2011年4月19日(火)
おはようございます。
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
- NY時間の朝、格付け会社S&Pは米国債の長期格付けを
スティブルからネガティブに変更したと発表。 - この発表を受け、ドル円ではドル売りが加速し、82円半ばを
割り込むと3週間ぶりに82円台前半までドル安が進む。 - ユーロもギリシャ問題などがくすぶりジリ安値に。
円が急騰したことで、クロス円は軒並み下落しユーロ円は
116円台半ばまで売られる。 - S&Pの発表を受け、株式市場は寄り付きから大幅安に。
一時240ドル下落したダウは、引けでは先週末比140ドル安。 - 米債券は格付け見直しを受け売られたものの、その後は
株安、ドル安から、結局買い戻され価格は上昇。 - 米国債への先行き不安もあり、金価格は続伸し、1500ドル台も
視野に。 - 原油は大幅安。米景気に対する懸念から110ドル台が重石に。
- 4月NAHB住宅市場指数 → 16
| ドル/円 | 82.19 〜 82.96 |
| ユーロ/ドル | 1.4156 〜 1.4351 |
| ユーロ/円 | 116.49 〜 118.57 |
| NYダウ | −140.24 → 12,201.59ドル |
| GOLD | +6.90 → 1,492.90ドル |
| WTI | −2.54 → 107.12ドル |
| 米10年国債 | −0.034 → 3.380% |
本日の注目イベント
- 豪 RBA議事録
- 欧 4月ユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)
- 米 3月住宅着工件数
- 米 3月建設許可件数
- 米 1−3月期決算発表 → ゴールドマンサックス、USバンコープ、BONYメロン、IBM
- 加 3月カナダ消費者物価指数
「米国債の格付け見直し」という予想外のニュースにドル円は大幅に円高が進み、約3週間ぶりに82円台前半まで
円が買い戻されました。
ユーロでは、ギリシャの財政問題やフィンランドの選挙結果を受けたユーロへの懸念からジリ安が続き、
「ドルもユ−ロも買えないということから円が買われた」との海外からのコメントもありましたが、本当に円が
買えるのかという点では疑問が残ります。
米格付け会社S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は米国債の長期格付けを「Stable」から「Negative」に
見直すと発表しました。
「クレジットウオッチ」と異なり、すぐに格下げが実施される訳ではなく、(財政赤字および債務への対応
への対応を巡り)指導者らが合意に達しない場合「2年以内に1/3以上の確率」で格下げされる可能性があると説明されて
いました。
この発表を受けて米株式市場はほぼ全面安となり、ダウは140ドル下げ、通貨としての側面も持つ「金」が
買われ、ドル円でドルが大幅に売られる展開になりました。
しかし、当の米国債は発表直後には売られましたが、結局「安全資産」ということで買われ長期金利は下落しています。
米国債券の格下げ見通しにも関わらず、最終的にはその債券が買われるという奇妙な市場の反応に、やや戸惑う方も
多いのではないかと思います。
米債券市場は世界最大の債券市場で、世界中の機関投資家や中央銀行などが米国債に投資しています。
中国政府が最大の米国債保有国であることはよく知られていますが、結局、米国債券市場は市場規模が大きく、
流動性に富んでおり、さらに世界で最も安全な投資先の一つと観られていました。
今回のS&Pによる格下げ見通しも、現在の財政赤字に対する「警鐘」と受け止める向きが多く、すぐに格下げに繋がる
ものでもありません。ましてや、米国の資金調達にすぐに影響を与えるものではありません。
このため、昨日の債券市場でも株式市場の大幅下落を受け「安全資産」としての買いを集めています。
債券の専門家からは、「仮に米国債を買えないとしたら、資金の行き場がない」との声も聞かれました。
ドル円は昨日のNY市場で一時82円19銭まで下落し、82円70銭や82円50銭のテクニカルポイントを抜けきっています。
ドル円での円買いだけではなく、クロス円でも円買いが急速に進み、ドル円を押し下げている面も指摘できます。
次々と下値のサポートを割り込んできたドル円ですが、次のサポートはフィボナッチ・リトリースメントの38.2%に当たる
81円99銭ということになります。
この水準は3月11日からの値上がり幅である、9円28銭の38.2%に当たるとともに、82円台という心理的節目でも
あります。
昨日も書きましたが、今週は米企業の決算発表が相次ぎ、株式市場の動きが為替に影響を与え易いことから、
今後の米株式市場がさらに下落するかどうかが重要なポイントになってきます。
また、今のところS&P、一社だけが米国債の格付け見直しを発表していますが、今後ムーディーズなどがこれに続くのか
どうかにも注目しなければなりません。
一方円についても、今後日本の財政赤字が一段と拡大するようなら、日本国債の格付けがさらに引き下げられる可能性も浮上してきます。
中長期的に観て、円を買い進める状況ではないと考えていることから、82円前後からは「押し目買い」のチャンスを探しても
いいのではないでしょうか。
ドル円が82円台前半まで下落したことで、高値から約3円下落したことになります。
「もう3円も」と観るのか、「まだ3円しか」と観るのか意見が分かれる所ですが、約1/3戻しを達成したことになります。
今週末は主要な海外市場が休場のため、連休を前にポジションの調整を行っているとの見方もありますが、ドル円は
今後相場を占う上で重要な値位置に来ていると思われます。
ここから再び80円を目指すのか、あるいは調整を終えて85円を再度試しに行くのか、という分岐路にいると
考えられるからです。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
| 3/31 | ラッカー・リッチモンド連銀総裁 | 「米経済指標が改善されていることから、FOMCが米国債6000億ドル購入を圧縮するかを検討すべきだ」 | ドル円82円後半から → 83円台前半に |
| 3/31 | コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁 | 「フェデラルファンド(FF)金利が2011年遅くまでに75ベーシスポント上昇する必要があるかも知れない」 | ----- |
| 4/1 | ダドリー・NY連銀総裁 | 3月の雇用統計について「歓迎するが、方針を転換する理由にはならない」 | ドル円84円台後半 → 84円台前半に |
| 4/4 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 「米景気は依然として課題に直面している」フロリダ州の講演で。 | これまでと異なり「ハト派」的な発言だったことから、市場はややドル売りで反応。 |
| 4/6 | ロックハート・アトランタ連銀総裁 | 年内の引き締めについて「可能性を完全に排除することはしないが、私個人としては、それが絶対必要だとの考えに傾いてはいない」ジョージア州の講演で。 | ---- |
| 4/7 | トリシェ・ECB総裁 | 「われわれはこれが一連の利上げの第1回だと決めたわけではない」「ECBは常に、中期的な物価安定を達成するために必要な行動を取る」利上げを決めた後の記者会見で。 | ---- |
| 4/11 | イエレン・FRB副議長 | 「食品と燃料の価格上昇がインフレや個人消費に与える影響は一時的であり、金融緩和策の変更を正当化するものではない」NYでの講演で。 | ---- |
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