今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年2月16日(水)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドルは引き続き堅調に推移。対円では約2ヵ月ぶりとなる
    83円93銭までドル高が進む。ユーロ、豪ドルなどが売られ
    市場全体がドル高傾向にあることが背景。
  • 米経済指標は強弱まちまち。1月の小売売上高が市場予想ほど
    伸びてはいなかったものの、雪の影響との説明も。
  • ユーロドルは前日同様、1.35台が重く再び下落。ユーロ圏の
    4QGDPが予想を下回ったことが背景。一方、英国のCPIは前年同月比
    4.0%だったことで利上げ観測からポンドは上昇。
  • 豪ドルは昨日発表されたRBA議事録では、高成長が続くとの内容だった
    ものの市場への影響は限られ大幅に下落。ただ、クロス円は概ね堅調。
  • 株式市場は下落。小売売上高が予想以下の伸びだったことから
    利益を確保する売りが優勢となりダウは41ドル安
  • 債券相場は小幅に上昇。米経済指標の結果がまちまちだったことから
    もみ合いながらも前日比小幅高となり金利は下落。
  • 金は大幅続伸。原油価格は3日続落。
  • エジプト情勢は沈静化したものの、反政府デモの影響はバーレーン
    やイランにも拡大し、新たな懸念材料に。
  • 1月小売売上高 → +0.3%
  • 2月NY連銀製造業景況指数 → 15.43
  • 2月NAHB住宅市場指数 → 16



ドル/円83.59〜 83.93
ユーロ/ドル1.3476 〜 1.3548
ユーロ/円112.95 〜 113.48
NYダウ−41.55 → 12,226.64ドル
GOLD+9.00 → 1,374.10ドル
WTI−0.49 → 84.32ドル
米10年国債−0.017 → 3.603%


本日の注目イベント

  • 英   1月英失業率
  • 英   BOE四半期インフレ報告
  • 米   FOMC議事録(1/25、26日分)
  • 米   1月住宅着工件数
  • 米   1月同許可件数
  • 米   1月生産者物価指数
  • 米   1月鉱工業生産
  • 米   エバンス・シカゴ連銀総裁講演(ロックフォード)






ドル円は一時海外で84円に迫る水準まで上昇し、約2ヵ月ぶりのドル高水準です。


先週10日に「三角保ち合い」(さんかくもちあい)の上限を上抜けし、テクニカル的にも上昇機運が高まっていましたが、


ドルは緩やかに主要通貨に対して買われています。


注目したいのはドル円の日足チャートで、一目均衡表の「遅行スパン」がローソク足を抜け「好転」したことです。


この兆候は昨年10月以来のことで、この先しばらくはもみ合いながらもドルが上昇する可能性が高いことを


示唆しています。


さらに、ボリンジャーバンドでも大外の2シグマのバンドは拡大していることから、しばらくはドル堅調と観られます。





83円50銭を超えた所には実需のドル売りもあったものと思われます。また、巷間言われた米国債償還に伴う


ドル売りもひとまず無難にこなしたようです。


個人投資家のドル買持ちポジションも今週のドル高でかなりに解消され、逆にドル売りポジションが積み上がってきました。


そのため、再びドルを買い易い状況かと思います。


足元では80円割れのリスクはかなり遠のいたと観てもいいのではないでしょうか。





問題はこの水準から84円台に乗せられるかどうかです。


84円台には特に目立った抵抗線はありませんが、85円を超えたところには日足の「200日移動平均線」が位置しています。


この水準は非常に強い抵抗線です。一気に抜いてくるとも思えません。


今週から来週にかけては、85円が強く意識され、一旦は押し戻される展開を予想します。





興味深いのは、本日の海外のコメントの中に、久しぶりに「キャリートレード」という言葉を見つけたことです。


ブルームバーグは、NYの為替ストラテジストの言葉として、


「円下落の理由は、円キャリートレードの兆候が表れたことだ」


「日本のゼロ金利を材料に、日本だけでなく海外の投資家も、円で資金を借り、日本国外の高利回り資産に投資している」


と、紹介しています。


キャリートレードは、2007年夏まで盛んでした。


安い円金利を借りて、高金利通貨に投資する取引のことで、円安がしばらく続いた主因でした。


今後キャリートレードが活発化するのかどうかは判断できませんが、


日米欧の中で利上げに踏み切るタイミングが最も遅いと観られている日本円は、


調達通貨としての魅力があることは間違いなさそうです。





84円台では目立った抵抗線はないと書きましたが、意識しておきたいのは84円52銭の水準です。


この水準は昨年12月15日に記録したドルの戻り高値だからです。


ドル円はこのレベルから今年の年初にかけて約3円50銭ほど下落しています。3月の決算期も近付いている


こともあり、取り遅れている輸出予約の持ち込みも予想されます。


一気に85円方向に向かうのではなく、しばらく82−85円でのもみ合いが続くと考えておくべきでしょう。


その後の展開は米経済指標の結果次第ということと、6月で切れる追加緩和第2弾(QE2)終了後、緩和政策が打ち止め


になるのか、さらには延長も含めて継続されるのかが、ドル円の行方を決めていくものと思われます。





ユーロ円がもみ合いを続け、方向感がありません。


足もとでは上昇傾向と観ていますが、「週足」のテクニカルでは113円台半ばに、かなり厚めの「雲」があり、


頭を抑えている格好になっています。


ドル円で円安傾向が続いていることから、ユーロ円の急落は考えにくいところですが、ポイントはユーロ圏の利上げ観測が再び


高まってくるのかどうかです。


ECB次期総裁を巡る動きや、南欧諸国の財政問題の再燃化など、ユーロにとってマイナス材料が多いのも事実ですが、


一方でインフレの足音が近づいているのも、見過ごすことのできない状況になりつつあります。


利上げ観測が高まれば一気にユーロ高に振れると思われます。しばらくはユーロは堅調な地合いが続くのでは


ないでしょうか。
















What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
 2/3  トリシェ・ECB総裁 インフレ期待は「引き続きしっかりと抑えられている。」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.37台後半から1.36台に急落。ユーロ円は112円台→111円台半ばに。
 2/3  バーナンキ・FRB議長 「失業率が通常の水準に低下するには数年かかるだろう。」「失業率を下げるには2.5%の成長が必要。」プレスクラブの会見で。       ------  
 2/4  ファンロンパイ・EU大統領 「通貨ユ−ロは強いが、唯一の弱点は域内の競争力に隔たりがあることだ。」EU首脳会談後の記者会見で。       ------   
 2/8 フィッシャー・ダラス連銀総裁 「FRBのバランスシートをこれ以上拡大させるのには非常に慎重だ。それに繋がるような措置には恐らく反対票を投じるだろう。」ダラスでの講演で。       ------   
 2/9  バーナンキ・FRB議長 「経済成長のペースは今年加速する可能性が高いとみられるものの、失業率はしばらく高水準にとどまりそうだ。」下院での議会証言で。  ややドル安に反応。ユーロドル1.36台 → 1.37台に。 
 2/14 ダドリー・NY連銀総裁 「(景気見通しの)明るさはかなり増した。それ以前に講じた金融措置が遅れて効果を発揮している。」NYでの講演で。       ------   

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和