今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「イスラエル、レバノンと直接交渉か?」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • ドル円は再び159円台に乗せ、159円30銭まで上昇。原油価格が102ドル台まで反発したことで、円売りが加速。一方、イスラエルとレバノンの直接交渉の報道が一段の円売りを抑える。
  • ユーロドルも底堅く推移。1.1723まで上昇する場面もあり、対円でも186円台に乗せ、2月19日以来のユーロ高に。
  • 株式市場ではイスラエルとレバノンの直接交渉の報道を好感し3指数が続伸。ナスダックとS&P500は7日続伸。
  • 債券は買われ、長期金利は4.27%台に低下。
  • 金は続伸。原油は一時102ドル台まで反発したが、その後下落。
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10−12月GDP(確定値) → 0.5%
新規失業保険申請件数 → 21.9万件
2月個人所得 → −0.1%
2月個人支出 → 0.5%
2月PCEデフレータ(前月比) → 0.4%
2月PCEデフレータ(前年比) → 2.8%
2月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.4%
2月PCEコアデフレータ(前年比) → 3.0%
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ドル/円 158.64 〜 159.30
ユーロ/ドル 1.1675 〜 1.1723
ユーロ/円 185.73 〜 186.23
NYダウ +275.88 → 48,185.80ドル
GOLD +40.80 → 4,818.00ドル
WTI +3.46 → 97.87ドル
米10年国債 −0.016 → 4.275%

本日の注目イベント

  • 中 中国3月消費者物価指数
  • 中 中国3月生産者物価指数
  • 独 独3月消費者物価指数(改定値)
  • 米 3月消費者物価指数
  • 米 2月製造業受注
  • 米 4月ミシガン大学消費者マインド(速報値)
  • 米 2月耐久財受注(改定値)

本日のコメント

米国とイランが2週間の停戦で合意したものの、ホルムズ海峡は実質的には開放されておらず、この間に確認された船舶の航行はわずか7隻で、しかもほぼイラン関係の船舶のようです。依然としてイラン情勢の先行きは不透明だとして、昨日のアジア市場では、WTI原油価格が再び上昇に転じ、ドル円も買われ、株価は下落。NY市場では159円台を回復し、一時は159円30銭までドル高が進みました。

ただそんな中、動きもありました。レバノンの親イラン派武装勢力ヒズボラに対して激しい攻撃を続けているイスラエルのネタニヤフ首相が、レバノンと直接交渉することに合意したと明らかにしました。ネタニヤフ氏は「レバノンが繰り返し、イスラエルとの直接交渉を求めていることを受け、私は前日、内閣に対し、可能な限り早期にレバノンとの直接交渉を開始するよう指示した」と説明しました。交渉では、親イラン民兵組織ヒズボラの武装解除と、イスラエルとレバノンの平和的関係の確立が焦点になるようです。この報道が伝わると、米株式相場は上げに転じ、102ドル台まで買われたWTI原油価格は上げ幅を縮小し100ドルを割り込みました。この背景には、トランプ大統領がネタニヤフ氏と電話会談し、イランとの協議を確実に成功させるため、レバノンでの攻撃を縮小するよう要請したと、NBCが政権高官の話として報じたことがありました。同高官によると、イスラエルは「協力的なパートナーになる」ことに同意した模様です。米国とイランの代表は11日にパキスタンのイスラマバードで協議を開始する見通しで、不透明さは残るものの外交的な取り組みは続いています。

海上輸送の要衝であるホルムズ海峡は、米国とイランの停戦合意後も事実上の封鎖がなお続いています。上述のように8日にホルムズ海峡を通過してペルシャ湾から出た船舶はわずか7隻で、いずれもイランと何らかの関係を持つ船舶に限られた状況です。昨年の平時には、1日約135隻が同海峡を通航しており、ペルシャ湾には現在も、1000隻以上の船舶が待機しているとの報道もあります。

「停戦に合意しなければイランの『文明全体』を破壊する」と威嚇したトランプ氏の発言が問題視されています。複数の有力議員らが、修正第25条の発動による解任を求める動きを見せています。ブルームバーグは、「米大統領は合法的にどのように解任され得るのか。広く知られているのは、米議会に付与された弾劾という手続きだ(行使されるケースは非常にまれ)。だが、米憲法修正第25条という別の仕組みもあり、異例の状況下で大統領自身の政権チームによって解任される道を定めている」と説明しています。2026年初めにも、デンマーク自治領グリーンランドを巡るトランプ氏の不安定な行動を理由に、民主党の一部議員が同条項の適用を主張していました。また、第一次政権時代にも、その適用が取り沙汰された経緯があります。もちろん、解任には上下両院の3分の2以上の同意が必要で、簡単ではありません。

160円台半ばまで上昇したドル円は、三村財務官の実弾介入が近いと思わせるけん制発言と、米国によるイランへの大規模な攻撃が回避されたことで、157円台後半まで売られましたが、昨日のNYでは再び159円台まで反発して来ました。筆者も含め、依然としてドル高基調は続くと予想する市場関係者が多いのも事実です。今月末には日銀金融政策決定会合が開催されます。先日も触れましたが、筆者は、今回の会合では利上げはなく6月の利上げを予想していますが、足元では4月利上げの可能性が急速に高まってきました。日銀が3月下旬に発表した一連のレポートが、市場への政策変更のメッセージだったのではないかと見る向きが増えています。ドイツ証券は、「自然利子率」と「基調的な物価上昇率」に関するレヴューが、「政策スタンスの変更を市場へ事前に示唆する意図があったと評価している」とのレポートを発表しています。その根拠として、「この2つのレヴューは日本語版と英語版が同時に公表されており、日銀が国内外の幅広い市場参加者に向けて、その意図を正確に伝えようとしていることが明確だからである」としています。政策金利の変更は、審議委員も加わる9名の決定会合で決められるもので、日銀だけで決められるものではありませんが、このレポートに賛同出来る部分があります。市場介入に加え、政策金利の引き上げにも注意が必要です。

11日(土)の米国とイランの停戦に向けた協議の行方が非常に重要になります。来週の月曜日、どのような水準で取引が始まるのか、正直予想も難しい状況です。本日のドル円は158円〜159円80銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
3/30 パウエル・FRB議長 「インフレ期待は、短期を超えてしっかり安定しているようだ」、「紛争の影響に対応する必要が生じる可能性はあるが、現時点ではその段階には至っていない」、「経済への影響がどうなるかは分からない」、「金融政策は様子見が可能な良い位置にあると考えている」、「供給ショックは通常は重視しない傾向があり、その際に極めて重要なのはインフレ期待を注意深く監視することだ」 債券と株が買われ、金利は低下。
3/27 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「米国が石油の純輸出国であるため、理論上は限定的にとどまる」、「ただ、ガソリン価格は目に見えやすく、消費者心理を冷やす可能性があるほか、航空運賃や貨物輸送、物流コストにも影響が及ぶ可能性がある」 --------
3/27 ポールソン・フィラデルフィア連銀総裁 「燃料価格や肥料価格の上昇がインフレ期待に波及するスピードが速まり、かつ持続性もやや高まるリスクが少し強まっている」、「それを懸念している」、「こうしたショックが持続的なインフレに転じるためには、それを持続させるメカニズムが必要だ」と指摘。「賃金設定の面では、現時点でそれを引き起こすような強い動きは見られない」 --------
3/23 デーリー・SFシスコ連銀総裁 「不確実性の下では最も可能性の高い単一の道筋は存在しない。 経済には少なくとも二つの可能性のある道筋がある。 中東の紛争が早期に解決すれば、石油やエネルギー価格は低下し、米経済への影響は短期的で限定的にとどまる。一方、紛争が長期化すれば、エネルギー供給の混乱とそれに伴うコスト圧力が持続し、インフレ上振れや成長鈍化、労働市場の弱体化といったリスクが高まる可能性がある」 --------
3/23 グールズビー・シカゴ銀総裁 「インフレが落ち着けば、今年中に複数回の利下げを行う状況に戻る可能性もある。もし状況が異なる方向に進み、インフレが制御不能になった場合、利上げが必要になる状況も想定できる」 --------
3/18 パウエル・FRB議長 「経済への潜在的な影響が及ぶ範囲や期間を把握するには時期尚早だ」、「強調したいのは、誰にも分からないということだ」、「利下げを再開するにはインフレ鈍化の進展を確認する必要がある」と強調。「特に、関税によって押し上げられてきた財のインフレ減速が重要だ」、「その進展が見られなければ、利下げはないだろう」、(自身の進退に関し)、「FRB本部の改修工事を巡る司法省の調査が完全に終結するまで、理事として辞任するつもりはない」、「エネルギー価格の上昇によるインフレへの影響は一時的だ」、「金融当局は通常利上げを行わない」と説明。「ただしこの対応は、インフレ率が長期的にFRBの目標である2%前後に収束するとの期待が維持されることを前提としている。米国のインフレ率は5年間にわたり2%目標を上回っている」 株式と債券が売られ、ドル円は159円90銭まで上昇。
3/18 FOMC声明文 「中東での戦争に伴う経済への影響が不確実だ」、「委員会は2つの責務の両サイドに対するリスクに注意を払っている」 --------
3/15 ライト・エネルギー長官 「この紛争は今後数週間で確実に終わると考える。それより早まる可能性もある」、(原油は)「その後は供給が回復し、価格は押し下げられるだろう」 --------
3/15 ハセット・NEC委員長 この任務の完了には4−6週間を要するが、予定より早いペースで進んでいると、国防総省が14日時点でみていた」、「戦争の終結時期を最終的に決めるのはトランプ大統領だ」、「現在の状況が終わり次第、世界経済には大きなプラスのショックが起きると予想している」 --------
3/15 アラグチ・イラン外相 「われわれが米国と交渉すべき理由など一切見当たらない。米国はわれわれと協議をしながら攻撃を決断したのだ。しかも2度にわたって」、「勝利の見込みのない違法な戦争を行っていることをトランプ氏が認めるまで、イランは自衛を続ける」 --------
3/14 トランプ大統領裁 「イランは合意を望んでいるが、条件がまだ十分に良くないため私は応じたくない」、「非常に強固な合意には、イランが核開発の野心を放棄するとの確約が含まれる必要がある」 --------
3/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「二次的影響がなく、インフレ期待が十分に定着していることを考慮すると、関税は価格に一時的な影響を与えるに留まるとみられる」、「関税の完全な影響はまだ現れていないため、FRBの2%のインフレ目標への進展は「一時的に停滞している」 --------
3/3 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 (インフレ率は高過ぎるとの認識を改めて示し)、「最新のデータはインフレ率がFRBの目標を1ポイント近く上回っていることを示唆している」 --------
3/3 カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁 「これまで想定していた今年1回の利下げに対する確信が以前より弱まった」 --------
3/2 氷見野・日銀副総裁 「足元では若干のマイナスだが、いずれゼロ近傍になる」、「政策金利の緩やかな引き上げを通じて、だんだん中立に近づけていく」、(物価の基調については)、「着実に上昇してきていることは確か」、「達観すれば、既におおむね2%近辺である」、「2%に確実に達しているとまではまだ言えないのではないか」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和