2011年4月13日(水)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- 福島第一原発の事故が「レベル7」に引き上げられたことから、
リスク回避の動きが加速。これまで買い進められていた豪ドル、ユーロ
などが対円で売られる。 - ドル円は一時83円台半ばまで円高に。日経平均株価が急落したことも
円買いドル売りに繋がり、スイスフラン、円などが買い戻される。 - 豪ドル円は86円台後半に急落するなど、これまでの大幅な上昇から
利益確定の売りに押され大幅に下落。 - 米株式市場は、福島原発の事故がより深刻化したことや、前日発表された
アルコアの売上高が予想に届かなかったことなどを嫌気して大幅下落。
ダウは117ドル安の1万2263ドル。 - 債券相場は急反発。株式相場の大幅下落で安全資産として買い戻しが
優勢に。長期金利は3.5%台割れまで下落。 - 金価格は利益確定の売りに押され下落。原油価格も前日に続き大幅下落し、
2週間ぶりに105ドル台まで売られたが、引けは3.67ドル安の106ドル台に。 - 米2月貿易収支 → 458億ドルの赤字
| ドル/円 | 83.52 〜 84.30 |
| ユーロ/ドル | 1.4438 〜 1.4520 |
| ユーロ/円 | 120.82 〜 122.23 |
| NYダウ | −117.53 → 12,263.58ドル |
| GOLD | −14.50 → 1,453.60ドル |
| WTI | −3.67 → 106.25ドル |
| 米10年国債 | −0.094 → 3.492% |
本日の注目イベント
- 欧 2月ユーロ圏鉱工業生産
- 欧 シュタルクECB理事講演
- 英 3月英失業率
- 米 3月小売売上高
- 米 ベージュブック(地区連銀経済報告)
- 米 決算発表 → JPモルガン・チェース
- 米 ブラード・セントルイス連銀総裁、ウェーバー独連銀総裁講演
ようやく「本格的な調整」の動きがやってきました。
福島原発事故の評価が国際原子力事象評価尺度(INES)で最悪の「レベル7」に引き上げられたことをきっかけに
「リスク回避」の動きが強まったことが理由です。
リスク資産の売却から、株式が大きく売られ、株安はドル安に繋がることからドル円では84円台を割り込み、1週間ぶりの
83円台まで円買いが進みました。
円は、対ドルだけではなく、ユーロ、豪ドル、ポンドなどに対しても大幅に買われ、特にこれまで上昇幅のお大きかった
豪ドル円が高値から約3円下落しています。
豪ドルはこれまで、高金利通貨としての魅力に加え、資源高が追い風となり、ほぼ一本調子で上昇を続けて来ました。
その結果、今週月曜日には90円台と、2年7ヵ月ぶりの高値を記録したばかりです。
月曜日の「マーケット・プレディクション」で書きましたが、投機筋のポジションの積み上がりも過去最高水準にまで
膨らみ、「買われ過ぎているため、ロングであれば一旦はポジションを手仕舞う水準ではないか」とのコメントも残しました。
豪ドルは「高金利通貨であるがため、一旦下落するとそのスピードは速い」という傾向があります。
今後は資源価格などの行方にもよりますが、85−90円のレンジに落ち着くのではないでしょうか。
そして、その後再び上昇に向かうのではないかと観ています。
大きな余震も継続的に続き、福島原発事故の評価も最悪のレベルまで引き上げられているのに「なぜ円が買われるの?」といった
質問も、昨日は多く寄せられました。
確かに、先月の大地震後の円の動きにもあったように、「本質的には円安要因」であることは確かだと思います。
特に、われわれ日本人にとっては「被災国の日本の円が何故買われるの?」との思いは強いようですが、海外の投資家とは
見方にやや差があるように思います。
3月18日の協調介入以来一貫して売られた円は「リスク選好」が進んだ中での円売りでした。超低金利の円はリスク選好が
進めば進むほど売られ易く、資金は高金利通貨に流れます。
今回の円高はこの流れの短期的な巻き戻しと思われます。
リスク商品を売却する結果、円買いが起こり、そこには経常黒字国とうこともあり「安全資産」としての意識もあるのかもしれません。
昨日はスイスフランも買われていることからやはり、「円とスイスフラン」は安全通貨と位置づけられているようです。
さて83円台の半ばまで下落し「調整局面」を迎えているドル円ですが、この先どこまで下がるのかフィボナッチ・リトリースメント
で確認してみると以下のようになります。
76円25銭の円の高値から4月6日の安値まで9円28銭円安が進みました。この値幅をフィボナッチレシオで計算すると、
23.6%の下落が83円34銭になり、先ずはこの水準が最初のサポートになりそうです。
また、この水準は「4時間足」の「雲の下限」にもほぼ一致します。
さらに、その下値では「4時間足」の「100日移動平均線」と「8時間足」の「雲の上限」が83円12−14銭にあることから、
概ね83円台がサポートされそうです。
ただ、気をつけなければならないのは、必ずしもこの水準で下げ止まるかどうかは分らないということです。
円高方向への値動きは時折「オーバーシュート」(過剰反応)することは過去の歴史が証明しています。
83円を割り込んだら、「8時間足」の「100日」と「200」の移動平均線が集まる82円50銭前後が重要になります。
本日も、原発に関する情報、あるいは株式市場の動き、さらに豪ドルのポジションを維持しているのであれば、原油などの資源価格の
動きなどにも目配せが必要でしょう。
個人的には円が大きく買われる材料はないと観ていますが、一方で相場には流れが(トレンド)重要で、時々相場を支配する
ことがあります。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 3/31 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米経済指標が改善されていることから、FOMCが米国債6000億ドル購入を圧縮するかを検討すべきだ」 | ドル円82円後半から → 83円台前半に |
| 3/31 | コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利が2011年遅くまでに75ベーシスポント上昇する必要があるかも知れない」 | ----- |
| 4/1 | ダドリー・NY連銀総裁 | 3月の雇用統計について「歓迎するが、方針を転換する理由にはならない」 | ドル円84円台後半 → 84円台前半に |
| 4/4 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 「米景気は依然として課題に直面している」フロリダ州の講演で。 | これまでと異なり「ハト派」的な発言だったことから、市場はややドル売りで反応。 |
| 4/6 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 年内の引き締めについて「可能性を完全に排除することはしないが、私個人としては、それが絶対必要だとの考えに傾いてはいない」ジョージア州の講演で。 | ---- |
| 4/7 | トリシェ・ECB総裁 | 「われわれはこれが一連の利上げの第1回だと決めたわけではない」「ECBは常に、中期的な物価安定を達成するために必要な行動を取る」利上げを決めた後の記者会見で。 | ---- |
| 4/11 | イエレン・FRB副議長 | 「食品と燃料の価格上昇がインフレや個人消費に与える影響は一時的であり、金融緩和策の変更を正当化するものではない」NYでの講演で。 | ---- |
※尚、このサイトは情報提供を目的としており、投資勧誘を目的とするものでは、ございません。投資の最終判断はご自身でなさるようお願い致します。
本サイトの情報により皆様に生じたいかなる損害については弊社及び執筆者には一切の責任を負いかねます。
What's going on ? バックナンバー 2009年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2010年(PDF)
What's going on ? バックナンバー 2011年(PDF)



