「WTI原油価格上昇」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は続伸。ホルムズ海峡周辺で攻撃があったとの報道で、同地域からの石油への依存度の高い日本が意識され円が売られた。ドル円は158円98銭まで上昇。
- ユーロドルは反落。ドル高が進み、1.1562までユーロが下落。
- 株式市場では中東情勢の不透明感が払拭されていないことで、ダウとS&P500は下落。一方ナスダックは小幅ながら3日続伸。
- 債券は続落。原油価格が再び上昇したことや、アマゾンの大型起債、低調な入札が重石となり、長期金利は4.23%台へと上昇。
- 金は反落し、原油価格はペルシャ湾で船舶が3隻被害を受けたことを受け上昇。
2月消費者物価指数 → 0.3%
2月財政収支 → −307.5b
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| ドル/円 | 158.32 〜 158.98 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1562 〜 1.1613 |
| ユーロ/円 | 183.59 〜 183.97 |
| NYダウ | −289.24 → 47,417.27ドル |
| GOLD | −63.00 → 5,179.10ドル |
| WTI | +3.80 → 87.25ドル |
| 米10年国債 | +0.074 → 4.230% |
本日の注目イベント
- 米 1月貿易収支
- 米 新規失業保険申請件数
- 米 1月住宅着工件数
- 米 1月建設許可件数
- 加 カナダ1月貿易収支
- 加 カナダ1月住宅着工件数
本日のコメント
依然としてイラン情勢の見通しが不透明なことから、市場では不安定な動きが続いています。ドル円は昨日の東京時間からジリ高が続き、NYでは米金利が上昇したこともあり、158円98銭まで円が売られ、再び159円をテストする雰囲気になっています。米長期金利は、引き続きインフレ懸念が強いことに加え、アマゾンの大型起債や10年債の入札が低調だったことを受け4.23%台まで上昇しドルを支えています。
英国海事貿易機関が11日明らかにしたところによれば、ホルムズ海峡とペルシャ湾で3隻の船舶に飛翔体とみられる物が直撃し、同地域の紛争が引き続き海上輸送を脅かしています。標的となった3隻は船名が公表されておらず、1隻はオマーン沖のホルムズ海峡にいた貨物船、あと2隻はラスアルハイマ西方にいたコンテナ船とドバイ北西方にいたばら積み貨物船の模様です。ホルムズ海峡の貨物船で発生した火災は鎮火し、現時点で環境への影響は確認されていないとのことです。同機関のウェブサイトによれば、2月28日から3月10日までに少なくとも10件の攻撃報告が寄せられており、同センターは脅威レベルが依然として「重大」であるとしています。また、ペルシャ湾に停泊中の商船三井が保有するコンテナ船にも損傷が見つかったとの報道がありましたが、詳しいことは分かっていません。
米国とイスラエルによるイラン攻撃で2月28日に始まった戦争は、収束の兆しがほとんど見えません。トランプ大統領は今週に入り、イラン軍の戦力が大きく損なわれているため、「戦争はまもなく終わる可能性がある」と述べましたが、単なる希望的観測であって、イラン側の抵抗が予想以上であることに、地団駄を踏んでいるかもしれません。ヘグセス国防長官が10日の記者会見で、「敵が完全かつ決定的に敗北するまで、私たちは容赦しない。私たちのスケジュールと選択に基づいて行動する」と述べていたように、現時点では米国、イスラエル、イランはいずれも公の場では、少なくとも数週間は戦闘を続ける用意があると考えられます。ただそれでも、イランのペゼシュキアン大統領は「停戦の条件」を示してきました。ペゼシュキアン氏は、「戦争を終結させる唯一の方法は、イランの正当な権利の承認、賠償金の支払い、そして将来の侵略行為を防ぐための確固たる国際的な保証だ」と述べた。また同氏は、このメッセージを「ロシアとパキスタンの各指導者」に伝えたと述べています。
経済産業省は、「9日時点のレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均小売販売価格は前週比3.3円高の161.8円と、4週連続の上昇となった」と発表しました。昨日の夜の報道では、一部ではすでに170円を超えている地区もあるようです。このような状況を受け、高市首相は昨日夜、原油輸入が大幅に減少する見通しとなったことから、国際エネルギー機関(IEA)の決定を待たず、16日にも日本単独で備蓄を放出することを決定したと発表しました。加盟国と協調放出することが多いが、率先して対応するとしました。具体的には、まずは民間備蓄15日分と、3月下旬以降から国家備蓄1カ月分を放出し、一刻も早く国内の精製事業者にも届けると述べていました。また中東情勢を背景に、ガソリン価格が1リットルあたり200円を超える可能性も否めないと説明。緊急的な「激変緩和措置」を講じ、小売価格を全国平均で170円程度に抑制する考えも示しました。経済産業省によれば、170円を超える部分について全額補助し、19日出荷分から支給するようで、現在の制度の残額約2800億円を活用するとのことです。野村総研の試算では、WTI原油先物価格が1バレル=100ドルで推移する場合、国内ガソリン価格は政府の対策が講じられなければ1カ月程度で235円まで上昇するそうです。日銀が11日に発表した2月の輸入物価指数は、円ベースで前年比「2.8%上昇」と、3カ月連続のプラスで、伸び率は2024年7月以来の高水準でした。
前回は159円台乗せには失敗しましたが、今回はすでに朝方159円台に乗せています。1月14日には159円45銭までドル高円安が進みましたが、今回この水準を突破すれば、2024年7月以来ということになります。これまでにも何度も述べて来たように、筆者は160円を中心に前後1円程度が非常に重要な水準で、介入警戒感も極端に高まると予想してきました。足元の動きは、トランプ大統領がイランを攻撃し、それに伴って原油価格が高騰。「油に弱い日本」がクローズアップされた結果円売りが加速したもので、単純に「投機的」という言葉で括ることはできません。今日も恐らく、けん制の言葉が発せられると予想されますが、主戦場は17時以降の海外市場かと考えています。
本日のドル円は158円〜160円程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 | -------- |
| 2/26 | 高田・日銀審議委員 | 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 | ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。 |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 | -------- |
| 2/24 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 | -------- |
| 2/17 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 | -------- |
| 2/11 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 | -------- |
| 2/10 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 | -------- |
| 2/10 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 | -------- |
| 2/5 | ECB声明 | 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 | -------- |
| 2/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 | -------- |
| 2/3 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 | -------- |
| 2/3 | ミラン・FRB理事 | 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 | -------- |
| 2/2 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



