今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年10月20日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 中国人民銀行は基準金利を0.25%引き上げると発表。
  • この発表を受け、金融市場には激震が走り、ドル買い戻し、株式市場の 大幅下落、商品相場の急落など大きな影響を与えた。
  • 豪ドルが急落。アジア市場の0.99台からNY市場では0.96台後半まで 一気に下落。ユーロも歩調を合わせるように大幅下落。
  • 円はドル買い戻しが優勢の中81円台後半まで売られたものの、 他の主要通貨に比べ下落幅も緩やか。このためクロス円は軒並み大幅な円高に。
  • NY株式市場は全面安。中国の利上げに加え、BOAの赤字決算など 売り材料に大きく反応。ダウは165ドル安で1万1千ドルの大台割れ。
  • 安全資産の債券は大幅上昇。長期金利は1週間ぶりに2.4%台に。
  • 金、原油はともに大幅に値を崩す。両相場とも一日の下げ幅としては 過去最大級の下落。    
  • 9月住宅着工件数 → 61.0万件                        
  • 9月建設許可件数 → 53.9万件



ドル/円81.43 〜 81.93
ユーロ/ドル1.3713 〜 1.3885
ユーロ/円111.80 〜 113.25
NYダウ −165.07 → 10,978.62ドル
GOLD −36.10 →  1,336.00ドル
WTI −3.59 →  79.49ドル
米10年国債  −0.034 → 2.481%


本日の注目イベント

                             
  • 日   8月景気動向指数(改定値)  
  • 英   BOE議事録   
  • 米   地区連銀経済報告(ベージュブック)       
  • 米   7−9月期決算発表 → ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー    
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演                          
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演         







中国の突然の利上げに各金融市場は大きく反応しました。



中国人民銀行はインフレを抑制をするために貸し出しと預金の基準金利0.25%引き上げ



本日より実施すると発表しました。



これまでも消費者物価指数の上昇傾向が続いていため、インフレを未然に防ぐことから



金融機関が中央銀行に預ける預金準備率を調整することで緩やかな成長を促してきました。



しかし、ここにきて消費者物価と不動産価格にさらなる上昇圧力が加わったことから利上げに踏み切った様です。



また、G20を前にして欧米からの人民元切り上げ圧力をかわすという意味合いも考えられます。






突然の利上げで、これまで中国経済の成長の恩恵を最も受けているとされる豪ドルが急落しました。



先週末には、対ドルでパリティの1.0を超える水準まで買われていた豪ドルが、0.96台まで



ドル買い豪ドル売りが進み、ユーロなどもこれに引っ張られる形で大きく売られています。



主要通貨の中で最も売り込まれたのが豪ドルでしたが、一方で円売りの勢いは緩やかでした。






昨日の東京時間からドル買い戻しが優勢で、円もジリジリと売られる展開でしたが、NYでは



82円台に乗せることは無く、引けにかけてはやや円の買い戻しも入った様です。



その結果、クロス円では円高が大きく進んでいます。



中国の利上げをきっかけにドル買い戻しが進み、さらに安全通貨としての円が注目される様な展開に



なると「円の独歩高」になる可能性もあります。



ここは今しばらく、ユーロや豪ドルなどがどこまで売られるのかということと、週末のG20の



内容を見極める必要があります。



中国の利上げがきっかけでドル安の流れが変わったとも思えませんが、これまでの量的緩和で過剰流動性が



進み、行き場の無い資金が商品市場や高金利通貨に向かい、高まる「リスク選好」に急ブレイキが



かかった状況かと思います。






中国からの思わぬニュースに大きく揺れた為替市場ですが、今後の最大の関心事が今週末のG20と、



来月初めの米FOMCであることには変わりはありません。



米追加緩和は市場に徐々に織り込まれつつある中、仮に実施されてもその規模は当初言われていた程のものではなく



少規模に留まるとの見方も出て来ました。



今朝のテレビでは、フィッシャー・ダラス連銀総裁とのインタビューを放映しており、同総裁はその中で



「追加緩和については何も決まっていない」「追加緩和をしないこともあり得る」と述べています。



同総裁はもともと追加緩和には消極的で、FOMCでの政策決定に関する投票権は持っていませんが、



FOMC内部での議論はこれからだというニュアンスは伝わってきました。



バーナンキ議長はこれまでも「必要なら追加緩和を行う用意がる」との立場を繰り返してきましたが、



昨日のガイトナー財務長官の「強いドル」発言と併せ、風向きが少しだけ変わってきたと感じています。






ドル円は81円93銭まで上昇したことで、1時間足までの短期のテクニカルではドル反発を示唆しています。



しかし、4時間足から長めのテクニカルでは上値に依然として一目均衡表の雲があり、そう簡単には上昇に転じないことを



暗示しているようにも見えます。



G20,FOMCを控え相場の混乱は続きそうです。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/2 ダドリー・NY連銀総裁 「経済見通しが、雇用とインフレの双方がと遠くない将来に改善する確信を深められる方向で変化しない限り、一段の行動が正当化される公算が大きい」講演で。 ドル全面安の展開に。
10/2 温家宝・中国首相 「ユーロ圏の国々やギリシャが危機を克服するのを支援したい」パパンドレウ・ギリシャ首相との会談で。  -----
10/6 ガイトナー・財務長官 「通貨の価値を押し上げる市場の圧力が強まるなか、これに抵抗しようとする国が増えている」また、先月行われた日本の 為替介入については国際的な緊張をあおってはいないと述べた。 -----
10/7 トリシェ・ECB総裁 ユーロが上昇していることに関して「実体経済を反映すべきで、過度な乱高下は経済の不安定要因になる」理事会後の会見で。 ユーロドルは1.40台前半から1.38台に台。
10/7 ストロスカーン・IMF専務理事 「為替を経済政策の武器として使うのは世界経済にとって好ましくない。」記者会見で。  -----
10/11 イエレン・FRB副議長 「低金利は企業のリスクテイクを奨励しかねない。金融緩和というお酒の入った<パンチボウル>をテーブルから下げる準備を当局は整える必要がある」副議長就任後初めての講演で。  -----
10/15 バーナンキ・FRB議長 「何も変化がなければ、FOMCの二重目標に基づき、さらなる行動を取る状況になりそうだ」ボストンの講演で。  ドル全面安に。円、一時80円88銭を記録。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和