「ドル円、年初来高値を示現」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は原油価格の上昇を手掛かりに緩やかに円売りが進む。NYでは159円75銭までドルが買われ、ドルは年初来高値を記録。
- ユーロドルでもドル高が大幅に進み、ユーロは1.1411まで下落。
- 株式市場では、朝方は買われたものの結局3指数は揃って続落。ナスダックとS&P500は4日続落。
- 債券も続落し、長期金利は4.27%台に上昇。
- 金は続落。原油価格は続伸し100ドルに迫る。
10−12月GDP(改定値) → 0.7%
1月個人所得 → 0.4%
1月個人支出 → 0.4%
1月PCEデフレータ(前月比) → 0.1%
1月PCEデフレータ(前年比) → 2.8%
1月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.4%
1月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.1%
1月耐久財受注 → 0.0%
3月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 55.5
1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数 → 694.6万件
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| ドル/円 | 159.01 〜 159.75 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1411 〜 1.1490 |
| ユーロ/円 | 182.19 〜 182.93 |
| NYダウ | −119.38 → 46,558.47ドル |
| GOLD | −64.10 → 5,061.70ドル |
| WTI | +2.98 → 98.71ドル |
| 米10年国債 | +0.016 → 4.277% |
本日の注目イベント
- 中 中国2月小売売上高
- 中 中国2月鉱工業生産
- 米 3月NY連銀製造業景況指数
- 米 2月鉱工業生産
- 米 2月設備稼働率
- 米 3月NAHB住宅市場指数
- 加 カナダ2月消費者物価指数
本日のコメント
ドル円は先週末の東京時間午後に、今年1月14日に記録した直近の円の最安値である159円45銭を超えて上昇しました。イラン情勢の混迷に伴い、ホルムズ海峡周辺でのリスクがさらに高まり原油価格が上昇。WTI原油価格は再び100ドルに迫る勢いを見せています。ドル円も緩やかですが、160円に迫っていると思われます。片山財務相は13日の閣議後会見で、足元で円安が進んでいることに関し、国民生活に与える影響を念頭に、「いかなる時、いかなる場合も万全の対応を取る方針で臨んでいる」との認識を示しましたが、予想通り、ほとんど影響はありませんでした。片山氏は中東情勢を受けて、原油価格高騰を中心に「為替を含む金融市場に、大きな変動が生じていることは、確かだ」と指摘。米国当局とも「日頃以上に、非常に緊密に連絡を取り合っている」とも述べていました。
トランプ大統領は14日のNBCニュースとの電話インタビューで、「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」と発言しました。また、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」と指摘していました。一方、イランのアラグチ外相は15日に放映された米CBSのインタビューで、「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」と述べ、さらに、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」と語っていました。イスラエルと共にイランを攻撃しましたが、その戦争終結の見通しについてトランプ氏は「すぐに終わる」と豪語していました。戦争はすでに3週間目に突入しました。そんな中、米国家経済会議(NEC)のハセット委員長が15日CBSの番組で、「この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいる」と、国防総省が14日時点でみていたと説明。戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だとも付け加えました。ハセット氏はまた、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」と述べていました。これとは別にライト米エネルギー長官は、米国とイスラエルがイランの軍事能力破壊を目指す中、この戦争はあと数週間続く可能性があり、石油とガソリンの価格はその間、高止まりするとの見方を示しました。ライト氏はABCの番組で「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」と発言。原油については「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」と述べ、両氏の見方が正しいとすれば、この戦争は今月末か、来月初旬には終結することになります。徹底抗戦を主張しているイランが簡単に交渉に臨むとは思えませんが、激しく攻撃を行う一方で水面下では双方で戦争終結に向けた糸口を模索しているのかもしれません。
ただ米軍は先週、ペルシャ湾に浮かぶ小さな島「カーグ島」の軍事目標を空爆しました。トランプ氏はSNSの投稿で、これを「中東史上で最も強力な爆撃作戦の一つ」と表現し、石油インフラを攻撃しなかったのは「配慮からだ」としつつ、これを翻意する用意があると警告しました。一方イランは、イスラエルやペルシャ湾岸のアラブ諸国に対する攻撃を14日夜から15日にかけても続けています。紛争に伴い原油価格の上昇が世界経済、とりわけ日本に大きな影響を与えています。先週はほぼ、円売り、株式売り、債券売りに翻弄されました。日本は輸入原油の97%がホルムズ海峡を通って来ると言われており、すでに石油関連商品の価格が大きく上昇しています。ガソリンの暫定税率が廃止され、2月辺りからはガソリン価格が大きく下がりましたが、足元では同税率が適用されていた価格よりもはるかに上がっています。今後はさらに、ナフサを原料とするポリエチレンやポリプロピレンの価格が大きく上昇し、食品の容器や袋、自動車部品、タイヤなどの価格高騰は必至です。言い換えれば、身の回りの日用品はほぼ全て上昇する可能性が高いことになります。その結果、円安の影響もあり物価高はさらに進むことになります。
中東での戦争は日本にも迫っています。トランプ大統領は日本などに艦船派遣を呼び掛けており、19日の日米首脳会談で話題に上る可能性もあります。米国防総省が沖縄県に駐留する海兵隊などを周辺地域に向かわせたと、米メディアが報じています。自民党の小林政務調査会長は15日のNHK「日曜討論」で、ホルムズ海峡での船舶護衛に向けた自衛隊の派遣について「非常にハードルが高い」との認識を示していました。小林氏は「トランプ大統領の発言はその時々で結構変化する。真意がどこにあるのか見極めていただきたい」と話していました。週明けのアジア市場では、WTI原油価格がすでに「100ドルの大台」に乗せています。今週は上記、日米首脳会談に加え、各国中銀の金融政策会合もあります。金融政策については、混迷が深まる情勢の中、大きな変更はないと思われますが、政策当事者の発言には注意が必要です。
本日のドル円は158円50銭〜160円50銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 | -------- |
| 2/26 | 高田・日銀審議委員 | 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 | ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。 |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 | -------- |
| 2/24 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 | -------- |
| 2/17 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 | -------- |
| 2/11 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 | -------- |
| 2/10 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 | -------- |
| 2/10 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 | -------- |
| 2/5 | ECB声明 | 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 | -------- |
| 2/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 | -------- |
| 2/3 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 | -------- |
| 2/3 | ミラン・FRB理事 | 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 | -------- |
| 2/2 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



