今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年11月4日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • FOMCでは来年6月までに6000億ドル程度の長期国債 を購入することを決定。ほぼ想定の範囲内であったことから 為替への影響は限定的だった。
  • 円は、米経済指標の改善を手がかりに反落し、一時81円59銭 まで下落。主要通貨が対ドルで上昇したのと対照的な動き。 ユーロ円などクロス円が大幅上昇し、円独歩安の様相。
  • ユーロは大幅に上昇し、これまで頭を押さえられていた1.40台 半ばから1.41台を大きく上抜け、高値1.4200を示現。 米追加緩和が予想以上に大きかったことが材料との指摘も。       
  • 株式市場は追加緩和を好感して続伸。ダウは26ドル高と、 5月以来の高値1万1200ドル台に。
  • 債券は30年債が急伸したことから、引っ張られる形で10年債も 上昇。上昇幅は限定的だったことから長期金利は小幅下落。
  • 金は大幅反落。原油は3日続伸し、約半年ぶりに85ドルに迫る水準。
  • 10月ADP雇用者数   → +4.3万人
  • 10月ISM非製造業景況指数 → 54.3



ドル/円80.78 〜 81.59
ユーロ/ドル1.3995 〜 1.4200
ユーロ/円113.39 〜 114.96
NYダウ +26.41 → 11,215.13ドル
GOLD −19.30 →  1,337.60ドル
WTI +0.79 →  84.69
米10年国債 −0.013 → 2.579%


本日の注目イベント

                             
  • 豪   9月貿易収支
  • 豪   9月小売売上高
  • 欧   ECB理事会   
  • 欧   9月生産者物価指数(前年比) 
  • 米   週間失業保険申請件数           







注目のFOMCでは、追加緩和は来年6月末までに6000億ドルの長期国債を購入することが



決定されました。



市場では5000億ドル以上ではドル売り、それ以下ではドル買いとのシナリオを用意して臨んで



いましたが、円とユーロなどでは反応が大きく異なりました。






ドル円では追加緩和の規模が予想以上と捉えられず、むしろこの日発表のADP雇用者数が事前予想の



2倍になったことが材料視されドル買い円売りが加速し、81円台半ばまでドル高に。



ただ、それでも重要なポイントである81円後半から82円台乗せには至っていません。



81円台後半では実需筋のドル売り円買いのオーダーも並んでいるとの観測もあり、一気に82円台を



抜けるにはもう一段のドル買い材料が必要かと思われます。



同時に「80円割れ」もひとまず回避できた感もあり、次の材料である明日の雇用統計に注目といった



ところでしょうか。






一方ユーロは大幅に続伸しました。



円に比べ出遅れていたという面もありましたが、米追加緩和が5000億ドルを上回ったことで、



量的緩和拡大は米長期金利の低下を促すというシナリオ通りにドル売りユーロ買いが進んだとの見方も



あります。



テクニカルで見ても、対ドルで1.40台半ばー1.41台半ばと、対円でも113円台半ばがポイントでした。



いずれもこの水準を上抜けしたことで、ストップも巻き込みユーロ買いが加速したとも思われます。



この結果ユーロ円は115円近くまで上昇し、約1ヵ月振りの高値水準を記録しました。



これまで、ユーロドルが1.40台を超えるとユーロ圏首脳から「ユーロ高懸念」の発言があり



ユーロ下落に繋がっていましたが、この水準でも同様の発言がでて来るのか注視したいところです。






FOMCの声明文では、月750億ドルの債券購入を通じて、雇用の確保と物価安定を図ると



説明されています。同時に、低金利政策については長期間にわたる可能性を改めて示しました。



6000億ドルで十分かどうかについては意見の分かれるところですが、声明分では柔軟に対応することを



謳っており、状況によってはさらなる追加緩和の可能性も残しています。






FOMCでは足元の景気低迷を刺激し、雇用の安定とデフレ回避を図るため、かつてFRBが経験したことも無い



追加緩和を決めましたが、これが本日から始まる日銀金融政策決定会合にどのような影響を与えるのか注目されます。



米追加緩和をきっかけに急激な円高が進んだ場合に備え決定会合を前倒しすることで、日銀も一段の量的緩和の用意があることを



市場に示したわけですが、円が81円台に下落した足元では、今回は政策変更が見送られることも考えられます。



しかし、外に目を向ければBOE(イングランド銀行)も追加緩和に前向きで、さらにECB(欧州中央銀行)も



利下げの可能性を排除できません。



「追加緩和競争」の激化は市場に投機資金がさらに滞留することを意味し、資源国や新興国の通貨高を



加速させます。



世界の首脳が一堂に会する来週の韓国での「G20」サミットとそれに続く横浜での「APEC」では



通貨問題をめぐる議論が紛糾することも考えられます。






本日は日経平均も上昇が予想されます。株高がドル高に繋がれば、引け値で81円台維持もあるかもしれません。



このところ、株高=ドル高の相関関係が崩れてはいますが、根強い円先高感を背景にしたドル売りに



どこまで耐えられるかを見極めたいと思います。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/2 スティーブンス・RBA総裁 「直近のインフレ統計は予想の範囲内だが、中期的な物価上昇懸念が残る」今年4度目の利上げを決めた後の記者会見で。 利上げを受け、豪ドル/米ドル0.98台後半から0.99台後半へ。
11/2 ボルカー・元FRB議長 「量的緩和は将来にインフレを生む可能性がある」「米国の失業率が近い将来低下する可能性は低い」シンガポールでの講演で。  ------

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和