今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年7月29日(木)




おはようございます。



先日米議会で「金融規制改革法案」が成立しました。

リーマンショックをきっかけに金融機関が過大なリスクを

負わないように、様々な規制を設けたものです。

米国では、1929年の世界恐慌を経て、いわゆる

「グラス・スティーガル法」が施行されました。

銀行と証券の垣根を決めた法律です。

その後銀行の業務内容が多岐にわたり、証券化、国際化して行ったことから

同法律は廃止となり、金融機関が再び過大なリスクをとった結果が

リーマンの破綻でした。

今回法案が決まったことで、1930年代に逆戻りした感はありますが、

金融機関救済のために巨額な税金が使われたことを考えると止む得ません。

オバマ大統領は「金融機関救済のために税金を使うことは2度とない」と

宣言しています。

歴史は繰り返すと言いますが、繰り返させてはいけない

出来事です。

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円は昨日の東京市場で88円台に乗せる場面があったが、 その後の海外市場では87円前半まで再び円高となり、87円半ばで 引け。
  • ユーロ円も114円台後半を記録したものの、ドル円で 円高が進んだこともあり、113円前半での取引。
  • 米経済指標の発表では、市場予想を下回る結果に ドルが軟調。さらにベージュブックでも米景気の回復力の 弱さが報告された。
  • 上記指標に、NY株式市場は5日振りに反落。ダウは39ドル 安、ナスダックも23ドルと大幅安。
  • 債券相場は5年物国債の入札の好調と、株安を受け上昇。 長期金利は3%割れ。
  • 金は前日の大幅安から反発。原油価格は小幅続落。
  • 6月耐久財受注 → −1.0%                                         



    ドル/円87.25 〜 87.85
    ユーロ/円113.20 〜 114.26
    NYダウ −39.81 → 10、497.88ドル
    GOLD +2.40 →  1、160.40ドル
    WTI −0.51  →  76.99ドル
    米10年国債−0.053 → 2.996%


    本日の注目点

    • 独   7月失業率  
    • 米   週間失業保険申請件数                                                   

    昨日は日経平均の大幅高を材料にドル円は買われ、88円台に乗せる場面もありましたが、

    やはり押し戻され、88円台キープはなりませんでした。

    海外市場では一度も88円を試すことなく87円前半まで円が買われ、依然として方向感に

    乏しい展開でした。

    7月の耐久材受注が発表になりましたが、市場ではプラスを予想していたものが実際には

    マイナス0.1%と、大幅に予想を下回りました。

    その結果ドル売り円買いが進み87円25銭まで円高が進み、前日のドル上昇幅を

    はきだす結果となっています。

    これもいつものストーリーですが。



    さらにベージュブック(地区連銀経済報告)では全体的に経済成長のペースは鈍くなっており、

    12地区連銀のうち、2地区で経済活動は「横ばい」、また2地区で「拡大ペースが鈍化」と

    報告されました。

    住宅についても大半の地区では低迷していると報告されてます。

    今回のベージュブックの報告内容は、先日行われたバーナンキ議長の議会証言の内容とも

    合致するもので「米景気は異例なほど不透明」との表現が裏付けられた格好になりました。

    ベージュブックでの報告内容は、将来FOMCでの討議事項になることから、FRBでは

    追加的金融緩和を検討するのではないか、と見る向きもあります。



    しかし、現実的には金融政策面での緩和には限界があり、資金供給がされたとしても

    日本同様資金需要は低調です。

    先月から今月にかけて発表された経済指標をみれば、雇用を中心とした新たな政策の実施が

    早急に求めれる状況になっていることは一目瞭然です。

    バーナンキ議長をはじめ、経済を司る要人たちのクールさにやや驚きを隠せません。

    既にサマーバケイションということなのでしょうか・・・。



    豪ドル円が80円テストに失敗しました。

    昨日発表の豪州の消費者物価指数が市場予想を下回り、8月の利上げが遠のいたことが

    理由です。

    堅調な株式市場を背景にしたリスク選好の高まりから豪ドルは対ドル、対円でも

    上昇傾向を強めてきましたが、それぞれ、0.90台、80円台の定着とは至りませんでした。

    しかし、旺盛な国内経済と中国を中心とする外需に支えられている豪州景気にスキはありません。

    今秋までには再利上げに踏み切るものと考え、豪ドルの押し目は拾っておきたいと考えています。



    本日のドル円は日経平均の下落の影響から下値を探る展開かと思います。

    ここ2日続いて円の高値は87円25−30で止められています。

    東京時間でこのレベルを割り込むかどうかに注目していますが、日経平均が予想外に大幅な下落

    を見せれば、その可能性もでてきます。

    このところ上昇が続いており、利益確定の売りが出やすい地合いですから、200円を超す

    下落があればドル売り圧力が増してきます。

    個人的な予想は100円前後の下落です。可能性は少ないと思いますが、買い意欲も

    強いことから前日比プラスも考えられます。

    それでもドル円は88円には届かないと見ます。




    What's going on ?」とは・・・
    会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
    為替はさまざま事が原因で動きます。
    その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


    日時 発言者 内容 市場への影響
    7/6  スティーブンス・RBA総裁 「内外の需要や物価の追加情報が得られるまで現在の金融政策が妥当だ」政策金利据え置きを決めた後の会見で。 豪ドルは対ドルで0.83台後半から0.84台後半に。
    7/8  トリシェ・ECB総裁 「欧州は緩やかな景気回復が続いている」としながらも「高い不確実性があり、回復にはばらつきがある」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.26台半ば→1.27台乗せ。
    7/13  レンデルス・EU議長(ベルギー財務相) 「われわれが最大限の透明性を望んでいることは明らかだ」「必要ならあらゆる措置を取る」EU財務相会合後の記者会見で。 ユーロドル1.25台→1.27台乗せ。
    7/21  バーナンキ・FRB議長 「米景気は異例なほど不透明だ」上院の議会証言で NY株式市場は全面安。

    ※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


    What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

    What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和