今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年3月23日(火)




おはようございます。



米下院で長年の懸案事項であった「医療保険改革法案」

が可決しました。

これでオバマ大統領の署名を経て成立することになり、

約3200万人の米国民が無保険から脱却できます。

同時に、今後10年間のコストは9400億円(約85兆円)

と見込まれており、財政赤字の拡大は避けられません。

オバマ大統領は今回の成立を「国民の勝利」とコメント

しましたが、一方で、反対派は「自分の命をまもるかどうかは

個人の基本的な権利で、国が介入すべきものではない。」

とも・・・。

さすが独立精神旺盛な米国。

個人的にはいい制度だと思いますが・・・。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロドルがギリシャ支援への不透明さから再び売られ1.3463 まで急落し、つられて円も90円58まで軟化。
  • その後、売られ過ぎから買い物が入り1.35台半ばで反発。 ドル安ユーロ高に転じたことで円も買い戻され90円前半で引け。
  • この日は経済指標の発表も無く、ユーロドルの動きに振り回される 一日となりユーロ円も乱高下。
  • 米医療保険改革法案が可決したことから、朝方マイナスで推移していた NYダウは43ドル高。1年5ヶ月ぶりに高値更新。
  • 金は続落し約1か月ぶりの1100ドル台を割り込む。原油は反発。
  • 米債券相場はギリシャ問題の解決が先送りになるとの見方から 買いものを集め続伸、長期金利は低下。
  • ガイトナー財務長官は議会で金融改革法案の実現を目指し 、法案の必要性を改めて主張。
    ドル/円89.83 〜 90.58
    ユーロ/円121.05 〜 122.42
    NYダウ +43.91 → 10、785.89
    GOLD −8.10 →  1、099.50ドル
    WTI +0.57 →  81.25ドル
    米10年国債 −0.032 → 3.661%


    本日の注目点

         
    • 日   日銀金融政策決定会合議事要旨(2/17,18日分)   
    • 米   1月FHFA住宅価格指数    
    • 米   2月中古住宅販売件数  
    • 米   3月リッチモンド連銀製造業指数         

    ユーロが再び市場のかく乱要因となってきました。

    ギリシャに対する支援体制では基本的には一致しているものの、

    未だ具体案がでてこないだけではなく、EU内でも救済をめぐって意見の対立が出てきました。

    ドイツのメルケル首相は「今週のEUの首脳会議でギリシャ支援をめぐる合意が

    成立すると見込むべきではない」と述べ、ユーロが急落するきっかけを与えました。

    ドイツ国内の世論では60%程度の国民がギリシャ支援に反対との立場を意識した

    発言だとの見方が有力です。



    一方、トリシェECB総裁は「必要とあればECBは担保基準をあらためて精査する」と

    述べており、ECBの姿勢を軟化させています。

    独仏間で、ギリシャ救済問題は「EU内部で解決すべき」と「IMFの支援も選択肢にはいる」

    との認識を示しており、一枚岩でないことがユーロ売りに繋がっていることは否めません。

    さらに、ギリシャではパパンドレウ首相が同国議会で演説を行い、財政赤字削減に向けて

    金融支援を要請しないと語っています。

    一部にある、ギリシャのユーロ圏からの離脱のうわさについても「ギリシャがユーロ圏から

    離脱する憶測は滑稽だ」と一蹴しています。



    ユーロの先行きについては依然として下値リスクが残り、ギリシャがまず支援要請を

    正式に行うことが最優先かと思います。

    EU諸国としても要請がないものを支援するわけにはいかず、まずは4−5月

    の国債200億ユーロ償還の資金にめどをつけることが重要です。

    EU内部では同国を支援していくことは確認済みで、まずはギリシャが支援を行えば

    あとはその方法の話で、急速に解決に向けた具体策が出てくると思われます。

    現状の不透明さは、ユーロ圏あるいはEU全体にとっての大きな不安材料で、

    市場はそのあたりを鋭く突いてきます。



    ドル円は、ドルの上値を試す展開と観ていましたが、高値は90円77までで、

    その後反落し、89円台をつけています。

    連日、上値を試しながらも90円70−80あたりが壁になっているようで、

    いましばらく90円前後でのもみ合いが続く可能性も出てきました。

    しかし、88円台は3月4日に記録して以来約3週間記録していません。

    ドルの底値も確実に切り上がっていると観ています。

    いましばらく方向性は見えて来ない中、やはり鍵はユーロが握っています。

    それもユーロドルの行方が重要です。

    ユーロ円は昨日も121円割れ手前までユーロ安が進みましたが、再び押し戻されて

    います。これはドル円での円安ではなく、ユーロドルでのユーロ高によるもので

    ドル円を手掛ける参加者も、ユーロドルからは目が離せないと言えます。
               
What's going on? 2009年4月〜(PDF)



What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
3/2  スティーブンス・RBA総裁 「金利を通常の水準に戻すことが適切と判断した。」政策金利引き上を決定した後での会見で。。  ----
3/4  トリシェ・ECB総裁 「(ギリシャ問題に関しては)必要なら断固とした共同歩調を取る。」「危機対策は段階的に縮小する。」政策金利据え置きを決定した後での会見で。  ----
3/7  サルコジ・仏大統領 「明確にしたいのは、必要となれば、ユーロ圏諸国が約束をはたすだろうということだ」「この点に関しては疑問はあり得ない」財政問題でパパンドレウ首相と会談後に。  ----
3/16  ホーニング・カンザスシティー連銀総裁 「FF金利誘導目標を異例の低水準にわたって設定する可能性を引き続き示すことは、金融の不均衡を助長し、金融の安定へのリスクを高める恐れがあるため、もはや正当化されない」FOMCで反対票を投じた後の会見。。  ----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和