2010年12月17日(金)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 前日のNY市場で84円台半ばまで上昇し、この日もほぼ同水準まで
買われたドル円は、依然として上値が重く、引けにかけては下落する展開に。
一方、下値では84円を割り込む場面があったものの、勢いはなく
84円前後でのもみ合いに。 - ユーロ、豪ドルなどもこの日は小動き。
EUは「欧州安定メカニズム」の創設を正式に決定するとともに、
ECB(欧州中銀)の自己資本も倍増することを決定。 - スペインでは今年最後の国債入札が行われ、応札は無難に消化されたものの
利回りは上昇し調達コストの拡大に。30億ユーロ(約3400億円)の調達を行った模様。 - 格付け会社ムーディーズ・インベスターズはギリシャ国債の格付けを
引き下げ方向で見直すと発表。 - 一方、格付け会社S&Pは中国の国債格付けを1段引き上げると発表。
新らしい格付けは「AA−」と、日本の格付け「AA」との差は1ノッチに縮小。 - 朝方軟調だった米株式市場はフィラデルフィア連銀景況指数などの
改善を受け上昇。ダウは41ドル上昇し、2008年のリーマンショック前の
水準を回復。 - 債券は売られ、長期金利も一時3.56%台に乗せたが、その後株価が上昇
したことで債券価格は上昇。長期金利は小幅下落。 - 金は大幅に続落し、原油も反落。
- 11月住宅着工件数 → 55.5万件
- 同許可件数 → 53.0万件
- 12月フィラデルフィア連銀景況指数 → 24.3(2004年3月以来の水準)
- 週間失業保険申請件数 → 42.0万件
| ドル/円 | 83.88 〜 84.45 |
| ユーロ/ドル | 1.3181 〜 1.3253 |
| ユーロ/円 | 111.14 〜 111.61 |
| NYダウ | +41.78 → 11,499.25ドル |
| GOLD | −15.20 → 1,371.00ドル |
| WTI | −0.92 → 87.70ドル |
| 米10年国債 | −0.098 → 3.440% |
本日の注目イベント
- 欧 10月ユーロ圏貿易収支
- 独 12月独ifo景況指数
- 米 11月景気先行指数
84円台半ばが抜けきれません。
これで5度突破を試しましたが、全て押し戻されています。
市場参加者のなかにも「84円半ばは結局抜けずに、ドルは反落する」との見方も増えて来ました。
この水準から上には、本邦からのドル売りが並んでいるとの情報もありますが、重要なテクニカルポイントでも
ない割には突破できません。
逆に、突破できないことで「重要なポイント」になりつつあります。
しかし一方では、下値ではドル買い意欲も強く深押しは観られません。
84円台半ばから83円台後半まで下落したことで、「1時間足」などの短期的なテクニカル指標では、ドル売りに
傾いていますが、「日足」では83円10銭あたりで、一目均衡表の「雲」がしっかりとサポートしており、
重要な指標である「遅行スパン」はむしろ「雲」の上限を抜けそうな構えを見せています。
この「遅行スパン」が完全に上抜けを完了すれば、「好転」することからドルの上昇モメンタム(勢い)が高まり
85円を目指すものと思われます。
結局、足元では短期的なドル下落を示しながらも、中長期的には上昇傾向が維持されており、相場観も混在している
状況です。
ドル円の明確な方向を決めるカギはユーロの今後の動きと、米長期金利の行方です。
昨日発表された米経済指標も良好なものでした。
住宅着工件数は3ヵ月連続の改善を見せ、フィラデルフィア連銀景況指数は市場予想を大きく上回り、2004年3月以来
6年半ぶりの高水準でした。
同指数は「ゼロ」が拡大と縮小の境目で、市場予想の15を大きく上回っています。
項目別では、新規受注と週平均就業時間指数が高水準であった一方、雇用指数は前月よりも悪化しています。
米景気は拡大基調にあるものの、依然としてその影響が雇用にまで繋がっていないことを表しています。
米景気が緩やかな改善傾向にあるとは言っても、雇用の増大、失業率の大幅低下に繋がるまでには相当な時間が
必要であることは異論のないところでしょうが、その前に米景気の回復が息切れしてしまうシナリオも考えられます。
年末商戦も好調なことから、ここしばらくは米経済指標の改善傾向は続くと予想されますが、来年4月以降については
その保証もありません。
上述のように、ドル円が今後85円台に乗せる可能性も残っています。
円がここからさらに売られるのか、あるいは反転して80円を目指すのかは、ユーロの動きに掛かっています。
欧州財政危機がさらに拡大し、スペインが資金支援を要請するようならドル高ユーロ安の影響を受け、円も売られ易い流れに
なります。
スペイン国債の利回りが上昇し、CDS保証料率がリスクを徐々に織り込みつつあるようにも見えます。
また、EUは「その時のために」欧州安定メカニズム(ESM)の創設を決めています。
さらに、加盟国の国債が売り浴びせられた際に買い出動できるよう、ECB(欧州中銀)の資本増強にも踏み切りました。
ついこの間まで、増額には反対していた独仏首脳の合唱は今や聞かれません。
「欧州財政危機が新しい段階に入ってのでは」と勘ぐるのは考え過ぎでしょうか。
良い週末を・・・・。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 11/30 | バーナンキ・FRB議長 | 「米経済は失業率を大きく下げるほど十分な速度で成長していない」と指摘し、雇用創出が最優先課題であるとの認識を示す。(オハイオ州での会合で)。 | ------ |
| 12/1 | ボス・国連チーフエコノミスト | 「オバマ政権と議会が追加の景気対策で合意しなければ、景気が来年に二番底に陥り、失業率は10%に上昇する可能性がある。」と指摘。(世界経済に関する国連の分析で) | ------ |
| 12/2 | トリシェ・ECB総裁 | 「ユーロ圏の不確実性は高い」「緊張があり、これを考慮しなければならない」(ECB理事会後の記者会見で) | ユーロドル1.31台半ばから1.32台半ばに |
| 12/9 | ECB月例報告 | 「少数の金融機関は中央銀行の供給する流動性に過度に依存しており、借り換え全体で相当な割合を占めている」 | ------ |
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