今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「WTI原油価格90ドル台に」

ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場
  • ドル円は158円台後半でほぼ動かず。このところの動意のなさに加え、LDN、NYが休場のため実需取引が主体に。
  • ユーロドルも同様に動かず、値幅は20ポイントほどに。
ドル/円 158.89 〜 159.00
ユーロ/ドル 1.1633 〜 1.1653
ユーロ/円 184.92 〜 185.14
NYダウ ------ → 50,579.70ドル
GOLD ------ → 4,523.20ドル
WTI ------ → 96.60ドル
米10年国債 ------ → 4.558%

本日の注目イベント

  • 日 3月景気先行指数(CI)(改定値)
  • 日 3月景気一致指数(CI)(改定値)
  • 米 3月S&P Cotality CS20−City YoY NSA
  • 米 3月FHFA住宅価格指数
  • 米 5月コンファレンスボード消費者信頼感指数

本日のコメント

イラン情勢が依然として不透明なうえ、LDN、NY市場が休場のため、為替はほとんど動いていません。ドル円は158円台後半でほぼ動きはなく、ユーロドルも20ポイント程度の値動きでした。日曜日にはトランプ大統領やルビオ国務長官などの発言で戦闘終結期待が高まったものの、その後トランプ氏が「合意は急がない」として、「米国に不利な合意はしない」と発言。再び不透明感が増しました。ただ、それでも合意に向けてゆっくりですが、着実に進んでいるようです。

トランプ大統領は25日、停戦延長とホルムズ海峡の再開を巡るイランとの暫定合意に向けた交渉について、「順調に進んでいる」と述べています。トランプ氏はまた、イランとの交渉についてSNSへの投稿で、サウジアラビア、カタールなどに対して、イスラエルとアラブ諸国の関係を正常化する「アブラハム合意」に加わるよう求めていました。さらに、仲介国であるパキスタンのムニール陸軍元帥は、中国の王毅外相と会談し、米イランの合意は「成立間近だ」と伝えたと、中国外務省が声明を発表しました。一方、イランのファルス通信は、「同国のガリバフ国会議長が率いる代表団は、戦争終結に向けた交渉に関連する事項についてカタール高官と協議するため、ドーハを訪問した。イランのヘンマティ中央銀行総裁も代表団に加わっており、凍結されているイラン資金の解除について協議する予定だ」と報じています。

今朝の日経新聞は、「米国とイランの戦闘終結に向けた合意案の骨子」を、独自の取材で明らかにしています。「合意案」では、双方が合意してから約30日後にホルムズ海峡を開放する案が含まれており、その間に同海峡の機雷の掃海を進め、船舶が安全に航行できる状態に戻すとされています。また、イランは同海峡の通航料を徴取しないことも含まれています。もっとも、イラン外務省の報道官は「大部分で結論は出たが、合意の署名が間近というわけではない」と述べており、このまま合意に進むのかどうかは予断を許さない状況です。

ローマ教皇レオ14世は、世界のカトリック教会に向けて就任後初となる公的書簡「回勅」を発表し、AIは人類を危険から守るために「武装解除」されるべきだと訴えました。レオ14世は産業革命や第2次世界大戦、ベルリンの壁崩壊の映像を交えながら、AIをより「人間に優しい」ものにする必要があると強調。また、AIは独占的な支配から解放され、地政学的な目的や商業的利益を追求する手段として使われるべきではないとも主張しました。また、「武装解除とは、技術的な力が自動的に統治する権利を与えるという考えを否定することだ」と指摘。その上で、「武装解除とは、技術を拒絶することではなく、それが人類を支配するのを防ぐことだ」と説明しました。数学を学んだ経歴を持つレオ14世は、戦争におけるコンピューター利用の危険性にも具体的に言及し、道徳的な観点が失われかねないと警告し、その上で、「いかなるアルゴリズムも戦争を道徳的に正当化することはできない」と述べていました。ブルームバーグは、「世界を変えつつあるAI技術を、各国政府がどこまで規制すべきかを巡る激しい議論に、一石を投じた形だ」と評価していました。

昨日のコメントで、新しくFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏について触れましたが、米資産運用大手ブラックロックは、新たにFRBがウォーシュ新議長体制で、「利上げよりも利下げを正当化する材料を十分に持っている可能性がある」との見方を示しています。ブラックロックのグローバル債券アジア太平洋地域責任者、サイガル氏は、ブルームバーグテレビジョンで、ウォーシュ議長下で利上げが行われる可能性について問われ、「利上げか利下げか、どちらかを選べと言われれば、実際には利下げを正当化する要因が十分にあると思う」と語っていました。同氏はその根拠に労働市場を挙げており、「労働市場には一定の圧力がかかる見通しで、それは据え置きまたは利下げを示唆するものになり得る」と指摘していました。原油価格の高騰で米国でもインフレ圧力が増している中少数派ですが、このような意見もありました。

WTI原油価格がさらに下げています。前日比6ドル以上も下落し、90ドル台と、約5週間ぶりの水準です。それでも今朝のドル円は依然として158円90銭台で推移しており、円が買われる気配はありません。日経平均株価が大幅に続伸し、6万5000円台に乗せてきました。日本勢だけではなく、海外資金も日本株に参入したとの報道もありますが、彼らは円を持っていないことから日本株を買うには、円を借りるか、ドルやユーロなど持っている自国通貨を売って円を調達するしかありません。ここでも円買い材料になりますが、市場ではなかなか理解し難い動きが続いています。

本日のドル円は158円30銭〜159円30銭程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
4/23 片山・財務大臣 「われわれにフリーハンドがある」、「あらゆる可能性が想定される中でも、強い姿勢を貫いていく」、「日本の当局者は米国側と24時間態勢で緊密に連絡を取り合っている」 --------
4/6 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「政策当局はかなりの期間、金利を据え置くのが望ましい」、(労働市場が顕著に悪化した場合)、「利下げが必要となるシナリオも想定される」、「インフレ率が目標を上回る状態が続く場合には、利上げが必要になる可能性もある」、「インフレ率は既に5年以上にわたり目標を上回る状態が続いている」、「さらに上昇すれば、2%目標から離れる誤った方向に進んでいることを示す」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和