今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「米2月NFP9.2万人減少」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は2月の雇用統計の結果を受け一旦売られたが、その後は反発。WTI原油価格が一時92ドル台まで上昇したことで円売りが加速。158円09銭まで上昇。
  • ドル高が進んだことでユーロドルも下落し、1.1546まで売られる。
  • 株式市場では3指数が続落。中東情勢の悪化が長引くとの見方からナスダックは361ポイントの下落。
  • 債券は小幅に続落。長期金利は4.13%台で推移。
  • 金は反発し、原油は10%を超えて急騰。
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2月失業率 → 4.4%
2月非農業部門雇用者数 → −9.2万人
2月平均時給 (前月比) → 0.4%
2月平均時給 (前年比) → 3.8%
2月労働参加率 → 62.0%
1月消費者信用残高 → 8050b
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ドル/円 157.37 〜 158.09
ユーロ/ドル 1.1546 〜 1.1621
ユーロ/円 182.23 〜 183.38
NYダウ −453.19 → 47,501.55ドル
GOLD +80.00 → 5,158.70ドル
WTI +9.89 → 90.90ドル
米10年国債 +0.002 → 4.138%

本日の注目イベント

  • 日 1月国際収支・貿易収支
  • 日 1月景気先行指数(CI)(速報値)
  • 日 2月景気ウオッチャー調査
  • 中 中国2月消費者物価指数
  • 中 中国2月生産者物価指数
  • 独 独1月貿易収支
  • 独 独1月鉱工業生産
  • 米 2月NY連銀インフレ期待

本日のコメント

「トランプ・ショック」・・・・。そう言ってもいいような市場の混乱です。為替はそこまで混乱してはいませんが、株式市場や原油、さらには金もトランプ大統領がイランへ仕掛けた攻撃により大きく変動しています。

WTI原油価格は、先週末のNYで一時92ドル61セントまで買われ、前日比で11ドル5セント(11.53%)も上昇する場面がありました。「100ドルまで上昇する」との見方もありましたが、「さすがにそこまでは」と、たかをくくっていましたが、本稿執筆時にすでに108ドル近辺まで買われ、先週末比18%も上昇しています。ホルムズ海峡が閉鎖されていることで、石油タンカーが同海峡を通過出来ず、多くの船舶がペルシャ湾で漂泊しています。そのためサウジやUAEなどの産油国は、生産を行っても積み出しまでの貯蔵タンクも一杯で減産を余儀なくされています。これも原油価格上昇の一因です。さらに、サウジアラビアは、イランによるエネルギー部門への攻撃が続く場合、同等の対応を取らざるを得ない恐れがあるとイラン側に警告したと、ロイター通信が伝えています。イランのペゼシュキアン大統領は7日のテレビ演説で、近隣湾岸諸国への攻撃を謝罪しましたが、ロイターによれば、その2日前にサウジのファイサル外相がイランのアラグチ外相にサウジの立場を明確に伝えたとされています。サウジとイランとの間で激しい交戦も見込まれることで、米国務省はサウジアラビアの在外公館に勤務する米国人職員に出国を命じたと、米紙NY・タイムズが報じています。

今朝はさらに追い打ちをかけるように、状況を悪化させるニュースが飛び込んできました。米国とイスラエルの攻撃で殺害されたイランの最高指導者、ハメネイ師の後継者として、息子のモジタバ師が選出されました。イランの聖職者で構成する「専門家会議」は「決定的な投票」により次期最高指導者を選出しました。イランの革命防衛隊は新最高指導者への全面的な忠誠を誓うと表明しています。トランプ大統領はすでにモジタバ師が選出されたら「受け入れられない」ことを表明しており、最悪のシナリオになった感があります。モジタバ師(56)はイランで3人目の最高指導者となり、1979年のイラン革命でパーレビ王政が打倒されて以来、世襲による初の継承となります。原油価格の高騰を抑えるためホルムズ海峡での航行の安全を確保する。イランの次期指導者選出にも関与する、と述べていたトランプ氏の思惑は全て失敗に終わり、事態は泥沼化してきました。中東での戦争が長期化するとの見方も高まり、「4−5週間で終わる」と豪語したトランプ氏の読みも、誤算に終わりそうですが、今後戦争が長引いたり、イランの報復が強まるようだと、トランプ氏が「地上戦」を決断する可能性もあります。

米国が保有する「トマホーク」や迎撃ミサイル「SM3」など最新鋭の武器の枯渇も観測されています。米軍は開戦から3日間で、軍事基地など2000カ所を攻撃しましたが、「米戦略国際問題研究所」の推計では、100時間で米軍が消費したミサイルは2600発。昨年6月の同国への攻撃と合わせると約500発あった「SM3」は4分の1を失ったとされています。「SM3」は1発あたりの製造コストが、1400万ドル(約22億1600万円)するとされ、月間生産量も5発程度と言われています。加えて米国は、ウクライナに対しても武器支援を行っており、戦争が長引けば同国への支援も減らさなければならなくなります。ほくそ笑んでいるのは、プーチン氏だけかもしれません。

今日もすでに「油に弱い日本」が前面に出ています。株式市場でも株価は大きく下げそうです。為替で円売り、株式でも円売り、債券市場で債券が売られれば「日本売り」が揃うことになりますが、今日の債券市場の動きはどうでしょうか。米労働市場の鈍化が想定以上でした。追加利下げの可能性が一気に高まっていますが、米金利低下による「円買い・ドル売り」と、原油価格急騰による「ドル買い・円売り」の綱引きで、後者が勝っていると、市場は判断しているということです。

本日のドル円は157円〜159円50銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和