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テクニカル分析
ここからはもう一つの重要な相場分析の手法、「テクニカル分析」について詳しく説明していきます。
テクニカル分析は「過去の相場の値動き」からある法則を見出して今後の相場を予想する方法です。このテクニカル分析に使われるテクニカルチャートには沢山の種類があります。しかし多くのトレーダーは主に人気のあるテクニカルチャートのサインを見て売買することが多いので、必然的に相場もこれらの人気のあるテクニカルチャートのサインに沿ったような動きをすることが多くなります。
ここでもそうした人気のあるテクニカルチャートの見方をいくつかご紹介します。最初はその最も基本となるローソク足(ろーそくあし)チャートの見方をご説明します。
テクニカルチャートの基本、ローソク足の見方
トレンド系チャートのうち、もっとも基本となるチャートで日本生まれのチャートとしても知られているのがローソク足です。その形がローソクに似ていることからそう呼ばれています。英語でも直訳してキャンドルチャートと呼ばれ、世界中で使われています。
ローソク足はその時間単位によって1分足(いっぷんあし)から1カ月足(いっかげつあし)までいろんなバリエーションがあり、計算の方法によってもいくつかの種類があります。ここではもっとも一般的なローソク足の使い方を見てみます。
1本のローソク足は「始値(はじめね)」、「安値(やすね)」、「高値(たかね)」、「終値(おわりね)」の4つの値を表しているので、4本値(よんほんね)とも呼ばれます。下の図のように始めに付けた値よりも高い値で終われば「陽線(ようせん)」、逆に始めに付けた値よりも安い値で終わっていれば「陰線(いんせん)」と呼びます。また陽線と陰線は色を分けて表示されます。どちらの色も決まった色はありませんが、外為オンラインの場合、初期設定では陽線を緑、陰線を赤で表示しています。
外為オンラインのチャートでは、1分足、5分足、10分足、15分足、20分足、30分足、1時間足、2時間足、4時間足、6時間足、8時間足、12時間足、1日足、1週間足、1カ月足が表示できます。
それぞれ1分足チャート、1時間足チャート、週足チャートなどと呼びます。
移動平均線の見方と基本戦略
ローソク足に次ぐ基本的なチャートが移動平均線です。為替相場のトレンド(方向性)とその強さまたは勢いを確認するためのチャートです。短い期間の動きを反映した「短期線」とそれよりも長い期間の動きを反映した「長期線」の2つを組み合わせて使うのが一般的です。
外為オンラインの「単純移動平均線」の初期設定はスマホアプリの場合、(25、50、76)になっています。この数値は足の本数を表しています。1時間足チャートの場合25は(1時間足×25)=25時間、50は(1時間足×50)=50時間の期間で算出されます。短ければ短いほど現在の相場に近い数値になり、長ければ長く設定した分だけ長期間の平均値が表れます。
具体的な計算式を見てみましょう。下の図のように期間「5」(1時間足なら5時間)の場合、最初の数値はその時間の終値と4時間前までのそれぞれの終値を合計して5で割ったものになります。下の例では、5本目の短い陽線の「5時間移動平均」の数値は110.49になります。
そして、次に1時間が経過し、新しい時間足が形成されたら、同様にその時間と過去4時間分の終値を足して5で割った値を線で結びます。このように1時間ごとに算出された価格を線でむすんだものが単純移動平均線です。
この移動平均線ですが、外為オンラインのスマホアプリならいち々計算する必要はなく簡単な設定ですぐに見ることができます。さっそく表示のさせかたを見てみましょう。
外為オンラインのアプリにログインし、下のボタンから「チャート」を選択します。
次に「テクニカル」をタップし、「単純移動平均(SMA)」にチェックを入れます。「詳細設定」をタップし、短期と中期に希望する期間を入力します。
「保存」をして「描画」をタップすればチャート上に「短期」と「長期」の2本の移動平均線が表示されます。
慣れてしまえば、とても簡単なので設定を変えるなど、練習してみましょう。
SMAはSymple Mooving Averageのイニシャルで単純移動平均線のことです。
ではこの短期と長期の移動平均線を使った売買戦略を見てみましょう。
特徴をまとめると以下のようになります。
- 移動平均線が上に向かっていれば上昇トレンド、下に向かっていれば下降トレンド
- 移動平均線の確度がゆるければゆるいほど勢いは弱く、逆に角度が急であれば勢いは強い
- 移動平均線がロウソク足と重なるような位置から離れない場合は勢いが弱く、急に大きく離れた場合は勢いが強い
- 短期線と長期線の交差するところが買いや売りのサインになる。短期線が長期線を下から上へ突き抜ける場合は「ゴールデンクロス」といい、買いのサイン。逆に短期線が長期線を上から下に突き抜ける場合は「デッドクロス」といい、売りのサインになる
以上が移動平均線の主な使い方ですが、ゴールデンクロスとデッドクロスを使った売買方法について、具体例を見ながらもう少し詳しく見てみましょう。
なお、テクニカルチャートはパソコンでも見ることができます。設定方法は次のようになりますので、パソコンが使える環境にあればぜひ使ってみましょう。長い期間を表示させたい場合、パソコンはとても便利です。
最初に外為オンラインのトレード画面にログインしたら、「チャート」タブを選択し「チャート」をクリックします。チャート画面が開きますので、通貨ペアや時間足の選択をします。
上部の「チャート設定」を選択し、「SMA(単純移動平均線)」と「SMA1」〜「SMA4」にチェックを入れます。(不要な場合はチェックを外します)希望する期間を入力して「保存」します。
下のチャートは米ドル/円の4時間足チャートです。移動平均線の設定は(短期=10)、(長期=20)に設定しています。
さらに同じ米ドル/円で、2時間足チャート、1時間足チャート、30分足チャート、15分足チャートで比較してみます。
ここでは下落トレンドに沿った売買を行います。基本戦略はデッドクロスで「新規売注文」を入れ、次にゴールデンクロスが確認されたところで「決済の買注文」を入れるという方法です。それぞれチャートにゴールデンクロスとデッドクロスの位置と売買されたところに赤丸で印を付け、売買された日時を明記しました。
ドル/円 4時間足
ドル/円 2時間足
ドル/円 1時間足
ドル/円 30分足
ドル/円 15分足
こうして4時間足、2時間足、1時間足、30分足、15分足を比較してみると同じ時間帯で発生したデッドクロスとゴールデンクロスでも時間足によって発生位置が少しずつ違ってくることが分かります。また今回は同じ「短期=10」、「長期=20」の設定でしたが、この期間を変更するとデッドクロスとゴールデンクロスの発生位置も変わってきます。この5つの中では1時間足と30分足が0.91円と、最も大きな値幅が取れていますが、必ずしも時間の短い足が良いとは限りません。最後の15分足の例を見れば分かる通り、反応が早すぎるとわずかな変化でもデッドクロスとゴールデンクロスが表れ、2セットの売買注文を出すことになりました。その結果、2つの値幅を合計しても0.46円にしかなりませんでした。
これらの例からも分かる通り、「どの時間足」に対して、移動平均線の「短期・長期は何本の設定」がいいのか、100%当てはまる方程式はありません。自分自身が使いやすいと思える設定を探すことが大事です。では次にトレンド系の中でもよく使われているボリンジャーバンドの使い方を見てみましょう。