今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「ドル円2024年4月以来の160円台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • イラン情勢のさらなる悪化が予想され、WTI原油価格が100ドルを超えたことで、ドル円はさらに上昇。節目の160円台に乗せ、160円42銭近辺まで円売りが進む。
  • ユーロドルは前日とほぼ同水準の1.15台前半から半ばで推移。
  • 原油高を受け、株式市場では3指数が揃って大幅に続落。ナスダックは459ポイント下げ、調整局面入りしたとの声も。
  • 債券は小幅に続落。長期金利は4.42%台に上昇。
  • 金は反発。原油は節目の100ドル台に乗せ、99ドル64セントで引ける。
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3月ミシガン大学消費者マインド(確定値)→ 53.3
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ドル/円 159.70 〜 160.42
ユーロ/ドル 1.1520 〜 1.1547
ユーロ/円 184.10 〜 184.65
NYダウ −793.00 → 45,166.64ドル
GOLD +115.30 → 4,524.30ドル
WTI +5.16 → 99.64ドル
米10年国債 +0.016 → 4.426%

本日の注目イベント

  • 日 日銀金融政策決定会合における主な意見(3月18・19日分)
  • 独 独3月消費者物価指数(速報値)
  • 欧 ユーロ圏3月景況感指数
  • 欧 ユーロ圏3月消費者信頼感指数(速報値)
  • 英 英2月消費者信用残高
  • 米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演
  • 米 パウエルFRB議長討論会出席

本日のコメント

160円42銭・・・・。ついに、ドル円は160円の大台に乗せ、一時は160円42銭前後まで円売りが進みました。2024年7月11日以来となる円安水準です。

米国とイスラエルがイランを攻撃して「5週目」に入りましたが、事態はさらに悪化していると言えます。イエメンの親イラン武装組織「フーシ」は28日、イスラエルの軍事施設を弾道ミサイルで攻撃したと発表しました。イラン戦争が始まって以来、「フーシ」の参戦は初めてのこととなり、中東情勢は一段と混迷を深めてきました。「フーシ」はイスラエル南部の軍事施設を狙ったことを明らかにしています。イランによるホルムズ海峡の事実上の封鎖で、船舶の一部は陸路と組み合わせて紅海に出る迂回ルートを選んでいますが、紅海の出口にあたる要衝「バベルマンデブ海峡」はイエメン沖に位置しています。因みにこの海峡「バベルマンデブ」の名は、アラビア語で「嘆きの門」という意味だそうです。ブルームバーグは、「イラン武装組織フーシは、米国やイスラエルに他国が加担したり、紅海がイランへの敵対行動に利用されたり、イランの代理勢力への攻撃が拡大したりした場合には、直接的な軍事行動に踏み切る用意があると表明。イランの攻撃に不満を強める湾岸諸国の一部では、米国とイスラエルの作戦への参加を検討する動きもあり、こうした国々へのけん制となる可能性がある」と報じています。

楽観的な発言を繰り返しているトランプ大統領ですが、事態は逆の動きを見せています。ここ数日、国防総省は海兵遠征部隊2個部隊、計約5000人を中東に派遣しました。このうち最初の部隊は28日に到着した模様で、さらに同省は、第82空挺師団の兵士約2000人の派遣も命じました。こうした動きを受け、トランプ大統領が地上攻撃に向けた準備を進めているのではないかとの観測が広がっています。想定されるシナリオとしては、イランの主要な石油輸出拠点であるカーグ島の掌握や、イランの核物質の確保、ホルムズ海峡周辺の沿岸部の占領などが挙げられています。地上作戦についてトランプ氏は、「望まないが、否定もしない」としていました。「大統領は複数の不測の事態に備える必要があるが、その詳細をメディアで話すつもりはない」とルビオ国務長官は語り、「われわれは地上部隊なしでもすべての目標達成が可能だ。しかし、緊急事態に備え、大統領が最大限の選択肢と状況に応じた対応の余地を確保できるよう、常に準備を整えている」と続けています。

ただ一方で、トランプ大統領の強権的な政治手法に反対する抗議デモは全米各地に広がっています。主催者によると、28日のデモには全米で3千カ所以上、推計800万人以上が参加したとしています。NYでも「NO KING!」(王はいらない)とのプラカードを掲げた多くの市民がマンハッタンの中心部を行進していました。それでもトランプ氏は怯むことはありません。前日フロリダ州で開かれたフォーラムでトランプ氏は、ベネズエラやイランに対する軍事作戦に言及する中で「次はキューバだ」と発言しました。「だが、今のは、聞かなかったことにしてほしい」とも付け加えながら、次の目標がキューバであることを示唆していました。

フィラデルフィア連銀のポールソン総裁は27日、中東での戦争によって引き起こされたコモディティー価格の上昇について、インフレが長年にわたり高止まりしているため、米経済にとってより大きなリスクとなる可能性があるとの見方を示しました。ポールソン氏はイベントで、「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」と述べ、「それを懸念している」と語り、さらに「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」と話していました。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も、イランでの戦争に伴う原油価格上昇の影響については、「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」との見方を示しながらも、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」と述べていました。

原油価格の高騰を受け、ドル円での円売り、株式市場での株式売り姿勢が強まっています。東京市場オープン前では、ドル円は160円30−40銭で推移していますが、NYでの円の安値を超え161円に近付くようであれば、介入を警戒する必要があります。このまま放置しておけば、2024年の161円95銭も視野に入って来るからです。政府日銀としては、その前に断固とした姿勢を見せる可能性が高いと、予想しています。

本日のドル円は158円〜161円程度を予想しますが、介入があれば、下値は参考になりません。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「予測されているようなインフレの進展が確認できている限り、年内に金利をあと数回引き下げることが可能との自信をある程度持っている。インフレがわれわれの望む水準に戻りつつあるという証拠が実際に得られる前に、利下げをあまり前倒しで進めたくない」 --------
2/26 高田・日銀審議委員 「既に賃金と物価が上がらないというノルムは解けており、物価安定の目標実現がおおむね達成した局面」、「日本経済は真の夜明けが視野に入った」とし、「金融政策は幅広いデータや情報から緩和度合いを丁寧に確認しながら、「段階的にギアシフトを行っていく途上にある」、(先行きは海外を中心に物価上昇要因が生じた場合)、「日本でも物価が予想以上に上振れするリスクも念頭に置く必要がある」 ドル円156円台前半から155円70銭まで下落。
2/24 グールズビー・シカゴ連銀総裁 (連邦最高裁がトランプ大統領による広範な関税措置の多くを無効とした判断について)、「企業にさらなる不確実性をもたらす恐れがある一方で、インフレ抑制につながる可能性もあると」 --------
2/24 コリンズ・ボストン連銀総裁 「労働市場は、少なくともある種の異例な安定性の兆しをさらに示している」、「インフレ率が2%に向けて低下していることを示すさらなる証拠が必要だ」、「現行レンジをしばらく維持することが適切となる可能性はかなり高いと考えている。過去1年半で175ベーシスポイントの緩和を実施し、現在は緩やかな景気抑制的水準にあり、おそらく中立にかなり近い水準にすでに達している」 --------
2/17 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「サービス分野のインフレ率が依然として高止まりしている」、「関税に伴う価格上昇が一時的なものであれば、政策当局に行動の余地が生まれる可能性がある」、「これが一時的なものであり、インフレ率が2%へ戻る道筋にあることが確認できれば、2026年に追加利下げが複数回実施される可能性があると考えている。ただ、それを見極める必要がある」 --------
2/11 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「追加利下げを実施すれば、高インフレをさらに長期化させるリスクがあるというのが私の見解だ」、「金利は依然として景気に一定の圧力をかけているはずだが、必ずしもそうなっていない可能性がある。成長に勢いが見られ、インフレが依然として高水準にある中、景気が抑制されている兆候はあまり見当たらない」、「物価圧力は続いており、経済の多くの分野で需要が供給を上回っていることを示している。AIなどの新たな技術革新が将来的に生産性の伸びを高め、インフレを加速させることなく経済成長を可能にする可能性はあるが、まだその段階には至っていない」 --------
2/10 ローガン・ダラス連銀総裁 「労働市場に新たな顕著な弱さが示されない限り、金利を据え置くべきだ」 --------
2/10 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「フェデラルファンド(FF)金利の微調整を試みるよりも、最近の利下げの影響を見極め、経済動向を注視する中では、辛抱強く対応する方が望ましい」、「私の見通しに基づけば、政策金利はかなりの期間、据え置かれる可能性がある」 --------
2/5 ECB声明 「経済は厳しい世界環境の中でも底堅さを保っている」、「特に世界の貿易政策を巡る不確実性や地政学的緊張が続いているため、見通しは依然として不透明だ」 --------
2/5 ラガルド・ECB総裁 「金融政策のスタンスは今のところ適切だ」、(今回の政策委員会会合でユーロの為替レートについても協議したことを明らかにし)、「ECBは特定の為替レートを目標にしていない」、「ユーロ高が現在の見通し以上にインフレを押し下げる恐れがある」、「インフレ見通しに対するリスクはほぼ均衡しており、ユーロのドルに対する現在のレンジは、これまでの平均的な水準にほぼ一致する」 --------
2/3 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「インフレを目標に戻すための最後の1マイルを進む中、これらの利下げは労働市場を支える保険をかけたようなものだと考えている」、「不確実性の後退とともに経済見通しは改善しているとする一方で、人員採用が一部の業種に集中している」、「インフレ率がなおFRBの目標である2%を上回っていることなど、リスクは残っている」 --------
2/3 ミラン・FRB理事 「年内を通じて1ポイントをやや上回る規模の利下げを見込んでいる」、「基調的なインフレ率を見ると、経済に非常に強い価格上昇圧力が存在しているとは思えない」、「金融政策を講じなくてはならないような、強い需給の不均衡もあまり見られない。実際の物価上昇圧力そのものというより、主としてインフレの測定方法に伴う特異性によって、金利が過度に高い水準に維持されていると考えている」 --------
2/2 ボスティック・アトランタ連銀総裁 (自身は利下げを)「1回も見込んでいない」、「経済には非常に強い勢いがあるため、政策金利はやや引き締め的な水準に維持する必要がある。多くの企業の足元のリターンや利益を見ると、現在の金融政策スタンスが極めて、あるいは非常に強く引き締め的だと主張するのは難しい」、「私の見通しでは、利下げを1回ないし2回行えば恐らく中立水準になるだろう。だが、そうすればインフレ率を目標まで引き下げることはもちろん、その軌道に乗せることさえも極めて難しくなる」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和