「トランプ大統領退院でリスクオンに」
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場- トランプ大統領が日本時間朝方7時半に退院するとの報道にドルが買われ、ドル円は105円79銭まで上昇。株高、金利高でリスクオンの流れが強まる。
- ユーロドルは続伸。1.1797までユーロ高が進み、対円でも124円台後半に。
- 株式市場は3指数とも揃って大幅に上昇。トランプ大統領の早期退院や、良好な経済指標、さらには追加の経済対策の早期合意など好材料が後押し。ダウは465ドル上昇し、2万8000ドル台を回復。
- 債券は大きく売られ続落。長期金利は0.78%台まで上昇し、約3カ月ぶりの高水準に。
- 金と原油は反発。原油価格は前日比2ドルを超える上昇を見せ、トランプ大統領の早期退院を好感。
9月ISM非製造業景況指数 → 57.8
9月マークイッサービス業PMI(改定値)→ 54.6
9月マークイットコンポジットPMI(改定値)→ 54.3
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| ドル/円 | 105.54 〜 105.79 |
|---|---|
| ユーロ/ドル | 1.1758 〜 1.1797 |
| ユーロ/円 | 124.13 〜 124.71 |
| NYダウ | +465.83 → 28,148.64ドル |
| GOLD | +12.50 → 1,920.10ドル |
| WTI | +2.17 → 39.22ドル |
| 米10年国債 | +0.081 → 0.782% |
本日の注目イベント
- 豪 豪8月貿易収支
- 豪 RBA、キャッシュターゲット
- 独 独8月製造業新規受注
- 欧 ラガルド・ECB総裁、パネル討論会に参加
- 欧 ノーベル物理学賞受賞者発表
- 米 8月貿易収支
- 米 パウエル・FRB議長講演
- 米 カプラン・ダラス連銀総裁、討論に参加
- 米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演
- 米 ボスティック・アトランタ連銀総裁講演
- 加 カナダ8月貿易収支
本日のコメント
トランプ大統領は日本時間今朝7時半に退院し、ホワイトハウスに戻りました。先週金曜日に急遽コロナに感染したことが発表され即入院しましたが、わずか3日目に退院したことになります。大統領選挙を控え、何としても元気な姿を見せなくてはならない事情があったとは思いますが、医師団を説き伏せての退院かもしれません。トランプ氏は「気分は非常に良い」と述べ、「この病気に人生を支配させてはならない」と回復ぶりをアピールしました。主治医のコンリー医師は、「大統領の容体は改善し続けており、全ての退院基準を満たすか、上回っている。」と述べ、退院前には治療薬レムデシビルの4回目の投与を受け、今後もホワイトハウス内で治療する予定のようです。
ただ、まだ完全に回復したわけではなく、今後選挙戦にいつ復帰できるかはなお不明です。またバレット判事を指名したホワイトハウスでのイベントでは、少なくとも13人の感染が確認されており、大統領報道官のマクナニー氏も新型コロナ検査で陽性反応が出たことを明らかにしています。昨日もこの欄で述べましたが、あの状況の中、バレット判事が感染しなかったことが驚きです。トランプ氏は今後容体が許す限り大統領選に全力を注ぐものと思われますが、その一方でトランプ氏の「敗北」は濃厚になりつつあります。最新の世論調査によると、バイデン氏との支持率の差はこの選挙戦で最大の14ポイントに拡大しています。(参照:10月5日『ウィークリーレポート』)そのため、「大接戦となり、法廷闘争にまでもつれるのではないか」との懸念も後退しており、新大統領への移行もスムーズに行われるといった見方も出て来ました。
トランプ氏の退院、経済指標の好転、さらには入院を経てトランプ氏自身が追加の経済対策には前向きなことから、民主党とホワイトハウスの早期の合意も来期待できる状況になっており、株式市場には強い追い風が吹きました。NYダウは465ドル上昇し、9月16日以来となる2万8000ドルの大台を回復してきました。ドル円もリスクオンの流れから105円79銭まで買われましたが、米長期金利の上昇幅を考えるとややもの足りません。やはり、ドルの先安観が残っており、上昇するにしても極めて緩やかな動きになっています。
ISM非製造業景況指数が予想を超え、良好な内容でした。特に雇用指数は3.9ポイント上昇し、「51.8」と、コロナ感染が拡大して以降初の「50」超えです。16のサービス業界のうち、活動が縮小していると報告されたのは、専門職、科学、技術サービスのみで、娯楽、運輸、ヘルスケア、不動産など、多くの業種で拡大が報告されています。ISM非製造業景況調査委員会のエニベス委員長は、「企業からのコメントは引き続きビジネス状況や経済に関しておおむね楽観的で、そうした企業の事業を直接的に反映している」と語っています。(ブルームバーグ)本日は日本株にも買い安心感が出てきそうです。日経平均はそこそこの上昇が予想されますが、昨日すでに大きく上昇しているためNYと比べると期待値は高くはないと思います。本日のドル円は105円20銭〜106円程度を予想します。
What's going on?
会話でよく使われる砕けた言い方で「何があったんだ?」「どうなっているんだ?」というような意味。為替はさまざま事が原因で動きます。その動いた要因を確認する意味で「What's going on ?」というタイトルを付けました。
| 日時 | 発言者 | 内容 | 市場への影響 |
|---|---|---|---|
| 9/28 | ラガルド・ECB総裁 | 「政策委員会は中期的なインフレ見通しに対する影響という観点から、為替の動向を含めて今後入って来る全ての情報を注意深く吟味する」、「ECB政策委員会はあらゆる手段を適宜調整する用意がある」 | -------- |
| 9/28 | ペロシ・下院議長 | 「われわれはこの問題を片付けられる。ムニューシン財務長官が交渉のテーブルに戻る用意が調えば、われわれはこれを話い合うことができる」、「ただし、問題を片付けるためには長官がずっと大きな規模の案を打ち返してくる必要がある」 | NY株式市場が好感し、主要指数が揃って大幅に上昇。 |
| 9/23 | クラリダ・FRB副議長 | 「インフレを実際に目にするまで利上げ開始を考え始めることすらないだろう。インフレの判断基準は前年比ベースで2%以上だ」、「つまりそれは少なくとも、その水準に達した後でも政策金利を現行水準で維持する可能性があるということだ」 | -------- |
| 9/22 | エバンス・シカゴ連銀総裁 | (インフレ目標の)「平均が何を意味するのか、依然として協議の余地がある」、(インフレ率が)「平均2%になり始める前に利上げを開始することはあり得る」 | -------- |
| 9/22 | パウエル・FRB議長(下院金融委員会で) | 「先行きはコロナウイルスの抑制、政府のあらゆるレベルでの政策措置にかかってくる」、景気回復は進行しているものの、「先行きは極めて不透明だ」 | -------- |
| 9/16 | パウエル・FRB議長 | 「景気回復は大方の予想より速いペースで進んでいる」「今後の道筋は依然極めて不透明だ」「景気回復の継続を予想する民間の分析は、その大多数が財政による大規模な追加支援があると想定している」「約1100万人の米国民が依然失業中で、追加支援を必要としている」 | 景気回復の勢い継続を確信できないとの認識を示したため、株価が下げ、債券も売られ、ドルはやや上昇。 |
| 9/16 | FOMC声明文 | FRBは現在の困難な時期に米経済を支えるため、あらゆる手段を用い、それによって最大限の雇用と物価安定という目標を促進することにコミットしている。期間平均で2%のインフレ率を達成し、中期的なインフレ期待が2%でしっかりとどまり続けるまで、緩和的な金融政策スタンスを維持する方針だ。 | 株価は上昇しドル円は下落。 |
| 9/13 | ラガルド・ECB総裁 | 「物価安定の目標達成において、今も将来も油断は許されない」、「最近のユーロ相場上昇で金融政策のインフレ押し上げ効果が一部相殺された」 | -------- |
| 9/7 | トランプ大統領 | 「デカップリングであろうと、すでに行っているような大規模関税の導入であろうと、われわれは中国への依存を終わらせるつもりだ」、「われわれは重要な製造品を米国内で生産し、米国に雇用を戻す」、「米国を捨てて中国などで雇用を創出する企業には関税を課す」 | -------- |
| 9/4 | パウエル・FRB議長 | 「今日発表された雇用統計は良いものだった」としながらも、「完全雇用に戻るには新型コロナを収束させる必要がある」、(金融政策については)「われわれは米経済が長期間低金利を必要とすると考える。それは経済活動を支援する」 | -------- |
| 9/3 | アンソニー・ニエベス・ISM委員長 | 「経済活動が再開する中、回答者のコメントは大部分が楽観的で、業況や経済に対する見方は業界によってばらつきがある、まだ再開していない業界は、足元の不透明性を引き続き不安に思っている」 | -------- |
| 9/2 | ウィリアムズ・NY連銀総裁 | (政策のシフトは)低い中立金利と根強い低いインフレに引き起こされた問題に、直接的かつ効率的に対処できる」、「これらの変更は相互に補強し合い、極めて低い中立金利の環境において当局の2大責務を達成する能力を大きく高める」 | -------- |
| 9/1 | ロウ・RBA総裁 | 政策委員会は高度に緩和的な政策を必要な限り維持する方針であり、追加な金融政策手段によってどのように回復を支えられるか引き続き検討している」 | -------- |
| 9/1 | ブレイナード・FRB理事 | 「今後数カ月は、金融政策が安定から緩和的転換することが重要になろう」 | ドルが売られ、長期金利が低下。 |
| 8/31 | ポスティック・アトランタ連銀総裁 | 「金融政策は経済回復を支援する位置づけにあるが、今は米金融当局が目標達成のために次にどんな措置を取るか説明する時期ではない」 | -------- |
| 8/31 | クラリダ・FRB副議長 | 「利回りの抑制や目標化は現在の環境では正当化されないが、将来に状況が著しく変化した場合見直すことができるよう、FOMCは選択肢として残して置くべきだ」 | -------- |
| 8/27 | パウエル・FRB議長 | 「方針変更に関する声明は、広い範囲で包括的な雇用の最大化を目指すことを強調している」「この変更はわれわれが力強い労働市場の重要性を認めていることを反映しており、特に低・中所得層地域の多くではなおさら重要だと考える」(ジャクソンホールでのバーチャル講演で) | -------- |
| 8/19 | FOMC議事録 | 「今会合より後の金融政策の見通しについては、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標レンジはたどる可能性の高い道筋に関して明瞭さを高めることが、ある時点で適切となると、幾人かの参加者が指摘した」、「新型コロナウイルス感染拡大が経済活動を顕著に制している間は、新たなガイダンスを示す必要性は低下している」 | 株と債券が売られ、長期金利が上昇したことからドル円は105円台後半から106円台前半まで買われる。 |
| 8/17 | ミシェル・オバマ前大統領夫人 | 「トランプ大統領は、大統領職を務められると証明できる十分な時間があったのに、今では明らかにお手上げ状態になっている」、「黒人の命が重要という単純な事実をも愚弄している」、「われわれはジョー・バイデンに投票しなければいけない」 | -------- |
| 8/6 | ベイリー・BOE総裁 | 「国内経済が回復するまでの長い道のりを支え続ける用意がある」、「早期に政策を引き締めることはない」 | -------- |
外為オンラインのシニアアナリスト
佐藤正和
邦銀を経て、仏系パリバ銀行(現BNPパリバ銀行)入行。
インターバンクチーフディーラー、資金部長、シニアマネージャー等を歴任。
通算30年以上、為替の世界に携わっている。
・ラジオNIKKEI「株式完全実況解説!株チャン↑」出演中。
・STOCKVOICE TV「くりっく365マーケット情報」出演中。
・Yahoo!ファイナンスに相場情報を定期配信中。
・書籍「チャートがしっかり読めるようになるFX入門」(翔泳社)著書



