FXのしくみと魅力をご紹介FXを始める方へ

損切りで損失を抑え、利益を伸ばす

最後に損切りについて理解しましょう。

──上がると予想して買いポジションを持ったら、予想が外れて値を下げてきた!このまま下げ続けると大きなロスになる...、待っていればそのうち下げ止まって上昇するだろう──

投資をしていればこのように予想が外れることは、日常茶飯事と言ってもいいでしょう。ではそんな時、どう対応したらよいのでしょうか?「新規注文を入れる前に2つのシナリオを用意する」ということです。
ひとつは、予想通りの相場展開で、「いくらまで上がったら利益確定の決済注文を入れる」というポジティブシナリオ。そしてもうひとつは、予想が外れた時、何を基準に損切りするかを決めておく、というネガティブシナリオです。なぜ注文を入れる前にシナリオを決めておく必要があるのでしょうか?それは、損失が大きくなればなるほど冷静は判断ができなり、そんな状況で損切りを考えても損失を大きくしてしまう可能性が大きいからです。

予想が外れた時、損失が大きくならないように損切注文を入れる

あるサッカー選手が、試合終了1分前に相手に逆転のゴールを許したとき、次にどう動くか事前に決めておけば何も焦ることはなく、坦々と動くことができると語っています。最悪の事態に備えて事前にシナリオを描いておくことがいかに大事かが分かります。FXでも同じように最悪のシナリオを常に用意しておけば、焦ることなく、決められたとおりに損切りを実行し、次の行動に移ることができるのです。
損切りに絶対的な方法はありませんが、いくつかの考え方をご紹介しますので、参考にしてください。

ルール① 最大レバレッジで判断

FXは証拠金取引という仕組みが利用できるので、手持ちの資金以上の運用資金を使うことができます。その倍率は25倍までと決まっていますがその25倍を超えると、強制決済されます。損失が拡大するのを防ぐのが目的です。そうはいうものの、損切りされてしまっては資産が大きく減ってしまいますので、レバレッジがあまり大きくならない内に自主的に損切りします。どのぐらいのレバレッジに押さえておくかは、トレーダーそれぞれの考えがあると思いますが、5倍を超えないように。そして10倍になったら損切りするなど、具体的なルールを決めておくことが大事です。

日々の相場で一日あたり動くのはドル円でせいぜい1円ぐらいです。ところが何か大きな出来事があれば予想をはるかに超えて動くことがあります。近年では2016年6月24日のブレクジットの賛否を問う投票結果が発表された時、ドル円で1日に7円も動きました。こんなときにレバレッジが高めになっていると、すぐさま25倍の限界に到達して強制決済されてしまいます。これを避けるためにレバレッジを低めにしておく必要があるのです。外為オンラインの取引画面には「実効レバレッジ」が表示されていますので、常に注意を払うようにしましょう。そして損切りは成り行き注文ではなく、指値注文で入れておけば夜間や取引画面を見られない仕事中でも安心です。

レバレッジが大きくならない内に自主的に損切りします。実効レバレッジは取引画面から確認できます。 上手に損切する事が利益を出す秘訣です

ルール② テクニカル分析で判断

次にテクニカル分析を使った損切りについて考えてみましょう。
下のケースはドル/円15分足チャートに単純移動平均線(短期=10、長期=20)を表示させています。移動平均線のゴールデンクロスが発生したところで新規の買い注文を入れました。ところがその後、下降に転じてしまいました。レバレッジは2倍程度なので、問題ありませんが、下落が鮮明になった段階で、損切りして損失を最低限に抑えたいと考えました。

最初のサインは移動平均線がデッドクロスを形成したところになります。ただし、この段階ではこのデッドクロスもダマシに終わる可能性があると考え、安値を更新したところで決済の売り注文をいれ、損失は大きくなりますが、ダマシを回避します。

ダマシを回避するために安値を更新したところで決済の売り注文を入れます。

次のケースはユーロ/円日足チャートに単純移動平均線(短期=10、長期=20)を表示させています。移動平均線のゴールデンクロスが発生したところで新規買注文を入れましたが、その後予想に反して下降に転じてしまいました。レバレッジはこのままキープしても問題ないレベルですが、損失を抑えるために、下落が鮮明になった段階で損切りします。最初の反転サインは移動平均線がデッドクロスを形成したところになります。より確かなトレンド転換を求めるのであればチャートパターンがダブルトップ形成しつつあることから、このネックラインに注目し、このラインをブレイクしたところで損切りの決済売り注文をいれます。

ネックラインをブレイクしたところで損切りの決済売り注文をいれます。

テクニカル分析を使った損切りの考え方ですが、優先されるべきはレバレッジであることは言うまでもありません。そして損切りの基準はトレードスタイルによっても変わってきます。下のチャートはユーロ/ポンドの月足です。5月から8月にかけては上昇していることがわかります。ここだけみれば当然「買いポジション」をキープします。

5月から8月にかけては上昇しているので買いポジションをキープします。

次に同じユーロ/ポンドの5月から8月にかけて上昇している部分を日足チャートで表示してみました。すると毎日きれいに上昇しているわけではなく、7月17日から25日にかけて、下降していたことが分かります。もし7月17日に上昇するだろうと予想して買いポジションを持っていたとしたら25日に損切りの注文を入れることは正しい判断と言えます。しかし、5月6日に「買注文」を入れていたとしたらこの期間は「上昇フラグ」が形成されることを、余裕を持って見ていられたかもしれません。このように、損切りは「どこで建てたポジションなのか?」そして「その時のレバレッジはどうなのか?」など、総合的に見て判断する必要があります。

日足で表示すると7月17日から25日にかけて下降しています。このようにどこで建てたポジションなのか、その時のレバレッジも含め総合的に見て判断する必要があります。

最後に同じユーロ/ポンドの7月17日から25日までの間を2時間足で表示させてみました。
1週間に渡って下落トレンドを形成しています。ここだけを見てエントリーするのであれば当然「売」でエントリーする場面です。このチャートを見れば、損切りの判断も「いつ建てたポジションなのか」によっても判断が分かれることがよく分かります。

さらに7月17日から25日を二時間足で表示すると1週間に渡って下降しています。ここだけを見てエントリーするのであれば「売」でエントリーする場面です。このチャートを見れば損切りの判断も「いつ建てたポジションなのか」によっても判断が分かれることが分かります。

少額でのお取引は実効レバレッジが高くなりがちです。相場状況によっては当社に預託された金額を超える損失となる可能性もあります。

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また各国の金利差が逆転した場合、スワップポイントの受取りから支払いに転じることがあります。

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