今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

「イラン、米軍ヘリを撃墜」

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場
  • 米軍のヘリコプターが攻撃されたとの報に、ドル円は160円45銭まで買われる。米金利が低下し、原油価格が下落するも、円売りが継続。
  • ユーロドルは小幅に反発するも、1.15台半ばから後半で推移。
  • 株式市場ではIT株が再び売られ、ナスダックは250ポイント下落。ダウは反発し86ドル高。
  • 債券は買われ、長期金利は4.51%台に低下。
  • 金は続落し、4200ドル台に。原油も大幅に下げ88ドル台まで売られる。
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4月貿易収支 → −55.9b
5月中古住宅販売件数 → 417万戸
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ドル/円 160.16 〜 160.45
ユーロ/ドル 1.1529 〜 1.1578
ユーロ/円 184.94 〜 185.47
NYダウ +86.10 → 50,872.11
GOLD −77.00 → 4,286.40ドル
WTI −3.10 → 88.20ドル
米10年国債 −0.046 → 4.516%

本日の注目イベント

  • 中 中国5月消費者物価指数
  • 中 中国5月生産者物価指数
  • 米 5月消費者物価指数
  • 米 5月財政収支
  • 加 カナダ中銀政策金利発表

本日のコメント

米軍のヘリコプターがオマーン沖で撃墜されました。トランプ大統領は「米国は対応しなければならない」と述べ、今朝の最新の情報では、米軍が報復に出た模様です。トランプ氏は、ここ数週間、イランとの和平合意の成立が近いと繰り返し述べてきました。またこの数時間前にも、「イランとの戦争終結に向けた動きが勢いを増している」と述べたばかりでした。米軍の報告によると、イランは昨夜、ホルムズ海峡上空を哨戒飛行していた「アパッチ」ヘリコプターを撃墜したとのことです。搭乗していたパイロット2名はともに無事で、負傷もしていない模様です。

今朝7時前に入った最新の情報によると、米軍は9日、イランに対する「自衛」のためとして攻撃を開始したとのことです。米中央軍は「この作戦は、イランの不当な攻撃に対する相応の対応だ」とSNSに投稿し、攻撃対象や攻撃場所については明らかにしていません。ABCニュースの記者は、イラン攻撃が発表された際にトランプ氏と電話で話していたと明らかにし、大統領は記者に対し、「これは昨夜、彼らがわれわれのヘリコプターに対して行ったことへの対応だ。これは非常に強力で、非常に大きなものであるべきだと考えている。そして今回の対応がそれだ」と語ったとのことです。停戦は約2カ月続いていますが、米国、イラン、イスラエル、レバノンの間では散発的な戦闘が続いており、恒久的な和平合意が成立しない限り、全面戦争に逆戻りするリスクが依然として高いことが浮き彫りとなっています。ただ、ブルームバーグは事情に詳しい関係者の話として、「米国とイランの合意成立に向けた仲介努力は引き続き活発に行われている。匿名を条件として語った関係者の1人によれば、パキスタン主導の仲介役と、対立する双方との間の協議は続いており、今週も継続される見通しだ」との記事を掲載しています。

片山財務相は9日閣議後の会見で、足元で160円台の円安が続いていることに関し、「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」と述べ、円安をけん制しました。最近の記者会見などでは「必要に応じ、いつでも適切に対応」との発言が多くみられていましたが、再度「断固たる措置」に言及した格好です。なお、為替水準についてはコメントしていませんでした。久しぶりに出た円安けん制発言でしたが、ほとんど影響はなかったようです。昨日のNYでは原油価格が下がり、米金利が低下する中でも160円45銭までドルが買われ、介入を誘い出すような動きが続いています。ただ、それでも介入に踏み切らない当局の出方に、市場は疑心暗鬼になっていますが、ひょっとしたら、来週の日銀決定会合前には介入しづらいという事情があるのかもしれません。今朝の日経新聞は、個人投資家のFXポジションで「ドル買い・円売りが、過去最低水準にある」ことを伝えています。この水準では介入警戒感が一段と強く、ドルロング積み上げを避け、介入を待っているスタンスが伺えます。恐らく当局も、この辺りの動きは把握しているものと思われます。日経新聞はさらに、1面トップで「日銀利上げ1.0%へ」と、来週の会合で0.25%の利上げを行うことは確実だと報じています。また国債の購入に関しても、現行計画に沿って2027年3月までは「4半期ごとに2000億円の減額を続け」4月以降は減額を停止し、「月2兆1000億円のペースで国債購入を続ける案」を検討していると報じています。需給関係から国債が売られ、長期金利がこれ以上上昇するのを防ごうとする意図のようです。

高市首相は、現状の予算編成が予見可能性を損ねているとの問題意識から、抜本改革に乗り出す考えのようです。「当初予算で絞って、補正予算で積み増すといった手法と決別し、必要な予算はできるだけ当初予算で措置する」との方向性を示しました。「大型の経済対策に伴う補正が常態化しているだけに、脱・補正の影響は未知数だ。予算要求や査定プロセスの変化も想定され、100兆円を超える国家予算編成は大きな転換点を迎えている」と、ブルームバーグは伝えていますが、ここでも高市氏の「積極財政」の姿勢が前面に出ており、財政懸念の拡大につながる恐れもありそうです。

上述のように、「介入に備える」投資家が増えています。当社でも5月中旬以降、ドル買い枚数(ロング)よりもドル売り枚数(ショート)の方が多く、「ネットでドル売り」に傾いています。投資家が介入を意識しているスタンスが鮮明ですが、それは、仮に介入がないとすればドルを買い戻す動きにつながり、ドル高を加速させる可能性があることには注意が必要です。筆者は、個人的には当局による介入はあると予想しています。もし介入しないとすれば、4月30日からの介入で使った、11兆7000億円という巨額のお金が無駄になることと、さらに2024年のドルの高値を超えてしまったら、円が暴落する可能性があると考えるからです。どうでしょうか?

本日のドル円は159円50銭〜161円程度を予想します。

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What's going on?

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
6/9 片山・財務大臣 「ますます常に断固たる措置を取る用意があるということは変わらない」 --------
6/4 バーキン・リッチモンド連銀総裁 (米労働市場について)「需給が均衡した状態にあるようだ。雇用市場に変化は見られない」 --------
6/4 デーリー・SF連銀総裁 「経済がどのような展開を見せても、どちらの方向にも対応できるだけの用意がある。今後起こり得ることについてフォワードガイダンスをこれ以上示しても、結局は誤った方向に導くことになりかねない。経済の推移をただ見極めるほかない」 --------
6/3 植田・日銀総裁 「経済の下振れリスクに比べて、物価の上振れリスクが高まると判断される場合には、それが経済や金融市場に悪影響を及ぼすことを防ぎ、2%の「物価安定の目標」を持続的・安定的に実現していく観点から、利上げの是非についてしっかりと議論する必要があると考えています」 ドル円160円前後から159円30銭まで下げるが、すぐに反発。
6/3 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「金融政策はまさに適切な位置にある。現時点で利上げも利下げも必要だとは考えていない」、「将来どちらの方向に進むのかについても、明確な方向性が見えているわけではない」 --------
6/3 ローガン・ダラス連銀総裁 (労働市場は)「おおむね均衡している」、(金融環境も)「緩和的だ」、「こうした状況は、金融政策が景気を抑制していないことを示している。物価安定を完全に回復し、FRBの二大責務のバランスを適切に保つためには、年内にも利上げが必要になる可能性があるとの懸念を一段と強めている」、「FRB当局者の間では最近、インフレが再び加速していることへの懸念が強まっている。また、インフレ率が高止まりするとの期待が定着すれば、物価上昇圧力を抑え込むことが一段と難しくなる」 --------
6/2 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「インフレは5年以上にわたり、FRBが目指す2%を上回っている。これに対する懸念は、依然として底堅い労働市場よりも強い」、「現時点では、経済見通しを巡る不確実性を考慮し金利を据え置くことが妥当だ。しかし足元のデータ傾向が続くのであれば、持続的に高止まりするインフレのリスク拡大に対処するため、金融政策面で近く行動を起こすことが適切になる可能性がある」 --------
5/28 ウィリアムズ・NY連銀総裁 「基調は非常に良好だ。楽観的な現在の政策スタンスは、景気に対してやや抑制的に作用している」、(インフレへの懸念を理由に)「次の政策変更は利下げと同程度に利上げの可能性もあることを示したいと考える当局者が増えている」 --------
5/28 ムサレム・セントルイス連銀総裁 「FRBの使命は物価安定と雇用の最大化だが、足元ではインフレが目標を上回っている」、「将来的に利上げを検討する可能性や確率はゼロより高くなければならない」 --------
5/21 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「現在、かなり深刻なインフレ問題が生じつつある」、「FRBの二大責務のうち、雇用面についてはおおむね安定している」、「インフレ面に特に注目している」 --------
5/21 バーキン・リッチモンド連銀総裁 「既に5年以上にわたってインフレ率が目標の2%を上回っている中で、これほど多くの波が押し寄せている。その累積的な影響により、インフレ期待が緩まないかを問う価値がある」、「私にとって重要なのは、企業や消費者、そしてインフレ期待がどこまで耐えられるかという点だ」 --------
5/21 小枝・日銀審議委員 (基調的なインフレ率について)「既に2%ぐらいになってきている」、「政策金利を適切なペースで引き上げて、経済へのトレードオフにも配慮しつつ、物価高への対応を進めていくことが適切だ」、「今後、インフレ率や予想物価上昇率が上昇する場合、実質金利は自然利子率からマイナス方向に一段とかい離しうる。利上げを通じて金利の正常化を進めることが、より重要になる」、(景気見通しについて)「グローバルなIT需要の強さや政府の各種施策の効果などを踏まえれば、現時点で世界金融危機やコロナ禍のような景気の大幅な落ち込みが、見通し期間で生じる蓋然性は低い」 --------
5/20 トランプ・米大統領 「米国はイランとの間で最終段階にある」、「合意が成立するか、そうでなければ、やや手荒なことをすることになるだろう。だが、そうならないことを願っている」 原油価格が大きく下がり、株と債券が買われる。ドル円は159円台前半から158円60銭まで下落。
5/19 片山・財務大臣 「断固たる措置を取るときは取る」 ドル円159円10銭台から158円78前後まで下落。
5/19 トランプ・米大統領 「戦争をしたくはないが、彼らに再び大きな打撃を与えなければならないかもしれない」(いつまで待つのかと問われると)、「そうだな、2日か3日、金曜か土曜か日曜までだろう。あるいは来週初めまでかもしれない。時間は限られている」 --------
5/14 シュミッド・カンザスシティー連銀総裁 「根強いインフレが経済にとって最も差し迫ったリスクだとみている。インフレはピーク時から大幅に鈍化したものの、依然として高過ぎることは明らかだ」、「地政学的な動向が引き続き不確実性をもたらしている」、「失業率は歴史的に見て比較的低い水準にあり、雇用も解雇も低水準という特異な環境ではあるものの、労働市場は有効に機能している」 --------
5/12 グールズビー・シカゴ連銀総裁 「エネルギー以外の項目、例えばサービスに注目すると、それが基調的な景気過熱を示しているのであれば、FOMCはインフレ加速の連鎖をどう断ち切るかを考えなければならない」、(CPI統計について)、「予想より悪く、関税やエネルギー価格の急騰の影響を受けないサービスインフレの加速を特に懸念している」、「米国にはインフレ問題があり、それを引き下げなければならない」 --------
5/7 デーリー・SF連銀総裁 「FOMC声明文を巡って当局者の意見が分かれたことを重要視しない」 --------
5/7 ハマック・クリーブランド連銀総裁 「声明では金利は据え置きとしたが、次の動きは引き下げになる可能性が高いという示唆が盛り込まれた」、「しかし経済の現状に関する私自身の見方を踏まえると、それはやや誤解を招きかねないと考えた」、「金利はかなりの期間、据え置かれるだろう」 --------
5/7 コリンズ・ボストン連銀総裁 「金利据え置きの決定については強く支持する」(声明文は)、「FOMCが近い将来の利下げを検討する姿勢から離れつつあるという変化を示している。また、FRBに対し、次の政策変更が利下げにも利上げにもなり得ることを、より明確に示すべきだと考える当局者が増えているということでもある」 --------
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和