今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年10月22日(金)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円は東京時間、ガイトナー財務長官の発言内容をWSJ紙が 伝えたことをきっかけに売りが膨らみ、81円84銭まで下落。 しかし、円買い意欲は依然強く円の下落幅は限定的となり、その後 81円台を割り込む場面もあったが、G20を控え小動きとなり81円台 前半で引け。
  • ユーロは欧州時間に発表された独PMIが好調だったことから 買いが優勢となり、対ドルでは1.40台半ば、対円でも113円台 後半まで強含んだがNY市場ではドル買い戻しに押された。
  • 株式市場は続伸。朝方は企業の好決算が発表され大幅高に。 その後はやや軟調となり上げ幅を縮小して取引終了。ダウは38ドル高。
  • 株価が続伸したことで債券は軟調。長期金利は3日ぶりに 2.5%台を回復。                      
  • 金、原油は反落。金の上昇傾向にややブレイキも。
  • 週間失業保険申請件数 → 45.2万件
  • 10月フィラデルフィア連銀景況指数 → 1.0
  • 9月景気先行指数 → +0.3%



ドル/円81.00 〜 81.38
ユーロ/ドル1.3904 〜 1.4038
ユーロ/円113.01 〜 113.79
NYダウ +38.60 → 11,146.57ドル
GOLD −18.60 →  1,325.60ドル
WTI −1.21 →  80.56ドル
米10年国債 +0.057 → 2.542%


本日の注目イベント

                             
  • 独   10月ifo景況指数                         
  • 加   9月消費者物価指数            
  • 加   8月小売売上高                    
  • 米   ホーニング・カンザスシティ連銀総裁講演   
  • 米   プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演        







「2度目の介入か?」・・・。



昨日の朝方10時すぎ、ドル円が丁度81円を割り込むタイミングからドルが急速に反発しました。



1時間ほどの間に81円84銭までドルが買い戻され、市場はやや混乱状態に。



知人の証券マンからも「日銀の介入?」との問い合わせが何本かありましたが、結局そうでは無かったようです。



ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の電子版が、ガイトナー財務長官の「ドルがユーロや円に対して



これ以上下落する必要は無い」との発言を伝えたことが原因でした。(下記「What's going on ?」参照)






短時間の間に約1円も「円安ドル高」に振れる状況は、ドルショートが積み上がっている証拠ですが、



ただ、それでもドル買い戻しが終わると再び元の位置(?)に戻り、さらに円高水準を記録してしまうのは、



市場には根強い円先高観があることの証拠でもあります。



政府・日銀も、こういったタイミングをうまく利用して、円高の流れを止める工夫も必要かと思います。






それにしても、ある材料をきっかけにした「ドル買い戻しの流れ」は三度目の正直とはならなかったようです。



一度目は、9月15日の政府・日銀による大規模介入。



これによって約3円ドル高方向に持って行かれ85円94銭までドル高に振れましたが、その後は時間をかけながら元の鞘に。



2度目は2日前の中国の突然の利上げです。



主要通貨でドル買い戻しが加速し、円は81円93銭まで下落し、82円台乗せには至りませんでした。



そして3度目は昨日ガイトナー発言でした。






いずれもドルが反発するものの、上値は限定的で、むしろドルが反発したら「絶好の売り場」と見てドル売りが



持ち込まれ、ふたたび円高が加速する展開です。



この背景には円はいずれ80円を割り込む、といった相場観が支配的だからだと言えます。



FRBの追加緩和観測と、介入観測が後退したことが円先高観を醸成しています。



そのため、円はゆっくりとではありますが高値を更新し、前日のNY市場では80円84銭までの円高を



記録しています。



円の史上最高値である79円75銭へも「残り1円程度ののりしろ」となっており、市場関係者の間では



「一度はつけないと気が済まないだろう」あるいは「80円割れを見ないと収まらないだろう」といった



意見が交わされています。



市場の多くの見方が円高方向に傾いていることが気になりますが、足元の状況を考えると、やはりこれらの見方に



歩み寄らざる得ない状況かと思います。






注目のG20では通貨問題が議題の中心になることは必至です。



米通貨当局としても「通貨安戦争」は避けたいところですが、そのための具体案は見つかっていない



状況です。



日本としては「単独介入」に対する批判は避けたく、円安誘導を目的としたものではないことを



明確に伝えるべきでしょう。



米ガイトナー長官もこれまでのドル安黙認姿勢から、ここへきてややスタンスを変えてきているようにも見えます。



上記発言に加え、今朝のブルームバーグは以下の記事を伝えてます。



「ブラジルのマンテガ財務相は記者団に対して、ガイトナー長官と20日実施した電話会談で、同長官が



米国はドル下落を容認しないと表明したと語った。マンテガ財務相はまた、G20で、ドル下落を防ぐ手段を



模索することで合意した。」






この内容はG20を控えての「ポーズ」と見られないことはありませんが、週末に向けポジションは軽めに



しておくべきでしょう。







良い週末を・・・。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/2 ダドリー・NY連銀総裁 「経済見通しが、雇用とインフレの双方がと遠くない将来に改善する確信を深められる方向で変化しない限り、一段の行動が正当化される公算が大きい」講演で。 ドル全面安の展開に。
10/2 温家宝・中国首相 「ユーロ圏の国々やギリシャが危機を克服するのを支援したい」パパンドレウ・ギリシャ首相との会談で。  -----
10/6 ガイトナー・財務長官 「通貨の価値を押し上げる市場の圧力が強まるなか、これに抵抗しようとする国が増えている」また、先月行われた日本の 為替介入については国際的な緊張をあおってはいないと述べた。 -----
10/7 トリシェ・ECB総裁 ユーロが上昇していることに関して「実体経済を反映すべきで、過度な乱高下は経済の不安定要因になる」理事会後の会見で。 ユーロドルは1.40台前半から1.38台に台。
10/7 ストロスカーン・IMF専務理事 「為替を経済政策の武器として使うのは世界経済にとって好ましくない。」記者会見で。  -----
10/11 イエレン・FRB副議長 「低金利は企業のリスクテイクを奨励しかねない。金融緩和というお酒の入った<パンチボウル>をテーブルから下げる準備を当局は整える必要がある」副議長就任後初めての講演で。  -----
10/15 バーナンキ・FRB議長 「何も変化がなければ、FOMCの二重目標に基づき、さらなる行動を取る状況になりそうだ」ボストンの講演で。  ドル全面安に。円、一時80円88銭を記録。
10/21 ガイトナー・財務長官 「ドルが対ユーロや円でこれ以上下落する必要はない。ユーロと円はほぼ整合的な水準」ウォール・ストリート・ジャーナル紙の電子版に掲載。 ドルが主要通貨に対して上昇。円81円 →81円77レベルまで下落。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和