2010年12月16日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 格付け会社大手ムーディーズがスペイン国債の格下げ見通しを
発表したことでユーロが下落。ドルは主要通貨に対して上昇。 - ユーロドルは前日の1.35台に迫る水準から1.32台前半まで
大幅に下落。 - ドル円はドル高に引っ張られる形で84円51銭まで上昇。
これまで何度か試したが押し戻されている、84円40−50銭の水準
までドル高が進んだが、完全には抜けきれず84円35銭で引け。
米長期金利が3.5%台に乗せ、日米金利差が拡大していることが背景。 - 株式市場は小幅反落。ダウは一時1万1500ドル台に乗せたものの、
長期金利が上昇したことで売られ前日比マイナスに。 - 債券は米景気の回復見通しから続落。10年債利回りは7ヵ月ぶり
となる3.5%台まで上昇し、ドル高をアシスト。 - 金は大幅下落。1400ドル台では利益確定の売りが優勢。
原油は小幅に続伸。 - 12月消費者物価指数(CPI) → +0.1%
- 12月NY連銀製造業景気指数 → 10.57
- 11月鉱工業生産 → +0.4
- 12月NAHB住宅市場指数 → 16
| ドル/円 | 83.65 〜 84.51 |
| ユーロ/ドル | 1.3208 〜 1.3377 |
| ユーロ/円 | 111.58 〜 112.14 |
| NYダウ | −19.07 → 11,457.47ドル |
| GOLD | −18.10 → 1,386.20ドル |
| WTI | +0.34 → 88.62ドル |
| 米10年国債 | +0.055 → 3.528% |
本日の注目イベント
- 欧 EU首脳会議(12/17まで)
- 欧 11月ユーロ圏消費者物価指数(CPI)
- 米 11月住宅着工件数・同許可件数
- 米 12月フィラデルフィア連銀景況指数
- 米 週間失業保険申請件数
ドル全面高の展開に、円もNYでは重要な水準である84円50銭をわずかに超えるドル高円安に振れています。
ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの国債を格下げ方向で見直す、と発表したことで
ユーロが大きく売られ、主要通貨に対してドルが買われる展開でした。
スペインの現在の格付けは上から2番目の「Aa1」ですが、ムーディーズは、スペイン政府は来年1700億ユーロ
(約19兆円)を調達する必要があると指摘し、さらに地方自治体や銀行などにも大規模な資金需要があり、
調達が困難になる可能性があることから今回の格付け見直しを行ったと指摘しています。
ギリシャの財政問題から端を発した欧州危機は、アイルランドへ飛び火し、ついにスペインにまで迫ってきた様です。
独仏首脳は、スペインへが資金救済を求める可能性について全面的に否定していますが、格下げによってスペインの
国債は売られ、長期金利は急上昇しています。
来年4月から始まる国債の大量償還では、借り換えのための調達コストの上昇は避けられず場合によってはEU、IMF
への資金要請も考えられる事態になってきました。
本日から始まるEU首脳会議では、ECBの資本増強も議論される見通しで、資本を倍増するとの報道もあります。
これまでの財政危機は欧州の「小国」での出来事でしたが、今度は欧州の「大国」での話となり、統一通貨「ユーロ」にとっても
2012年は最大の試練の年となりそうです。
ドル円も前日の82円台後半から上昇に転じ、NY市場では84円51銭を記録しました。
この水準は9月以来約3ヵ月ぶりの水準で、11月初旬の80円21銭から1ヵ月半かかったことになります。
この欄でも何度か触れましたが、84円40銭ー50銭がレジスタンスとなり何度かテストしては押し戻されてきました。
昨日も84円半ばをつけていますが、まだ完全には抜け切れてはいません。
一目均衡表(日足)を観ると、遅行スパンが「雲」の中にあり、上昇傾向は示していますが「雲」は抜けていません。
この遅行スパンが「雲」を抜けきれば、いよいよ85円台も視野に入ってくると思われます。
84円50銭から上値には輸出筋のドル売りがかなり並んでいるとも指摘されています。
逆に、85円台に乗せるような展開になれば、ストップロスのドル買いもでてきそうです。
ユーロがもう一段売られれば、その可能性も高まるとみられ、ユーロの今日明日の動きに注目したいと思います。
ドル高を引っ張っているのが米長期金利の上昇です。
背景にあるのが、米景気の回復基調を示す経済指標と、財政赤字拡大に伴う国債の増発懸念です。
昨日発表された11月の米鉱工業生産も市場予想を上回る内容で、設備稼働率も2年ぶりの高水準でした。
足元では製造業を中心に回復基調が続いており、当面はこの傾向が継続されるものと観られますが、注目すべき点は
最終的に雇用の増大に繋がるかどうかというところです。
前日のFOMCの声明文は、雇用の増大に繋がるには成長が緩慢だと指摘しています。
ブッシュ減税の延長は昨日、正式に米上院で可決されました。
これによる減税規模は8580億ドル(約72兆円)で、財政悪化懸念から米債券が売られる展開が続いています。
このため長期金利は今月に入って0.7%も上昇しており、日本の長期金利も上昇していますが、日米金利は拡大し
ドル高に繋がっています。
今後さらに米長期金利が上昇するようだと、住宅ローン金利の一段高にも繋がり、必ずしもドル買い要因として
捉えられるとは限りません。
市場がこのあたりをどのように読むか不透明ですが、このままドル高が継続される保証はないということは
頭の片隅に入れておきたいと思います。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 11/30 | バーナンキ・FRB議長 | 「米経済は失業率を大きく下げるほど十分な速度で成長していない」と指摘し、雇用創出が最優先課題であるとの認識を示す。(オハイオ州での会合で)。 | ------ |
| 12/1 | ボス・国連チーフエコノミスト | 「オバマ政権と議会が追加の景気対策で合意しなければ、景気が来年に二番底に陥り、失業率は10%に上昇する可能性がある。」と指摘。(世界経済に関する国連の分析で) | ------ |
| 12/2 | トリシェ・ECB総裁 | 「ユーロ圏の不確実性は高い」「緊張があり、これを考慮しなければならない」(ECB理事会後の記者会見で) | ユーロドル1.31台半ばから1.32台半ばに |
| 12/9 | ECB月例報告 | 「少数の金融機関は中央銀行の供給する流動性に過度に依存しており、借り換え全体で相当な割合を占めている」 | ------ |
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