今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年6月11日(金)




おはようございます。



経済情報専門の米ブルームバーグがギリシャの

債務不履行と、同国がユーロ圏から離脱する可能性に

ついてアンケート結果を発表しました。

同社のユーザーは銀行、証券など市場に直接参加している

金融機関や、ヘッジファンドなどの機関投資家です。

ギリシャがデフォルトに陥ると予想する人は、なんと73%。

同国がユーロ圏から離脱すると見ている人は40%でした。

市場関係の多くがギリシャの国債は紙くずになる、と

見ているわけですからユーロは反発しないわけです。

かつての通貨「ドラクマ」が復活する日が来るかもしれません。




よい週末を。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ユーロドルの買い戻しが活発となり、NY市場では 1.2143までユーロ高ドル安水準を示現。
  • 1.20台半ばで始まったNY市場では、朝方から株式市場が 堅調に推移。リスク回避の動きがやや後退したことから ユーロが買い戻されて1.21台まで上昇。
  • 中国の5月の貿易が拡大していたこともユーロ買いに。
  • 円は終日小動き。値幅も約50銭程度と91円台前半から 動意薄。
  • ECB,BOEともに予想通り政策金利据え置きを決定。
  • トリシェECB総裁は記者会見で、債券購入を継続する考えを 表明。また、加盟各国に財政の立て直しに努力するよう要請。
  • ガイトナー財務長官は議会証言で、中国に人民元改革を 行うよう改めて要請。対中貿易赤字が拡大したことも背景に。
  • NY株式市場は大幅に反発。NYダウは273ドル高。 前日上げ渋ったナスダックも59ドル高とほぼ全面高の展開に。
  • 金は続落し、原油価格は続伸し75ドル台に。
  • 債券相場は株式の大幅高から売られ、長期金利は上昇。
  • 4月貿易収支 → 403億ドルの赤字 
  • 週間失業保険申請件数 → 45.6万人   
    ドル/円90.96 〜 91.48
    ユーロ/円109.65 〜 110.84
    NYダウ +273.28 → 10、172.53ドル
    GOLD −7.70 →  1、222.20ドル
    WTI +1.10 →  75.48ドル
    米10年国債 +0.146 → 3.325%


    本日の注目点

    • 米   5月小売売上高 
    • 米   6月ミシガン大学消費者信頼感指数                        

    昨日もこの欄に書きましたが、ユーロドルの戻しはこれまでの動きから判断すると

    「200〜300ポイントが限度」でした。

    昨日のNY市場ではユーロが大きく買い戻されています。

    ユーロの高値は1.2143と、今週月曜日のアジア市場で記録した1.1887

    から、約250ポイントの反発です。

    今朝の新聞、テレビでは「ユーロが底をつけ、反発局面入りした」との論調が見受けられました。

    ユーロは本当に底を打ったのでしょうか?

    個人的にはそうは思いません。



    確かに、今週月曜日以降のユーロは底堅い動きでした。特に、1.19近辺が堅く、

    割り込んでもすぐに反発したのも事実です。

    しかし、依然として底値からの反発は250ポントです。

    加えてユーロを取り巻く環境は改善どころか、悪化しています。

    ギリシャのGDPは財政赤字解消のための緊縮財政から前期比マイナスです。

    スペインでは労使交渉が決裂して、ゼネストの可能性もでてきました。



    足元の1時間足では「200日移動平均」を上抜けし、上昇傾向を強めていますが

    今回の上昇はショート筋の買い戻しの域をでていないと思われます。

    相場は常に過剰反応を起こし、それを修正していく形で上下を繰り返します。

    そう考えると今回の上昇は「ポジションと相場観」が極端に偏ったために

    起きた現象と捉えるべきです。

    念のために上値のメドを確認すると、4時間足の「雲」と「100日移動平均線」が

    位置する1.22台前半ということになります。

    仮にユーロ下落が終わり相場が転換したと判断するとすれば、ユーロドルが1.24台を抜ける

    ことが条件となります。

    その場合には日足の「遅行スパン」がローソク足を上抜けし「好転」が起きている可能性が

    高いからです。

    テクニカルでは「好転」が起こると上昇モメンタムが急激に高まる、と教えています。



    ガイトナー財務長官は昨日上院で証言を行いました。

    その中で、中国の人民元改革が進んでいないことから、早急に行うよ改めて要請した

    形になりました。そして注目されたのが「胡錦濤国家主席とも為替改革を確約した」

    と発言したことです。

    この発言はやや異例です。舞台裏を明かすような発言で、むしろ圧力に屈したと見られることを

    嫌う中国にとって、マイナスの効果さえでてきそうです。

    背景には昨日発表された米国の貿易赤字が拡大し、2008年12月以来、1年4ヵ月ぶりの

    高水準になったことが挙げられます。

    米国の貿易赤字の約半分が対中国ということになり、人民元切り上げが実施されないと

    さらに赤字幅が拡大する懸念がガイトナー長官を動かしたものと見られます。



    個人的には以前にも触れましたが、人民元の切り上げはいつあってもおかしくない

    状況だと思います。

    問題は、ギリシャ発の欧州危機から、切り上げを行えない状況が続いているものと思われます。

    もし実施した場合の世界経済に与える影響が大きいことから、欧州が安定するのを待っている

    状況だと見ています。

    市場は、欧州危機と中国の人民元切り上げという2つのリスク抱えていると言えます。

What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
6/1  李克強・中国副首相 「人民元の相場形成メカニズムの改革をさらに進める必要がある」中国共産党理論紙「求是」に寄稿。。  -----
6/5  ガイトナー・財務長官 「中国については民間需要による持続的な成長と、より柔軟な為替政策をとる必要性について議論した」釜山でのG20後の記者会見で。  -----
6/7  バーナンキ・FRB議長 「米景気が二番底に陥る可能性は低い」下院での議会証言で。  NY株式市場が上昇し、為替市場ではドル高に。
6/10  ガイトナー・財務長官 「中国の為替改革は極めて重要」「中国の胡錦濤国家主席も為替改革を確約した」上院での証言で。  -----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和