今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年11月29日(月)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

欧州市場

  • ドルはユーロ、豪ドル、ポンドなど主要通貨に対して一段高。
  • 円も約2ヵ月振りに84円台に乗せ、84円18銭を記録。
  • 欧州財政問題の拡大懸念などからドルを買い戻す動きが 継続的に出た模様。
  • ユーロドルは1.33台を割り込み連日下値を切り下げる。 一時9月下旬以来の1.32割れ目前まで売られる。
  • EU、IMFはアイルランドへの緊急支援額を850億ユーロ (約9兆4千億円)で合意。内3兆3千億円を同国の銀行支援に 充てる予定。
  • NY株式市場は大幅下落。欧州財政問題や朝鮮半島の緊張など から年末に向けたポジションの手仕舞いが優勢。
  • 債券は北朝鮮に対する韓国の対応が硬化したことを受け、安全資産 として買い物を集め価格は上昇、長期金利はやや低下。
  • 金、原油はともに小幅下落。



ドル/円83.82 〜 84.18
ユーロ/ドル1.3203 〜 1.3265
ユーロ/円110.77 〜 111.49
NYダウ −95.28 → 11,092.00ドル
GOLD −10.60 →  1,362.40ドル
WTI −0.10 →  83.76ドル
米10年国債 −0.048 → 2.870%


本日の注目イベント

                                       
  • 欧   11月ユーロ圏景況感指数
  • 欧   11月ユーロ圏消費者信頼感指数(改定値)          







依然としてドル買い戻しが優勢の展開です。



欧州では財政問題が拡大するとの懸念から、ポルトガルだけではなくスペインの国債も売られ



金利が上昇しています。



その結果、先週末時点では安全とされるドイツ国債との利回り差は過去最大になっています。



多くの専門家が指摘しているように、財政問題がスペインにまで波及するようだと、「欧州金融安定化基金」



(現在7500億ユーロ)でも資金的に援助が難しくなり、ウェーバーECB理事が主張するように、基金の倍増を考えなくてはならない



事態に陥る可能性があります。






ドルの上昇は対ユーロだけではありません。



先週末のアジア市場の時間帯からは、ドルはむしろユーロよりも豪ドルに対して、より強含んでいます。



豪ドルがパリティーを上抜けし、史上最高値の1.0183を記録したのは11月5日でした。



先週末には0.9622まで下落し、高値から561ポイント、率にして約5.5%の大幅下落を演じています。



先週末、RBAのスティーブンス総裁が今後数ヵ月の利上げの可能性は無いとの認識を示したことがきっかけ



でした。



今月初め市場の大方の予想に反して、今年に入って4回目の利上げを決め、豪ドル高に油を注いだ格好となりましたが、



相次ぐ利上げでその効果も出始めていることから、今後しばらくは景気の行方を見極めたいと言うところでしょうか。






豪ドルはテクニカル面からも売られやすいパターンになっています。



先週末の下落で日足チャートでは「ヘッドアンドショルダー」が完成しています。



特に右肩の部分ではネックラインを超えられずに下落しており、典型的な下げパターンを形成しています。



0.96台前半まで下落したことで、現在は一目均衡表の「雲」に入り、「雲」の下限である、0.93台後半を



目指す可能性も出てきました。






このように観てくると、ドルが買われているというよりも、その他主要通貨が自滅していると言った方が現状をよく



表しているように思えます。



そんな中、円も84円台に乗せ戻り高値を試す展開となっています。



先週抜けなかった83円80−00を突破し、84円18銭を付けたことで、ちょうど100日移動平均線(日足)で



止められた格好になっています。



目先の焦点はこの水準を完全に上抜けできるかどうかです。



上抜けが完成すれば、85円台も視野に入り、当面は9月15日に日銀の大規模介入で記録した85円93銭が



ターゲットになりそうです。






足元のドル高が今後どこまで続くか意見の分かれるところですが、仮に昨年と同じような動きだとすれば



今年一杯続くと予想されます。



焦点は、欧州財政問題がどの時点で収束に向かうかということにつきると思われます。



市場が落ち着きを取り戻せば、ふたたび米景気の足取りの重さが注目され、ドルの上値がキャップされる



展開に戻ると予想しています。



また、ドル高傾向が年内一杯続くかどうかのポイントになるのが今週末の米11月雇用統計でしょうか。



10月は、失業率はともかくとして非農業部門雇用者数は5月以来の高水準でした。



この傾向が続き労働市場が改善に向かうかどうかがカギになりそうです。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/2 スティーブンス・RBA総裁 「直近のインフレ統計は予想の範囲内だが、中期的な物価上昇懸念が残る」今年4度目の利上げを決めた後の記者会見で。 利上げを受け、豪ドル/米ドル0.98台後半から0.99台後半へ。
11/2 ボルカー・元FRB議長 「量的緩和は将来にインフレを生む可能性がある」「米国の失業率が近い将来低下する可能性は低い」シンガポールでの講演で。     ------   
11/4 トリシェ・ECB総裁 「市場に供給する資金量の削減については、次回会合で議論する」記者会見で「出口戦略」を匂わす発言。 ユーロ高に。
11/8 ユンケル・ユーロ圏議長 「(FRBの決定は)リスクが増え、世界経済への影響が拡大する恐れもある。対ユーロでのドルはしかるべき水準に無い」欧州議会の経済・金融委員会で。 ユーロ高に。
11/10 メルケル・独首相 「だれもバブルを望んではいない」「G20サミットでは出口戦略を話し合う必要がある」G20参加前の記者会見で。 ------
11/13 トリシェ・ECB総裁 「危機対応でECBが導入した全ての非伝統的な措置は一時的な性質のものだ」ドイツでの講演で。  ------
11/18 ウォーシュ・FRB理事 「金融政策をめぐる意見の相違を政治化させるべきではない。FRBの独立性は重要だ」シカゴでの講演で。  ------

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和