2011年1月13日(木)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- ドル円は動かず。83円を挟む展開から上下どちらへも抜け切れず、
市場の関心はユーロに集まっており、この日のポルトガルの国債入札が焦点に。 - 注目のポルトガル国債の入札は予定上限の12億5千万ユーロ
(約1350億円)の資金調達に成功。 - ユーロはポルトガルの国債入札の成功や、EUの債務問題に
直面している国に対する支援拡大から大幅反発。対ドルでは
アジア市場の1.29台後半からNYでは1.31台半ばまで上昇。 - ユーロは円に対しても上昇。前日の107円台から109円台まで
ユーロ買いが進む。 - 地区連銀経済報告(ベージュブック)では、全ての地区で経済活動は
緩やかに拡大しているとの報告。一方で、住宅市場は依然として低迷。 - ガイトナー財務長官は講演で、中国の人民元は依然として過小評価されており
切り上げが必要と指摘。 - 株式市場は大幅続伸。ポルトガルの国債入札が好調だったことから
金融株を中心に買い優勢。ダウは83ドル高の1万1755ドルと、直近の
高値を更新。 - 債券相場はリスク選好が高まり売り優勢の展開に。長期金利は小幅に上昇。
- 金、原油ともに続伸。原油価格は2年3ヵ月ぶりの高値を記録。原油在庫が
予想以上に減少したことが買いを誘った。 - 12月財政収支 → −800億ドル
| ドル/円 | 82.80 〜 83.47 |
| ユーロ/ドル | 1.2968 〜 1.3145 |
| ユーロ/円 | 108.11 〜 109.03 |
| NYダウ | +83.56 → 11,755.44ドル |
| GOLD | +1.50 → 1,385.80ドル |
| WTI | +0.95 → 91.86ドル |
| 米10年国債 | +0.031 → 3.371% |
本日の注目イベント
- 日 11月機械受注
- 欧 ECB理事会
- 欧 ファンロンパイ・EU大統領講演
- 英 BOE政策金利発表
- 米 週間失業保険申請件数
- 米 12月生産者物価指数(PPI)
- 米 11月貿易収支
- 米 バーナンキ・FRB議長がパネル討議の参加
ユーロは主要通貨に対して大幅に上昇。対ドルでは直近の最安値から250ポイントほど上昇しています。
注目されていたポルトガルの国債入札が成功裏に終わったことから同国の長期金利は低下し、ひとまず財政危機を
乗り越えたという状況です。
またバローゾ欧州委員長は、財政問題に苦しんでいる域内の国に対する緊急融資枠を拡大する意向を示し、17日の
ユーロ圏財務相会合で協議することを表明しました。
ユーロに対する先安観が徐々に取り除かれてきたとみたファンドなどが、ユーロを買い戻したことで大幅上昇に繋がったようです。
また、ドイツのメルケル首相は通貨ユーロの安定に向けあらゆる措置をとる、と述べたことも買い戻しを加速させました。
(下記What's going on 参照)
メルケル首相自身が為替について言及することは極めてまれで、「ユーロ安阻止にドイツもついに動き始めた」と取れなくも
ありません。
しかし、対ドルで1.29台前半、対円でも106円台まで売り込まれていたユ−ロは急速に買い戻されましたが、欧州財政危機は
これで終焉したとも思えません。
本日はスペインが最大で30億ユーロと、イタリアが60億ユーロの国債入札を予定しており、こちらも入札結果が注目されます。
さらに昨日のポルトガルの資金調達はスタートしたばかりで、今後も国債の借り換えが予定されています。
中国の「欧州諸国の国債購入宣言」に続き、日本も1000億円規模で購入する意向を示したことで、タイミング的には
ユーロ救済連合軍が形成された格好になっています。
これらの国々が資金調達には成功したとしても、調達コストの上昇は避けられないことは記憶しておかなければなりません。
EU加盟国は昨年「緊縮財政」で合意しており、独仏を除く他の諸国の経済成長の鈍化は今後顕著になってくるものと
思われます。
ドルはユーロに対して大幅に下落しましたが、米株式市場は堅調に推移しています。
今週から始まった米企業の決算は好調との見方に加え、昨日は地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容に
素直に反応したことで直近高値を更新しています。
地区連銀経済報告では、12地区全てで経済活動が緩やかに拡大していると報告され、好調な年末商戦が寄与した
格好になっています。
また、製造業でも「全ての地区で回復が続いた」としたほか、シカゴなど一部の地区では「力強い新規受注の流れが見られた」
との報告もありました。
ただ、住宅市場については多くの地区で「脆弱かつ低迷」とし、商業用不動産については「まちまち」と報告されるなど
依然として回復にはさなる時間が必要と見られています。
昨年11月の追加緩和第2弾(QE2)の影響が徐々に出始めたことと、さらにブッシュ減税の2年間延長による経済効果が
今後も見込まれることから、米景気は緩やかながら、しかし着実に回復の道のりを歩んでいると見られます。
FOMCのメンバーである地区連銀総裁の中にも「金融緩和」の副作用を指摘する声が高まってきていることから
意外に早い時期に「出口戦略」のタイミングが議題になる可能性もありそうです。
タカ派の象徴でもある、プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁などは「FRBによる国債購入プログラム」の見直しも
検討すべきとの立場を表明しています。
今週もFRB関係者の講演が相次いで予定されています。講演内容が為替相場に大きく影響することから注意が必要です。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 1/7 | バーナンキ・FRB議長 | 「雇用市場が完全に正常化するにはあと4−5年掛かる可能性がある」上院予算委員会で議会証言。 | 債券市場では金融緩和継続との見方から債券が買われ、長期金利は下落。 |
| 1/7 | グールズビー・米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長 | 「失業率が大きく低下したが、依然として受け入れがたいほど高い。過去2年の雇用喪失を取り戻すためには、力強い雇用改善が必要だ」2010/12月の雇用統計発表を受けて。 | ----- |
| 1/11 | プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁 | 「米経済が成長ペースを速め始め、景気回復の持続性の高まりが続けば、国債購入プログラムを見直す必要が出て来る」「徐々に針路を反転し始めなければ、われわれの緩和策への積極性が裏目に出る可能性がある」講演で。 | ----- |
| 1/12 | メルケル・ドイツ首相 | 「われわれは必要ないかなる手段も講じる意向であり、あらゆる点について段階を追って協議する」「ドイツはユーロの安定を維持するために必要なあらゆる措置を取る」ベルリンの講演で。 | ----- |
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