2010年11月11日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 円は大幅に下落。日米金利差の拡大や週間失業保険申請件数の 減少などを背景にドル円では82円80銭と、約1か月振りの 円安水準を記録。82円台前半のドル売りもこなし、82円台半ば からはストップロスも巻き込み上昇。その後は米長期金利が前日比 下落に転じたことで、やや円も買い戻された。
- ユーロ、豪ドルなども対ドルでは下落したものの下落幅は小幅。 円安が大きく進んだことからクロス円は軒並み上昇。
- 株式市場では朝方下落で始まったが、原油価格が上昇に転じた ことなどを理由に小幅高で引け。
- 債券は30年債の入札が低調だったことから下落したものの、 10年債は小幅に上昇し。そのため10−30年債利回り差は拡大。
- 金は1400ドルの達成感と利益確定の売りに押され5日振りに下落。
- 原油価格は在庫の減少から買い物を集め続伸。引けは87ドル台後半と、 2008年のリーマンショック直後以来2年振りの高値に。
- 9月貿易収支 → 440億ドルの赤字
- 週間失業保険申請件数 → 43.5万件(市場予想よりも減少)
| ドル/円 | 82.11 〜 82.80 |
| ユーロ/ドル | 1.3671 〜 1.3811 |
| ユーロ/円 | 112.50 〜 113.80 |
| NYダウ | +10.29 → 11,357.04ドル |
| GOLD | −10.80 → 1,399.30ドル |
| WTI | +1.09 → 87.81 |
| 米10年国債 | −0.006 → 2.657% |
本日の注目イベント
- 豪 10月雇用統計
- 中 10月生産者物価指数(PPI)
- 中 10月購買価格指数
- 中 10月消費者物価指数(CPI)
- 中 10月小売売上高
- 中 10月工業生産
- 米 ベテランズデー(債券市場は休場)
- 米 ロックハート・アトランタ連銀総裁講演(アトランタ)
ドル円が約1ヵ月振りに82円台後半まで反発しました。
昨日のアジア市場では82円台乗せをテストしたものの、大台替えができず81円台後半でUターンでした。
この時間帯では本邦からのドル売り意欲も根強く、ドルが緩やか押し戻される展開が続いています。
しかし、海外市場では様相が一変します。
実需のドル売りが見られないことや、利鞘を狙ったドル売りの巻き戻しなどが活発となり、ドル円は
82円台に乗せ、その水準から厚めに並んでいると言われたドル売りオーダーもこなし上昇しました。
さすがに82円台半ばまで反発すると「83円台に乗せる」と観た、ストップロスのドル買いも
巻き込んで82円80銭までドル高が進みました。
昨日のドル買い戻しは9月の日銀の大規模介入以来の大幅なドル反発でした。
しかも今回の反発は介入では無く、いわば「自律反発」とも言えるドルショートの買い戻しが要因かと
思います。
そのきっかけを与えたのが、先週末の米雇用統計の好転と米長期金利の上昇でした。
特に米長期金利の上昇については、先週決定された米追加緩和以降鮮明になっています。
追加緩和の実施は米長期金利の低下を促し、ドル安がさらに進むと観られていたものが、予想に反して
金利上昇に繋がっています。
量的緩和の額が市場予想の5000億ドルを超え、6000億ドルだったという事を考えると、
米長期金利の上昇には直接結びつきません。
さらに、住宅ローン担保証券(MBS)も償還元本の再投資分も含めると、規模では8500−9000億ドルに
達すると言われ、決して市場期待を裏切るものではなかったはずです。
事実、過剰流動性を背景に、金、原油、穀物などの商品相場は軒並み大幅に上昇し、現在もその傾向が続いています。
これらの現象は「ドル安が継続する」というストーリー無くしてはあり得なかったはずです。
やはり相場は人間の営みである以上、「相場の反転はポジションと相場観が極端に偏ったときに起こる」という
行動ファイナンス理論の教えが正しかったということでしょうか・・・。
テクニカルを確認すると、8時間足では200日移動平均線が83円20銭あたりに位置しています。
同時に、日足でもほぼ同じ位置に一目均衡表の「雲の下限」(先行スパン1)があり、抵抗帯を形成しています。
昨日も触れましたが、過去5ヵ月の間この雲には一度も触れていません。
やはり、この水準は相当な「抵抗ゾーン」と観るのが順当かと思われます。
大雑把にいえば、83円台に乗せかるかどうかが非常に重要なポイントになりそうです。
同時に、ユーロと豪ドルの動きにも注意が必要です。
今回の円の反落は、ユーロが対ドルで下落したことが先行指標となっており、豪ドルの下落もそれに
続き、その影響もあり円も下落したからです。
しかし、基本的な相場観としての「ドル安傾向」は変わっていません。
上記ポイントの83円台突破があれば85円に向けてドル上昇のシナリオも描けるかもしれませんが、
それには「強いドルは米国の国益」といった、通貨当局者からのドル安懸念発言や、上記商品相場の大幅下落から
「通貨ドルへの回帰」といった状況が必要かと思われます。
米追加緩和に対する批判も目立ち始め、ドイツ、フランス、さらに中国と「米国包囲網」が徐々に
できつつあります。
G20サミットで米国が矢面に立たされるようだとドル反発に繋がる可能性があるかもしれません。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 11/2 | スティーブンス・RBA総裁 | 「直近のインフレ統計は予想の範囲内だが、中期的な物価上昇懸念が残る」今年4度目の利上げを決めた後の記者会見で。 | 利上げを受け、豪ドル/米ドル0.98台後半から0.99台後半へ。 |
| 11/2 | ボルカー・元FRB議長 | 「量的緩和は将来にインフレを生む可能性がある」「米国の失業率が近い将来低下する可能性は低い」シンガポールでの講演で。 | ------ |
| 11/4 | トリシェ・ECB総裁 | 「市場に供給する資金量の削減については、次回会合で議論する」記者会見で「出口戦略」を匂わす発言。 | ユーロ高に。 |
| 11/8 | ユンケル・ユーロ圏議長 | 「(FRBの決定は)リスクが増え、世界経済への影響が拡大する恐れもある。対ユーロでのドルはしかるべき水準に無い」欧州議会の経済・金融委員会で。 | ユーロ高に。 |
| 11/10 | メルケル・独首相 | 「だれもバブルを望んではいない」「G20サミットでは出口戦略を話し合う必要がある」G20参加前の記者会見で。 | ------ |
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