今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年8月23日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円はユーロが対ドルで大幅に下落したことに伴い軟調な 展開に。
  • 朝方の85円台前半からじり安となり85円台後半へ。 主要通貨が対ドルで値下がりしたため、ユーロ円などの クロス円では軒並み円高に。ユーロ円は7月1日以来の108円台 前半まで円急騰。
  • ECBのメンバーであるウェーバー・ドイツ連銀総裁は域内経済は 年内はECBの支援を必要としているとの認識を示したことからユーロが 対ドル、対円などで大幅に下落。
  • NY株式市場は続落。商品相場が下落したことから石油や金属化株が 売られ、ダウは57ドル安。
  • 債券相場は下落し長期金利は小幅に上昇。一時10年債利回りが 2.53%台をつけ1年5ヵ月振りの水準を記録したが、引けにかけては 戻す。
  • 金は反落。原油は続落し73ドル台に。



ドル/円85.31〜 85.82
ユーロ/円108.36 〜 109.08
NYダウ −57.59 → 10,213.62ドル
GOLD −6.60 →  1,228.80ドル
WTI −0.97  →  73.46ドル
米10年国債+0.035 → 2.610%


本日の注目イベント

  • 欧 8月ユーロ圏消費者信頼感(速報)                    



円は85円50銭を中心とした小動きの展開でしたが、ユーロドルが大幅に下落した


ことから、ユーロ安に引っ張られる形でやや軟調に推移しいました。


先週は、一時85円台を割り込む場面も見られ、再び円の先高感が支配的でしたが


ユーロが対ドルで約1ヵ月振りの1.26台まで売られたことで、市場全体が


ややドル高に推移したことが影響しました。






ウェーバー・独連銀総は、ECBが緊急の融資措置を解除する時期を決定するのは


来年1−3月(第1四半期)にすべきとの認識を示したことから、市場は「出口戦略」の


遅れを連想し、ユーロ売りに走ったものと理解できます。


これまでユーロ安からドイツを中心に景気回復の兆しが見え、「出口戦略」が遠のくことは


ないのでは、と観られていただけにユーロ売りが加速した様です。


この結果、ユーロは主要通貨に対して大幅に下落し、対円でも約2ヵ月振りの108円台前半まで


ユーロ安が進みました。


ユーロドルは6月初めに1.18台まで下落し大幅なユーロ安が進んだ後、約2ヵ月間で


1.33台半ばまで一気に買い戻しが進みました。


この間のドイツなどの経済指標を見ると明らかに「ユーロ安効果」が出ています。


今回の独連銀総裁の発言も「ユーロ安」を望んでいるものと受け取れなくはありません。


とすれば、米国もユーロ圏も自国通貨を安くすることによって景気回復を図る、という政策が


見えてきます。






一方、日本はいまだに円高を阻止するための決定的な政策を出せずに、「口先介入」を散発的に


行うに留まっています。


今週にも菅総理と白川日銀総裁の会談が予定されているようですが、電話会談だけで、直接話し合うのは


先になる、との報道もあるように、まだ正確な日時は決定されていないようです。


昨年12月に当時の菅財務相と白川総裁が会談し、その後日銀が「新型オペ」を発表し、


円安傾向に流れが変わった記憶はまだ新しいところです。


市場では今回も「実績のある二人」が会談することで、「円高対策」の実施に期待が高まっています。


具体的には資金供給の増額や期間の延長などがとり沙汰されていますが、仮に政策が発表されても


どの程度の円安効果があるのかはやや疑問です。


市場が政策の内容を読んでいる以上、サプライズがない限りその影響は限定されるのでは


ないかと思われます。






これまで85円割れを3回演じてきましたが、全てはね返されてきました。

 
「ドル売り円買い」ポジションの積み上がりや、介入に対する警戒感から85円を割り込んでも


一気に円高が加速することはなかったわけですが、今週予定の「菅・白川会談」の内容次第では


期待が大きいだけに、失望からドル売りに傾むく可能性もあります。



また、その際に実際の介入が見られない場合にはさらにドル売りへの安心感を与えることになり、


ドルの一段下げに繋がることも考えられます。


テクニカルでも、「日足」では今年5月の初めに記録した94円99銭からの抵抗線が上抜けする


87円30銭近辺までドルが戻さない限り「ドル安円高」傾向は継続されることを示しています。


そろそろ夏休み明けから職場に復帰する人も多くなり、市場参加者の厚みも増します。


ドル円は依然として「微妙な値位置」におり、今週も波乱がありそうです。








What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
8/2 バーナンキ・FRB議長 「米経済の完全な回復までには相当な道のりが残っている」「家計や企業の支出増加が持続的な成長に寄与するはずだ」サウスカロライナ州チャールストンでの講演で。 NYダウが200ドルを超える上昇の一要因に。
8/5 トリシェ・ECB総裁 「7−9月期について入手できたデータは予想より良好だ」「市場の機能は若干改善している」政策委員会後の記者会見で。  ややユーロ高に振れる。
8/5 ジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授 米経済が「活気のない景気回復に直面しており、米政府はよりよく計画された新たな景気刺激策が必要になるだろう」ブルームバーグテレビジョンのインタヴューに答えて。 -----
8/13 ホーニング・カンザスシティー連銀総裁 「回復を一段と加速させる目的でゼロ金利が継続されれば、予期せぬ結果や不確実性をもたらすため、プラスであると同様にマイナスとなる公算が大きい。」ネブラスカ州の講演で。 -----
8/20 ウェーバー・独連銀総裁 「出口戦略続行に関する議論の大半は、第1四半期に集中しておこなわれると考えている」と述べ、緊急の融資措置を解除する時期を決定するのは来年1−3月にすべきとの認識を示す。「ブルームバーグテレビジョンでのインタビューで)。 ユーロドル1.27台半ば→ 1.26台後半へ。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものではございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。

外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和