今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年3月17日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • ドル円は一時、1995年4月の79円75銭を割り込み、
    史上最高値を更新。福島原発が制御不能とのEU委員の発言が伝わり
    円が主要通貨に対してほぼ全面高。
  • 上記発言が伝わるとNY株式市場も急落、リスク回避の動きが加速し
    円、スイスフランなどが買われた。
  • NYダウは日本の原発事故に対する懸念から大幅に下落。ダウは242ドル
    下落し、1万1600ドル台に。
  • 株安から債券相場は急伸し、長期金利は昨年12月以来となる3.2%
    まで下落。
  • 金、原油価格は小幅に続伸。
  • 2月住宅着工件数 → 47.9万件
  • 2月建設許可件数 → 51.7万件
  • 2月生産者物価指数 → +1.6%



ドル/円79.56 〜 80.83
ユーロ/ドル1.3867 〜 1.3978
ユーロ/円106.31 〜 112.76
NYダウ−242.12 → 11,613.30ドル
GOLD+3.30 → 1,396.10ドル
WTI+0.80 → 97.98ドル
米10年国債−0.097 → 3.204%


本日の注目イベント

  • 米   2月消費者物価指数
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   2月鉱工業生産
  • 米   2月設備稼働率
  • 米   3月フィラデルフィア連銀製造業景況指数








円が急騰し、一気に史上最高値を大きく更新しました。


NY市場では80円を割り込み、これまでの史上最高値であった79円75銭を睨む展開でしたが、今朝6時前に


その水準を割り込むと、ストップロスのドル売りや投機的なドル売りの仕掛けなどで78円台に突っ込み、その後


一時、76円台半ばを割り込む水準まで円高が進んでいます。





これはかなり投機的な動きだと思われます。


NY市場が引け、東京市場が入る前の間隙をぬった投機的な仕掛で一段の円高を狙ったものです。


オセアニア市場があるとは言え、市場参加者が少ない時間帯であることから、まとまった金額のドル売りを持ち込めば


相場は一気に下落します。


実際に、インターバンク市場でも30−50銭ほどの値幅でレートがとんでいます。





1995年4月の円の史上最高値を大幅に更新したことで、下値のメドがつきにくくなりました。


ひとつのメドとして、75円という数字が挙げられますが、これも単なる節目ということであって、特に根拠もありません。


焦点は、今日の政府日銀の対応です。


この水準でも徹底した介入を行う姿勢を見せなかった場合には、上記75円テストの可能性もあります。


しかし、さすがにこの水準を放置することはできないと思います。





地震による大規模な被害に加え、福島での原発事故で日本は非常事態に陥っていると言えます。


ここに、さらに「超円高」という事態が発生すれば、今後の復興に大きな影響を与えるばかりでなく、輸出企業を中心


企業収益の急激な悪化が見込まれます。その結果、株価が下落し、株価の下落はドル売り円買いへと波及し、


「負の連鎖」が懸念されます。





本日も日経平均株価の大幅安が予想されます。これまでの反応と同じようにドル売り円買いに動くものと思われますが、


その場合の、政府日銀の対応が非常に注目されます。


介入で、円高を防ぐことができれば、株価の下落も限定的になる可能性もあり、その意味からも大規模介入が


必要かと思われます。





今回の円高ドル安は「円のみが狙い撃ち」された格好です。


決してドルの信認がなくなったことによる円高ではありません。


ユーロや、ポンド、豪ドルなどの主要通貨が対ドルで大きく上昇していないことを見ても明らかです。


「リスク回避」による、円買い、スイスフラン買いが起こっていますが、円についてはそれ以上に投機的な


円買いが加わっているものと観られます。





政府日銀の介入によってドルがどこまで買い戻されるのか。また、昨年9月の介入時に行った、ロンドン、NYも含めた


グルーバルな介入を行うのかが注目されます。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
3/1  バーナンキ・FRB議長 「デフレリスクはごくわずかになった。」金融政策の変更については、「数ヵ月中に政策変更をするかどうか判断する」上院での議会証言で。      ----  
3/3  トリシェ・ECB総裁 インフレは「非常に警戒すべき」「『警戒』とは来月金利が上昇する可能性を意味する」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.38台半ば → 1.40台乗せ。
3/7  ロックハート・アトランタ連銀総裁 「資産購入を6月以降も延長することについては非常に慎重だ」「金融政策の選択視としては柔軟な姿勢でいることを望む」バージニア州の講演で。      -----  
3/8  ウェーバー・ドイツ連銀総裁 「ECBが年内に最大0.75%の利上げを実施するとの市場の予想を修正することは望まない」「将来に相当な物価圧力を予想している」ブルームバーグとのインタビューで。      -----  
3/16  エッチング・EUエネルギー担当委員 福島の原子力発電設備について「事実上、制御不能に陥っている。」 ドル円80円台前半から79円台半ばに急伸。史上最高値を更新。

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)

What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和