュタバ師(56)は、1980年代のイラン・イラク戦争で短期間従軍した後、聖職者になった人物で、第1次トランプ政権下では、父親とともに米国の制裁対象となっています。

米国・イスラエルとイランの軍事衝突は6日目に入りましたが、収束の兆しは見られません。イランは5日夜、湾岸地域一帯に新たなミサイル・ドローン攻撃を開始し、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタール、クウェートで攻撃が報告されています。イランのアラグチ外相はNBCニュースに対し、停戦を求めておらず、交渉する意思もないと表明。「交渉に誠実でない者たちと再び関与する理由はない」と述べていました。一方、イスラエルはレバノンを拠点とする親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラに続き、イランの首都テヘランに対する第12波の空爆を実施。軍事・情報関連施設を攻撃したと発表しました。イスラエル国防軍のザミール参謀総長は、イランの弾道ミサイル発射装置の60%以上を破壊したと明らかにし、体制と軍事能力の解体に向け次の段階に移行していると述べていました。今回の戦争によるイラン国内の死者はすでに1230人に達し、湾岸地域の他の国でも数十人が命を落としたと伝えられています。

植田総裁は4日の衆院財務金融委員会で、中東情勢を注視しつつ、日銀による経済・物価の中心的な見通しが実現していけば、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくことが適当」との見解を改めて示していましたが、ブルームバーグは複数の関係者との取材を基に、「日銀は中東情勢の緊迫化を受けて内外経済の不確実性が高まる中でも利上げ路線を堅持しており、4月に利上げが必要な環境になる可能性も排除していない」と報じています。原油高によるさらなるインフレ懸念を考えれば、確かに利上げが必要なことは理解できますが、一方で株価の混乱が続いている状況の中での利上げは、さらに株価にとってマイナス要因となります。積極財政による景気拡大を政策の柱に据えている高市政権にとって、現時点では避けたいところ。「サナエあれば憂いなし」といくのかどうか。

今夜は「2月の雇用統計」の発表があります。イラン攻撃は先週末に実施されました。トランプ大統領の言う「大きな波」にも注意が必要です。本日のドル円は156円30銭〜158円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和