今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2008年5月23日(金)


おはようございます。

昨日に引き続き「石油」の話です。
NYのWTIの引け値は130.81ドルでした。
日本の貿易収支は、1975年に6250億円の貿易赤字を記録し
それを最後に黒字が続いています。
昨年一年間の貿易黒字額は約11兆円でした。

ところが原油価格がこのまま上昇すれば、実に33年ぶりに
「貿易赤字国」に転落する可能性がでてきました。
昨年の石油輸入金額は約17兆円です。これは総輸入金額の20.9%を
占めています。もちろん最大の輸入品目です。

そこで昨年一年間の原油価格の平均は約69ドル。仮に、今年一年間の平均を
120ドルだとすると、何と前年比73.9%値上がりしたことになります。
大雑把な計算ですが、昨年の石油輸入金額の73.9%増しは12兆5千億円になり
昨年の貿易黒字額11兆円を大幅に上回り赤字に転落ということになります。

もちろん厳密には為替レートが大きく影響してきますし、年初からの「円高/ドル安」
局面では、一般的に輸出が減り輸入が増えているはずです。
あるいは、原油高で輸入量そのものが減ることも考えられます。

一方で輸入価格が上がっているものは原油だけではありません。
鉄鋼石などの鉱物資源、あるいは穀物なども大幅に価格が上昇しています。
従って総合的に考えてみると、今年の貿易収支は赤字になる可能性が高いといえます。
因みに財務省の統計によると4月の貿易黒字は4850億円と前年同月比半減したそうです。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 週間の失業保険申請件数が予想を下回ったことでドル買戻しが優勢に。
  • WTIでは朝方、取引前の市場外で135ドルの値がついたものの
    週末を利食いの売りに押され130ドル台まで下落、長期金利も上昇した
    ためドルが堅調に推移。
  • NYダウも二日間で400ドル以上下げた為、値ごろ感から終始買いが
    入りドル買いをサポート。
  • 週間失業保険申請件数 → 36万5千件(市場予想を下回る)
  • 住宅価格指数     → −1.73% (下落幅拡大)

ドル/円103.14 〜 104.38
ユーロ/円162.95 〜163.85
NYダウ+24.43 → 12,625.62ドル
Gold−10.30 → 918.30ドル
WTI−2.36  →   130.81ドル
米10年国債+0.105 →  3.915%


本日の注目点

  • 日 日銀金融政策決定会合議事要旨(4月8,9日分)
  • 米 4月中古住宅販売件数


昨日の東京でドル安を予想しましたが、見事に外れました。

理由は二つ
  • 102円80銭を切ったものの、完全に抜け切れなかった。
  • 前日のNYダウが220以上の下げたにもかかわらず、日経平均は
朝方こそ大幅に下げたが、徐々に切り返し、50円高で引けた。
このところ続いているレンジを久々に抜けると考えていましたが、
結局もとの鞘に戻ってしまいました。
103円〜105円のボックスを抜けるにはもう少し大きな材料が必要なようです。

引き続き原油、株式、金利の「三点セット」に注意したいと思います。


ドル円日足

ドル/円日足。
トレンドラインを抜けてからの戻りを見てみるとトレンドラインまでの
戻りを確認できます。この現象はよく見られることでトレンドラインを
上回らなければテクニカル的には下落と考えます。


2008年4月分(PDF)

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。
日時 発言者 内容 市場への影響
5/16 米ドールドマン 今年後半の原油価格見通しを107ドルー140ドルに引き上げた。 ---
5/16 ポールソン
財務長官
「金融市場の混乱は終わりに近い。」と講演で述べる。 ---
5/15 バーナンキ
FRB議長
金融機関に対して「資本増強をさらに続けるよう」促し、「市場は不安定な状況が続いている」    FRB議長 とコメント。(シカゴでの講演で) ---
5/14 ユンケルルクセンブルク首相
(ユーロ圏議長)
「石油や食料価格の高騰で平均的な所得層の負担が増えている」
EC財務相会合で   (ユーロ圏議長) 物価上昇に警戒感を示した。
---
5/13 イエレンサンフラン
シスコ連銀総裁
現在の政策金利は適正との認識示す。 ---
5/13 バーナンキ
FRB議長
講演で「喜ばしい兆候はみられるものの、正常な状態にはなおほどと遠い。」      ポールソン財務長官とは認識の違いを示す。 ---
5/12 HSBC
(英最大手銀行)
1−3月期決算で58億ドル(約6000億円)のサブプライムローン関連損出を計上。 ---
5/9 A I G 1−3月期決算で78億500万ドル(8千億円)の赤字に。
サブプライムローン関連で152億ドル(約1兆5300億円)の損出を計上。
ドル/円102円後半→102円前半へNYダウ大幅下げに。
5/7 ホーニッグ
カンザスシティ連銀総裁
高インフレの定着で金融引き締めが必要になる可能性に言及。(前日の講演で) 金利引き下げ休止への連想からドル高へ。
5/7 ウォール・ストリート
ジャーナル
ポールソン米財務長官が「金融危機の最悪期を脱したようだ。」と述べたと報道。 ドル上昇へ。
5/3 ウォーレン・バフェット
(米著名投資家)
同氏が率いる投資会社の年次総会で「ドル安は今後も続く」との見解を示した。 ---
5/2 F R B 「欧州中銀(ECB)とスイス国立銀行と協調し、市場への資金供給拡大。
(ECB、スイス中銀へそれぞれ500億ドル、120億ドルと倍増)
---
5/1 イングランド銀行 「米国のサブプライムローン問題による世界の金融機関の損出をマーケットは
過大に見積もっている。」(金融安定化リポートで)
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※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和