今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2010年12月29日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドルはアジア市場から主要通貨に対して軟調に推移。
  • NY市場では米経済指標の予想外の悪化に円が急騰。
    ドル円は約1ヵ月半ぶりに81円台後半まで円が買われ、
    対ユーロ、対ポンドでも大幅に上昇。その後米長期金利が
    上昇したことからドルは82円台半ばまで反発。
  • ユーロはこのところのショートポジションの買い戻しから
    上昇し、1.32台後半まで反発したものの、買い戻しが終わると
    下落に転じ1.31台前半で引け。スイスフランや豪ドルに対しても
    大きく下落。
  • 株式市場は住宅関連株が売られたものの、ダウは小幅に上昇し、
    ナスダックは下落。
  • 米マスターカード子会社の調査会社によれば、11月5日から
    12月24日までの小売売上高は前年同期比5.5%増とのこと。
    ただ、このところのNYを中心とする大雪の影響を懸念する声も。
  • 債券は5年物債入札が不調だったことから下落し、長期金利は
    大幅に上昇。
  • 金はドル安を受け大幅上昇。11月中旬以来の1400ドル台を
    回復。原油価格も小売売上高の大幅な増加を好感し上昇。
  • 10月ケース・シラー住宅価格指数 → −0.8%
  • 12月消費者信頼感指数 → 52.5
  • 12月リッチモンド連銀製造業指数 → 25



ドル/円81.81 〜 82.55
ユーロ/ドル1.3093 〜 1.3229
ユーロ/円107.62 〜 108.54
NYダウ+20.51 → 11,575.54ドル
GOLD+22.70 →  1,405.60ドル
WTI+0.49 → 91.49ドル
米10年国債 +0.164 → 3.491%


本日の注目イベント

  • 欧   11月ユーロ圏マネーサプライ
  • 独   12月消費者物価指数(速報値)







82円台の前半を割り込み、82円を突破した円は、11月12日以来の81円台後半まで急騰しました。



84円半ばから上値が重い展開が続いていた中でも、下値も82円台後半と82円30銭辺りでしっかりサポートされて



いたドル円でしたが、今週に入り82円台後半でのもみ合いに変わり、昨日、米経済指標の悪化をきっかけに大きく下落



しました。



ロンドンなど一部の市場がクリスマス後の休暇だったこともあり、市場参加者が少ない中で円が急騰したとの指摘も



ありますが、円が上昇する際は概ね昨日のように一気に円高が加速するのが常です。






円は一時、81円81銭まで買われた後、82円台後半まで反落していますが、これはNYの午後に入ると米長期金利が



大幅に上昇したことで、ドル買い戻しが優勢となったことによります。



これで、今月に入り続いていた82円半ば−84円半ばのレンジを下に抜けたように思えます。



テクニカルで観ても、日足の遅行スパンはローソク足だけではなく、「雲」の下限も下抜けしており今後のドルの下落を



示しています。



ケース・シラー住宅価格指数の前年比マイナスは今年の1月以来ということで、米住宅市場の2番底懸念から



市場はドル売りで反応しましたが、一方でユーロの先安観測は依然として根強く、ショートカバーが終われば下落しています。



そのため円やスイス・フラン、豪ドルなどの通貨に資金が集まりやすい状況になっています。



「ユーロ・スイス」や「ユーロ・豪ドル」は過去最安値を記録しています。



テクニカル面で一つ気になるのは、昨日81円81銭まで下落したドル円は、その後82円55銭まで反発し、



「長い下ヒゲ」を形成したことです。



通常、底値から70銭を超える反発を見せ、「長い下ヒゲ」を示現させたことは「相場の底固さ」を表し、



「底値」を記録する場合があるからです。






ケース・シラー住宅価格指数が9ヵ月ぶりにマイナスに転じたことで、米景気回復は「雇用と住宅」が依然として足かせ



となっていることを示しています。



「差し押さえられた多くの住宅が再び市場で売り出されることを考えると、2011年も住宅価格には下押し圧力がかかる



とみられる。」(ブルームバーグ)



との見方が支配的で、先月から緩やかな回復傾向を示してきている米景気が「本格的な回復」に向かうには相当な時間が



必要と観るべきでしょう。



特に失業率については、バーナンキFRB議長が最近のテレビ番組のインタビューの中で「正常な基準(5〜6%)に戻るまで



には4〜5年かかる可能性がある」と述べていたことが頭から離れません。






さて、今日から欧米勢は長いクリスマス休暇から戻ってきます。



本邦勢が年末年始入りしますが、市場は通常の状況に近いとみておくべきでしょう。



82円台後半から82円に掛けての重要なサポートを次々に突破したドル円ですが、上記「長い下ヒゲ」が気になるところですが、



しばらくは、ドルの戻りが売られる上値の重い展開を予想します。



一目均衡表の「雲」を下抜けしたことで、今度は「雲」の下限が頭を押さえそうな気配です。



現在、83円08銭にある「雲」の下限(先行スパン2)を抜けるまではドルの戻り売り(Sell on rally)でいいのではないかと



思います。



ユーロだけではなく、円もにわかに動き始めたことで、年末年始も気の抜けない状況になりそうです。













What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
11/30 バーナンキ・FRB議長 「米経済は失業率を大きく下げるほど十分な速度で成長していない」と指摘し、雇用創出が最優先課題であるとの認識を示す。(オハイオ州での会合で)。  ------  
12/1 ボス・国連チーフエコノミスト 「オバマ政権と議会が追加の景気対策で合意しなければ、景気が来年に二番底に陥り、失業率は10%に上昇する可能性がある。」と指摘。(世界経済に関する国連の分析で)  ------  
12/2 トリシェ・ECB総裁 「ユーロ圏の不確実性は高い」「緊張があり、これを考慮しなければならない」(ECB理事会後の記者会見で)  ユーロドル1.31台半ばから1.32台半ばに
12/9 ECB月例報告 「少数の金融機関は中央銀行の供給する流動性に過度に依存しており、借り換え全体で相当な割合を占めている」  ------  
12/17 メルケル・独首相 「私のビジョンでは、欧州はより緊密に共に成長するが、場合によってはスピードは異なる」  ------  

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和