今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年11月16日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル高の流れは加速し、円をはじめ主要通貨はドルに対して下落。
  • ドル円は欧州市場からジリジリと上昇し、重要な節目と観られていた 83円台を突破、一時83円28銭までドルが上昇。約1か月ぶりに 83円台を示現。
  • ユーロも対ドルで下落し、約6週間振りとなる1.35台半ばを記録。
  • 米経済指標はまちまちだったものの、長期金利が前日に引き続き 大幅に続伸したことが材料に。
  • 英FT紙が、ポルトガル財務相はECに支援要請を行っている可能性が あると報じたこともユーロ売りに拍車。
  • 株式市場は小売売上高が良好だったことや、大型のM&Aなどを好感し 反発、ダウは9ドル高。           
  • 債券価格は大幅に下落し、長期金利は8月6日以来の2.9%台乗せ。 ドル買い戻しを加速させた。
  • 金は先週末の大幅安の反動もあり小幅に上昇。原油は前週末とほぼ同水準で引け。
  • 10月小売売上高 → +1.2%(7ヵ月振りの水準)
  • 11月NY連銀製造業景況指数 → −11.14(市場予想は14.0)               



ドル/円82.70 〜 83.28
ユーロ/ドル1.3563 〜 1.3668
ユーロ/円112.59 〜 113.42
NYダウ +9.39 → 11,201.97ドル
GOLD +3.00 →  1,368.50ドル
WTI −0.02 →  84.86ドル
米10年国債 +0.163 → 2.948%


本日の注目イベント

                             
  • 中   9月景気先行指数 
  • 独   11月ZEW景況指数 
  • 欧   10月ユーロ圏消費者物価指数  
  • 欧   ユーロ圏財務相会合
  • 欧   ファンロンバイ・EU大統領講演(ブリュッセル)
  • 米   コンスタンシオ・ECB副総裁講演(フランクフルト)        
  • 米   10月生産者物価指数
  • 米   10月鉱工業生産
  • 米   11月NAHB住宅市場指数
  • 米   ロックハート・アトランタ連銀総裁講演(アラバマ州)                  







ドル円は、ポイントとなると指摘した83円台を突破し83円28銭まで上昇しました。



主要通貨全てでドル買い戻しが進んでおり、円もその流れに引っ張られた側面もあります。



今朝の経済紙をよく読むと、これまでの「円高一辺倒」だった相場観と異なり「米長期金利の上昇圧力続く」



などのコメントが大勢です。



中には「調整局面は長引く」とのコメントも見られました。



市場の「変わり身の早さ」にやや戸惑いも禁じえません。






82円台後半から83円台前半にかけては実需のドル売りも相当あったと推測され、それらの売りをこなしての上昇



になりましたが、厳密にいえばこの上の水準に一目均衡表(日足)の厚い雲があり、昨日はこの雲を前にして



一旦上昇が押さえられた格好になっています。



日足でのトレンドラインは先週末に既に上抜けし、はっきりとドル上昇傾向を示していましたが、本格的な上昇には



この雲を上抜けすることが不可欠です。



上抜けできれば、9月15日の大規模介入でドルが大幅に反発した85円前後までドル高が進む可能性もあると



観ています。



しかし、個人的にはこのドル反発も基本的には「調整の範囲」と考えています。



それは、米景気の回復基調はまだまだ先で、早くても来年春先だと思われるからです。






昨日発表の10月小売売上高は今年3月の+1.6%以来の高い数字でした。



にわかに、既に始まっている「年末商戦」に期待を抱かさせる数字でした。



なにしろ米国のGDPの7割は個人消費だと言われているわけですから、個人消費の拡大がGDPの伸びに繋がり



景気回復、と言ったストーリーを描き易いことになります。



短期的だとは思えますが住宅市場の好転や10月の雇用統計の改善など、わずかではありますが米ファンダメンタルズの



数字は回復を示し始めてはいます。



しかし昨日発表された11月のNY連銀製造業景況指数は市場予想を大きく下回る−11.14でした。



これは昨年4月以来のマイナス幅で、製造業の回復は依然として遅れていると推測できます。



項目別にみても、新規受注は−24.4(前月は+12.9)と大きく落ち込み、雇用についても



+9.1(前月は+21.7)とかなりの悪化を示しています。






基本的な流れは「ドルの調整局面」であるとの認識ですが、今後85円に向けてさらにもう一段ドル買いが進む



可能性も否定できません。



言うまでもなく、為替は「ファンダメンタルズ」だけで動くものではありません。



ポイントとなるのは米長期金利の行方です、



昨日の米債券市場では長期金利が急上昇しました。



背景は、エコノミストのグループがバーナンキFRB議長に金融刺激策の拡大を中止するよう



公開状を発表したことでした。



量的緩和の拡大に伴う副作用を懸念した内容と思えますが、16日付のウォールストリート・ジャーナル紙と



NYタイムズ紙に掲載される予定になっていますが、興味深いところです。



しかし、この書簡の影響で量的緩和の実施を中止するとは思えないことと、約3ヵ月振りの2.9%台に乗せた米長期金利が



3%を超えてさらに大きく上昇するとも思えません。



市場には投資先を求めてジャブジャブの資金があふれているからです。





さらに注目したいのがユーロの動きです。



昨日も、ポルトガル財務相がEUに対して資金要請を行っているとか、ギリシャ財政赤字の対GDP比率は



拡大しており、アイルランドの14.4%を上回る15.4%に修正されたなどの報道によりユーロは



対ドルで1.3563まで売り込まれています。



この水準はドル円と同様に、「雲」でサポートされており、1.35を維持できるのかどうかが重要です。



1.35を割り込んでいくようだと、ドル円でもドル高円安が進む可能性があります。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/2 スティーブンス・RBA総裁 「直近のインフレ統計は予想の範囲内だが、中期的な物価上昇懸念が残る」今年4度目の利上げを決めた後の記者会見で。 利上げを受け、豪ドル/米ドル0.98台後半から0.99台後半へ。
11/2 ボルカー・元FRB議長 「量的緩和は将来にインフレを生む可能性がある」「米国の失業率が近い将来低下する可能性は低い」シンガポールでの講演で。     ------   
11/4 トリシェ・ECB総裁 「市場に供給する資金量の削減については、次回会合で議論する」記者会見で「出口戦略」を匂わす発言。 ユーロ高に。
11/8 ユンケル・ユーロ圏議長 「(FRBの決定は)リスクが増え、世界経済への影響が拡大する恐れもある。対ユーロでのドルはしかるべき水準に無い」欧州議会の経済・金融委員会で。 ユーロ高に。
11/10 メルケル・独首相 「だれもバブルを望んではいない」「G20サミットでは出口戦略を話し合う必要がある」G20参加前の記者会見で。 ------
11/13 トリシェ・ECB総裁 「危機対応でECBが導入した全ての非伝統的な措置は一時的な性質のものだ」ドイツでの講演で。  ------

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和