今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年10月28日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドルの底堅い動きが続き、円は81円台半ばから後半での展開。 米経済指標の好転と長期金利の上昇がドルを支える。
  • ドルは円以外の主要通貨に対しも堅調だった。来週のFOMC を控え、ドル買い戻しの流れが優勢に。
  • ユーロはポルトガルとギリシャのCDSが上昇したことで リスク回避の動きから売られ、豪ドルは7−9月期のCPIが 市場予想を下回ったことから下落。いずれもドル買い戻しに繋がる。
  • WSJは一面トップで、米国債購入の規模が小規模にとどまる 可能性が高く、追加緩和が実施されても市場予想ほどの内容には ならないと報道。
  • このため、米株式市場は金利先安観が後退し、ダウは43ドル下落。
  • 長期金利は一段高となり、9月20日以来の2.7%台乗せ。
  • ドル高から金は大幅安、原油価格も下落。 
  • 9月耐久財受注 → 3.3%(市場予想を上回る)
  • 9月新築住宅販売件数 → 6.6%(市場予想を上回る) 



ドル/円81.49 〜 81.86
ユーロ/ドル1.3734 〜 1.381
ユーロ/円112.22 〜 112.98
NYダウ −43.18 → 11,126.28ドル
GOLD −16.00 →  1,322.60ドル
WTI −0.61 →  81.94ドル
米10年国債  +0.084 → 2.729%


本日の注目イベント

                             
  • 日   日銀金融政策決定会合 
  • 独   10月失業率      
  • 欧   10月ユーロ圏消費者頼感(確報) 
  • 米   週間失業保険申請件数           







前日に続き、昨日もドルは主要通貨に対して堅調に推移しています。



ネット上にもにわかに、「ドルは底を打ったのか?」といった見出しも躍るようになっています。



円は昨日の東京市場でも、実需筋のドル売りが予想されたなか堅調でした。



朝方は81円台前半から半ばでの動きでしたが、後場に入ると日経平均がプラスからマイナスに転じる



場面でも反応せず、むしろドルが買われる展開となり、欧州時間にかけては一時81円99銭まで



ドル高が進みました。



その後も、NY時間では81円半ばを割り込まずに推移しています。






ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)は一面トップで、来週開催されるFOMCでは



FRBによる米国債の購入額が小規模に収まる可能性が高いと報じました。



この報道を受けて、追加緩和期待が急速に後退。



為替市場ではドル買い戻しが優勢になり、債券市場では将来のインフレ期待から債券が売られ、



長期金利は大幅高に。



株式市場では金利先高観から株価が下落し、さらにドルが買い戻されたことから金価格は大幅安と



なりました。



ある意味、非常に分かりやすい動きと言えます。



これまでのドル先安観を背景に買われていたものが全て巻き戻され、売られたという流れでした。






では、ドル円は80円41銭で底を打ったのでしょうか・・・?



残念ながらそうとは言い切れません。



正解は数ヵ月後でなければ分かりませんが、足元のドル反発は「単なる調整」にすぎないと観ています。



主要通貨では対ドルの上値が重くなっていることは事実です。



円の80円台半ば、ユーロの1,40台半ばから1.41台半ば、そして豪ドルのパリティーである1.0台が



それぞれ遠くなりつつありますが、こと円に関してはまだ大幅な下落は観られません。



円のドルに対する下落幅が少ない分、クロス円ではやや円高傾向が強まっています。



9月15日の政府・日銀の市場介入でドル円は85円94銭まで上昇し、その後、上記80円41銭まで



下落したわけですが、フィボナッチ・リトリ−スメントでは下落幅の38.2%にあたる、82円の半ばを超える



までは調整の域を抜けきれません。



さらに言えば「日足のローソク足」では、今年のドルの最高値である94円99銭を起点とするとトレンドラインを



一度も上抜けしておらず、現在その値位置は83円10銭前後にあることから、ドル反転にはこの水準を明確に



抜け切ることが必要です。






また、経済指標の好転も散見されますが、今週出揃った住宅関連の指標を観ても、中古、新築ともに



改善はしていますが、絶対量の不足は否めず、住宅価格の上昇率も鈍化傾向です。



住宅市場改善に不可欠な「雇用」に至っては、失業率、雇用者数の増加は巡航速度に程遠い状況です。



テクニカル、ファンダメンタルズの両面からもドルの本格的な反発にはまだ時間がかかると言えるでしょう。






それにしても次回のFOMCに関しては事前の予想が猫の目のように変わります。



当初、追加緩和の規模は小規模との観測だったものが、先週は一部では2兆ドルの可能もあるとの



予測を行ったことからドル売りが加速し、今回また「小規模のようだ」との観測記事でドルが買い戻されて



います。



背景は、昨日も述べましたがFRB内でも意見が分かれており「流動的」だということだと思います。



その意味では明日の米3QGDPも重要な要素になりうるかと思われます。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
10/2 ダドリー・NY連銀総裁 「経済見通しが、雇用とインフレの双方がと遠くない将来に改善する確信を深められる方向で変化しない限り、一段の行動が正当化される公算が大きい」講演で。 ドル全面安の展開に。
10/2 温家宝・中国首相 「ユーロ圏の国々やギリシャが危機を克服するのを支援したい」パパンドレウ・ギリシャ首相との会談で。  -----
10/6 ガイトナー・財務長官 「通貨の価値を押し上げる市場の圧力が強まるなか、これに抵抗しようとする国が増えている」また、先月行われた日本の 為替介入については国際的な緊張をあおってはいないと述べた。 -----
10/7 トリシェ・ECB総裁 ユーロが上昇していることに関して「実体経済を反映すべきで、過度な乱高下は経済の不安定要因になる」理事会後の会見で。 ユーロドルは1.40台前半から1.38台に台。
10/7 ストロスカーン・IMF専務理事 「為替を経済政策の武器として使うのは世界経済にとって好ましくない。」記者会見で。  -----
10/11 イエレン・FRB副議長 「低金利は企業のリスクテイクを奨励しかねない。金融緩和というお酒の入った<パンチボウル>をテーブルから下げる準備を当局は整える必要がある」副議長就任後初めての講演で。  -----
10/15 バーナンキ・FRB議長 「何も変化がなければ、FOMCの二重目標に基づき、さらなる行動を取る状況になりそうだ」ボストンの講演で。  ドル全面安に。円、一時80円88銭を記録。
10/21 ガイトナー・財務長官 「ドルが対ユーロや円でこれ以上下落する必要はない。ユーロと円はほぼ整合的な水準」ウォール・ストリート・ジャーナル紙の電子版に掲載。 ドルが主要通貨に対して上昇。円81円 →81円77レベルまで下落。
10/22 ガイトナー・財務長官 「米国の政策は強いドルを支えるものだ」「世界の金融安定化に向けて特別の責任があることを認識している」G20後の記者会見で。  -----

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和