今日のアナリストレポート[月〜金 毎日更新]

2011年3月31日(木)




おはようございます。



ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

  • 円は主要通貨に対して大幅に続落。ドル円はアジアから
    欧州市場にかけて83円台に乗せ、83円19銭まで円安が
    進行。クロス円でも軒並み円安に振れ「円全面安」の様相。
  • 昨日の東京時間に、日経平均が大幅高となったこともあり
    ドル買いが加速。円は協調介入後のドル高値を大きく超え83円台に。
  • NY市場でもADP雇用者数が予想通りの伸びを見せたことや、
    チャレンジャー人員削減数が大幅に改善するなど、明日の雇用統計への
    改善期待からドルは堅調に推移。
  • 米株式市場は日経平均株価が大幅に上昇したことや、ADP雇用者数の
    内容を好感し続伸。ダウは71ドル高と、1万2300ドル台を回復。 株式市場の安定がドル円でのドル高に繋がっているとの観測も。
  • 債券相場は反発。値ごろ感と、7年物入札が好調だったことが背景。
  • 金価格は5日ぶりに反発。原油は小幅に下落したが値幅も狭く、
    100−105ドル台で膠着。
  • 3月ADP雇用者数 → +20.1万人



ドル/円82.77 〜 83.15
ユーロ/ドル1.4052 〜 1.4148
ユーロ/円116.66 〜 117.17
NYダウ+71.60 → 12,350.61ドル
GOLD+7.40 → 1,424.90ドル
WTI−0.52 → 104.27ドル
米10年国債−0.043 → 3.444%


本日の注目イベント

  • 豪   1月豪小売売上高
  • 欧   3月ユーロ圏消費者物価指数(速報値)
  • 独   3月独失業率
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   3月シカゴ購買部協会景況指数
  • 米   タロール・FRB理事講演(ノースカロライナ州)
  • 米   ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演








円は大幅に下落し、米ドル、ユーロ、豪ドルなど、主要通貨に対して続落しています。


ドル円は、「以外にあっさり」83円台に乗せ、これで3月18日の協調介入後に付けたドル円の高値である


81円を大きく上回り、地震発生直後に記録した高値、83円30銭に迫る水準までドル高が進みました。


ただ、ドルはユーロ等に対してはそれ程強含んではおらず、むしろ豪ドルに対しては売られる展開となっています。


その結果、クロス円ではドル円以上に円安傾向が強まっており、円の弱さが際立ってきました。





特に今週に入り、欧州と米国での金融政策の変更に関するコメントが増えてきたことが理由です。


昨日も、カンザスシティー連銀のホーニング総裁が、「現状の米金融緩和政策を継続すればインフレや資産バブルの懸念が強まる」


との見方を示したことから、4月のFOMCでは、6月に期限の来るQE2を打ち止めにするとの観測から市場はドル買い円売り


で反応しています。


ホーニング総裁は前日のブラード総裁と同様に「タカ派」と観られ、追加緩和には否定的な立場を取っている一人です。





このところ連日のように金融政策の変更を促す発言が報道され、市場もこれらの発言にすぐに反応する地合いになっています。


2008年9月15日の「100年に一度」のリーマンショックから続いてきた「超金融緩和政策」も、いよいよその転機に差しかかって


きたことは間違いのないところです。


しかし、注意しておかなければならないのは、FOMCで投票権を有するメンバー11人の中で、「タカ派」と言われている


上記2人の総裁は、共に今年は投票権を持っていません。


FOMCのメンバーの中で投票権を持っている「タカ派」と目されている総裁は、ダラス連銀のフィッシャー総裁と


フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁の2人であることを忘れてはいけません。


さらに、バーナンキ議長をはじめ、有力なメンバーであるNY連銀総裁やシカゴ連銀総裁などは緩和政策の変更には


依然として慎重だということです。





新聞報道などでは政策変更のコメントが大きく報じられていますが、実際に利上げに踏み切るタイミングはまだ先の話です。


特に、消費者物価指数(CPI)などの経済指標では利上げを促す数値には至っていません。


また、住宅は依然として低迷が続いており、雇用についても「失業率」は利上げのメドとされる7%には程遠い状況です。


その意味では明日発表される「3月の雇用統計」の結果が非常に注目され、さらにそれを受けてバーナンキ議長がどのような認識を


示すのかが重要になってきます。


米金融政策の変更がにわかに脚光を浴びてきた中、議長が慎重な見方を示すようだと再びドルが下落する可能性も否定できません。





足元では上述のように、米国の利上げ期待の高まりと、国内の景気悪化に対する追加緩和策との政策の違いからドル高円安傾向が


やや勢いを増してきましたが、まだ手放しで「ドル安傾向は終わった。」というわけにはいきません。


3月17日の76円台突入は「セリングクライマックス」であった可能性は高いと思われますが、テクニカルでは日足の「遅行スパン」が


「好転」の兆しを見せていることから、ここから本格的に上抜けできるのかどうかの「正念場」とも言えます。


83円30銭を明確に抜け、現在83円67銭にある「200日移動平均線」を上抜けした時には「ドルの大底を確認」と言えるのでは


ないでしょうか。


従って、目先は明日の雇用統計に向けドル円がどこまで上昇するのか、ドルの上値を探る展開を予想しています。





先週末に発表されたシカゴ通貨先物のポジション(3月22日時点)は「意外にも」まだドル売り円買いのポジションでした。


約3万4千枚(約4315億円)の円買いポジションでしたが、今週に入りドルが買われ円が大きく売られていることから、


このポジションの巻き戻しもドル円の83円台乗せに大きく関与しているものと思われ、今週末に発表されるポジションの変化に


注目しているところです。


NYの株式市場が堅調なことから、昨日も日経平均株価は大幅に上昇しました。


これもドル円を支える効果があり、株価からも目が離せません。


日経平均株価が1万円の大台を回復する時が、ドル円も上記「200日移動平均線」を抜けてる時かも知れません。












What's going on ?」とは・・・
会話でよく使われる砕けた言い方で 「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。
為替はさまざま事が原因で動きます。
その動いた要因を確認する意味で 「What's going on ?」というタイトルを付けました。


日時 発言者 内容 市場への影響
3/1  バーナンキ・FRB議長 「デフレリスクはごくわずかになった。」金融政策の変更については、「数ヵ月中に政策変更をするかどうか判断する」上院での議会証言で。      ----  
3/3  トリシェ・ECB総裁 インフレは「非常に警戒すべき」「『警戒』とは来月金利が上昇する可能性を意味する」理事会後の記者会見で。 ユーロドル1.38台半ば → 1.40台乗せ。
3/7  ロックハート・アトランタ連銀総裁 「資産購入を6月以降も延長することについては非常に慎重だ」「金融政策の選択視としては柔軟な姿勢でいることを望む」バージニア州の講演で。      -----  
3/8  ウェーバー・ドイツ連銀総裁 「ECBが年内に最大0.75%の利上げを実施するとの市場の予想を修正することは望まない」「将来に相当な物価圧力を予想している」ブルームバーグとのインタビューで。      -----  
3/16  エッチング・EUエネルギー担当委員 福島の原子力発電設備について「事実上、制御不能に陥っている。」 ドル円80円台前半から79円台半ばに急伸。史上最高値を更新。
3/19  トリシェ・ECB総裁 「政策当局者が強い警戒姿勢を追加することや撤回することは何もない」記者団に対して。 ユーロドル1.40台後半 → 1.41台後半へ
3/25  プロッサ・フィラデルフィア連銀総裁 「経済見通しが大筋で正確であるなら、金融政策はそれほどと遠くない将来に進路を反転するだろう」NYでのシンポジュームで。 ドル円81円近辺から → 81円半ばに
3/28  トリシェ・ECB総裁 「現状のユーロ圏のインフレ率は物価安定の定義が示すより高い」記者団に対して。 ユーロドル1.40台半ばから → 1.41台前半へ
3/29  ブラード・セントルイス連銀総裁 「「景気回復に伴い米金融当局は計画している米国債購入の規模を1000億ドル(約8兆2500億円)程度圧縮することは可能だ」プラハでの講演で。 ドル円81円後半 → 82円半ばに
3/29  マクチ・スロバキア中銀総裁 ECBが来週利上げを実施する「可能性が極めて高い。ただ確実とは言えない」記者団に対して。      -----     

※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。 本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。


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外為オンラインのシニアアナリスト 佐藤正和