2010年11月18日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- このところ上昇基調にあったドルもこの日は上昇一服。 米経済指標の悪化やアイルランドへの支援観測からドルが小幅に 反落。
- 円は終始小動き。欧州時間に83円50銭を超える局面もあったが、 勢いは弱く83円台前半での取引に終始。
- 軟調な地合いが続いていたユーロ、豪ドルなども小幅に反発。 EUとIMFの代表がアイルランドの銀行の帳簿精査を開始する との報道から、支援の実現に向け協議が進んでいるとの見方。
- 株式市場は終始小動きの展開の中小幅続落。ダウは前日比15ドル安 と、辛うじて1万1千ドルの大台を維持。
- 債券は共和党有力議員4人がバーナンキ議長に書簡を送り、追加緩和に 懸念を表明したことから下落、長期金利は上昇。
- 金、原油はともに小幅続落。
- 10月消費者物価指数 → +0.2%
- 10月住宅着工件数 → 51.9万件(市場予想は59.8万件)
- 10月建設許可件数 → 55.0万件(市場予想は56.8万件)
| ドル/円 | 83.03 〜 83.36 |
| ユーロ/ドル | 1.3473 〜 1.3566 |
| ユーロ/円 | 112.38 〜 112.76 |
| NYダウ | −15.62 → 11,007.88ドル |
| GOLD | −1.50 → 1,336.90ドル |
| WTI | −1.90 → 80.44ドル |
| 米10年国債 | +0.027 → 2.869% |
本日の注目イベント
- 欧 OECD 世界経済見通し発表
- 欧 トリシェ・ECB総裁講演(フランクフルト)
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演(ブリュッセル)
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 10月景気先行指数
- 米 11月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 ウオーシュ・FRB理事講演(シカゴ)
- 米 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁講演(ワシントン)
- 米 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁講演(シカゴ)
今週に入り上昇傾向を強めていたドルは一旦頭打ちとなり反落しています。
しかし、それでも円は83円台前半で取引されこれまでの展開とはやや地合いを異にしています。
特に昨日は米経済指標の悪化が再び確認され、これまでならドルが大きく下落するパターンでしたが
市場の反応は限定的でした。
10月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びに留まり前月比0.2%のプラスでした。
食品とエネルギーを除いたコア指数では横ばいとなり、同統計開始以来の低い伸びとなっています。
このため、インフレ期待は大きく後退し、FRBによる追加緩和政策の決定を正当化する格好となりました。
場合によってはQE3(追加緩和第3弾)さえもあり得る水準とも言えます。
また、住宅関連指標も悪化していました。
10月米住宅着工件数は市場予想を大幅に下回る51.9万件と、今年最低の水準を記録しています。
将来の着工件数に繋がる建設許可件数も、前月比では増加はしていたものの事前予想を下回る55万件でした。
こちらも今年に入って3番目の低水準です。
このため住宅の専門家の見方は「所得の増加が見込めない中、住宅市場の回復にはまだ相当な時間がかかる」と言った
意見が優勢です。
少なくとも雇用の安定した確保が最優先課題で、住宅の伸びはその先に位置することは明白のようです。
注目のアイルランド財政問題は、財政危機の拡大に歯止めをかける救済に向けた第一歩を踏み出した様です。
今朝の経済紙にもありましたが、アイルランドは経済規模の割には銀行の規模が大きく、これと言って主要な産業が
無いことから資金は住宅ローンへと貸しだされる傾向がありました。
かつて同国の主要産業は「温泉と金融」と言われていたこともあります。
隣国のイギリスよりも政策金利を高めに誘導することよって同国以外からも大量の資金を集め、それらを
住宅ローンに回し、リーマンショック後に不動産価格が暴落し不良債権化したことが現在の財政赤字の拡大に繋がっています。
このためEUとIMFの代表者による精査は、国有化されている大手銀行を存続させるかどうかの判断を
迫ってくる可能性があります。
今年5月にギリシャ救済のためにEUとIMFで1100億ユーロ(当時の為替レートで約13兆7千億円)の協調融資を
決めた際、猛反発したのはドイツの国民でした。
ドイツ国民にしてみれば「ギリシャのためになんで我々の税金を・・・」という思いが噴出したわけです。
その意味ではドイツの今後の対応が注目されます。
さて、83円を割り込まずに83円―83円50銭で推移しているドル円ですが、この状況を上値が重いと観るのか、
ドルはしっかりしていると観るのか、意見が分かれるところです。
テクニカルを確認すると、中期的なトレンドを示すポリンジャーバンド(日足)では依然として大外のバンドが
拡大しており、ドル上昇のトレンドに変化がないことを示しています。
一方、トレンドラインと一目均衡表では、円は今週の最安値から50銭ほど上げているため、短期の30分足と1時間足では
売りシグナルが点灯しています。
そして、サポートレベルとしては82円90銭前後に移動平均線が位置していることから、目先この水準を
下抜け出来るかどうかが注目されそうです。
一気に円高方向に振れる可能性は少ないと思われますが、東京時間ではドルの上値が重く、ジリジリとドルが売られる
展開で、一方海外市場に入ると逆にドルが買い戻される流れが続いています。
いましばらくドルの堅調さが継続され、その後に下落に向かうシナリオを描いていますがどうでしょうか。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 11/2 | スティーブンス・RBA総裁 | 「直近のインフレ統計は予想の範囲内だが、中期的な物価上昇懸念が残る」今年4度目の利上げを決めた後の記者会見で。 | 利上げを受け、豪ドル/米ドル0.98台後半から0.99台後半へ。 |
| 11/2 | ボルカー・元FRB議長 | 「量的緩和は将来にインフレを生む可能性がある」「米国の失業率が近い将来低下する可能性は低い」シンガポールでの講演で。 | ------ |
| 11/4 | トリシェ・ECB総裁 | 「市場に供給する資金量の削減については、次回会合で議論する」記者会見で「出口戦略」を匂わす発言。 | ユーロ高に。 |
| 11/8 | ユンケル・ユーロ圏議長 | 「(FRBの決定は)リスクが増え、世界経済への影響が拡大する恐れもある。対ユーロでのドルはしかるべき水準に無い」欧州議会の経済・金融委員会で。 | ユーロ高に。 |
| 11/10 | メルケル・独首相 | 「だれもバブルを望んではいない」「G20サミットでは出口戦略を話し合う必要がある」G20参加前の記者会見で。 | ------ |
| 11/13 | トリシェ・ECB総裁 | 「危機対応でECBが導入した全ての非伝統的な措置は一時的な性質のものだ」ドイツでの講演で。 | ------ |
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