「原油価格は依然高止まり」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- ドル円は小動き。原油価格は上昇したものの、落ち着いた動きを見せたことで米金利が低下。ドル円は158円73銭まで下落。
- ユーロドルは1.15台前半から半ばで推移。
- 株式市場では、投資家は慎重な姿勢を見せながらも買いが先行。主要3指数は揃って続伸。
- 債券も続伸し、長期金利は4.19%台に低下。
- 金は小幅に反発。原油は反発し96ドル台と、高値圏で推移。
2月中古住宅販売成約指数 → 1.8%
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| ドル/円 | 158.73 〜 159.13 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1505 〜 1.1547 |
| ユーロ/円 | 183.13 〜 183.55 |
| NYダウ | +46.85 → 46,993.26ドル |
| GOLD | +6.00 → 5,008.20ドル |
| WTI | +2.07 → 96.21ドル |
| 米10年国債 | −0.018 → 4.198% |
本日の注目イベント
- 日 2月貿易統計
- 欧 ユーロ圏2月消費者物価指数(改定値)
- 米 2月生産者物価指数
- 米 1月製造業受注
- 米 FOMC政策金利発表
- 米 パウエル議長記者会見
本日のコメント
「大義なき戦争」に突き進んだトランプ大統領が、岐路に立たされる状況が日増しに強まっています。米国家テロ対策センターのジョー・ケント所長は、イランとの戦争に対する抗議のため辞任すると発表しました。同氏は、イスラエルが米国をこの紛争に引き込んだと主張しています。同氏は過去に連邦議会選でトランプ大統領の支持を2度受けた経歴を持つ人物です。ケント氏はXへの投稿で「良心に照らして、現在進行中のイランとの戦争を支持することはできない」と表明。「イランは米国にとって『差し迫った脅威』ではなかった。イスラエルとその強力な米国内ロビーの圧力によって、この戦争が始まったことは明らかだ」と述べました。トランプ氏はイランへの攻撃を行った日に、「目的はイラン政権からの『差し迫った脅威』を排除し、米国民を守ることだ」と述べていましたが、この主張に真っ向から反論しています。今回のイランへの一連の攻撃で、身内からの造反者は初めてです。
さらに、イランとの戦いで戦果を繰り返し強調してきたトランプ氏ですが、原油価格の高騰など想定外の事態が続き海上輸送の要であるホルムズ海峡の安全確保への支援を欧州同盟国へ求めました。しかし、同盟国からは今回の戦争とは距離を置く姿勢が見られました。まだ詳細はわかりませんが、今朝の報道ではトランプ氏は戦争からの撤退を考えているとも伝えられています。
ブルームバーグは、「トランプ大統領に『ノー』と言う方法を、欧州はついに学び始めた」とのタイトルで以下のように報じています。
イランを巡る戦争は開始から3週間近くが経ち、収束どころか戦線が拡大している。欧州の指導者らは曖昧な言い回しをやめ、イスラエルと米国の軍事作戦を支援する意思はないと、トランプ氏にはっきりと伝え始めた。ドイツのメルツ首相は16日夜、「われわれはこの戦争に参加しない」と明言。「しない」と繰り返し述べて強調した。ギリシャのミツォタキス首相も17日、アテネで開かれたブルームバーグ主催のイベントで「端的に言えば、ノーだ」と語った。「ノルウェーも同様だ」と同国のストーレ首相もオスロで歩調を合わせた。戦争開始当時と比べ、これら首脳の反応は注目すべき変化だ。欧州首脳らは当初、国際法についての質問をかわし、イランの体制を非難した。メルツ氏ですら、トランプ氏と「同じ立場にある」と述べていた。それが今では、トランプ氏自身に批判が向けられている。トランプ氏は長年、欧州の安全を守る米国の保証に不満を唱え、自身の要求が受け入れられなければ、NATOに「非常に悪い」結果が生じると脅してきた。しかし、欧州の指導者らは、これまでのようにトランプ氏の要請を丁重に検討したり、なだめたりはしなかった。多くは単に、「ノー」を突きつけた。口火を切ったのはメルツ氏で、「ホルムズ海峡の航行の自由を軍事的手段で確保することに、ドイツは参加しない」と語った。トランプ氏が名指しで期待を表明していたフランスのマクロン大統領も、17日までに拒否の意向を示した。マクロン氏は「われわれはこの戦争の当事国ではない」と説明し、「現在の状況下で、ホルムズ海峡の封鎖を解除するための作戦にフランスが参加することは決してない」と明言した。
これで、明日ワシントンでの首脳会談に臨む高市首相が、ますます米国への援助をためらう環境が整ってきたように思えます。果たしてトランプ氏から「踏み絵」を突きつけられるのでしょうか。トランプ氏はNATOの同盟国をこき下ろし、米国の戦争努力に加わらないのは「愚かな過ち」だと非難してきましたが、一方で、SNSへの投稿では、NATO、日本、オーストラリア、韓国の支援は必要ないと主張しています。イスラエルのカッツ国防相は、イランのラリジャニ氏と民兵組織バシジ(人民動員軍)の司令官を「抹殺した」と発表しました。イランの国営「タスニム通信」もラリジャニ氏の死亡を確認したと発表しています。ラリジャニ氏の死亡が確認されれば、戦争初日の2月28日に殺害された最高指導者ハメネイ師(当時)に続き、最高位クラスの要人をイランは失ったことになります。イスラエルのネタニヤフ首相は動画で、同国軍は「イラン国民に体制打倒の機会を与えることを期待して、体制を弱体化させている」と主張。さらに、イスラエルのサール外相は、戦争には事実上「すでに勝利した」とした上で、「任務が完了するまで継続する」と述べています。
オーストラリア準備銀行(RBA)は17日の政策決定会合で、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標を3.85%から4.1%に引き上げることを決めました。イラン戦争拡大に伴うインフレ・リスクに対応し、「2023年半ば以来となる2会合連続の0.25ポイント引き上げ」に動いた形です。足元では原油価格の高騰によるインフレ・リスクが高まってはいるものの、政策金利を2月3日に引き上げたばかりであることから、筆者は据え置きを予想しており、ややサプライズでした。ただ今回の政策委員会の決定が、賛成5、反対4の僅差だったことを反映し発表後、豪ドル円は112円90銭前後から112円30銭程度まで下落しました。RBAは声明で、「中東情勢は極めて不確実な状況が続くが、想定されるさまざまなシナリオの下で、世界と国内のインフレを増大させる可能性がある。これらの観点からインフレ率は当面、目標を上回り続ける公算が大きく、インフレ期待を含め、リスクが上方向にさらに傾いたと政策委は判断した」と説明しました。RBAは今回のイラン戦争が勃発する前に政策金利の引き上げに踏み切っていました。
本日はFOMC会合後に政策金利が発表されますが、据え置きが予想されます。パウエル議長が今後のインフレ懸念に対してどのような認識を示すのか、注目です。
本日のドル円は158円〜159円80銭程度を予想します。
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What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 3/15 | ライト・エネルギー長官 | 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 | -------- |
| 3/15 | ハセット・NEC委員長 | この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 | -------- |
| 3/15 | アラグチ・イラン外相 | 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 | -------- |
| 3/14 | トランプ大統領裁 | 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 | -------- |
| 3/3 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 | -------- |
| 3/3 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 | -------- |
| 3/3 | カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 | 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 | -------- |
| 3/2 | 氷見野・日銀副総裁 | 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 | -------- |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 | -------- |
| 2/26 | 高田・日銀審議委員 | 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 | ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。 |
| 2/24 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 | -------- |
| 2/24 | コリンズ・ボストン連銀総裁 | 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 | -------- |
| 2/17 | グールズビー・シカゴ連銀総裁 | 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 | -------- |
| 2/11 | シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 | 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 | -------- |
| 2/10 | ローガン・ダラス連銀総裁 | 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 | -------- |
| 2/10 | ハマック・クリーブランド連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 | -------- |
| 2/5 | ECB声明 | 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 | -------- |
| 2/5 | ラガルド・ECB総裁 | 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 | -------- |
| 2/3 | バーキン・リッチモンド連銀総裁 | 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 | -------- |
| 2/3 | ミラン・FRB理事 | 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 | -------- |
| 2/2 | ボスティック・アトランタ連銀総裁 | (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



