今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年10月18日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • バーナンキFRB議長は朝方の講演で、インフレ率が低すぎ、失業率が高すぎる 状況にあることから、追加金融緩和が正当化されるとの認識を示した。
  • このため、為替市場ではドル安が進み、円は一時80円88銭まで上昇。 その後、介入警戒感や米債券が下落し、金利が上昇したことでドルの買い戻しが優勢となり ほぼ高値圏の81円40銭で引け。
  • バーナンキ議長の講演内容を受け、豪ドルは変動相場制後はじめて対ドルで1.0004 のパリティーまで買われ、ユーロも1.4161まで上昇。その後は利食いの売りに押され 豪ドルは100ポイント以上、ユーロは200ポイント以上の大幅下落。
  • 株式市場は金融株を中心に売られ、ダウが31ドル安、ナスダックは小幅高。
  • 債券は長期債が下落。バーナンキ発言を受け、FRBが今後インフレを喚起する政策をとる との観測が背景。2年物利回りは下落、10年債は一時2.59%まで上昇。
  • 金、原油はともに利益確定の売りに押され小幅反落。
  • 9月消費者物価指数 → +0.1%        
  • 9月小売売上高   → +0.6%              
  • 10月NY連銀製造業景気指数 → 15.7(事前予想は6.0) 
  • 10月ミシガン大学消費者信頼感指数  → 67.9



ドル/円80.88 〜 81.50
ユーロ/ドル1.3937 〜 1.4161
ユーロ/円113.55 〜 114.66
NYダウ −31.79 → 11,062.78ドル
GOLD −5.60 →  1,372.00ドル
WTI −1.44 →  81.25ドル
米10年国債  +0.055 → 2.560%


本日の注目イベント

                             
  • 米   9月鉱工業生産
  • 米   9月設備稼働率
  • 米   10月NAHB住宅市場指数
  • 米   7−9月期決算発表 → アップル、シティーグループ、IBM                    







バーナンキFRB議長の講演内容を受けて、ドル円は80円88銭まで売られました。



この水準は前日記録した円の高値と同じで、その後ドルは81円台半ばまで反発しています。



「80円割れは時間の問題」との相場観が支配的な中、政府・日銀の市場介入も無く「自律反発」した格好になっています。



この結果、短期的には「1時間足」のローソク足では長い「下ヒゲ」が現れ「ダブルボトム」を形成し、目先、ドルの



反発を予想できなくもありません。






先週末のドル急落後の反発は、米長期金利の上昇が最大の理由と観られます。



このところの米長期金利はやや底打ち感が出ており、一時2.3%台後半まで低下した金利は



先週末には2.6%近くまで上昇する場面もありました。



消費者物価指数が低位で安定していることから、FRBがインフレ喚起政策(リフレ政策)を取るのでは



ないかという見方が台頭し、10年物長期債や30年物の超長期債などが売られたことが背景です。



バーナンキ議長は物価水準については「デフレのリスクは妥当と言える水準を超えている」という言いまわしで



言及しています。






FOMCでどのような追加緩和が決定されるのか・・?



今、市場参加者が最も注目している材料です。



増えない雇用者数と高止まりしている失業率。



追加緩和の実施はほぼ確実と観ていますが、国債やMBSの購入だけでは米労働市場の改善は望めません。



バーナンキ議長は「非伝統的な政策にはコストと限界があるため、実施するかどうか考慮する必要がある」



とも述べています。



景気を刺激し雇用を増大させる一方、デフレリスクを避けるという難しい政策を迫られています。



11月のFOMCまで、あと3週間あります。FRBメンバーの発言には注意したいところです。






一方、もう一つの最大の関心事は政府・日銀の市場介入です。



先週81円台を割り込んでも動きはありませんでした。



財務大臣も「必要な時には断固たる措置を取る」と繰り返すばかりです。



先週も少し触れましたが、「必要な時」が問題になります。



やはり水準で言えば、80円前後でさらに、円高から株価が急落したような状況を指すのではないかと思います。



今週金曜日からは韓国でG20が開催されます。



人民元に対する切り上げ圧力が増す中、介入しづらいとの観測もありますが、「80円」という節目の水準では



介入に踏み切らないわけにはいかないはずです。



1995年に記録した79円75銭を割り込んだ水準では、大量のストップロス(損切り)のドル売りが控えている



との観測もあります。



また、この水準を割り込むと円高が加速し、「底値」が見えなくなる可能性もあります。



今週もドルの戻り売りのスタンスは継続としても、突っ込みすぎのドル売りには注意が必要です。



同時に、豪ドルが再びパリティーに向かって上昇するのか、ユーロが1.41台を目指すのかも



見極めたいところです。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/2 ダドリー・NY連銀総裁 「経済見通しが、雇用とインフレの双方がと遠くない将来に改善する確信を深められる方向で変化しない限り、一段の行動が正当化される公算が大きい」講演で。 ドル全面安の展開に。
10/2 温家宝・中国首相 「ユーロ圏の国々やギリシャが危機を克服するのを支援したい」パパンドレウ・ギリシャ首相との会談で。  -----
10/6 ガイトナー・財務長官 「通貨の価値を押し上げる市場の圧力が強まるなか、これに抵抗しようとする国が増えている」また、先月行われた日本の 為替介入については国際的な緊張をあおってはいないと述べた。 -----
10/7 トリシェ・ECB総裁 ユーロが上昇していることに関して「実体経済を反映すべきで、過度な乱高下は経済の不安定要因になる」理事会後の会見で。 ユーロドルは1.40台前半から1.38台に台。
10/7 ストロスカーン・IMF専務理事 「為替を経済政策の武器として使うのは世界経済にとって好ましくない。」記者会見で。  -----
10/11 イエレン・FRB副議長 「低金利は企業のリスクテイクを奨励しかねない。金融緩和というお酒の入った<パンチボウル>をテーブルから下げる準備を当局は整える必要がある」副議長就任後初めての講演で。  -----
10/15 バーナンキ・FRB議長 「何も変化がなければ、FOMCの二重目標に基づき、さらなる行動を取る状況になりそうだ」ボストンの講演で。  ドル全面安に。円、一時80円88銭を記録。

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和