今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年3月29日(火)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円は原発事故による放射性物質の拡大懸念から、対ドルでは
    81円台後半での取引が続き、終始円売りが優勢。
    クロス円でも豪ドル円は一時84円台前半と1ヵ月ぶりの水準に。
  • ユーロドルは反発。トリシェECB総裁が、インフレが2%超の水準
    で推移していることは懸念材料だと発言したことが材料。
    ユーロドルは利上げ期待から1.41台前半まで上昇。
  • 豪ドルは他の主要通貨に対しても堅調。先週末対ドルで史上高値を更新した
    後も買いが優勢で、この日の高値は1.0314を記録。
  • 米株式市場は引けにかけて下落。ホテル関連銘柄が売られ、ダウは
    22ドル安。
  • 米債券市場は小幅に反発。2年債の入札が不調で、背景には米出口戦略が
    早まるのではとの思惑。
  • 金、原油価格は3日続落。原油は世界的な景気後退で需要が減少する
    との見通しから大幅安。
  • 2月個人支出 → +0.7%
  • 2月個人所得 → +0.3%
  • 2月PCEデフレーター → +1.6%
  • 2月仮契約住宅販売件数 → +2.1%



ドル/円81.61 〜 81.81
ユーロ/ドル1.4026 〜 1.4116
ユーロ/円114.56 〜 115.30
NYダウ−22.71 → 12,197.88ドル
GOLD−6.30 → 1,419.90ドル
WTI−1.42 → 103.98ドル
米10年国債−0.002 → 3.439%


本日の注目イベント

  • 日   2月失業率
  • 独   4月独GFK消費者信頼感調査
  • 独   3月独消費者物価指数(速報値)
  • 米   1月S&Pケースシラー住宅価格指数
  • 米   3月コンファレンスボード消費者信頼感指数
  • 米   ブラード・セントルイス連銀総裁講演(プラハ)








ドル円は昨日の東京時間から大幅に上昇し、81円台後半での取引が続いています。


円は対ドルだけではなく、対ユーロ、カナダ、豪ドルなどに対しても弱く、特に豪ドル円では


東日本関東大震災前の水準を上回り、約1ヵ月ぶりとなる84円台前半まで円安が進みました。


3月17日の74円台後半から10日間で約9円もの上昇になります。


これまで「安全通貨」であった円の信頼が、大震災、原発事故といったことで徐々に失われる一方、


ドルの先行きは不透明であり、ユーロについても利上げ期待があるものの、それを帳消しにする


「財政問題」があり、消去方的に豪ドルに資金が流れているものと思われます。





折からの資源高と、ハリケーンや大洪水からの復興を材料視する向きもあり、昨日は対ドルで連日の


史上最高値を更新しています。


また対ユーロでも約3週間ぶりの豪ドル高の水準です。


現在でも相対的に金利の高い豪ドルですが、夏場あたりまで再利上げの可能性もあり、今後も「高金利通貨」


としてのメリットを活かしつつ堅調に推移しそうです。





ドル円は81円台後半まで円売りが進みましたが、3月18日の市場介入後に記録した81円98銭が意識され、


82円台乗せには至っていません。


日曜日に報じられた放射性物質の高濃度から、円は81円台半ばを超え、円安に推移しています。


市場の原発事故に対する反応が本来の状況に戻ったとも言えそうで、さらに事故が拡大すれば円売りが加速し、


82−83円台程度までの水準も視野に入ってきます。





一方、期末を控え巷間言われていたほどの「リパトリ」による円買いは観測されていません。


82円台まで円安が進むと、輸出企業からのドル売りも観られそうですが、80円割れがやや遠のいた足元では


慌ててドル売りを持ち込むような状況ではないようです。


実際に、76円台まで円が急騰した3月17日でも、多くの輸出企業は冷静に行動し、ドル売りを急いだ形跡がないことが


報道されています。





今週の予想レンジを80−83円程度と観ていますが、まだ円が急騰する可能性がなくなった訳ではありません。


日本サイドから発せられる情報は「円安要因」に働くものが多いと思われます。


「円高要因」に振れる情報とすれば、やはり米国サイドからのものとなりそうです。


今週末の雇用統計が最も有力な候補ですが、現状での予想は、非農業部門雇用者数が19−20万人増、


失業率は8.9%で、2月の同指標に近い数字が予想されています。


もちろん、この内容から大幅に悪化すれば円買いが進むことにいなります。


シカゴ連銀のエバンス総裁は昨日の講演で、「最近の見通しは改善しているものの、金融政策スタンスの変更が


必要になる所にはまだ来ていない」と述べています。


同総裁は「ハト派」と目され、バーナンキ議長に近いと観られています。


先週末の、ブラード・セントルイス連銀総裁とは対照的で、FRBが6月までに米国債を購入する計画に変更はない


との立場を明確にしています。





本日のドル円は昨日と同様に、82円台に乗せるかどうかが注目されます。


東京時間では特別なニュースが出てこない限り、81円50−82円00、のレンジがどちらも抜けないのでは


ないかと観られますが、油断はできません。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
3/1  バーナンキ・FRB議長 「デフレリスクはごくわずかになった。」金融政策の変更については、「数ヵ月中に政策変更をするかどうか判断する」上院での議会証言で。      ----  
3/3  トリシェ・ECB総裁 インフレは「非常に警戒すべき」「『警戒』とは来月金利が上昇する可能性を意味する」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.38台半ば → 1.40台乗せ。
3/7  ロックハート・アトランタ連銀総裁 「資産購入を6月以降も延長することについては非常に慎重だ」「金融政策の選択視としては柔軟な姿勢でいることを望む」バージニア州の講演で。      -----  
3/8  ウェーバー・ドイツ連銀総裁 「ECBが年内に最大0.75%の利上げを実施するとの市場の予想を修正することは望まない」「将来に相当な物価圧力を予想している」ブルームバーグとのインタビューで。      -----  
3/16  エッチング・EUエネルギー担当委員 福島の原子力発電設備について「事実上、制御不能に陥っている。」 ドル円80円台前半から79円台半ばに急伸。史上最高値を更新。
3/19  トリシェ・ECB総裁 「政策当局者が強い警戒姿勢を追加することや撤回することは何もない」記者団に対して。 ユーロドル1.40台後半 → 1.41台後半へ
3/25  プロッサ・フィラデルフィア連銀総裁 「経済見通しが大筋で正確であるなら、金融政策はそれほどと遠くない将来に進路を反転するだろう」NYでのシンポジュームで。 ドル円81円近辺から → 81円半ばに
3/28  トリシェ・ECB総裁 「現状のユーロ圏のインフレ率は物価安定の定義が示すより高い」記者団に対して。 ユーロドル1.40台半ばから → 1.41台前半へ

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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和